anopara

コミティア153の弟です。すべてお話します。

これはコミティア153のレポートです。全てお話いたします。

コミティア153

「ブログも読んでますよ!コミティアの兄ですっていうやつとか」と言われて私は嬉しくなったとともに、そういえばこういうアフターレポートというか感想的なものも書いていたな、と思い、書く次第でございます。全てお話しいたします。

ちなみに前回 コミティア152はこちらの記事です。

しんどぅ~り

私はしんどい時に頭の中で「しんどぅ~り」という言葉を頭の中で思い浮かべます。シンドゥーリというのは沖縄の方言で、「ちょっとこれしんどい」という意味です。嘘です。しんどいを沖縄っぽく行ったらしんどぅ~りかな、と私が勝手に決めただけです。まあでもしんどぅ~~~りと思いながら今回も原稿をやりました。

今回の新刊は「ハピネス姥捨山 真夏のホラー特集」を書きました。これを決めたのは4ヶ月くらい前だったと思うのですが、適さんが「夏のコミティアでは 夏のホラー特集を描きましょう」「コンビニに売っている漫画みたいな装丁にしましょう」「400ページくらい書きましょう」と言ったのでそうなったのです。言葉にして口に出すと本当にそうなる。言霊ですね。そうか?引き寄せの法則ですね。そうか?

でも私はまあ、400ページは無理だと思っていたところ適さんは割と本気だったので私も何とかせねばなるまい、と、当初12ページくらいの漫画を書いておしまいにしようとしていたのを34ページ描きました。量が増えれば良いというわけではないものの、頑張った証の一つではありますな。頑張ったから良いというわけではないものの。じゃあ何だったらいいんだ。こんなことを考えていると先に進まないのでいったんこれでよし、ということに致します。

出来上がった私の作品としては、

  • キョンシー vs 宇宙人 (漫画)
  • 赦報 (小説)
  • 本当にあった不思議な話 (エッセイ)
  • なぜUFOは人類の前に現れなくなったのか(エッセイ?評論?)

の4点でした。90ページくらい書いたのかな。

キョンシー vs 宇宙人 はタイトルから出落ちのB級ホラー映画みたいなノリで作りました。ただ、自分の中では創作というものをやるときは「懐かしさ」そして「SF」を常に入れなければダメだというポリシーがあり、1990年代のオカルト特番と2000年代の2chのオカルト板の雰囲気を思い出しつつ描きました。あとは、今回の漫画では「鉛筆ツールを使うと描くのが早くなるのでは」という仮説を検証するためにコマ枠など全てを鉛筆ツールで描きました。

結果、遅かったです。二度とやりません。表現の手法としてはアリだと思いますが、作業効率化という観点では全然だめです。私にとって作業効率化というのは最重要課題であって、仕事をしながら創作をするにはこれはもう前提条件というレベルで必須のことだと思っているからです。ただしそのためにクオリティを犠牲にして良いともおもってなくて、早くクオリティの高い物を作る、ということを頑張ってます。頑張ってるんだよ。俺だってな。頑張ってるんだよ。出来たかどうかは別だ。

赦報は結構がっつりと怖い話を目指して書いてみた小説です。キョンシー vs 宇宙人がギャグも含んだ作品であって、小説も同様の雰囲気にしようかと思っていたのですが、制作中に「めちゃくちゃ怖い話をして人をびびらせたい」という気持ちが芽生えて本当に怖い話にしようと思って作ったのでした。

私はホラー苦手な人に無理矢理ホラーを見せて怖がらせるのが大好きで、だからある程度しっかりと怖がらせたかったのだ。内容としては、これも2000年代オカルト板によくあったような、回顧録みたいな文体で始まる話をイメージして書いた。あの頃のオカルト板は実体験を語るという体で実質的にホラー小説を読ませる場みたいになっていたと思う。今考えるとね。

なぜUFOは人類の前に現れなくなったのか は カーティス・ピーブルズ著『人類はなぜUFOと遭遇するのか』をオマージュしたタイトルである。簡潔に言うと、昔ほどUFOの目撃例が報告されなくなった理由の一つにはSNSの普及がある、と私は思っている。という、そういう内容だ。

新刊はBOOTHから買えます。

お肉さんありがとう

こちらで書いたように創作グループ ハピネス姥捨山の三人目のメンバーとしてお肉さんが参加してくださった。お肉さんは12月のイベントのために別の原稿があるということで、当初4ページ程度の漫画を描いて頂くということになっていた。しかし最終的には12ページもの漫画を描いて頂いた。すごい。筆が速い。

しかもお肉さんの絵はサムネイルサイズで見てもしっかり漫画ですごい。あの漫画らしさは何処で出るんだろう?私はどんだけ頑張っても「漫画らしさ」が出ない。不思議だ。私も漫画らしさを出したい、と思う。

やっぱり狂うよね

順調にずばばばばっとホラー特集の原稿を仕上げたお肉さんに対して私はまあ今回も病みながら狂いながら原稿を仕上げた。仕事もこのとき非常に忙しく、プライベートの全ての時間を漫画に注ぐみたいな事を行った。毎回このスタイルは本当にやりたくない。やりたくないんですよ。でも自分でやることを増やしてしまうんだよなぁ。

最後の一週間はもう完全に発狂していて、SNSに「もうだめです~~~」と書き続けるもうだめですbotとしても本領を発揮することができ、とても良かったと思う。

発熱、そして

ただ、そうやって私が狂うことで「有理さんが狂っているおかげで私が相対的に狂わない事が出来ます」と言ってくれたのが適さんで、そうやって私の発狂も世のため人のために役立ってるならそれはそれでいいのかな…という気分になりました。発狂、いかがでしょうか?必要であれば私はいつでも発狂して見せますよ。

そういうわけで私は発狂しつつ最後に裏表紙を仕上げて作業完了しました。

一方は今回、最後の最後で適さんが体調を崩してしまい、残念ながらコミティア欠席という事態になってしまった。わしの悪い予感って当たってしまうんですよね…。2日前くらいに「調子悪いかも」という連絡を受けたときに、なんかこう、適さんが欠席する未来が見えてしまったんだよな。

これも言霊というやつでしょうか?私が悪い予測をしたから適さんの扁桃腺が腫れ発熱したということ?そんなことがあるのでしょうか。っていうか言ってないよ。思っただけです。じゃあなんすか?思霊(おもいだま)ですか?そういえば小学校の頃、匂い玉なるおもちゃ?文房具?があり、なんか半透明の綺麗な粒で良い匂いがするという商品があり、透明のケースに入っていてとても良い感じでしたね。

あの匂い玉って何だったんでしょう?ちなみに匂い玉で検索すると扁桃腺の膿がどうのこうのみたいな話が出てきて不快なので香り玉と検索すると良いようです。香り玉で検索してみましょう。でもこれを買って学校に持って行くのは禁止ですので注意してください。とは言いつつ皆持ってってたよな。

死・死 狂い

まあそういう感じで香り玉っていうのは最後までよく分からなかったんですが、舞台はコミティアに移ります。無事入稿完了したので新刊が出るのは確定している。なんとかなります。

ただ、一人で捌くのが最近は色々大変になっていたので前日ですが明日店番おねがいできないすか…と知人Hさんにお願いしたところ快諾頂けて二人で参加できることとなりました。後述しますがこれが非常に助かりました。一人だとなにかとしんどかった。

今回の配置番号は「し04a/b」(適さんと連結サークル)で、語呂合わせ的にも死・死でホラー特集を売り、作者も狂ってるし内容もだいぶ狂ってる(私の作品は)ので非常に縁起が良かったですね。ホラー縁起が…。

会場に着いて初めて新刊と対面しました。ええやん!!!

本当に雑誌ぽかったです。

今回は木曜日に入稿して日曜日に現地直接搬入というスタイルだったのですが、間2日だけでこんな本が出来上がるという事実がちょっと怖いです。いや、印刷所さんありがとうの気持ちではあるんですが、なんでこの短期間でこれが出来るんですか????という純粋な驚き、そして驚きを超越した恐怖が少しあります。

よく分からないんですが印刷所の人は実はサイボーグで腕が6本あるとかいう感じなんだと思っています。

売る

毎回、夏のコミティアは色々と気温がしんどいです。ビッグサイト東ホールは設備の老朽化なのかエアコンの効きがもともと弱いらしく、そこに大量の人がやってくるのでとにかく暑い。今回も暑かったですが、しかし去年に比べるとそうでも無いかな…と思いました。

ただ、まあなんか……。ちょっとみんなバテてる感じがあったように思います。まず、サークル参加も一般参加も知り合いがいつもよりも少ない。やっぱり夏はしんどいからでしょうか。売れ行きに関しても正直に思ったことを言いますが、周りのサークルもいつもよりも閑散としてたように思います。

大通り(私が勝手に名付けているちょっと広い通路)には人気のサークルがいつも配置されますが、そこもいつもに比べると人がまばらでした。列もあんまり見なかったな…。

と、書いてしまうとネガティブな印象を受けてしまうかも知れませんが、全然そんなことは無かったです。いつものコミティアに比べると非常にゆったりとした時の流れを感じましたね。せかせか動かなくてもいい感じだった。

いや、さすがにそれは嘘です。せかせか動きました。

最近ですとたまに手が回らない瞬間というものがちらほらと出てくるようになってしまいまして、なんというか、平均すると一人で全然やれるんだけどスパイク的な来客負荷があると一人では手が回らんのよな。そんなところHさんが手伝いで来て下さったので大変助かりました。改めてお礼申し上げます。

今回、新刊を買って下さったSさんのブースに後で行ったら既に新刊を読んでくださっていてとても嬉しかったです。そういえば前のコミティアで『キョンシーに優しく』を買って頂いたときもそうでした。そこで冒頭の『ブログも読んでますよ!』と言われたので嬉しくなってまた今回も書いた次第でございます、はい。

終わり間際、席を外していて戻ってきたときにまた新刊を買って頂いた方がいて、ああ~ありがとうございます~作者です~などとヘラヘラしつつお礼を言ったところ、その女性は「こんにちは、○○です」と名前を教えてくださって、一拍おいて、ええええええええ!?○○さん!?と分かりやすくびびり散らかしてしまった。全然気づかなかった。た、たしかにそういえば○○さんだ…。

「女は変わるんですよ」

そう言って○○さんは去って行った。説得力がある。

その光景を隣で見ていたHさんも、「女は変わりますよ」と言って昔の写真を見せてくれたんですが、それもめちゃくちゃびびった。え!え!え!え!?これHさん!?!?となった。女は変わる × 2の洗礼を受けました。それをここで書いても全然伝わらない話だとは思うのですが思わず書いてしまった。そのくらいびっくりした。

課題

一方で課題もあった。

前からそういうことはあったのだけど、私の本の表紙が気になりました、と足を止めてくれる方は多いんですが、そこからページをめくって「あ、これ、そういうことか…」みたいになってしまうパターンが今回頻出した。

どういうことか?それは、見て頂いた方にとっては「この表紙のようなテイストのイラストが収められたイラスト集なのだろう」という期待をさせてしまっているが、実際はそうではない。という、表紙と中身のギャップが激しいという点であまりよくなかったと思う。

前回のコミティアでは「カラーのイラスト集があればそれを買ってました」とはっきり言ってくださった方もいて、そういうものが一冊くらいはあったほうが良いなと思ったのです。私はカラーのイラストを作るのに非常に苦手意識があるのですが、最近はカラーのイラストも良いと褒められることが多くなってきたので、そろそろ調子に乗ってカラーイラスト本を300冊作って全然売れなくて死亡、みたいなことを一度経験した方が良いのかもしれません。

表紙は気に入ったんだけどな~~~みたいな人が現れたときにさっとカラーイラスト本を渡せたらニーズに合致したアレがソレになんのかな、みたいな。

まとめ

熱が冷めないうちに短時間でがーーーーーっと書きました。書き足りないことがあったらまた別の記事で書くかも。ともかく、コミティア153はそんな感じでした。Hさんと打ち上げに行き、酒を飲み肉も食いました。

次回は9月21日のTAMAコミ11、その次は10月5日の文学フリマ福岡11です。

今年は多分、新刊はもう出ないはずです。狂ったことをしなければ…(しそう)。

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