anopara

文学フリマの兄です。全てお話しします。

この記事は2025年5月11日に開催された文学フリマ東京40のレポートです。

  • 出店者として参加した
  • 色々よかった
  • つかれた
  • マーケとセールス

という話が記載されています。

文学フリマ東京というのは、その人が文学と信ずる商品を持ち寄って売るフリーマーケットの事です。ビッグサイトでやってるほか、地方でも開催されています。

五反田のホテル

タイトルに騙されてここに来てしまった人に対してさらに申し訳ないことをするのですが、文学フリマの話はいったんおいといて、まずは私のお仕事事情と五反田のホテルについてお話ししたいと思います。私は文学フリマの兄であると同時にお仕事事情の弟でもあり、五反田のホテルの従兄弟でもあります。全てお話しします。

私の会社は月曜日に基本的には出社しなさいという指令が発せられている。それは社員がリアルで会うことを重視しており、それによる一体感、グルーヴ感のようなものを大事にしているという主旨だ。このことは採用プロセスで既に伝えられており、その主旨に同意・賛同した上で入社しており、現状もこのスタイルが良いと思っている。うまいランチも出ます。フリーランチです。

しかしながらこうしたイベントって日曜日に開催されることがほとんどなので、月曜日に出社しなければならないのが辛い。

私の家は八王子にあるのですが、会社は目黒です。日曜日にビッグサイトに行って打ち上げを行い、23時くらいに終電だとちょっとキツキツだから余裕もって帰るか~などと言い結局ギリギリになって家に帰ってくるのが1時台、そこから風呂に入ったりなんだりして2時、4時間弱寝てから6時前には起きて準備しないと間に合わない。辛い…。

なので五反田にホテルを取った。五反田って行ったことある人は分かると思いますが、まあ、独特な雰囲気の場所であって、となり駅の目黒とは全然雰囲気が違う。一駅しか離れてないし歩いて全然移動できる距離なのに。こういうのが東京って面白いなと思う。

なんで五反田かというと、安いホテルがあるからなんですね。そこで一泊して次の日会社に行くってわけ。

ハピネス姥捨山

さて、文学フリマ当日なんですが、新刊がまだ出来上がっていませんでした。今回の新刊は本当に厳しかった。

まあこれも話すと長いんですが、まず、「ハピネス姥捨山」というユニットがあります。

「いつになったら文学フリマの話が始まるんだ!!!」

と皆さんお思いでしょう。私もそう思います。しかしながらこれって不可分一体の話であるので長くなるんだけど説明させてください。私がハピネス姥捨て山の父です(本物)。

「ハピネス姥捨山」というのは元を正すと私が適当に考えた単語です。他にも

  • 収入印紙べろべろ丸
  • にこにこ開示請求同好会
  • 借用書に実印を押すまで出られない部屋

などがあります。時々なにかが頭にびびびっと降ってくるんです。べろべろ丸とかがね。

私は仕事でとあるWebサービスを作っています。ITエンジニアなのさ。わたしは。そんで鉄道路線の整理をしなければならなかったのですが、そこで「ハピラインふくい」という路線を知りました。ハピライン!すごい名前だと思いました。ハッピー、幸せを自称するなんて。なんかこう、般若心経みたいな感じですよね。お経を唱えれば徳を積むことにもなるしストレス軽減もなるみたいな。

あるいは結婚みたいなものかも知れませんよね。結婚すれば幸せになるみたいな。実際は結婚というのは、結婚しただけで幸せが舞い降りてくるフリーランチみたいなものではなく、結婚した上で日々の生活を二人でちゃんとやる、譲り合う、助け合う、困難を乗り越える、愛し合うとは見つめ合うことでは無くて同じ方向を見ることである、という感じの種々の体験・経験が二人を幸せにするのに、結婚=幸せみたいな思想とか困っちゃうよね、ほんと。

そしてハピラインふくい。まるでハッピー!って言えばそれで実際ハッピーになるみたいな感じじゃないですか。すごくない?そういう発想って皮肉じゃ無くてほんとに好きなんだな。私は。いいじゃん、不平不満を言うよりも進んで明かりを付けましょう、みたいな意思を感じるね。ハッピーな路線と名付ければハッピーな人たちが集い、ハッピーな都市計画、ハッピーな開発計画、ハッピーな住宅街にハッピーな商店街が出来上がることでしょう。ハピラインですからね。

それでハピラインふくいを知ってから事あるたびに「ハピネス!長時間労働!」とか「ハピネス!クレカ引き落とし!!」とか「ハピネス!不眠!」などとSNSに描き込んで遊んでいたところ(馬鹿にしているわけではないです)、唐突に「ハピネス姥捨山」の文字が頭に舞い降りてきて、それを大いに気に入り一日に何度も「ハピネス!姥捨山!」とか言っていた。ハッピーハッピーと唱えれば姥捨山だってハッピーになるよねっ!(馬鹿にしているわけではないです)

そういうことをしていた折、適さん( @suitable___ )より前々から言われていた「二人でネーム交換して漫画を描きましょう」ということを実行に移すことになった。

ネーム交換とは?漫画の下書きの下書きみたいなものを「ネーム」と呼びます。その段階ではコマ割とおおざっぱな人間と台詞だけ書かれている状態ですね。その段階までお互い書き上げたらお互いの原稿を交換して残りを仕上げる、というスタイルの制作方法です。つまり原作と作画が入れ替わってる漫画が1セットできるんだな。

そうして出来上がったのが しあわせになるために/すみよさのアンチ というセット本なんですが、これを作っている間、我々は自身のことを「チーム ハピネス姥捨山」と呼んでいた。ちょうどハピネス姥捨山ブームが来ていたときでしたから。

ということでハピネス姥捨山としてはその後、九州コミティア9でコピー本『ハピネス!!九州コミティアコピ~本』を制作し、今回『ハピネス!!文学フリマ セット本』を制作することとなりました。

で、これが本当に厳し~かったな。

3月後半から4月いっぱい、私は寝不足で死にかけており、適さんも長時間労働で死にかけており、お互いもう本当に辛くてしんどくて原稿が全然進まなかった。私は土壇場で秋葉原製作所で本を刷り、適さんは土壇場で手製のハードカバー本を作った。

それでこの事務的な体裁の封筒、製本にまとめて販売した。印鑑やゴム印などはすべてこのために発注した。内容としては漫画とエッセイである。契約書風なので左とじで作りたかったのだが、漫画が入っているためにどうしても右とじにせざるを得なかった。

写真では伝わりにくいがこれが本当にすごいクオリティで、私はぜひ一冊手元に置いておきたかったのだが、残念ながら(?)完売してしまった。

適さんはこの本を直近三日の睡眠時間の合計が6時間という状態で作り、ギリギリのギリギリまでかかってビッグサイトに届けてくれたのだった。先に入場した私が設営を終えた頃に連絡が来て、入場口まで適さんを迎えに行くと

「もうだめです~~」

と適さんは言っていた。マジでほんとにだめな様子だった。

子細は伏せるが、適さんが乗っていた電車の中で「事件」と言える規模の騒動が発生しており、隣に座っていた女の子が被害者であったらしい。その子がボロボロ泣いていたのに全く気づかなかったそうだ。申し訳ないことをした、と言っていた。しかし3日で6時間しか寝てないのだから仕方ないことと思う。

余談だが、入場口まで迎えに行ったときに「有理さん!」と呼ぶ声が聞こえてそちらを見ると久納さん ( @kuno1kokakiko )がいらっしゃってびっくりした。前回のTAMAコミで私、久納さん、適さんが一緒になったのだがここで開場時に偶然会ったのは面白いなと思った。同じ会場に行くのだからどこかでは会うのだろうけど、ぞろぞろの大量の人が列を成して進む状況ではお互い能動的に会いに行こうとしないと永遠に会えないような、そんな気分にもなる。

こんな感じで顔見知りの人があちこちから集まってきてお互い設営する行為はお祭りそのものなので楽しいよね。

かくして『ハピネス!!文学フリマ セット本』は私が設営を終え、開場20分前くらいに揃ったのだった。適さんは本を封筒に詰めると

「頑張ってください。もうこの新刊は完売しました」

と予言を残して帰って行った。ビッグサイト滞在時間は10分ちょっとくらいだったのではないだろうか。

TAMAコミに参加したとき、私は娘を連れて行って適さんと会ったことがあるのですが、適さんは後日

「『少女よ…』みたいに怪しい魔法使いみたいな謎の女感を醸し出せばよかった」

と言っていた。なんかこう、シャーマンみたいな感じだろうか?適さんに合ってると思います。実際、この新刊は適さんが予言したとおり完売しました。シャーマン!

買って頂いた皆様方、ほんとうにありがとうございました。

そういえばCOMITIA151の新刊であった『しあわせになるために/すみよさのアンチ』も開場5分前くらいに揃った本だった。このときは受け取れるかどうかすごくハラハラして、次回こういうことがあったら適さんの家まで車で行って適さんごと本を回収して会場に向かおう、などと思ってもいたのだけど、今回はあまり心配はしなかった。

適さんはよく、

「私は遅刻常習犯で、すべてギリギリで行動するので信用がないと思いますが…」

と言っているのですが、私は信用してます。『ハピネス!!九州コミティアコピ~本』も結構ギリギリなスケジュールだったけどこれも間に合った。そもそも適さんは一昨年あたりから全てのイベントで新刊(漫画)を出す、という目標を立てており、実際それを守っている。だから、今回も適さんが間に合わなくて新刊が売れないというのはあまり想定していなかった。最終的なデッドラインには必ず本が出来上がると思っている。

今回の『ハピネス!!文学フリマ セット本』に関しても一度は私がとにかくしんどくで手が進まず、「これ、今回出すの止めて次回までに仕上げることにしませんか」と提案したところ、適さんからは

「かなり魅力的な提案ではあるのですが、これがダメだと次回同じ事が起こり、再延期するたび出す事のハードルがどんどん上がっていくように思います。有理さんの文フリなので新刊を出したいという気持ちもあります。しかし有理さんの体調もあるので最終的には有理さんに判断を一任したいです」

と言われ、それで私は適さんがここまで真剣に作ってくれているのであれば私もそれに見合った成果を出さねばなるまいと思い、当初の計画からはだいぶ縮小されたものの、なんとか完成させることができた。結果、想像以上に素晴らしい物もできた。決して当初の予定の劣化版などではなくて、自信を持って売れるものに仕上がったと考えている。それは今回に限らず、毎回そうだ。

原稿を進めるのはしんどい。とにかくしんどい。しかし、しんどい人が何人かいればそれが薄まり頑張れる気がするんだな。実際、適さんと本を作ったあたりから急激に創作活動の流れが以前とは変わって良い方向に伸びている。

ハピネス姥捨山の活動としては、今後9月のコミティアで漫画を出す計画がある。どういう形態になるかは分からないが必ず出したいので完成したら見てやってほしいです。

創作は基本的には個人技であるとは思っています。ですからハピネス姥捨山も「基本的にはそれぞれが個々人で活動するが、たまにハピネス姥捨山としても行動することがある」という程度のゆるいまとまり感で活動しています。

そしてやっていて思ったのが、創作は個人技ではあれど、協力できるところは協力した方が良いとは思った。創作は個々人の世界を描くものだから協力するのは難しいと思うんだけど、現実問題それをイベントで売って誰かに届けるとなると、ある程度のチームワークがあった方が効果が高い、と思うようになった。

身も蓋もないことを言えば相互送客ということになるかもしれない。それを意図してやっているわけではないし、意図していたとしてもそれはお客さんの為になると信じている。漠然とハピネス姥捨山のメンバーを増やしたいなとも考えているが、具体的な計画は無い。

チラシを作った

この一つ前の記事に書いたとおり、当日配布するチラシを作った。

これは大成功でした。ブースの前が埋まってしまって後ろの人が待ってる状態でさっとチラシを渡して「これお品書きです!!」と渡すとそこで足止めが出来る。私がお客さんの立場だったとしても、そうやって渡されることで「あ、ちゃんと気づいて接客してくれてるんだな」という気持ちになってそこに留まろうとする意思が働くと思う。

と、同時にちゃんと声をかけるようにした。言い換えるとそれまでの私はちゃんと声を出さなかった。

会社の展示会でも出店者としてよくビッグサイトに行くのだけど、そのときはちゃんと「いかがっすかー、弊社製品」などと声をかけてチラシを渡している。でも、コミティアとか文学フリマだと別にちゃんとやらなくても怒られないため、

「まあ、欲しければどうぞ……」

みたいな感じで、最低限の礼儀と愛想を振りまくに留めていた。それを今回は会社の展示会と同じようにやってみた、ということだ。

ただ、これコンビニで両面印刷するのに1枚20円もかかるのでコストとしては高い。キンコーズに持って行っても両面14円はかかるみたいだ。となると、家にレーザープリンターが欲しくなってくる。レーザープリンターがあればコピー本を手軽に作れる。ちょっと買おうかな…と悩んでいるところ。

マーケもセールスも頑張った

物を売るってことは広報と営業が大事なんだな。私のここ10年くらいのキャリアはWeb系のスタートアップだったということもあるからだろうか、マーケとセールスをしなければ売れないのはごくごく当然のことと思っている。

よく、大きなイベントになると宣伝合戦になってしまって見て貰えない、という話を聞く。確かにそれは正しい。正しいのだが、私の認識で言えばこぢんまりとしたイベントで来てくれた人がほぼ全員のブースを見て回ってくれる、という状況はそれが普通なのではなくて恵まれているのだと思う。つまり、大規模イベントのような状況の方がむしろ普通なんじゃなかろうか。

ここでまた踏み込んで仕事の話に戻る。私は去年の6月に転職し、今の会社でもうすぐ1年働くことになる。今の会社に入った理由としては社長の考えていること、ビジョンに深く共感したからだ。そして創作活動もその影響を受けている。

弊社社長は

「上場は目的ではないし目指してもいない。一方で、牧歌的に仲間内で楽しく仕事できればいいよね、というわけでもない。俺は負けず嫌いだし、やるならトップを目指したいし、上場はしないけどその気になればすぐ出来るという状態を目指したい」

と言っていた。この考えは入社前から聞いていたのだが、すげーかっけーと思って今も聞いている。

その影響を受け、私も

「商業出版をしたりプロになることは目的じゃないし目指しても居ないが、一方で楽しく出来ることに加えてプロの仕事もやろうと思えば出来る、という状態を目指したい」

などと思っている。真似ではあるが、以前から漠然と思っていたことでもある。「プロで通用する」の基準はかなり曖昧であるものの。

だから今回の文学フリマは本気で取り組んでやろうと思って、SNSマーケも現場営業も頑張ったつもりだ。前述したとおり、4月が色々死んでいたので本当にやりきったか?と言われるとちょっと甘さが残るのだけど、それでも見合った結果が付いてきたので嬉しい。でも、まだ足りないという気持ちもあるので、いつか適切なタイミングで思い切りやりたい。

石熊さんありがとう

今回、何がなんだか分からないんだけど本当に忙しくて疲れました。やることが沢山あったからだと思う。

たとえば、『しあわせになるために/すみよさのアンチ』のセット本は以下の写真に写っている封筒

のように、茶封筒に入れた上で紐で結んでタグを付けるというスタイルでお渡ししていました。これがね、しんどい…。紙って何枚も何枚も触ると指が痛くなってくるんですよ。なんというか、指の皮膚を本来守っている水分とか皮脂とかが全部もってかれる、みたいな状態になる。だから痛いし作業も大変。いや、イベント始まる前にやっておけよと言われたらまあそうかもしれませんが。

あと、今回はお品書きを印刷してきて渡すわけですが、これもやってみるとすごく大変だった。ぱっとお品書き渡さないとダメなんですね。スムーズにお品書きを渡せるのってほんの一瞬のため。だから、渡そうと思ったら1秒未満で取り出せるようにしとかなければならないし、そのためには立ってないといけないし。狭いところに変な姿勢で立ち続けてたんでふくらはぎがつりそうになった。

そういう状況でたまに列が出来てしまうので、私もめっちゃ早口になってまくし立てるような感じになってたと思いますがこれは反省点ですね。次からはもう2スペース確保しようと思います。2スペースあれば最大4人くらいは並んで見てくれると思うので、今後スケールしていったとしても大丈夫でしょう。

そろそろ限界かな~~と思っていたところで知り合いの石熊さん(どのSNSアカウントを貼ってよいか迷ったのでリンク省略させて頂きました)が店番の交代に来て頂いたのですごく助かりました。一通り説明するのですが、『ハピネス!!文学フリマ セット本』は封筒に入れるとかなんだとか手順が多くて申し訳なかったです。

店番をお願いしてちょっと休んだ後で他の出店者のブースを回れるだけ回ってなるべく早く帰ってきました。

店番をお願いする上で悩ましいのは、あんまり長時間お願いするのが申し訳ないということが第一にあるんですが、さらに私自身もなるべくなら買ってくれた方々全てに手渡ししたいなということがあります。だから結局せかせかと回ってすぐ毎回戻ってくるんですよね。

戻ってきて石熊さんに確認すると、「何度か沢山人がくるウェーブがあって結構忙しかった」とのことでした。「おすすめは何ですか?と聞かれたけど私が書いたわけでは無いので困った。とりあえずこの辺り(今回の文学フリマで推していたSF三作品)をおすすめしておきました」とのことで。ありがたいです。

今回は石熊さんが居なかったら確実にくたばってました。文学フリマ会場に救急車が到着していたね。石熊さんはCOMITIA古参&常連で、一時期ずっとCOMITIAに参加され続けていたそうで。最近はまた創作を再開したいとのことで密かに期待しております。

また来てくれた

先に述べたとおり、COMITIA151で『しあわせになるために/すみよさのアンチ』を売ったあたりから確実に流れが変わったように思います。まず、来てくれる人が確実に増えた上、「この前買った本が面白かったのでまた来ました」という人が明らかに増えてきたのがとても嬉しい。そして、この前これ買ったから持ってないやつを……と全ての本を購入するように選んで貰えます。

一人一人完全に顔を覚えているわけではないものの、「面白かったのでまた来ました!」と言って頂いた方はだいたい覚えています。人の顔を覚えるのが凄く苦手なはずなんですけどね。イベントで声をかけられるのは嬉しいので是非声をかけて欲しいです。

買ってもらって、読んで貰って、また来て貰えるというのは作者にとってはこれ以上無いくらい幸せでかつ好サイクルだと思うので、こうして来て頂いた皆さん一人一人が楽しめるような作品作りを頑張りたいと思いますね。

ずっと私が心に決めてる哲学なんですが、『数字を追い求めるのでは無く、クオリティを高めていくことで結果的に数字がついてくる。テクニックで伸びた数字はすぐに無くなる』ということです。

売り上げという数値は重視するし伸ばすための努力もするのだけど、それはあくまでも作品のクオリティを追求することで達成すべきもので、クオリティを犠牲にしてはならないのだと。おそらくそう思い始めたのは2010年ごろだったかと思います。この頃はGoogle Adsenseとブロガーが幅をきかせていた時代で、ブログのアクセス数やGoogle検索順位をみんなが競ってました。SEOなんかはいまでもうさんくさい業者が跋扈していますが、当時から私は「価値ある記事を書けばアクセスは自ずと伸びるし、価値のない記事を検索アルゴリズムのチーティングでアクセス数を伸ばしても長続きしない」と一貫して考えていました。

創作でもそうで、まず作品の価値がないと何も始まらないんですよね。

これはドライに数字を語ることと矛盾しないとも思ってます。たとえば宣伝の投稿のインプレッションが1000あったとして、10冊売れたらコンバージョン(購入に至る)率は1%ですね。これを宣伝を倍頑張って2000のインプレッションを得たら20冊売れるはずです。でも、宣伝はそのままでコンバージョン率を倍にしても同じ20冊は達成できるはずですよね。

じゃあどうやったらコンバージョン率が上がるか?と言えば、それは宣伝の仕方でも上げれますが、作品の質を上げることでも上げれます。なら作品の質を上げることに注力した方が良いんじゃないかと思うんですよね。

すると作品の質とは何か?読者が望むことと自分がやりたいことがマッチしてなかったら?という疑問が今度は出てくるわけですが、まあ、そこら辺まで踏み込むと語り尽くせないのでこのあたりに…。

色々偉そうな事も書いてしまったのだけど、一番言いたかったことは感謝でした。重ね重ねになるが、本を買って頂いた皆様方には心から感謝を述べたいです。私に出来ることはこれからも良い本を作っていくことだと思っているので頑張りますし、それが私のやりたいことでもあります。

打ち上げ

打ち上げは非常に楽しかった。いつメン4人に、遠くから来て下さった知人を加え5人で飲んだ。ピザとかアヒージョとかパスタとか出てきて美味しかった。飲み放題なのもよかった。私は結構飲む方だと思うがあまり飲み放題を付けた飲み会に参加していない気がする。

一次会は確か9時頃終わり、そこから男二人でバーに行って11時過ぎまで飲んでいたと思う。1階のコンビニで買ったつまみを持ち込みOKで、適当な注文で何でもお酒を作ってくれて、まるで実家に居るようでとても幸せな気持ちだった。またイベント終わりにあそこに行きたいと思う。夜景も綺麗なところだった。

次回

次回はCOMITIA152です。次に取りかかる新作は私が20年くらいネタを貯めて貯めて煮詰めて煮詰めた4部作の1作目にようやく着手するのですが、それを出来たところまでで持って行きます。次回も全力でやるのでよろしくお願いいたします。

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