憑依して一緒に絵を描きますわよ!!!
この記事は私が一つの絵を描き上げるまでにどんなことを考えて作業を進めているかを疑似体験して頂けるようになっております。さあ、遠慮せず私の方に来て下さい…。そうです、この全裸の腹肉の中に分け入って中年になるのです。そうです、今です。さあ、さあ!!しょわわわわわ~ん(融合する音)
5月9日 早朝 5:00 ごろ
なんかもう一個くらい絵を描いとくか~~。だるいけど。すごく面倒くさい。でも文フリが近いので文フリまでに絵を一個描いておけばなんか良いことがあるかも知らん。あるに違いない。だって全然絵を描いてないんだもの。描くか~~~。と、久しぶりにペンタブのペンを握る。
描くアイディアはぼんやりと決まっている。普段、ぼやんと生きているので常に脳の計算能力の10%くらいを使ってどういう絵を描こうかと考える事が出来る。最近ちょっと思っているのは、実はわしはスケベな絵が得意なんだぜ、って知らしめたいこと。世間にね。いや、スケベな絵はほとんど描いたこと無いんだけど…。でも得意なんだぜ。
だからそのジャブとしてちょっと足とか出そうと思う。で、ポーズを考えてみる。あからさまにセクシャルな雰囲気は出さずにしかしなんかエロいな、みたいな絵を描きたいと思ったので、なんとなくでかい机の上に女の子が寝ているみたいな感じを想像した。なんかデカい机に女の子が寝てるとエロいと思いませんか。私はそう思います。普段、仕事とか勉強するための机。その上で寝転がることは考慮されていない机。寝心地の悪い机。そこにあえて寝るっていうのはちょっとエロいと思った。
そういうわけで机の上にゴロンしてる下書きを描いていく。途中まで描いてから「これ、タイムラプス動画撮っておけばよかったな」と後悔する。途中からでもまあいいか、と録画を始める。
その時点でここまで描いている。まず、横長の構図なのに何でキャンバスが縦長なんでしょう?馬鹿なんでしょうか。今回は最初から横長にしようと思ってたんですよね。まあいいか。
右下のほにゃにゃにゃ~んとした謎の形状のものは、ここになんかテキスト入れようと思ってたんです。なんか字を入れたいなって。私は絵の中に字を入れるのが好きだな。
人間は頭から描いていきます。書き方としてはルーミス本という有名な本がありまして、基本的にはそれに倣っています。ただ、ルーミス本は一般ピープルの素人にはやや難しいところがありますので、私はルーミス本をいったん読んだあとはyoutubeのhide channelという動画を見て勉強しました。現役アニメーターの方が解説して下さっていてわかりやすいです。
頭の球を描いて頭のてっぺんに×を描きます。球の赤道を描きます。続いて経線を描きます。この辺りの手順はつまんないし詳説するとこの記事を読むのを途中で止める人がでてくるので解説しません。途中で抜けると全裸中年男性と半分融合した異形の存在になるので注意して下さい。
しゃしゃしゃって頭を描いたら目を描きます。目はなんというか、こういう無機質なアンドロイドが居るでしょ?目の輪郭だけ描いたやつ。あれを描いているつもりで目の概形だけ描いておきます。
奥側に位置する左目は通常の位置に描きますが、右目は中央からやや離した位置に描きます。なのでよくよく見ると目の位置が正面から見たときに左右対称にならなそうな位置になってるんですが、なんというか、これ最近の流行りっぽい感じがしてます。ちょっと離れ目のほうが可愛く見えるんですよね。一方で奥側に位置する目は離さない、みたいな。知らんけど。
頭を描いたら胸郭、ケツ、手、腕、足と描いていきます。手と腕は、まず手のひらを先に描くと描きやすいです。人間が手と腕を制御するときも、まず手をどこに置きたいかを考えますよね?それと同じでまず手の位置を決めてから腕の辻褄を合わせます。すると直感的で都合が良いな。
ここまで描いたところで6:00くらいになり、日々の生活をしなければならなくなるので一回やめます。やめてから、めんどくせ~~~と思いながらゴミをまとめてゴミを出します。猫のウンコを回収してトイレに流します。その後でネコちゃんの頭をわちゃわちゃしてからオッシー(お仕事の略)をします。
5月9日 20:00 ごろ
スーパー面倒くせ~~~と思っている。でも、私はやり始めたことは完結させないと気が済まない性分である。特に絵の場合は。だから渋々で絵を進める。
第1下書きを終えて第2下書きに入った。ここではなるべく線を一本で書くことを意識し、今後描くキャラクターの素体として扱いやすい感じにする。この段階でしっかりやらなくてはならないのはケツ。ケツをしっかりと描くこと。この年になってなんで女の子のケツを真剣に描いているのだろう…と恥ずかしがってはいけない。ケツが疎かになると太ももの位置が狂い、その狂いが下半身全体に影響して全部だめになる。ケツはちゃんとケツの割れ目の位置までしっかりと描かないと分からなくなる。だからケツを描け。
ケツと同時にパンツも描いておくとなおよい。パンツを描いておくとどこが股なのか、関節はどこでどうなっているのか、何処が凹でどこが凸なのか、という補助線の役割を果たす。なのでパンツも描いておこう。上の画像だとパンツあんまり見えない体勢になるけど。
さて、この素体をベースに第3下書きを…と思うかもしれないが、いけない!!!ダメです!!!もう清書しましょう!!!
上の画像の状態まで描いたらいきなり下の画像の線画くらいまでにジャンプします。
なんでこの中間の下書きを描かないんですか?と思われるかもしれないが、答えは単純で時間がかかりすぎるし飽きるからだ。私の場合はこれ以上下書きを描いたところでクオリティが上がらないのである。クオリティを上げるとしてもこの工程を保ったまま、清書段階で線を綺麗に引く、といういことになると思う。
さて、顔を描くときはまず髪→顎のライン→目 みたいな感じで描き進めていく。
目を描くときは件のアンドロイドの目に黒目を表す丸と上下まぶたを書き込む。その次に瞳孔を描いておく。
人間は「他の人間が何処を見ているか」を感じ取る能力が非常に高い。コミュニケーションに必要だからだ。そして、おそらく瞳孔の位置までちゃんと認識して読み取っているのでは、私は考えている。光彩と瞳孔がすり鉢状になっていることを意識しつつ、瞳孔位置を描き入れる。
顔が出来た。
あんまり元気良い感じだとついて行けないのでちょっと眠そうな目に変えた。そんなにお目々ぱっちりで見つめられても……。応える元気はないよ…。
ほんとは手順としてはこれやんないほうが良いんだけど、顔をどんどん細かく描き込んでしまった。全体の概形から描いていかないと絶対ズレて後戻り作業が発生するから。でもやっちまった。今回も耳の位置がなんか後ろ過ぎる・上すぎるが、それに気づくのは後の方になってからだった。
さっさと全身描きましょうぜ!と思ったので描いた。靴紐を描くのが面倒くせーんだわ…。でも靴紐を丁寧に描くと映えるので頑張って描く。靴紐を描くのは実際に靴紐を通す順序で描いていく。そうしないとよく分からなくなる。
なんか顔にインパクトがないなとおもって、メガネを追加した。メガネを追加したところで耳の位置がおかしいと気づいて修正した。
奥側のメガネのフレームは三次元位置的には手にめり込んでしまうと思うのだがごまかした。
色わかんね~~~~
この時点で夜中の2時くらいになってしまっており、全てを諦めてトーンカーブをいじってなんとなく良い感じになったことにした。
ちなみに2時までずっと絵を描いていたわけでは無く、途中ふと気になってChatGPTと「第二次世界大戦当時、日本と諸外国はいつ頃から空母艦載機主体の時代に移ったと認識していたのか?」を議論してたりしていた。
一番最初に考えていたとおり、文字を書き入れた。何を描き入れようかなと思って、さっきまで第二次世界大戦の話をしていたので軍令部からの発令書みたいな感じ?をイメージして文学フリマの要項を書き記していった。
なんかちょっとやべー感じを醸し出したくなって、どぎつい赤を入れてみた。赤紙って感じ。いやこんなに赤くなかったと思うけど…。
さすがに色がどぎつすぎると思ったのでちょっと押さえた。
最終的に漫画っぽい仕上げも見たいなと思ってトーン仕上げにしてお品書きを作った。
良い感じ。
以上です。終わり。