【質問#226】無人島に漂流したら
質問・悩み相談の回答です。
質問
ゆりさんこんばんは!いつもお疲れさまです。 多忙なお仕事や創作活動、家事に趣味……活動的な日々を過ごされているゆりさんの毎日を拝見していると、なんとなく「ゆりさんは無人島に遭難してもうまくやっていける人だろうな」という気持ちになることがあります。 これから気候の変化で海面も荒れていくでしょうし、遭難するリスクも今後高まったり高まらなかったりすると思いますので、もしもゆりさんが無人島に漂流したらどんな立ち回りをされるのか、参考にさせていただきたいと思い質問しました。
無人島に漂流と言っても様々な状況が考えられると思いますので、ある程度条件を絞ろうと思います。ゆりさんがバイクで沖縄旅行に行く、という現実にありそうなシナリオでお願いします。
・沖縄へ向かう航路(カーフェリー)
・夏(沖縄の旅行シーズン)
・突風、落雷、激しい波のうねり等による制御不能(フェリーのエンジンの不調)
というわけで、ご教示いただきたく、よろしくお願いいたします!
回答
質問ありがとうございます!秋田で生まれて山を駆け上り川を泳ぎ育った私ではありますが意外と(?)自然のことについてはよくわからず、あんまりいい案が思い浮かばないです。ですが、リアリティを持ってググらず今ある知識だけでなんとかしようと試みてみます。
まず、無人島漂流以前の段階についても考えてみたいと思います。私はフェリーに乗ったときは必ず救命ボートの位置を確認したり注意書きや案内をよく見ます。必ず非常時の対応についての案内があるはずですのでそれに従います。同様にホテルに泊まったときなども避難経路を確認するようにしています。まあ、飲んで帰ってきたら見ないこともありますが…。
これらは工学部での経験と工場勤務の経験からですね。安全は何よりも大事で、人間は皆自分が思っている以上に馬鹿なのだという謙虚な気持ちで安全に関する説明はよく聞いておいたほうがよいです。
というわけで、第一は救命ボートに乗れるという方向で行動すると思います。
救命ボートに乗ればあとはもうほぼ自動的に助けが来るはずです。確か、フェリーに乗る程度の大きな救命ボートであれば位置を知らせるビーコンのようなものがあったはずです。ガスで膨らむゴムボートにもついていたと思います。それらは船員が乗っていれば操作してくれると思いますが、乗客しか乗ってないことも考慮して誰でも使えるようになっているはずです。適切な時期にスイッチを入れて助けを待てばよいでしょう。
さて、そのような事前準備された救命のための諸々が機能せず、例えばご質問にあるように悪天候により転覆して無人島に流れ着いたとしましょう。
悪天候が続いているならば、まずむやみに歩きません。どうせ悪天候のときは捜索の飛行機は飛びません。風雨をある程度凌げそうなところを見つけたらそこで耐えます。道中でプラスチックや樹脂製のゴミなどがあれば雨を貯める試みをする、くらいはやるかもしれませんが基本はむやみに動かず、天候の回復を待ちます。設定は夏なので、寒さで死ぬということは無いでしょう。冬ならば体温を温めることを最優先しますが、あまり策はないかもしれません。
天候が回復して、もしスマホを持っていればスマホで通信できないかを確認します。沖縄に向かうフェリーなので、無人島と言えども人が近くに居るような、本土から離れていない沿岸の島であると予想します。ですからモバイル通信が確立する可能性を諦めず試します。朝と夜で電波状態が変わるので、たとえ圏外でも何度か試します。圏外の場合、バッテリーは温存します。
もし通信が可能であれば現在の緯度経度を調べてテキスト通信で信頼できる誰かに送ることを試みた後に救助を依頼します。テキスト情報で明確な位置を送れたらそれが一番いいからです。通話でもある程度の位置は推定できるらしいので必須ではないです。
私はGPS情報を取得するアプリを入れており、位置情報は圏外であっても測定可能なので事前に調べてメモることができる状況ならばメモっておきます。GPS情報を取得するアプリが入っていなければ、Androidのデバッグメニューから見れたかもしれません。地図アプリが開けるような状況ならばそれが一番楽ですが。
さて、スマホを持っていなかった場合、あるいはスマホが壊れていたとしましょう。その時は目立つ場所にSOSの意思表示をします。流木でSOSを描く、目立つ色のゴミを並べて居場所を示す矢印を描くなど。焦らず助けを待ちます。乗船人数と救助人数がわかっていれば、行方不明者を探して必ず飛行機が飛び回ります。
飛行機が来ることを見越してなにか追加で合図できそうなものがあればそれも準備しておきます。が、ここでもむやみに探し回ることはしません。例えばなにかに火を付けて狼煙を上げる、という方法もあると思いますが、飛行機から気づくほどの規模の煙を上げるのは結構難しいと思います。キャンプで木を燃やしても大した煙は出ません。ゴムや生木があれば濃い煙が立ちそうですが、すぐに見つかった場合に利用するにとどめます。それを探し回って体力を消耗したり、汗をかいて脱水症状になったり、怪我をしたりというリスクを避けたほうが良さそうです。
もう一つ、よく見るのが鏡を使った方法です。太陽の光を反射させ、飛行機に当てるというものです。どうやって飛行機をピンポイントに狙うのか?それは片手でピースして腕を伸ばし、その二本の指の間に飛行機を収め、片目で見ながら鏡の光を指と指の間に当てるという方法です。要するに銃の照準と同じ原理ですね。ただ、しつこいですがこれも鏡や反射率の高いものが見つかった場合に限ります。
おそらく、開けた場所(砂浜など)に規則的にものを並べたり、文字を作るだけでかなり注目は引けるはずです。自然のなかで人工的で規則的な形状のものは目立ちます。ゴミや木などだったら簡単に見つかると思うので、簡単で効果の高い方法を優先します。潮の流れやすでに救助された人の位置などを勘案し、可能性の高いところから捜索を行っているはずと信じて焦らず待ちます。
状況にもよりますが、2日ほど経っても救助が来ないようであれば水の確保から優先して始めます。人間は水を飲まずに生きていられるのは3〜4日と聞いたことがあるので水を探します。
水を得る方法はいくつかあると思います。
- 湿ったところを掘って待つ
- 水分を多く含んでいそうな植物を切って雫が垂れるのを待つ
- 朝露を集める
- 雨水を集める
- 穴を掘ってビニール袋をかぶせ、真ん中に石を置いてたるませ、その下に受け皿になるものを置く
などです。漂流物に缶やパイプなどがあれば蒸留装置を作れるかもしれません。状況に応じてなるべく清潔な水を得られる方法にします。ちなみに上記の方法は米国陸軍の訓練教本を解説した本で見ました。
水を確保したら次に食料ですね。食料は虫や小動物がメインになると思います。考えたくないですが。そういうものを食べなくてはならなくなる前に助けが来ることを祈ります。ただ、こうした食料確保の段階までになったら救助活動も縮小されている段階だと思うのでなかなか厳しいですね。自力での脱出を覚悟しなければならないかもしれません。
まずは島の外周を回ってあたりを観察することから始めたらいいかもしれません。先に述べたように沖縄に行くフェリーであれば近海の島であろうことは予想できるので、視界の範囲内に本土が見えるかもしれません。また、太陽の動きから方位の検討をつけておきます。アナログ時計があれば短針を太陽に向け、12時の方向と短針の中間がだいたい南になります。アナログ時計がなければ棒を立てて定期的に棒の影の先端をマーキングしていけばだいたい南がわかるでしょう。
そしたら船が進んでいた方向から本土がだいたいどちら側にあるか検討を付け、そちらの方に大きな島が見え、かつ移動可能そうならば脱出を試みます。移動可能かどうか、というのは1時間ほど泳げばなんとか付きそう、みたいな程度の見積もりです。そのくらいであれば体力がなくとも、浮力になるものを見つければなんとか移動できると思います。例えばズボンでも浮輪を作ることは可能です。ペットボトルなどが漂着していれば一番良いと思います。
見えるのが小さな島であった場合はそこも無人島の可能性があるので、事前に人が居る可能性を推定します。夜間に明かりが見えるかどうかなど。確証がない場合は他に手段がなくなるまでそこに移動することは避けます。海を渡るリスクに加えてそこも無人島であるリスクが重なるわけなので。
もし近くにそうした島が見えなかったら?孤島のような感じだったら?島は見えるがとても泳いで移動するのは無理そうなら?そしたら、脱出を諦め、ひたすら食料と水の確保に勤しみ救助が来る、ないし、チャンスが来るのを待ちます。この段階になると精神力もかなり大事になると思います。太平洋で百日以上漂流した人の本や遭難した人の本、あるいは英国特殊部隊の人の本などを読みましたが、皆絶望的と思える状況でも必ず最後の最後まで諦めずに試行錯誤しています。最終的にはそんなことが大事になるんだと思います。
そんな感じで今ある知識で最大限のことを考えてみました。大事なことは「本土から近い場所のはずで、救助隊が早期に自分を見つけてくれる可能性がかなり高いのでむやみに危険な行動や体力を消耗する行動を取らない」かな、と個人的には思いました。