【質問#101】おウィッシュリスト
※この記事は2017年2月23日に書かれた記事を加筆修正して復旧させたものです。
質問・悩み相談の回答です。
質問
一日遅れ?ではありますが誕生日おめでとうございます。
いつもanoparaの記事には大変お世話になっております。 落ち込んだときに有理さんの痛快な記事を見ると元気になります。
相談ではなく、ただの要望なのですが ウィッシュリストの公開まだでしょうか!!!? 早くしないとamazonギフトカード送りつけちゃいますよ!!!!
それから、有理さん主催の勉強会や講義?の開催を心待ちにしております。 (有料でももちろん行きます) ブログの記事を見ていても、とても分かりやすくて理路整然としていて 人に教えるのが得意なのがとても伝わってきます。
最後に仕事と子育て、大変だと思いますが応援しております。 今日も仕事。。。シンディー。。。
※このご質問は2月16日に投稿されました。
回答
ちなみに私の誕生日は2月15日でした。
ウィッシュリストについて
私はっきり言ってウィッシュリストという仕組みはあまり好きではないです。情緒が無いというか、そういう感じなんですよね。プレゼントって、選ぶ難しさと開ける楽しみがあるじゃないですか。選ぶ人が悩んで選んだからこそ、開けるまで何が入ってるかわからないからこそ、エモさが醸し出されるわけじゃないですか。それなのに、なんですか?ウィッシュリストというのは。
「プレゼント、貰って嬉しいものが常に選ばれるわけではないし、選ぶ方も時間がかかるし、そしてその結果貰ったけど使わなかった、とかいう場合もあるわけですよね。え?それって無駄じゃないですか?そのマッチングって面倒くさくないですか?」ってひろゆきとかが言いそう。そしてそのソリューションとしてジェフ・ベゾスというおじさんがウィッシュリストという形式で実装してるんですが、これ最悪でしょう。いかにアメリカのプラグマティズムが世界をダメにしてきたかを象徴しているでしょう。
その難しさ、面倒臭さ、失敗と成功、それらすべてが相まってプレゼント、贈り物というエモさが出てくるわけじゃないですか。私の親類で横浜に住んでいるおじさん(小さい頃は横浜の叔父さんという呼称しかしらなかった。IBM勤めで金持ちだということは聞かされていた。情報はそれがすべて)がいて、私や妹(つまり甥や姪)に対してプレゼントをよく送ってきてくれたんですね。そのチョイスが子供ながらに意味不明で、例えばババーーン!!!ダンロップ!!!!とか書いたハンドバッグ(さすがにババーンとは書いてないが感覚的にそんな感じ)を送ってきたりなど、ちょっとこれよく分かんねぇな…というプレゼントが多かった。
しかしながらそれもそれで一種のエモさだとは思うんですよね。ウィッシュリストがあったらそんなに私、横浜のおじさんのことを覚えてないですよ。ウィッシュリストからなんか送ってくれるおじさんとしか思わなかったな。でも、実際はウィッシュリストではなくておじさんが送ってくれたダンロップ!!!のバッグ!!!!みたいなものが手元にあるおかげでおじさんのことが印象に残る。それってエモいと思いませんか?このダンロップ!!!のハンドバッグみたいなやつは、未だに銀行の通帳入れとして持っています。大きさがちょうどよかったのだ。
さてウィッシュリストに話を戻しますな。世の中には誠に奇怪なことに、見ず知らずの人に贈り物をしようという奇特な人が居るらしく、私は余った金があるんだったら一本でも酒を飲みたい、とにかく酒が飲みたいというタイプなのでそういう人の気持は全く理解できないです。
誕生日について
私の誕生日は2月15日です。2月14日はバレンタインデーなので、誕生日プレゼントとバレンタインデーをまとめられることが多かったです。ちなみに2月16日は偉大なる金正日元総書記の誕生日です。つうか最高指導者の役職名が書記ってなんだよ、共産圏の階級はよく分かんねぇなと2月16日が来るたびに思います。
2月15日になるたびに思い出すエピソードがあります。ブラウニー事変です。
それは私が高校生の時に付き合っていた彼女の話です。その彼女は可愛かった。とにかく可愛かった。純粋だった。
私は生徒会で書記次長という金正日の次くらいには偉そうなポストに配属されていた。書記長が彼女だった。つまり私は偉大なる金正日総書記の付き人的なポストだったと言えるかもしれない。
私とその彼女(Mちゃん)は生徒会を通じて石臼で蕎麦粉を挽いたり学園祭の段取りをしたり、一緒に受験勉強したりということを通じてだんだん仲良くなって付き合うに至った。
付き合う直前はもう本当に可愛かった。私が「髪二つに結んでるの、なんか子供っぽいギャップがあって可愛く見えるんだよねー」という話をしたら、次の日Mちゃんは髪を二つに結んできた。ドキドキした。で、試しに今度は「髪二つ結びにしてちょっと下の方で結んでるのが好きなんだよねー」と言ってみたら、次の日Mちゃんはちょっと下の方で髪を二つに結んできた。明らかに意識しとるやんけ、かわいいなと思ったのだった。
そういうのを見て私の友人もあれ行けるでしょ、これワンチャンあるで、ネコチャンはちゃっペやで、みたいな感じになり結果付き合った(ちゃっぺは北海道〜東北の方言で猫の意の方言)。大学入学に伴い遠距離恋愛になりすぐ別れたけど。
そんなMちゃんもSNSにハマって見事クソ意識高い系みたいな感じに昇格し、日々Facebookで自分の人脈をアッピールしたり、自分の子供を自分のアイデンティティとして表現して公開したり、日々のニュースに対して地元愛や自分が今住んでる街への愛や母親としてニュースに物申すみたいなことを沢山書いていて、ちょっとこういう人苦手だなと思う。
話がそれました。で、ブラウニー事変が何なのかというと、そのMちゃんからバレンタインデーに貰ったんですね。お菓子を。
顔真っ赤にしながら「これ…焼いたんだけど…失敗しちゃって…」とか言ってて、でも私はもちろん、全然いいよ!気にしないで!ありがとう!Mちゃんが作ってくれたんだから絶対美味いっしょ!とか言って食べた。食べたんだけど、まあそれは確かにうまかった。うまかったのだけど、私はそのお菓子が果たして何のお菓子なのか全然わからなかった。
美味いんだけど何なのか分からない。ちょっと不気味な響きである。たとえば2001年宇宙の旅(小説)では、主人公であるデイビット・ボーマン宇宙飛行士が地球外の知的生命体が作ったと思しきホテルの一室に迷い込み、そこでオートミールか何か(失念)のパッケージを見つけ、中に入っていた青いドロドロしたものを食べるシーンがある。そして、おそらくこの部屋は地球人である私を安心させるために知的生命体がこしらえたもので、この部屋のデザインは地球から発せられたテレビ放送の電波を傍受して再現したと思われるが、しかし味や食べ物の中身などといった詳細までは再現できなかったのだろうという考察をしている。
私はちょうどそのころ「2001年宇宙の旅」シリーズを気に入り何度も何度も読んでいた時期だったので、この謎のお菓子も実はそういう何らかの知的生命体が作ったものでこれを食べ続けると意識が遠のいていき、肉体は胎児の状態にまで還元され、最終的には電磁力や重力といった「場」に意識や自我を保存する情報生命体となって地球を宇宙から見守ることになるのかもしれない。と思った。そういう思い出深いお菓子。
それから2年位たち、私は件の謎のお菓子のことをふと思い出した。そして、果たしてあのお菓子は何だったのかということを考えた。写真が残っていればその特定も早かったことと思うが、残念ながら写真は残していなかった。当時から私はデジタルカメラを持っていたので、撮っておけばよかったな、と思う…。
私は薄らいでいった記憶を何とか思い出し、次のような特性があることをその当時の彼女(=現在の妻氏)に説明した。
- バレンタインデーに貰った
- 味はチョコっぽい
- 質感は沼みたいだった。噛むと底なし沼のように歯が沈んでいく感じだった
- ベタベタしていた
- おいしかった
- チョコっぽい色をしていた
- 焼く工程がある
- 失敗している
彼女の見解としては、「それはブラウニーではないか」とのことであった。ブラウニーか!私はその時に始めてブラウニーなるお菓子があることがあり、また、私は過去にそれを食べていたという事実を知った。私が食べたアレは外宇宙からきた知的生命体が作った物体ではなく、お菓子だったんだ…。
それからバレンタインデーになるたびに、私はそのブラウニーのことを思い出す。それがブラウニー事変。です。オチは無いです。このブログでオチを期待するほうが馬鹿だっ!
(2024年1月17日 追記: もともとはここにウィッシュリストのURLが貼られていたのですが、記事再公開にあたり削除しました)