ROI 260708
ROI
最近、技術系の意識高いブログなどなどでROIという言葉をよく目にするようになり、個人的には違和感を感じる。
文脈としては費用対効果、という意味で使っていると思われる。元々は会社の財務指標が始まりで、Return on Invest 、つまり投資に対する効果、という意味だと認識している。厳密には投資額に対する得られた利益の百分率で定義される。
既に書いたように、日本語の語彙としては費用対効果があり、カタカナ語だとコストパフォーマンス、略してコスパという名前が広く浸透している。ROIと書かれている文章でROIという言葉を「費用対効果」あるいは「コスパ」で置換できない、という文章を私は見たことがない。
書いた本人に言わせれば「いやー、費用対効果とかコスパとかとはちょっとニュアンスが違うんだよな~」とかいう話が帰ってくるかも知れないが、私の感覚としては費用対効果、コストパフォーマンス、コスパ、ROIという言葉を一般的な文面で使う際はどれも差が無いとおもっている。そもそも投じた費用に対する効果、を述べているのだから定義が比較的明確で、曖昧さが残る議論としては費用とはお金なのか時間なのか工数なのか、効果とは利益なのか売り上げなのか削減量なのか、という単位・次元の問題であろうと思う。そこをより明確にするためにROI / 費用対効果 / コスパ という語彙の違いは寄与しない。
と、書いたが唯一、ROIだけは違うと思う。ROIは前述したように財務指標が始まりであって、株式という文脈ではファンダメンタルズ分析においてよく用いられ、投資に興味がある人にとってはおなじみのキーワードだろう。であるから、ROIと言えば単位はお金なのだな、という推測に繋がる。これは文章を理解する上で大きなメリットであるのに、「費用対効果」「コスパ」と言える場面でROIとか書いてしまったらそれが一般化してしまってROIがお金の話であるという解釈が可能、という利点が損なわれてしまうと感じる。
じゃあ何で彼らはROIと書いているかというと、コスパ、という言葉に若干の頭の悪さを感じるからではないかと思う。少なくとも私はそうだ。タイパとかいう言葉が出てきてから頭が悪そうだなと思うようになった。タイパはタイムパフォーマンス(比)の略だが、もともとコストパフォーマンスのコストは資金だけではなく他のあらゆる量を包含した使われ方をしていたはずのでわざわざタイパと言い直さなくてもコスパで事足りると思っている。
その量的な意味でのコスト、を原義どおり料金と解釈して「お金(コスト)ではなく時間(タイム)だからタイパや!」という発想になっているような気がして、それが頭悪そうだなと思う。そもそもタイムは時間、時刻のことであってここで言及している時間とは時間の量であるから、 duration とか hour とか minutes とか言うのが正しいと思う。
そういう諸々から頭が悪そうという印象があり、少なくとも私はコスパ、という言葉をあまり使いたくない。コスパという言葉を聞くと、ポイ活❢とか言ってレジ前でポイントカードの束をバラバラとだしてあれでもない、これでもないと目的のカードを探したり、ポイント収集用のアプリがどこにいったかわからずスマホを見てぢっとしているような人を想像してしまう。
ROIという言葉がその代替だとするならば、そのムーヴメントには私は乗りたくない。理由は前述したとおり、ROIとは単位がお金であるという限定された意味があるのだからそこを拡大解釈して言葉の有用性を毀損させたくないからだ。
ならばどうすればいいのか?私はこういうときは日本語を使うようにしている。費用対効果。これでよい。日本語だから広く通じるし、かっこいい・ダサいみたいなバイアスがなく中立だ。