TAMAコミ11の妹です。すべてお話しします
これはTAMAコミ11のレポートです。すべてお話し致します。
全てお話し致します
ちゃんとネガティブなことも含めて全部お話し致しましょう。
えっとね、TAMAコミっていうのは多摩共産党支部が主催する「多摩支部全協労働者共産党大会」のことです。元々TAMAコミは福生で行われていたのですが、いつからかこういう仰々しい名前だと新規の人、特に若年層が入りにくいよねっていうことでTAMAコミューン、略してTAMAコミというように名前が変わりました。TAMAコミでは労働者階級の団結力を高めるための創作活動に焦点が当てられていて、資本論抱き枕カバー、全労連オリジナルアクスタなどのグッズが販売されます。大会終了後は政治将校が主導する「総括」が行われ、みんなで八王子まんじゅうを食べながら談笑します。
嘘です。本当のことをお話ししたしましょう。
TAMAコミは元々は印刷会社のポプルスとねこのしっぽが合同で始めたイベントで、初回開催時の理念を見ると
コロナウイルス感染症の影響で、未だに各種イベントが正常通り開催できておりません。また、オンラインでの交流も発展してきておりますが、どれだけ技術が進歩しても“現実のイベントと同じような体験ができるか”という点においては、やはり難しいものと感じております。お祭りの縁日でりんご飴を買って花火の光や音・祭囃子をその場で感じる体験は、どれだけバーチャルが進歩してもそれに取って代わられることは難しく、同人誌即売会をはじめとする各種イベントにおいてもそれは同じことだと思います。
株式会社ポプルスでは、自社のガレージを貸し出し小規模の同人誌即売会やフリーマーケット等を開催してまいりましたが、2004年にメッセ昭島が閉館して以来主だったイベントが開催されていない多摩地区において、今後も継続的に開催できる創作系イベントとして「TAMAコミ」を、有限会社ねこのしっぽ様と一緒に立ち上げることといたしました。
というお話が語られています。2020年から始まったのでまだ歴史の浅いイベントでございますね。今回は11回目に行ってきました。
怖いぞTAMAコミ
私がTAMAコミに参加するのは2回目ですが、1回目はなかなか…。
初回参加が前々回のTAMAコミ10でした。その時は私の知人も多く参加していた会だったのですが、話を聞いてみるとなかなか売れ行きが芳しくなく…。規模の違いなどもあると思いますが、十分の一以下くらいの売り上げで「もうTAMAコミには来ない…」という話もちらほら。私はその時はまあまあ売れたのですが、普段私よりもずっと売れている人が全然売れなかったので何が影響しているのかさっぱり分かりません。
私個人は売り上げをあまり気にしていないです。売り上げは毎回真面目に追求して伸ばす工夫をしているのですが、それはテトリスの最高得点を狙うようなもので、例え全然売れなかったとしてもそれはそれでよいと考えています。とは言えど、ね。さすがに1冊も売れないとかだとショックを受けると思う。幸いにしてそういうことは無いんだけど、もしあったらショックはショックだと思う。
私はこういった即売会系のイベントに出る度に各種統計量を計測していてある程度売り上げ予測を立てていて、かつ、それは大幅には外していない。でもTAMAコミはその売り上げ予測もだいぶ外れていて、現状は高い方向に外しているからそれはそれで良いものの、しかし低い方に外したらおっかねえな、とは思っておった。
そういうわけで、TAMAコミ11は出るかどうか悩んでたんだけど、知り合いの方に「出るなら行きます」と声をかけて頂いたので、じゃあでるか~~!家から近いし。となった。
TAMAコミの良いところ
これは私の個人的な話になるんですが、TAMAコミは近くて良い。ビッグサイトは遠い。意味分かんないよね。ビッグサイト。
いつだったか本当にびっくりしたんですけど、国際展示場から1駅くらいのところで打ち上げをして、一緒に居た方は葛飾区に帰っていき、私は八王子に帰っていったんだけど、家に着いたのがほぼ同着だったんだよね。そんなことある!?直線距離だと八王子の方が3倍以上遠いと思うんだけど…
とにかくそんな感じでビッグサイトは遠いんですわ。空間がねじ曲がっていると思う。私は毎回ビッグサイトに行く度に玄奘になったような気分でいるよ……。最近はもう本当に電車がだるいので中央線グリーン車を躊躇無く使ったりする。グリーン車で天竺へ向かう玄奘ですわ。これもまた時代よ…。
でもTAMAコミはすごく近いからいいよね。バイクで20分くらい走ればJR八王子駅、の、北口を出たらそこはきぬた歯科の看板が見下ろす庭 大遊戯場八王子放射線ロードよ。冷静に考えると「歌舞伎町の女王」って曲名なんかちょっと恥ずかしくて謎の共感性羞恥を感じてしまうのであんまり考えないようにしている次第でございます。
話が逸れましたな。TAMAコミの会場はJR八王子北口から徒歩5分くらいのたま未来メッセというところで、これは新しめの設備で非常に快適です。イベント会場が新しいっていうのはこれ、本当に大事なことなんですよ。まず、冷暖房がちゃんと機能している。聞いてるかビッグサイト東館、お前のことやぞ。コミティアの公式ブログでも「ビッグサイトは結構なお金を払って会場を借りてるのに冷房がこれというのはどうにかしていただきたい」と書かれていた。ビッグサイト東館は設備が古いので致し方ないところもある。
そしてもう一つの利点は机と椅子が綺麗!!!これはサークル参加者にとってありがたいことですよね。ビッグサイトの長机とパイプ椅子はなんか私が小学生の頃に体育館に並べていた長机とパイプ椅子を彷彿とさせる年季が入ったやつで、これもまあ味があって良いと言えばまあそうなんだけど、結構ガタつきもあるし、やっぱり新しい机と椅子があるとテンションが上がるよね。
さらに、TAMAコミはまだ参加者がそんなに多くないので会場が広く使えてるんですよ!!コミティアとかだとサークルスペースの後ろは本当に狭くてたまにグループ参加している奴らが道を塞いでいるともう通れないし、いつ後ろのやつがポスタースタンドを足でひっかけて倒して喧嘩が始まってもおかしくない、みたいな、往年の吉野家コピペ的殺伐さを感じさせるのですが(そんなにひどくないです誇張してます)、っていうか、吉野家コピペももう通じないらしいですね。若年層には。
ほんでコミティアのサークルスペースの後ろの通路はすごい狭いんですよ。コミティアのそれが動物園のふれあいコーナーでモルモットがだあーーーって通ってく細い橋みたいなもんだとすると、もうTAMAコミのサークルスペースの裏って宮殿なんですわ。タージマハル!こんなに快適なことはないよね。だって私、人間だもの。齧歯目じゃないもの。これは誇張無しで正確な表現なんですが、マジでダブルベッドが置けますよ。後ろに。私はいつかダブルベット搬入して寝ながら売ろうと思ってますわ。よろしくお願い致します。
TAMAコミでの出会い
TAMAコミ11では色々と嬉しい出会いがありました。簡潔に言うと9月頭に出たコミティアよりも楽しかったかもしれないな。
まず、Fediverseの熱量を感じました。私はMisskeyサーバーを立てて2年と半年くらいになりますが、立てた頃もクリエイターがこぞってTwitterから大移動してきた時期でした。何度かTwitter側のやらかしがあってその都度Fediverseへの大移動が始まったと語られますが、正直私は冷ややかに見ているところもあり、大勢はTwitterから離れないだろうと思ってました。
実際、こういうイベントでもTwitterの告知をみて来ました!という方はあまり見たことがなかったのですが、Twitterの告知を見てきました!という方は沢山いました。
でも今回のTAMAコミはFediverseで見ました!という方がTwitterで見ました!という方を大幅に上回っていてそれが一番びっくりしました。TAMAコミは若いイベントなのでアーリーアダプタの層と相性がいいのかなんなのか…。こんなにFediveseで見て貰えたというのは私がイベントに出始めてからで初めてだったので嬉しかったですね。
Fediverseは私が常駐しているSNSの世界なので、そこでつながるとイベントの時だけではなくて日常的にもつながるということなんですね。創作する人のネットワークがこうして構築されていくのは非常に良い。刺激を貰えます。
あと「さっきここで立ち読みしてたら面白かったから」と全部の本を1冊ずつ買ってくれた人がいたりとか(1万円くらいかかります)、買ったあとSNSでメンション付きの感想をくれた方とか、買ったあとすぐフォローしてくれた方などいらっしゃったりしてこれも嬉しかったです。
差し入れも嬉しかったです。ありがとうございました。私は気が利かないのでイベントであんまり差し入れを持って行くという行動をしないのですが…。ということを言い訳にしていてあまり差し入れを持って行こうという努力もしないのですが…すみません…。でも全部差し入れ食べました。うまかったです。ありがとうございました。すごくうまかったです。ところで、私は情けないことにまんじゅうが怖いんですが…。
あと、今回感想を頂く機会も多かったですね。私は普段、感想は要らないと思ってるんですが、貰えたら貰えたで嬉しいです。私は書くこと、作ることが目的なのでその後の評価みたいなものは副次的なものだと思っていたんです。でも褒められるならプラスしかなくて失う物がないのでなんぼでも褒めてください。感想と褒めることは違うだろーっ!!!!って言われればまあそうです。おっしゃるとおりです。
打ち上げ無し
今回は打ち上げなしですぐに家に帰りました。イベントの終わりに打ち上げ無しってだいぶ久しぶりですね。初めてでは無いと思いますけど前回がいつだったか思い出せないくらいには昔だと思う。酒好きです酒。
そんな感じで、今回のTAMAコミは私にとってかなり実りあるイベントとなりました。そう感じられたのは皆様方のおかげだと思っております。本当にありがとうございました。せっかく自分の地元八王子でのイベントということもあるので、今後も出ようと思います。TAMAコミ運営者の方々の工夫と改善も毎回感じられるようなイベントで、これからどんどん盛り上がっていくのではないかと感じさせます。
商業への挑戦
このタイトルでこの話をここに書くのはちょっとズレるかもな、と思ったんですが、TAMAコミとも深く関わるような気がする話なので個人的な決意として書いときます。
私は商業はやるつもりは無かったです。私はDIYとしての創作がすごく好きなんですよね。自分で企画して、制作して、編集して、装丁をして、マーケして、セールスするという。その各工程を全部自分でやって、自分に全部結果が跳ね返ってくるという、極限までの自由と極限までのシビアさがある、これがたまらねぇんだな…。
しかし商業での仕事となると売れる作品でなくてはならないし、自分の作品が世に出るまではチームワークが必要となり、自分以外の人の工数も消費するが為に自分で何でもかんでも自由に、とはいかなくなる。当然の話ですな。
そういうのを脇に避けといて気楽にやりたい、という気持ちもあったし、何よりも商業の品質は私には担保できないと思ってたんですよね。技量の問題もありますが、工数の問題もあります。兼業だと大した作業量は取れない。
ただ、そういう諸々を踏まえた上で、それでも商業にチャレンジできる機会があったら試してみたいというのはあったし、今回ありがたいことに現実的なプランで挑戦できる道筋を示して頂けたのでやってみたいと思います。これは何か具体性のあることが決まっているわけでは無く、単にスタートラインに立ったという以上の意味は無いです。
一方でこれまで計画していた活動もあるのでそれは後回しにするのかどうか、という問題もあり、これは正直なところあまり考えられていないです。商業へのチャレンジを優先しつつ、その結果をプライベートでの活動にフィードバックしつつ、やれることをやっていくみたいな感じになるのかなと…。
なので私がいまここで約束できるのは、創作を頑張る、ということについてのみ、ということですね。それはもっぱら自分のためであって、誰かのためにやるわけではないので約束する対象の人間は自分自身になるのだけど。