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家事の換算年収は370万円の話、大学受験の話

家事の換算年収は370万円

家で専業主婦(夫)が行っている家事を仕事として実施した時、それを労働として換算すると370万円になる、という話がだいぶ昔に盛り上がっていたのを未だに思い出す。これをもって、「主婦(夫?)は本来、370万円をもらえて然るべき!!」みたいな論をよく見た。

ただ、この論理はちょっと違うと思っていて、「家事労働の従事によって少なくとも国家が専業主婦(夫)一人あたりにつき370万円の生産力を失っている」と考えるか、もしくは家計という観点では「本来は年間370万円かかる業務を委託するところを自分で実施することによってそれを節約できている(つまり現状すでに370万円の出費を抑えてお得になっている)」ということになるはずだ。

専業主婦(夫)には本来370万円を支払うべき、という主張は誰が払うのか、という観点が抜け落ちているからあまり意味がない議論だと思う。まず、家族以外の第三者が支払うというのはおかしい。なぜならば家庭内の雑務および育児は家族内で実施すべき業務であって、それを第三者が賃金を支払って業務委託するというストーリーはどう考えても辻褄が合わないからだ。

では、仕事に出ている配偶者が本来は支払うべき賃金であるのだろうか。そこはもう家事という業務を家族内でどう分担するのかという話であるからどうであっても自由なのだが、それでもなお満額というのは厳しいだろう。仕事をしている配偶者が満額を給与として支払うのであれば、それは逆説的に「本来は仕事をしている方の配偶者がすべての家事を負うべき」ということになるからだ。

それでは仕事をしている方の配偶者が半分の家事を専業主婦(夫)に家庭内で委託しているという見方はどうだろう?これならば辻褄が合うように思う。であるから、今後はそのような筋で主張して半額の185万円をされるのがよろしいのかな、と個人的には思います。

大学受験の話

共通テストがあった。私が立てているPremisサーバーや、Misskey周辺でつながっている人たちの中にはまだ20歳前後の方々もちらほらみかけ、もうすぐ40歳になるおっさんの話に付き合って頂いてありがたいことだと思う。最近も、2年前に受けた、2年前はオミクロン株が流行ったりして大変だったという話を聞いたり、今年受けたという方もいた。

私が受けたときはセンター試験という呼称だった。

私は高校三年生になって初めて三角関数という概念を知った。微分や積分は聞いたことすら無い概念だった。そこから付け焼き刃でとりあえずセンター試験を受けた。冬だった。いつも冬だ。秋田市のホテルに前泊して試験を待った夜のことをよく覚えている。

数IAは38点で、数IIBは30点とかそこらだったと思う。英語は比較的得意で過去問で180〜190点くらいは取ったことがあったが本番では結果が振るわず、120点くらいだった。二次試験では参考書を山のように自席に積んでいる受験生が何人かいた。受かるかどうか不安だった。結果、受かっていた。受験番号を見ると、参考書を山のように積んでいた受験生は落ちていた。

初めての場に行くといつも自分がこの場で最も劣った人間ではないかと錯覚してしまう。でも、そんなことは無かった。一種のよくあるバイアスなんだろう。自分が集団の中でトップである可能性が低いのと同じように、自分が集団の中で最下位である可能性も低い。

そういう経験を何度も繰り返すと新しい場所で物怖じしなくなってくる。それを成長と呼ぶのかも知れない。図々しくなった、とも言うのかも知れない。

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