年末年始に読んでくれ! 2023年に書いた5冊の本を紹介
今までに書いた本を紹介する。気になる本があったら年末年始に読んでみてほしい。商品はBOOTHの匿名配送(双方の住所がお互いにバレない配送方法)で配送される。匿名配送はクロネコヤマトのネコポスで運用されていて、クロネコヤマトは年末年始も無休らしく(休んでほしい)、私も年末年始問わず毎日発送する所存なので、本州なら頼んだ日の翌々日くらいには届くと思う。
すぐ読みたい場合は電子書籍もある。本と電子書籍はこちらから買えます。基本的には本を買うと電子書籍も付いてきます。
以下、作者による紹介文を書いていきます。
猫の校舎
夢を元にした短編小説2本と夢日記集です。挿絵付き。B6 180ページくらいあります。数時間〜半日くらいで全部読めると思います。
表題作「猫の校舎」はこの世とあの世を繋ぐ学校で「先生」として暮らすことになった男の話。いつか味わった卒業式の記憶を掘り起こしてくれることと思います。この話の元になる夢を見たその日のうちに全部書きあげました。2万字くらいの小説です。泣きながら書き、泣きながら校正し、最後また読み返しても泣いてしまいます。すごく悲しい話ですが、最後はハッピーエンドになっていると個人的には思ってます。細かい解釈は読んだ方々に委ねたいなとは思っていますが…。私自身、夢をベースにして書いた小説なのでそこに伝えたい明確な意図などなにかあるわけではないです。
「幽霊発見機」は知人のAliceと共にAliceの姉から託された幽霊発見機なるデバイスと共に両親を探しに行く話。これも夢をベースにした小説で、7千字くらいのやや短い話になっています。
後半の夢日記は、ほとんど脚色もなく見た夢を淡々と記していくスタイルです。あまり脚色や再構成を交えず、見た夢に近い状態の話を書いています。 中には私が4歳か5歳のころに見た夢など、古い記憶のものもいくつかあります。 ややグロテスクな表現もありますが、身構えるほどの内容ではないと思っています。突拍子のない話や筋が通っていない話も多く、そのあたりはまさに夢の混沌とした雰囲気を味わえるかと思います。 私は他人の夢の話を聞くのが好きです。同じように夢の話をしたり聞いたりするのが好きな人は一定数居るだろうと思い、こんなことをしています。 本書の最後を締めくくる「自己中心的な女(2004年5月19日)」は私が初めて書いた小説でした。ただしその小説自体はすでに失くしてしまっているので 後年書き直したものを収録しています。たった6〜7ページの内容ですが、私にとっては非常に思い入れが深いです。
この夢日記と共に載せた挿絵(上掲画像)は自分では気に入っていて、良いと褒められることも多かったです。初めてコミティアに参加したときはこのロゴのポスターを下げてたらこの絵を見て立ち止まってくれる人も多かったので自分の中では「女神」と読んでます。そういう諸々の思い出も相まって思い出深い本ですが、単に思い出であるわけでもなければ賞味期限があるようなものでもないので、いつ読んでも良い話だ…と思える内容に仕上がっていると思います。
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ライク・ア・ムービー 正しい世界の終わらせ方
副題「正しい世界の終わらせ方」。全部で17万字くらいある長編です。まる一日かければ読みきれるかな…という程度の文量です。2000年代、まだみんながジャラジャラとケータイにストラップを付けていた時代のお話。田舎の高校に通う主人公は将来を悲観して鬱々とした高校生活を送るが、ようやく光明が見えた頃に世界は「正しく」終わってしまう。
前半は筆者の(ほぼ)私小説、後半はポストアポカリプス青春ストーリーになってます。サブテーマは「アラフォー世代の同窓会」を意識しました。ガラケーでメールしてたり着メロをダウンロードしたり打ち込んだりしてたあの頃に戻ってみましょう。
宣伝のために印刷したフライヤー。
タイトルの「ライク・ア・ムービー」というのは、さよならポニーテール の「まるで映画のように」という曲に着想を得て書いたからそういうタイトルになっています。内容はあまり曲とは関係が無いんですが、歌詞と一緒に読めば「ああ、なるほどな」と分かるところはあると思います。
「ライク・ア・ムービー」は当初Web上で公開していて、その頃から何度か校正したりストーリー構成を変えたりしているのですが、読むたびに私は泣いてしまいます。よく泣く。読んでくれた人の感想でも泣いた、というのをちらほら聞いて満足したというか、この感情が伝わって安心したというか。そんな感じです。恐怖感を表現したかったところでは怖かったという感想を頂き、感動を表現したところでは感動したという感想を頂き、自分が表現したかったことが正しく表現できたのかな、とも思っています。
天野というキャラクターが出てくるのですが、この人に関しては好きだという感想と嫌いだという感想の両方を貰っています。天野は物語を大きくかき回す役割のキャラクターです。物語を構想したときに最初に思い浮かんだキャラクターが天野で、その次に思い浮かんだのが主人公とヒロインでした。この話は天野というキャラクターありきのストーリーです。将来を悲観しながらも一生懸命生きていた主人公のところにある日突然やってきてすべてをめちゃくちゃにしていく、そういう役割が天野です。彼が一体なにをしでかしたのかは実際読んで確認していただければと思います。
イベントなどで出店すると、この表紙を見てガラケーを昔使っていたであろう世代の人たちが買っていってくれます。あの頃、ガラケーでメールを送っていた世代には楽しんで頂ける自信があります。もちろん、ガラケーを使ったことの無い世代の方々にも楽しんで頂けると思いますが。
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夕焼けとほしぞら
SF短編集5本と現代小説(短編)2本、計7本の短篇集です。B6、180ページくらい。
5本のSF小説は木星の衛星ガニメデの人類入植基地の人々の生活を描いた未来SFの群像劇です。ジャンルはSFですが、「SF」というジャンルが好きではない方々でも楽しみながら読んで頂けるというところを目指して書きました。雰囲気は昭和の懐かしさをイメージしています。 200年前の地球で流行っていたSNSの全データを発見した少年たちが次々と新しい発見をしていく話や、ガニメデで生活する男女の話、AIとイラストの話、地球とガニメデを結ぶ運送業者の話…などなどがあります。
2本の現代小説はそれぞれ夏と冬をテーマにした作品です。そのうちの夏をテーマにした作品、「THE END OF SUMMER IN THE PARK」はこちらで読めるので試し読みしてみてください。この短編は時間をかけたとしても10分程度あれば読み切れる程度の内容です。
5本のSF小説に関しては、私のSF作品に対する哲学のようなものを込めています。SFというのは単に世界観と事件の説明だけで完結できるジャンルではなく、その世界で生きる人々の日常があり、その日常と日常から紡ぎ出される人生と感情は我々のそれと非常に近しいものになるはずだという信念がずっと心の中にあります。今回の作品はそのテーマを具現化できました。
上記のページが本の中で一番か二番くらいに好きです。惑星間を航行する運搬船のパイロットのおじさんが子供の頃、ガニメデの入植地で発生した災禍を思い出すシーン。
上記のページも好きです。挿絵と小説の内容が上手くつながっているページを見ると満足感が高いですね。
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夢日記 まどろみのパレット
夢を基にしたイラスト、漫画、小説などの作品、夢日記などの作品を収めた合同誌です。総勢13名の方々に参加して頂いています。カラーページ含む全160ページ。美しく幻想的で、時にグロテスクな夢の世界を存分に味わえます。
主催者の私自身が夢日記をつけることが高校生の頃から習慣で、他の人の夢の話を聞くことも昔から大好きでした。いつか他の人の夢の話をたくさん聞きたい!そんな思いで企画して、今回本にすることが出来ました。できれば、夢が好きな人、夢の話がしたい人にぜひ届いて欲しい。
もう一つの思いは、今まで紙の本を作ったことがない人に紙の本を作る楽しみを味わって欲しいというものがあります。もし創作することに興味があるならば、これをきっかけに次回以降の合同誌に寄稿して頂きたい…。そんなふうに思っております。ぜひ手にとって読んでみてください。
夢ですから前後の話に繋がりがなかったり、まとまりがなかったり、オチが無かったりします。一方で夢を元にした小説も収録されていて、夢の不思議で曖昧な雰囲気を残しつつ読み物として完成された楽しさもあります。
私は挿絵付きの夢日記をいくつか投稿しましたが、なんか不穏なものが多くなってしまったような気がします。「首を締めて人を殺す」とかもうタイトルでアウトだよな、と思うんですがこの話も個人的には好きなんですよね…。
以下の挿絵(漫画?)の夢日記も個人的にはすごく記憶に残っている話です。自分に存在しない娘が居た、というような内容です。
全体的に、笑いあり不穏ありの様々な話があります。私以外の方の作品もそれぞれめちゃくちゃ良いのでおすすめです。
商品ページはこちら。(こちらは紙の本しかないです)
絵と文 Drawings and Writings 1(本+電子書籍)
B5 80ページ、計90点ほどのイラストが掲載されたイラスト+エッセイ集です。殆どはモノクロのイラストで、カラーが4ページだけあります。幼少の頃から現在までを振り返ってどのような絵を描いてきたのかエッセイを交えつつ絵を紹介しています。
子供の頃は戦車とか戦闘機とかばかり描いていたのに今は女の子しか描いてない…。けれども本当に描きたいのはSF漫画…。じゃあそれをすぐに描けばいいじゃない?なぜ描かないのか?そのあたりを深堀しつつ書いています。最終章では次回作でかつ、私が高校生の頃から温めてきたお話 "Factory on the Moon" への意気込みと裏話などを書いています。
この本は今まで作っていて一番楽しかった本です。好きな絵を書いて好きなように語る。出来上がった本をみてすごくテンションが上がりました。ミランダ スノーホワイトというラメが入ってる紙を表紙に使っているんですが、この表紙もすごく好きです。
裏表紙も気に入ってます。かなりふざけたことが書かれてます。
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まとめ
全般的に、私の小説は基本的に難しい言葉を使わず誰でも読みやすいことを優先して書いています。私は元々小説を読むのが嫌いな人だったので小説が嫌いな人の気持ちがよく分かります。
普段小説を読まない方でも読み始めればすぐに読んでしまえると思います。 簡単だからといって物語の深みに欠けるというわけでもないと自負しております。 ぜひ手にとって読んでいただけると嬉しいです。