投資のすすめ(3) NISAは絶対やれ

三回目です。

Disclaimer

この記事はあくまでも私がこれまでに独自に勉強・研究した内容を書いているのであって、専門家が執筆して編集・校閲・校正を経た出版物ほどのクオリティはありません。
妙なことを書かないように気をつけていますが、その質は保証しません。
実際の投資はご自身の意志と理解と判断に基づき行ってください。この人がこう言ってたからこうに違いない、という発想での投資は丁半博打と大差ないです。それは本記事でも同様です。

復習

しつこいですが重要なので再度書きます。1〜2回目のまとめは

  • 世界の平均株価は人類の発展に伴って上がり続けている
  • ということはいろんな株式を平均的に買い集めて放っておけば平均株価に連動して資産は増えていく
  • しかしいろんな株式を買い集めるという行為が普通の人には難しい
  • だからいろんな株式を平均的に買い集めてくれるファンド(投資信託)に資金を拠出するのが簡単

という流れでした。

インデックス(株価指標)に連動するような投資成績を目指す運用方法はインデックス運用(パッシブ運用)と呼ばれ、日本の年金を運用する機関であるGPIFや健保組合、企業年金、その他色々なところで同様の手法で投資が行われており、成果を上げています。これはごく標準的な方法で、私独自の理論ではありません。何も考える必要がなくて平均的な利回りが期待できるので素人に最もおすすめできる手法です。

GPIFの運用成績は現時点で以下のようになっています。


image form GPIF

2001年からの運用成績はなんと101兆円のプラスです。

後述しますが、GPIFは国民の年金を預かる機関なのでかなり堅実な運用方針を取っています。みなさんが世界の株式指標に連動する運用成績を目指すファンドに資金を拠出していたら、GPIFの運用成績を上回る利回りが期待できます。私も現時点でGPIFの運用成績を大幅に上回る利回りで運用できています。その方法とは前述したとおりです。何も難しいことはないのです。

なお、補足としてリスクを受け入れられるならばその他のハイリスクハイリターンを行う投資手法も否定するわけではないが、本記事で扱うのはよりローリスクローリターンなインデックス連動運用(パッシブ運用)であることも述べました。

では今回はその具体的な方法を説明していきましょう。

投資の始め方

ここまで述べてきたその素晴らしいインデックス運用の投資信託とやらはどうすれば買えるのでしょうか。いくつか方法がありますが、インデックス運用の投資信託を買うには「証券口座」を開設するのがベストです。

証券会社ではなく通常の銀行でも投資信託を買える場合はあります。でも、個人的にはこれはおすすめしません。銀行で買える投資信託は取り扱い銘柄が非常に少なく、場合によってはその銀行が運用する手数料が高くて旨味の少ない投資信託がラインナップされていたりするからです。

数ある投資信託を調べた上で自分が良いと思ったものを見つけてもそれを買えなければ意味がないので、手間がかかったとしても証券口座を開設することを強くおすすめします。

ではどの証券口座を選べばよいのかと言いますと、個人的にはSBI証券か楽天証券かのどちらかで開設するのが良いと思われます。

なぜこの2つかと言いますと、投資信託の取り扱い銘柄が2500個以上と他の証券会社に比べて圧倒的に多いからです。特にSBI証券はネット証券最大手であるので提供しているサービスも多いです。(使いやすいUIだとは思わないですが…)

私はSBI証券と住信SBIネット銀行の2つを組み合わせて使っています。住信SBIネット銀行はキャッシュカード不要でATMから出金できるなど新しいサービスを多数展開しています。スマホアプリがなかなか優秀で、認証なども使い勝手が良いです。一方でSBI証券の方は特にWebサービスの画面が古臭くてクセがあって使いにくいのですが、慣れればギリギリ我慢できます。楽天証券は使ったことが無いのでよく分かりません。ただ、要点は「自分が買いたい投資信託を買えること」なので、取り扱い銘柄数が十分多いという条件を満足していればどちらでも大きな問題はないはずです。

ちなみに住信SBIネット銀行は開設の手続きが非常にスムーズで、証券口座開設の同時申し込みもできます。スマホアプリを入れて免許証を撮影するなどすればすぐに開設できます。楽天銀行/楽天証券もそんな感じではないかな、とは思いますが。

住信SBIネット銀行や楽天銀行など、証券会社と繋がりのある銀行口座の開設は必須ではないですが、開設するとそういった口座と連携して即座に入金が可能などなどといったメリットがあります。ですから、口座を使うかどうかは別にして迷ったら同時に銀行口座も開設する、という判断でも良いかなと個人的には思います。今の所は口座に維持費がかかるわけでもないですからね。

素晴らしきNISA

証券口座を開く方法はググってその証券口座の開設申込み手順に従えばそれでOKなのですが、その開設前後で必ずやっておくことがあります。それはNISAの申込みというやつです。開設時に同時に申し込める場合は申し込んでおきましょう。

NISA(少額投資非課税制度)とは金融庁が始めた制度で通常、株式の売却益には20%という高い税金がかかるのですが、これが特定の条件を満たす間は税金がかからなくなる、という素晴らしい制度です。

NISAについては「投資枠が足りない、小さすぎて意味がない」とかいう評判をたまに目にしますが、そう感じる人は売買を繰り返す投機的な運用をしているか、あるいは年間に何百万も投資できるような裕福な人かどちらかでしょう。そのような運用をしているならば確かにNISAをやる意味は薄いですが、しかし効果が多少なりともある(少なくとも絶対に損はしない)以上は、たとえ投機をやるにせよ利用したほうがプラスです。

NISAは現時点では3種類あります。

  • NISA(一般NISA)
  • つみたてNISA
  • ジュニアNISA

それぞれ何が違うのか?は金融庁のこちらの表にまとまっています。



image from 金融庁

一般NISAとつみたてNISAは年度ごとにどちらかを選択できます。それに加えて現状ではジュニアNISAがある、という状況です。23年末で無くなるそうですが。

ではどれを選択すれば良いのか?からまず述べますと、

  • 年間の投資金額が40万円(月3.3万円程度)以下になりそう→つみたてNISA
  • それ以上の金額になりそう→一般NISA

という判断で良いかな、と私は考えています。

理由を以下に示します。以下の表は一般NISAとつみたてNISAの非課税投資枠限界まで投資した上で、非課税期間いっぱいまで運用したときの期待リターンです。

年利は22%まで書いていますが、まあ普通に考えてこんな投資先は無いです(短期的にはありえますが)。実際は株式を中心に運用したら平均7%程度になる、という感じだと思われます(上掲GPIFの資料が根拠です)。すると、得られる利益は圧倒的につみたてNISAの方が大きいですね?これは運用する期間の違いが大きいです。一般NISAがたった5年であるのに対してつみたてNISAは20年ですから。20年分の複利効果はでかいです。

ですから、年間の投資金額がつみたてNISAの限界値である40万円を下回る見込みならば、つみたてNISAにしたほうが良いでしょう。それを超える額を投資するならば、一般NISAの方が良いでしょう。

そして、良いタイミングなので値段についてもちゃんと見てみましょう。40万円を20年、平均7%(これはそこまで非現実的な数字ではないです)で運用したら114万円の利益になるんです。これが複利効果というやつですね。しかもこれ非課税ですよ?しかもこれ毎年40万円積み立てれるんですよ?すごくないですか?これがつみたてNISAの強みです。一般NISAでも、120万円を5年寝かせておけば非課税で48万円の利益になります。「毎年40万円なんて積み立てられないよ…」と思われるかも知れませんが、千里の道も一歩からですね。月々1万円でも年間12万円です。頑張りましょう。

さて、つみたてNISAの制度の話に戻ります。上の表を再度確認しますと、つみたてNISAだと選べる投資信託に「金融庁への届け出があるもの」という制限を受けるから選べる投資信託が減ってしまうのでは…と心配されるかも知れませんが、その点は大丈夫です。「インデックス運用」を前提とするならばほとんどすべての投信がつみたてNISAの対象になっています。どうしても不安があれば、事前に買いたい投信がつみたてNISAの対象であるかどうか調べてもいいでしょう。SBI証券の取り扱い投信リストは口座をもっていなくてもこちらから検索できるようで、しかも信託報酬や直近のリターンなど色々な項目で比較できます。つみたてNISA対象の投信には「つみたて」というアイコンが突いています。UIは正直ださいですが、必要なものは全部見れます。

ジュニアNISAは活かせるケースがやや特殊だと思います。ジュニアNISA、つまり子供を対象としたNISAですから通常は夫婦がいる家庭が主に対象になるでしょう。すると、夫婦はどちらも普通は成人しているので、二人で80万円(二人共つみたての場合)〜240万円(二人共一般の場合)の非課税投資枠があるわけです。年間80万〜240万円の非課税枠で足りない!という人がどれくらい居るでしょうか(先述したとおり、投機売買を除けばの話です)?なので、ジュニアNISAが活かせるパターンとなると、シングルマザー・ファザーの家庭でかつ、投資枠が120万円では足りないというケースのみに限られると思います。正直、なんでこんな制度設計になっているのか分かりません。

だからなのか、24年からはジュニアNISAがなくなり、かつ一般NISAの第一段階20万円までは20年間非課税という方向に変わるそうで、これは改善と言えるのではないかと個人的には思います。

iDeCo(企業型DC)

もう一つの税制優遇を受けつつ投資信託を購入する方法としてはiDeCo(個人型確定拠出年金)があります。iDeCoは公的な年金とは別に私的に加入できる年金制度です。似たようなもので企業型DC(企業型確定拠出年金)というものがあります。東証プライム上場企業の方々などは企業型DCをだいたいやっているのではないでしょうか。会社で「あなたの年金を運用するので、毎月どのくらいの額をどの資産に投資するか設定してね」みたいな面倒くさい紙を配られたことはありませんか?あれです。

これらは年金として拠出した資金をもって毎月決まった投資信託(や定期預金や債権など)に投資する制度です。昔は企業型DCをやっている人たちはiDeCoを利用するには条件があったのですが、いまはそれも無くなったそうなのでiDeCoは誰でも利用可能のようです。

普通の年金ですら結構な額を毎月持っていかれるのに、さらに追加で年金を払うことになるので、何が嬉しいのん?と疑問に思われる方は多いと思います。何が嬉しいのでしょうか?税制優遇が受けられるのが嬉しいのです。

iDeCoは上限1.2〜6.8万円までの範囲で自由に月の掛け金を設定できます(条件によって変わりますが、普通の勤め人であれば上限月2万円弱になると思います)。この掛け金は控除になるのでこの掛け金にかかっている所得税は年末調整で帰ってきます。所得税が20%、毎月2万円を積み立てていたとすると、ざっくり4.8万円返ってくる計算になるでしょうか。間違ってたらすまん。

運用益を受け取るとき(年金を受け取るとき)も公的年金等控除や退職所得控除の対象となるので税制優遇が得られます。

運用期間は60歳になるまでなので、若いときから始めればかなりの期間税制優遇を受けられるので強力な制度ではあります。

が、私はこれをやっていません(正確に言うと、過去はやっていました)。一つは色々と会社の事情があってできない、というのがありますが、それを差し引いても気が進まない理由がいくつかあります。

一つは、任意の時点で現金化できないという点です。老後のために資産形成!と政府やファイナンシャルプランナーなどはよく言っていますが、しかしながら人生の中でお金が必要なときは老後に限らないのです。たとえば家を買うとか子供の進学とか、そういうものですね。そういうときのために取っておく貯金はiDeCoでは運用できません。なので、自分のお金なのに自分で自由に使えないお金なのです。その代わりにNISAよりもより一歩進んだ所得税の控除というものがあるわけですが。

もう一つは、老後の税制制度がどうなるかわからないことです。最近、「退職金課税「勤続年数関係なく一律に」 政府税調で意見」というニュースがながれ、その中で

退職金所得への課税制度は終身雇用制度が前提となっており、勤続20年を超えると1年あたりの控除額が増える。転職をためらう要因にもなりかねず、委員からは「控除は勤続年数で差を設けず一律にすべきだ」といった意見が出た。

と書かれています。これをうけてTwitterではiDeCoの一時金受取も控除枠が減って増税されるのでは、という憶測や断定的な発言が飛び交いました(が、現時点でそこまで踏み込んでないことは記事を読めば分かるはずです)。

第2次ベビーブーム世代は今50代に差し掛かってますから、このあたりで税金をちゃんと取っておかないとまずいという意識があるんじゃないかと察しますが、いずれにせよ、退職金や年金の制度というのはこのように簡単に変えられてしまいます。ならば、長期間に渡って税制優遇が受けられますよ、という制度説明も個人的には信用ならないな、と疑っています。

NISAはNISAという制度で簡潔しているのでこれを反故にするというのはよほどのことが無い限りありえないと思っていますが、iDeCoの一時金受取や年金制度に関する税制はiDeCoという仕組みの範疇の外で動いているので、この点が私はどうも恐ろしいなと感じています。

まあ、上記のような不安点はあるものの、所得税がかからないという点はそれなりに大きなメリットなので、iDeCoも検討してみるのは良いと思います。

特定口座か一般口座か、源泉徴収ありなしか

証券口座を開くときに「特定口座」とするか「一般口座」とするかを選ぶ必要があります。また、特定口座は源泉徴収のありなしをさらに選ぶことができます。これは何のことかと言いますと、通常金融資産を売ったときには20%の税金が取られます。その取られる方法に関与してきます。

まず、「一般口座」というのはすべての売買の記録を自分で集めて計算して収める税金を求め、確定申告で税金を支払う、というものです。これはメリットが無いので選ぶ理由はありません。今選ぶのだったら「特定口座」です。

特定口座ではその証券口座でのすべての取引を通算して、税金を払うための情報を提供してくれます。やってもらえる分楽なので特定口座を必ず選ぶべきです。

そして特定口座の「源泉徴収の有無」、これはちょっと悩ましいところです。

源泉徴収あり、にすると売却益に勝手に20%が課税されます。すると、自分で税金を払う手続きをしなくても良いので楽ではあります。が、この方法だと損をする場合があります。

通常の確定申告(白色申告)だと給与以外の年間20万円までの利益は本来非課税なのですが、源泉徴収ありの口座にしているとこれが返ってきません。ふざけんな、返せよ、って思いますね?そしたら証券会社は「んじゃあ自分で確定申告してよ」というふうに言ってくるでしょう。だって、口座を開いてる人がどのような収益を他から得ているか、証券会社は知りませんからね。

というわけで、そういう場合には「源泉徴収なし」を選ぶわけです。源泉徴収なしを選ぶと自分で確定申告をする必要がありますが、20万円まで非課税、というメリットを活かすことができます。また、複数の証券口座を持って運用している場合はそれらの損益を全部通算して税金を計算しますから、本来支払うべき最小限の税金だけを支払うので済みます。

なんだなんだ、税金ってのはよくわからないときはとりあえず徴収しといて、それを取り返すならば自分で計算しろってか?なんともひどい話だな。と私は思います。そう思いませんか?けれど、税金ってのはそんなもんです。払わなくても良い税金は自分で手間をかけて計算しなければならないのです。

ちなみに、マイナンバーが正しく運用されれば本来は「自分で確定申告しなくてよい」「所得隠しや税金逃れを撲滅することができる」というメリットがあるので、その辺りをちゃちゃっと早くやって欲しいのですが、いつまで経っても銀行口座とマイナンバーの紐付け反対とかいう人がいて進まないみたいで、激おこです。多分、所得隠しや税金のがれをしている人たちが反対しているのだと思いますが、そういう犯罪者たちが被害者ヅラしてちゃんと納税している人たちの手続きをいつまでも煩わせる、こういうのは私は許せないと思います。

話を特定口座の源泉徴収あり・なしどちらにするか?に戻しましょう。

迷ったらとりあえず「源泉徴収あり」にしとけばいいと思います。確定申告を何度かやっていて自信があるなら「源泉徴収なし」にすればいいと思います。

そもそも、NISAがあればその投資枠で収まっているうちは課税されないですし、本記事では現金化して利益を確定させることが頻繁に無いような方法を述べます。それに、年度ごとに源泉徴収のありなしは選べるので、迷ったらとりあえず「源泉徴収あり」が楽だと思います。あり、を選ぶことで即座に本来払う必要のない税金が取られる、という可能性はかなり低いです。

もう一つ補足します。確定申告を何度もやった方の中には「投資を一つの事業ということにして青色申告をすれば、さらに非課税枠が広がるのでは?」と思う方も居るでしょう。私も思いました。ただ、知り合いの税理士にそれを聞いてみたところ、こういった資産運用を事業として認めてもらうには金融庁(違ったかも)に届け出が必要らしく、素人が投資業を事業として認めてもらうにはかなり敷居が高いので実質的に無理だと思ったほうがよい、と言われました。

しつこいですがNISAの枠でさらに結婚していればかなりの額を非課税にできるので、素人の投資運用ではその辺りで我慢しておくのが無難かなと私は思います。

という感じで、証券口座の開き方を大体述べました。疲れてきたので今回の記事はこのあたりで終わりにします。

今回は、まず証券口座を開いてNISAに申し込みましょう、というところまで話しました。次回は、その後どうやって実際に購入する投信を選んでいくか、どうやって買えばいいか、を説明していきます。