投資のすすめ(2) チャートを読むなど不可能

二回目です。

Disclaimer

この記事はあくまでも私がこれまでに独自に勉強・研究した内容を書いているのであって、専門家が執筆して編集・校閲・校正を経た出版物ほどのクオリティはありません。
妙なことを書かないように気をつけていますが、その質は保証しません。
実際の投資はご自身の意志と理解と判断に基づき行ってください。この人がこう言ってたからこうに違いない、という発想での投資は丁半博打と大差ないです。

誤解を解く

前回の記事をおさらいすると、

  • 世界の平均株価は人類の発展に伴って上がり続けている
  • ということはいろんな株式を平均的に買い集めて放っておけば平均株価に連動して資産は増えていく

以上二点がポイントでした。非常に単純な話です。上記二点が信じられない人はぜひご自身で調べてください、とも述べました。

上記を一般ピープルがごくわずかな手数料で簡単にできる方法としてインデックスファンド(インデックス連動運用の投資信託)というのがあります。もしもっと自分で深堀したい場合はそういったキーワードでも検索してみてください。証券会社などの解説ページがヒットするはずです。

今後も投資の記事はシリーズとして書いていくつもりですが、今後の記事も要約すると上記に集約されてしまうと思います。世界の平均株価は上がり続ける、ということはいろんな株に分散して投資すれば平均株価が上がった分の利益を受けられる、だから我々は「たくさんの株に分散投資する」をごくわずかな手数料で代わりにやってくれるインデックス運用の投資信託にお金を預ければよい。これだけです。

インデックスとは何か?投資信託とは何か?は、今回説明します。

今回は、前回の内容を踏まえた上でおそらくみなさんが抱いているであろう誤解と、一般ピープルが取るべきではない手法を最初に述べたいと思います。その後でインデックス運用の投資信託とは何か?も説明します。そろそろ読むのが面倒になってきた人のために現金貯金のリスク(投資をしないことによるリスク)も説明します。

なお、冒頭にも記しましたようにあくまでも一連の記事は私個人が独自に調べたり研究したりといった内容を扱っていることをお忘れなく、実際の投資判断はご自身が考えて納得の上で実施してください。

損をするケース

私は投資について知人に何度か説明したことがありますが、そのときに決まって言われるのが「損をするのは嫌だ」「投資で大損したり借金を抱えたという話を聞くので恐ろしい」という話です。

これは完全に間違いではないですが、いくつかの誤解があります。

まず、借金を抱えるというケース。これは単純明快です。よく考えていただきたいのですが、物の価値が暴落したとしてもゼロ以下にはなりようがありませんね?例えば何かしらの株式を購入したあとでその会社が倒産したとしても、株価は暴落するもののゼロ以下にはなりません。通常の株取引であなたの資産が100万円から1万円程度に暴落する可能性はあれど、マイナスに転落する、つまり借金を抱えることなどありえないのです。

ほんなら投資で借金を抱えたという話はなんやねん、ということになりますね?それは、FXや株取引などで「信用取引を行った場合」は資産がマイナスになる、負債をかかえる、一夜にして何百万円の借金を抱えるということがありうるのです。信用取引とはなにかというとその名の通り投資(投機)する人の「信用」によって執り行う取引のことであって、これはその人が例えば10万円しか持っていなかったとしても、30万円分の株取引ができるようになるという仕組みです。差分の20万円は証券会社が「貸している」状態です。つまり、例えるならば他人の金を借りて取引を行うようなものが信用取引なるものです。

もしあなたの目利きが当たって利益を得られたら万々歳ですが、一方で損失を被った(被りそうになった)ときはどうなるでしょう?その時は証券会社から「追加保証金」略して追証(おいしょう)なるものを求められます。これは、現在発生している損失分をカバーできるだけの現金預金を追加の保証金として差し出しますよ、現在の損失は補填できますよ、だからもうちょい取引を続けさせてくださいね、と証券会社に差し出す人質としての資金なわけです。もし多大な損失を被ったときはどうなるでしょうか?証券会社がこれ以上の損失は許容できない(その損失を埋めるだけの保証金が無い、追証を入れる余裕が本人にない)とみなしたときに「ロスカット」と呼ばれてそこで株式なり通貨なりを強制的に決済してしまい、そこで損失を確定させてしまいます。すると、その損失は債務として信用取引を行った本人が支払わなくてはならず、本人の運用資産すべてを差し出しても補いきれないマイナス(つまり借金)を抱えることになります。

「一夜にして数百万円の追証を求められた」みたいな話は、つまり信用取引から生まれるわけです。

ということは、信用取引口座を解説せず、自分自身の稼いだ資産のみで堅実に運用していれば借金は生まれないのです。

…と説明すると、知人からは次にこのようなことを聞かれます。

「でも、100万円の資産が1万円になることはあるのでは?」と。

それは、可能性としてはありえます。しかしながら第一回で触れたように、世界の株価は二度の世界大戦を経ても世界恐慌を経てもリーマンショックを経ても、最終的に株価はどんどん上がっているのです。ということは、株価が暴落して資産価値が大きく減ったときに金融資産(株式や債権)を現金化しない限りは、実質的に損失を受けることはないのです。つまり、生活費を確保した上で余剰資金で投資を行い、その投資した資産は長期に渡って運用してよほどのことが無い限りは現金化しなくてもよい…という状況にできれば、損失を被ることはほとんどありえません。

買ったときの値段よりも高くなるのを待ってから売れば損失は出ない。株価の平均値は上がっているのだから待てばいつかは利益が出る。ならば、短期間で現金化の必要が出ないよう余剰資金で投資を行えば良い。とういうことですね。

もう一度繰り返しますが、一連のこの記事のシリーズで紹介する運用方法で損失が出るケースというのは、「突然現金が必要になって損失を含んでいる状態で金融資産を売ってしまう」というケースのみです。それにさえ気をつければ、つまりある程度の生活資金を確保した上で余剰資金で投資をするならば、損失を被ることはほとんどありません。ただし、絶対に無いとは言えません。そして、一定程度のリスクを許容できなければ、利益を得ることも不可能であることも忘れてはならないでしょう。

値動きを予測する方法

皆さん投資というとどういうものをイメージされるでしょうか。私は投資を始める前はたくさんの画面が整列されたパソコンの前でチャートをにらみながら売りだの買いだのといった注文をインターネットを通して発する、みたいなものをイメージしていました。次に解消したい誤解というのは、これです。

前回述べたように、チャートを追うようなやり方は投資ではなく、投機です。大量の画面でチャートを見ながら売り買いするような人たちは「デイトレーダー」です。聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。インターネット経由での株式注文が行えるようになった頃に流行り始め、たくさんの画面を見て自宅でトレードするような人たちが増えてそういったイメージが形成されました。デイトレーダーはその言葉の通り、一日の範囲で株式の売り買いを行う人たちです。ごく短期間で売買を行い、株を長くに渡って保有することはありません。

FXというのもありますね。外国為替取引です。変動する通貨を短期間で両替してその価格差で儲けを得ます。

ようするに、投機というのは安いときに買って高いときに売るというごく単純な方法で利益を得ます。

そのためにチャートに線を引いたり移動平均線だのポリンジャーバンドだのといった統計的な指標を見るなどして、値動きが今後どう変動するかを見極めるわけです。こういうのをテクニカル分析と言います。本屋に行くと株式のチャートの読み方、みたいな本が山ほど売られていて解説されています。

以上は投機の話ですが、投資においてもその投資先の選定基準を選ぶということは値動きを予想する、と言えなくもないです。例えば不祥事を起こしまくっている会社よりも成長著しい分野でいち早く投資を初めて急成長している会社の方が誰だって有望だと思いますね?業績や財務状態を見てその企業の価値を推定する手法のことをファンダメンタルズ分析と言います。これも本屋に行くとたくさん本が打っています。決算書からキャッシュフローだのROEだのなんだのかんだのを計算して企業同士を比較し、本来企業価値が高いのに競合他社よりも安い株価を付けている会社の株を買い、将来的な値上がりを期待していくわけです。

将来の値動きが分かる方法があるならば、誰でも簡単に儲けることが出来ます。だから、値動きを読み取る能力を鍛えることが投資には重要だと思います…よね?

でも、私は値動きを読み取るのは 無理 だと思います。はっきりと無理です。値動きは読み取れません。無理なんです。無理無理無理無理かたつむりです。それが現時点での私の結論です。

私はこれまで値動きを推定しようといろいろなことを既に試みました。けれどもそのどれもが失敗しました。その過程は本ブログでもちょっと触れられていますので、「投資」カテゴリの記事を気になったらいくつか見てください。結論は「無理だった」なので読んでも無意味ではありますが…。

私は工学部出身です。工学部の人たちは時系列データをもとにしてその数値が進む方向を推測するような方法をいくつか知っています。

例えば、フーリエ変換という解析方法があります。スペクトラム分析とも言います。すべての波は基本的な形のサイン波の組み合わせで表現できるという性質を用いて、どの周波数がどのくらいの強度で現れるかを分析します。これを用いれば値動きの大まかな波の傾向を掴むことができます。これで分析した結果、株価や為替の値動きはピンクノイズとなりました。ピンクノイズというのは1/fゆらぎとも良い、自然界によく現れるパターンです。波や風の流れなどが1/fゆらぎのパターンを持っていると言われます。要するに、ノイズです。単にランダムだということです。

株価をフーリエ解析してこんなによくフィッティングできた!!株価が解析できた!!と喜んでいるブログを読んだことがありますが、現時点で分かっている部分で精度良くフィッティングできたことが将来価格を推定できる根拠にはなりません。その解析結果を元に将来方向へ時間tを伸ばして株価を描画していけば確かに株価らしきラインが出てきますが、それだけです。現実の株価はそれとは全く別方向に進みます。

自己相関分析という手法も試しました。これは時系列データで自分が過去のデータとどのくらい似通っているか、という分析を行うものです。これを用いても同じく値動きはランダムに近いという結果が出ました。つまり、過去データとの相関性は殆どないということです。

では今度はAIの力を借りてみましょう。私はニューラルネットワークや昨今流行りのお絵描きAIの元となった畳み込みニューラルネットワーク(CNN; Convolutional Neural Network)、あるいはRNN(Recurrent Neural Network)といった手法で株価の値動き100年分のデータを学習させて株価を予想させてみました。結果は、「上がるか下がるか」という単純な問に絞ったとしても正答率50〜52%程度でした。

株価以外の指標も利用したことはあります。ネット上に転がってる経済指標をたくさん取り込んで正答率が上がるかどうか試しましたが、ほとんど変わりませんでした。

色々試した結果、私は「値動きは予想不可能」と結論づけました。

こういった単純な分析ではAIの能力は人間を簡単に超えます。そもそも、元のデータがピンクノイズなんだから予想するなんて無理なんです。ノイズなんです。ランダムなんです。

ですから、人間が経験に基づいて定規で線を引いてああだこうだ論じるテクニカル分析には意味がない、と私は思っています。あんなものはナンバーズの当選番号を予想する数多の詐欺的な手法と大差ない、とすら思います。

ファンダメンタルズ分析はそれよりも意味がありそうだとは思いますが、よくテクニカル分析とファンダメンタルズ分析のどちらが良いのか、は長年議論の的となっていると時点で決定的なパフォーマンスの差が出てないということですから、やはり大差ないと思ってます。

そもそも、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析で値動きが本当に予測できるのならば、そういったテクニックをわざわざ他人に教えるのは不自然だとも思います。その手法で値動きが正確に予測できるのならば、皆それを使います。するとそれは値動きに影響を与えます。影響を与えたならば、その手法は時を重ねるごとに通用しなくなっていくというわけです。

いいや、そうではなく「正しい」テクニカル分析やファンダメンタルズ分析があって、少数の人が知る「正しい手法」でのみ正確な値動きが可能なのだ、としましょう。するとそのような手法は存在が秘匿され世に出てくることはまずありません。世に出て真似する人が現れた時点でその手法が徐々に通用しなくなっていくことは既に説明しました。以上を踏まえるならば、一番儲けられる方法は「テクニカル分析やファンダメンタルズ分析のやり方を売る」ということになります。つまり、本屋にそういった本が山ほどあるのは、そういうことだと思います。

リスク許容度

ここまでテクニカル分析とファンダメンタルズ分析をこき下ろしてきましたが、しかしそれらの手法は取るべきではない、とは私は言いません。そこは投資においてどの程度リスクを許容できるかが重要です。証券口座を開くとどこかで「どの程度のリスクまで許容できるか」みたいなアンケート的なものを取らされると思いますが、この質問は非常に重要なわけです。リスクを取らなければ成果が得られないのは投資(投機)も同じだからです。

少数の株式に多くの資産を投入することはその企業の業績や企業運営により依存するようになるので分散投資と比べてリスクは上がる、と説明しました。投資で言うリスクというのは「値動きの大きさ」のことです。一般的にリスクが大きい投資先ほど平均すると高い収益が望めます。小額の資金で一攫千金を狙うという行為をするならば逆に分散投資は効率が悪くやるべきではありません。小額の資金で一攫千金を狙うならばリスクの高いことをする必要があります。

つまり、株でそれをやるならば企業分析(ファンダメンタルズ分析を含む)と業界研究をしっかりと行い、「皆がまだ気づいていないが高い確率で値上がりが見込める株」を見つけてそれに小額の資金すべてをぶっ込む必要があります。このような方法はより投機的な方法と言えるでしょう。

投機的な手法はとにかく結果が極端です。信用取引で保有資産以上の負債を抱えることもあれば、逆に主婦がFXでx千万円儲けた、という話も出てきます。博打に近い手法を使っているわけですから、当たれば大金持ちだし、外れれば借金、というのは自明です。大金持ちになった、借金を抱えたという結末だけが注目されがちですが、そもそもその手法の性質をよく知って吟味することがまずは重要でしょう。

そして、これらを含む数多の投資・投機の方法を我々は自分の意思で選択できるということもまた重要です。こういう記事を読んでいると、少なくとも読んでいる間は書き手の意見に流される傾向が強くなります。私は強く分散投資をおすすめしますが、これは私がリスク回避的な性格だからということであるので、リスクテイカー的な性格の人であればより投機的な方法をとっても良いわけです。別にそれが犯罪になるとかいう話ではないですからね。もちろん、両方の手法を併用しても良いわけです。そういった視点も頭の隅に置いておくとより視野が広がるかな、と思います。

アクティブ vs インデックス

話を「値動きは予想できるか?」というところに戻していきます。

ここまででファンダメンタルズ分析やテクニカル分析、またはAIや統計的手法、工学的手法を用いた分析はほとんど成果を挙げなかったという話をしました。ただし、後半は私の独自研究ですね。それを信じられる人は少ないでしょう。

まあでも、「私がやったけどダメだったよ」という話以外にも値動きは予測不可能だと思える根拠はまだあるのです。

世の中には投資ファンドというものがあります。「ファンド」とは基金という意味ですね。投資家たちが拠出したお金(基金)をそのファンドを設立した会社が投資運用する。その収益は投資家たちに拠出したお金の比率に応じて還元される。運用会社はその利益から一定の手数料を得て自分たちの利益とする。こういう仕組みです。そしてファンドの中でも行政の監督が入って一定の基準を満たすものを特に「投資信託」と呼びます。

ファンドは大きく分けて二種類あります。アクティブファンドとインデックスファンドです。

インデックスファンドは単純です。前回「テキトーに株を買えば経済成長に応じた利益が得られる」と述べましたが、それをプロがやってくれます。「テキトーに買えば良いんだから、自分でやれば良いんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、個人で数多の株をテキトーに買う、は結構難しいのです。

まず、株式には最低取引単位というのが決められており、基本は100株単位での売買になります。トヨタ自動車の株価は今調べたら2000円くらいだったので、最低20万円ないと買えないわけです。こんな調子で買っていったら一般ピープルの資金力ではすぐに限界が来ますね。ちなみに、各証券会社で「単元未満株」という取り扱いがあり、これは1株単位で売買できるので小額でも株を保有することが可能ですが売買に追加の手数料がかかりますし、たとえ1株単位で買えたとしても平均株式指標に近づけるように沢山の株式を購入していくのは非常に手間です。

あとは、持っている資産の平均評価額が平均株価と連動するように買っていかないといけないので定期的にどの株をどれくらい持つかという資産構成比率を調整していかないといけませんが、それも面倒くさいところですね。

そういうところを代わりにやってくれた上で、庶民が5000円とか6000円とかいう半端な金額を拠出したとしても、ちゃんと数多の株式を購入したのと同じような扱いにしてくれるのがインデックスファンドの良いところです。

ちなみにインデックスファンドでは手数料を取ると何度か書きました。ここで言う手数料とは正確には「信託報酬」と言います。信託報酬はお金を預けて運用してもらうために支払う手間賃と考えれば良いでしょう。インデックスファンドの信託報酬は年々低くなっており、年間1%を切るのは当たり前、最近では年間0.1%を切るようなファンドもあります。信託報酬が0.1%だったとすると、100万円預けていたとしても年間たったの千円です。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人。日本の年金を運用している機関)では平均的なリターン(年間の利益率)を国内株式の場合は5.6%、外国株式の場合は7.2%と推計しています。つまり、十分な期間運用していれば信託報酬を大きく上回り利益は期待できるということです。

一方でアクティブファンドとは何でしょうか。アクティブファンドとは前述したようなテクニカル分析やファンダメンタルズ分析、その他いろんな手法と経験を駆使してインデックスファンドが指標としているような日経平均だのダウ平均だのといった指標の伸びを上回るような投資成果を目指すファンドです。なので、手数料もインデックスファンドよりも多めに取ります。試しにSBI証券の取り扱いリストを検索してみると、2〜3%の信託報酬を設定しているファンドが多いように見えました。

分散して投資するのではなくてプロがちゃんと考えて上がる銘柄を選んで運用するのだからアクティブファンドではさぞたくさんの儲けが出るのだろう…と思いきや、実はそうではないとデータを使って示した本があります。「ウォール街のランダムウォーカー」という非常に有名な本がそれです。この本では過去のデータからアクティブファンドの長期リターンが市場平均を下回ることを示しました。過去のデータを分析すると、そういったプロが運用する方法よりも市場平均値に近くなるように株式を適当に買っていく手法(≒インデックスファンド)の方がパフォーマンスが上がった、そうです。

これが本当ならば高い手数料を取るアクティブファンドにお金を差し出す必要は無いどころか、プロの人たちですらそうなのですから、我々素人がテクニカル分析だのファンダメンタルズ分析などやっても太刀打ち出来ないということです。それどころかそれよりもずっと簡単な「テキトーに買って市場平均に近づける」方法が一番良いということになります。

ここまで書けば、まずは我々素人の一般ピープルがテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を行ったところでさほど良い結果は残せなそうだな、と思えてくるのではないでしょうか。私はそう思いました。

何よりも、本記事をお読みの皆様はおそらくは普通の勤め人だと思います。大して投資に興味がなく、わざわざ投資のために時間を割くことが出来ないのにテクニカル分析だのファンダメンタルズ分析だのといった解説本を読んで失敗しつつ試行錯誤していく、というような時間はあるのでしょうか。しかも、日本の取引所で取引するならば市場は平日9時-15時です。

それでもなお、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析をやりたい!というのならば、それも良いと思います。既に述べたようにそういった行為は私は絶対にやるべきではないとまでは思いません。ただし、しつこいですが自分がどの程度のリスクを許容できるのか、そして自分が今実行しようとしている方法にどれだけのリスクがあるのか、という2つのことはリスクが大きいほど正確に評価する必要があるとは思います。

俺はインデックスファンドを選ぶぜ

ここまでで自分で直接株を売買する方法は勤め人にとっては中々大変だということは分かって頂けたかと思います。だから、我々のような庶民は信頼できるファンド、特に投資信託にお金を拠出して拠出した金額に比例するリターンを受け取る、というのが現実的な方法であります。で、私がこの一連の記事で説明したいのはその「インデックスファンドの投資信託を買う」ということですね。私は勤め人(というかほとんどの家庭)にとってはそれがベストだと思っています。

ただ、「投資信託をする(安い信託報酬でプロに運用をお願いする)」、までは納得できたとしても「アクティブファンド」 vs 「インデックスファンド」の論争は昔から多数あります。先述した「ウォール街のランダムウォーカー」を読めばアクティブファンドを利用するメリットは無いと思うでしょうが、しかしググると「アクティブファンドの方が実際は平均的には儲けている」といったデータもいくつか出てきます。私自身は元になるデータを持っていないので計算したことはありません。ただ、確かに証券会社のサイトで検索するとインデックスファンドよりも儲けているアクティブファンドは確かに見つかります。

ならば自分で分析するのはともかく、アクティブファンドに資金を拠出するというのならば大きな間違いではないのでは?と思いますね。

これもどこまでリスクを許容できるか、という話になってくるでしょう。アクティブファンドはその目的が「特定の指数を上回る成績を目指す」ですから、そもそもがインデックスファンドを超えることを目的としているのです。上手く行けばアクティブファンドはインデックスファンドよりも儲かるのです。しかしながら儲かっていないところも当然あります。平均的に投資すればリスクは極小にできますが、アクティブファンドを選んだらそのファンドのファンドマネージャーの腕に投資成績がかかってくるので、リスクは大きくなります。アクティブファンドにお金を入れるというのは、インデックスファンドに比べるとハイリスクハイリターンな戦略を取っている、とまでは言って良いでしょう。

そして投資においては、基本的には儲かるものほどリスクが高いということになります。一攫千金を狙うか、安牌を取るか、これはどちらが良い、悪いという話ではなく、何処までリスクを許容できるかという話になります(しつこいですが)。

ただ、これも誤解しないでいただきたいのですがアクティブファンドがハイリスクハイリターンとは言ってもそれはあくまでもインデックス運用のファンドに比べれば、という話です。世間一般で言う「ギャンブル」というほどの大きなリスクがあるわけではありません。投資する対象や運用方針によって千差万別ですが、そもそも投資信託は法定の監査があるのでそこまで無茶苦茶にリスクが高い投資というのはできないはずです。さらにアクティブファンドであっても多くの銘柄に分散して投資するわけですから、少なくとも個人で少数の企業の株式を保有しているよりはずっとリスク分散が出来ていると考えて良いと思われます。

それでもなお私はインデックスファンドを選んでいます。理由は、リスクを取るにしても自分が分からない方法で取りたくはないからです。勤め人の兼業投資家ではファンドの良し悪しを語れるほどに経済と金融に精通するのは相当な労力がかかります。そんな労力をかけるならば本業や堅実に稼げる副業に時間を投入して収入を伸ばしたほうがずっと効果的です。このような状態では、目論見書(ファンドがどのような方針で資産運用を行うかが書いてある書面)を斜め読みして分かった気になってなんとなくで預け先を選ぶことになってしまします。私は「なんとなく」なリスクは取りたくなく、少なくとも自分が納得した上でお金を預けたいのです。

インデックスファンドならば運用方針はシンプルです。株価指数に連動する投資成績を残す。つまり、そのファンドの良し悪しは「どれだけ目標とする指数に近づけるか」です。これくらいならばチャートを見れば素人でも判断できます。

やはり、私はギャンブルが嫌いなのです。ほどほどのリスクの上でリターン(利益)を最大化したいならばインデックス投信一択になる、私はそう判断しています。

ここまでのまとめ・現金貯金のリスク

ここまで書いてきたことを見て、「なんかもう面倒くさいな…現金貯金でいいかな」と思った人もいらっしゃるのではないでしょうか。いやいや、もうちょっと待ってください。次回の記事では具体的な方法の説明に入りますから。

もう一回書きますが、私が伝えていることは非常にシンプルです。

  • 世界の平均株価は人類の発展に伴って上がり続けている
  • ということはいろんな株式を平均的に買い集めて放っておけば平均株価に連動して資産は増えていく

なのですが、「いろんな株式を平均的に買い集める」ことが一般ピープルの資金力・余暇でやるには辛いので

  • いろんな株式を平均的に買い集めるインデックス運用のファンド(投資信託)に資金を拠出する

をすればいいだけです。

投資信託を買えば良い、これだけ分かったらあとはもう少しです。

それに、もう一つ怖いことを言うと 現金貯金のリスク というものもあるのです。

「現金貯金が減らないから一番安心」と思っている人は多いですが、それは間違いです。現金貯金というのは、いわば一つの資産にすべてを突っ込んでいる状態と言えます。資産は分散した方が良い、とこの記事では何度も書いてきました。投資の世界では「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。かごを落としてしまったらすべての卵が割れるわけです。日本円の現金貯金(定期預金)のみを持っている状態は、まさに卵を一つのカゴに盛っているリスクの高い状態と言えます。そのカゴを落としてしまったら、すべてが割れてしまいます。

じゃあカゴが割れるとは具体的にはなにか?それは今回の円安が好例ですね。日本円に預貯金の全額を突っ込んでいる方々は、今1ドル150円くらいですから、1ドル110円だったときと比べ、海外通貨から見れば価値が73%くらいになっていると言えます(正確に言えば日本国内に住んで外貨で決済することはほぼ無いですから、実質的なダメージは小さいですが)。1/4の貯金が何もせず消えたようなものです。それに加えて原材料の高騰によって物価上昇率はなんと3%に達しました。こちらは一般庶民がダイレクトにダメージを受けます。あんなに日銀が頑張って物価上昇率2%のインフレを目指したのに、プーチンのバカ野郎のせいでスタグフレーションです。給与の向上を伴わない物価上昇で、何も嬉しくない曲面です。物価が3%上がって貯金が1/4減っている。たまったものではありませんね。

これがもし、日本円以外の海外資産を持っていたら、逆に利益になるわけです。手前味噌で申し訳ないですが、私も今回の円安で多少の利益を得た一人です。私は、米ドルでアメリカの投資信託(ETF)を買っていたのですが、今回の円安でそれをすべて売り、そのお金で更に投資信託やETFを買い増しています。ETFが何か?はまた別の記事で説明します。

こうやって日本円以外の資産を持っておけば、円安になろうとも円高になろうともどちらでも得をする状況を作り出すことができ、差し引きの損失を最小化・あるいは今回のように逆に利益にすることができます。

だから、「現金貯金が一番安心」なんてのははっきりと嘘なのです。投資にはリスクがあります。そしてもちろん、日本円の現金貯金にもリスクはあります。現金貯金がゼロリスクという認識は誤りです。

もう一点、現金の預貯金は経済成長の恩恵を受けることが出来ません。株式であればこれまで何度も説明したように経済成長に応じてその資産は変動し、平均すると増えていく傾向にあります。そして経済成長が発生すると、インフレになって物価が上がっていきます。現金預金はインフレによって資産が目減りするとともに経済成長の恩恵を受けられない資産です。例外的に、バブルのときは銀行の預金に異常な利息が付きましたので現金預金も恩恵を受けました。でもそういう例外が無い限りは現金は現金のままです。今後、あんな預金金利になることはまずありえないでしょう。

現金を株式資産に変換していれば、経済成長に応じて資産は増えていきます。そして経済成長はインフレを引き起こします。インフレとは貨幣価値が下がる現象です。つまり、現金預金は経済成長の恩恵を受けず、かつそのまま放置しておくことでインフレによって少しずつその価値が減っていくわけです。まあ、日本はずっとデフレなのでそういうことは長らく無いですが…。

という感じで、今回は終わりです。

次回からは投資信託を使った投資をする、ということを前提にして話を進めていきます。