ロシアによるウクライナ侵略まとめ(2022)

あとになったら情報が散逸してわからなくなりそうなので自分なりにまとめておきます。ソースは見つかれば貼るが、なければ自分の記憶で書く。自分用のまとめなので基本的には自分が気になるところしか書いてなかったり、自分の感想なども書いていきます。

とにかく忘れないように書くことを最優先としているので、もし間違ってるところがあれば指摘していただけるとうれしい。

開戦前夜

2021年11月30日

Twitterでウクライナ侵攻について始めて自分が言及したのがこの日だった。このころにはロシアはもうウクライナ/ロシア、ウクライナ/ベラルーシの国境にロシア軍が集まっていた。確か、年内の侵攻もありうるという見方もあったように記憶している。12月中旬には侵攻可能な部隊が集積されるとかなんとか…。

12月?くらいの段階で野戦病院の設営部隊や極東の部隊も移動しつつあり、単なる演習ではないというのが誰の目にも明らかだった。当初、ロシアはベラルーシとの演習であると公的に発表していた。

22年2月?には一時、演習が終わったので部隊が帰還しているという発表がありすこし戦争回避への期待が持たれた。実際に帰還しているの衛星写真でも確認されたという話があって、すぐにそれは別の衛星写真で否定された。

露国防省は15日、ウクライナ国境付近で増強した部隊の一部が撤収を開始したことを示唆。ラブロフ露外相も米欧との外交交渉を本格化させる意欲を示した。
ロシア、緊張緩和に着手か ウクライナ国境から部隊一部撤収

2022年2月

オリンピックが始まったが、同時期はもうきな臭くなった。

年末あたりから侵攻可能な部隊が集まったか否か、という点に国際社会の視線が集中しており、もう侵攻可能だとする見方と、いやまだだ、という見方のうち後者はだんだん少なくなって、オリンピック時期になるともうすでにバイデンも「ロシアはいつでも侵攻可能だ」「プーチンが進行すると意思決定した証拠がある」などと言っていた。

一気にTwitter軍事クラスタの方々が「これはもうアカンかもな…」という雰囲気の論調になってきたのは、マクロンとの会談が不発に終わったあたりからだったと思う。

ロシアのプーチン大統領はウクライナ危機を巡る今週のマクロン仏大統領との会談で、大半の時間を冷戦終結後の不満に費やしたと、マクロン大統領の側近2人が述べた。

側近によると、プーチン大統領は会談で、ポーランド、ハンガリー、チェコなどの北大西洋条約機構(NATO)加盟につながった1997年の合意に関する問題に何度も触れ、この合意はNATOを拡大しないという従来の約束に反すると述べたという。

NATO側はそのような約束は一切していないとしている。

プーチン大統領はまた、14年のウクライナ騒乱について「クーデターだった」としたほか、19年に選出されたウクライナのゼレンスキー大統領について「米国にコントロールされている」と述べたという。

側近は「われわれは今回の5時間以上に及ぶ会談で、現在のプーチン大統領が3年前から大きく変わったことを実感した」と指摘。19年にフランスで行われた仏ロ首脳会談では今回ほど「強硬的ではなく、歴史を重視していなかった」とした。

プーチン氏、冷戦終結後の不満に終始 仏ロ首脳会談で=仏関係筋

これと前後してバイデンとプーチンの電話会談が何回かあった。

AP通信によると、バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領の電話会談が12日(日本時間13日未明)、始まった。
米露首脳電話会談始まる

ロシアによるウクライナへの侵攻が迫っていることから緊張状態が続いている中、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はジョー・バイデン米大統領とウラジーミル・プーチン ロシア大統領に「米露首脳会談」を提案し、双方は承諾した。
マクロン大統領「米露首脳会談」を提案…米露双方が「承諾」

しかし24日の首脳会談は中止になった。

「ロシアがウクライナに侵攻しないこと」を前提条件としていた。ブリンケン氏は「いまや侵攻が始まり、ロシアが外交を拒絶することを明確にした。会談を実施する意味はない」と述べた。
米ロ外相会談は中止、首脳協議も白紙に 「侵攻しない」条件満たさず

これは22日にロシアがロシア派地域の独立国家承認を行ったためだ。プーチンへの承認要求は21日に発せられている。

ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナの東部2州のうち、親ロシア派が事実上支配している地域について、独立国家として一方的に承認する大統領令に署名しました。
ロシアがこの地域への影響力を一段と高めることに、欧米の批判がさらに強まるとみられます。
ウクライナ親ロシア派地域 “国家として承認” プーチン大統領

「ドネツク人民共和国」「ルハンスク人民共和国」のロシア派住民の虐殺を阻止するため当該地域に軍事部隊を派遣する、という名目で侵攻が始まった。

もともとアメリカの交渉自体、ロシア軍の兵站を崩壊させるためでは、という憶測がなされていた。実際、2nd Motorized Rifle Division が5日間駅でほったらかしにして食料も供給されていないというツイートもあった。

人は飯を食いウンコをして生活する生き物なので、前線に張り付かせているだけで物資は必要とする。最終的に戦闘に参加した兵士は19万人と言われているが、19万人を集めて衣食住を提供する事業がどのくらい大変か、というのは平時の感覚でも分かるだろう。例えば東京オリンピック・パラリンピックの来日は9万人以下程度だったとのこと。

侵攻の1週間前くらいからこうしたロシアの偽旗作戦が始まった。

これらは動画・画像内のメタデータの撮影時刻により虚偽であることがわかっているものがいくつかある。すべてがそうであるかどうかは分からない。

22日になるとプーチンはウクライナが核兵器開発を進めているなどと主張するようになった。

本件において結局見つからなかった大量破壊兵器を探してイラク戦争が始まってましたね、と反米派のアカウントが皮肉を言っているのが散見される。イラク戦争にも数多の問題があるが、いずれにしてもロシアの行動を正当化出来る理由にはならないと思う。

独立を祝うドネツクの市民、とのこと。22日。撮影スタッフを除けば15人ほどしか居ないのではないのだろうか…。無理やり集めた感がある。

それと同時に現地時間22日21:54ごろ、戦車やトラックがすでに侵入してきたとのこと。

プーチンの要求。

クリミアがロシア領であることの確認、ウクライナがNATO入りしないこと、中立であること、ウクライナが非武装化。アホ?

戦う前から全面降伏しろと言っているようなものである。

プーチンの観点ではウクライナはすでにアメリカ(西側)の手下になっているので主権を尊重するという理念からは脱落するということ。

プーチンは度々同様の発言をしている。他国に安全保障を依存している国には主権が無い、とのことだ。他国の安全保障を必要とせず、独力で国家を守っていける国のみが主権のある国だと。だから日本もプーチン的視点では主権が無い。アメリカによって守られているので。この定義では逆に主権がある国のほうが少ないだろう。アメリカ、中国、インド、ロシア…くらい?

23日にはウクライナの兵士に向けてSMSで「ドンバスに駐留している軍隊が今にも動き出すぞ、さっさと逃げろ」的なメッセージを送っている。

これは近年の紛争でロシアが使い始めたハイブリッド戦争の戦略。ドローンに偽の携帯基地局を搭載してつないできたスマホに対してSMSを勝手に送信するらしい。ソースはイズムィコ氏の著書、「現代ロシアの軍事戦略」。

ハイブリッド戦争(正規軍同士の衝突だけでなく、メディア戦略、サイバー戦、正規軍であることを隠蔽した侵攻、戦時宣伝、心理戦などなどをセットにした戦争)とは最先端の技術を駆使した新たな戦争の形態というよりは、西側と正面衝突したら負けてしまう劣勢の軍事力の国家がなんとか戦争を有利に進めるためにやれることはなんでもやる、という貧者の手段であるという指摘がある。

今回もこうしてハイブリッド戦が展開されていくのでは、というのが大方の予想だったように思う。

2月24日

大規模侵攻は24日未明から一気に始まった。ぜレンスキーはロシアがウクライナに対する攻勢を承認したと。

現地時間午前4時から大規模攻勢が始まるのでは、という噂が流れる。

この頃にはロシア軍は無線封止されていた。もう攻撃命令が下ったということだったのだろう。

これと前後してウクライナへのサイバー攻撃が頻発する。これらもハイブリッド戦が始まっているのだな、という見方がなされていた。

大規模攻勢がはじまったのだな、と私が個人的に確信したのはこのツイートだった。現地時間4時2分のツイート。検問所への攻撃がなされた。

その後すぐにプーチンが「特別軍事作戦」を開始したと発表。以後、現地の状況からすぐに "special military operation" という言葉から感じられる、小規模な作戦などではなく大規模攻勢に出たことがすぐに分かる。

プーチン曰く、ゴールは「ウクライナの非武装化、ナチスと犯罪者への罰」だそうで。どっからナチスが出てきたんじゃ、と全世界が突っ込んだ瞬間である。

このときのプーチンの演説は以下から読める。うんざりしてくる内容だ。誰かが「アパホテルに本を置いてもらって表彰されれば気が済むのでは」などと言っていたが、本当にそんな感じだ。

プーチン大統領は国民にいかに「ウクライナ侵攻」の理由を説明したのか【1】1時間スピーチ全文訳

内容はレーニンの時代から始まるプーチンの歴史認識をだらだらと垂れ流すうんざりとする内容。度々思うが、プーチンの行動はいわゆるネトウヨと似たような何かを感じさせる。

かいつまんで読んでみると、ロシアの誇りだったウクライナの産業はアメリカはじめ西側諸国のせいで全部駄目になり、今も人民が困ってるのでロシアが保護してあげるべきみたいな理論が見え隠れする。読んでて本当にうんざりするので誰か要約してほしい。

当初の侵攻はハリコフ、キエフ、オデッサなどで攻撃が受けていたとの報告があり、後にオデッサは上陸されたなどとする報告もあったが、どうもオデッサに関しては誤報、あるいは、ロシアが流した偽の情報であったらしい。同様にキエフ空港も制圧されたとか、奪還したとか、また制圧されたとか、いや全部偽の情報だとかいろんな情報が本記事を書いている段階でも錯綜していて追いきれていない。

火砲、巡航ミサイル、空挺、弾道ミサイル、ロケット弾などを用いて全縦深で戦闘を行うのは全く古典的なロシアの戦法である。前線へと攻撃を集中するのではなく、その後方にある輜重部隊(物資の輸送、補給を担う部隊)、司令部、航空戦力が発着する空港などなどへ同時に攻撃を行い、そのあとで機械化、自動車化部隊で突破するという戦法だ。

機械化部隊とは歩兵戦闘車という、装甲化された歩兵戦闘車で移動する部隊だ。戦車のような外観で中に1個分隊(10人以下の歩兵のグループ)が乗れる装甲化された車両で、大型の機関砲や無反動砲、対戦車ミサイルなどを搭載していて機動力(広大な戦場を走り回る能力)を持ちつつ歩兵同士の戦闘を有利に進める火力と装甲を備える、という部隊だ。

自動車化部隊とは自動車で移動する歩兵部隊。歩兵戦闘車よりは軽装備、薄い装甲の装甲車、あるいはトラックなどに乗って移動する。

この段階になると首都キエフから一気に人が避難して渋滞となる。数日前から大規模侵攻はもはや避けられないという情報がアメリカによって公開されており、民間でも同様の指摘がなされていた。

現代の大規模戦争ではもう大規模な奇襲作戦というのは不可能だということだろう。だから、攻撃側も奇襲することも想定していない。にもかかわらず民間人の避難がここまで遅れたのは、やはり、済んでいる場所を捨ててどこかに避難するという行為自体が大変な活動であるということなのだろう。

あなたが今すぐ家を捨てて避難しろ、と言われたことを想像してほしい。一人暮らしでアパートに住んでいる、とかならまあすぐにでも逃げれるかも知れないが、家族や子供も居て、土地や建物などの資産もあって…などという状況であればギリギリまで判断を留保したくなるはずだ。

戦闘開始から数字看護で攻撃が報告された地点。どこまで本当なのかは分からない。

私が一番恐怖を感じた映像。大規模なヘリボーン部隊がフレアを焚きながら移動していっている。20〜30機程度だろうか?戦闘中であり、かつその規模が大規模侵攻であることがよく分かる映像。

当初はウクライナ軍はすぐに敗走してしまうのではないか…と勝手に私は想像していたが、ちらほらとロシアの戦闘車両が破壊されている画像が出回る。

正規軍同士がぶつかるのだからロシア側だって無傷にはならないだろうというのは頭では分かるが、すこし意外な気がした。

日本のロシア大使館による日本語ツイート。ここでも「ネオナチ」という言葉が。本当かどうかわからないが東欧ではとにかく相手を罵るのにナチとか簡単に言うらしい。そのレベルの理由を開戦事由にしてしまうのか…とうんざりする。

開戦前から市民が自発的に小銃を買っている映像が報道されていたが、ここにきて1万丁の自動小銃が市民に配布されたと。18歳から60歳までの男子は避難が禁じられているらしい。小銃をとりあえずで配って民兵を組織して市街地で抵抗していく。第二次世界大戦のようで地獄。

ロシア軍によるウクライナ侵攻が24日、未明の爆発音とともに始まった。全土に戒厳令が敷かれた街で息を潜める人、食料品などを求めて列をなす人。現地に家族を残す在日ウクライナ人らは混迷を深める東欧情勢に涙を流し、「ロシアに制裁を」と怒りの声を上げた。
未明の爆発音、深まる混迷 「ロシアに制裁を」涙と怒り―在日ウクライナ人ら

日本国内でもデモが発生。こういう時に護憲派とか反戦団体とかは一緒になってデモしてほしいところだが、そういうことはしないので彼らのポリシーが本当に戦争反対なのか疑ってしまう。

2月25日

ロシア国内の専門家でもプーチンが何を考えてるのかもうわからないとのこと。

私の感覚としても、これはプーチンが「こじらせた」ようにしか見えない。独自の歴史認識を振りかざしてロシアは大国たるべき、西側に徐々に侵食されていって潰える存在ではあってはならない、だからここらで一発、ガツンとやっておかなきゃ西側は図に乗るんだよ、みたいな。そんな思考しか読み取れない。全く合理的ではない。

全く合理的ではない理由で戦争が起きてしまうとしたらこれは本当に恐ろしいことである。核兵器による相互確証破壊(核兵器を打ったら確実な手段で報復するよ。そしたらどちらも焼け野原が残るので戦争して何かを得ることは不可能だよね、という考え)や、軍事力の拮抗によって相手の現状変更を画策する意図をくじくということはすべて、「利益よりも不利益が上回るから、やる理由がなくなる」という合理的な判断を国家指導者が行ってくれることを基礎としている。

そうではなく、ナチがどうとか、ありもしない虐殺がどうとか、勝手に国家承認して軍隊を駐留させるとか、そんなに低いハードルで戦争が怒ってしまったら世界はどこであっても安心して眠れなくなってしまう。今回の件に関しては絶対にロシアを、というか、プーチンを許してはならない。徹底的に対応していくべきだと個人的には思う。

ロシア軍はチェルノブイリ原発を掌握した。

それと同時に放射線モニタの数値も上がっているとの報告が見られる。これに関してはウクライナが運営するモニタリングでだけ数値が上がっているからサイバー攻撃ではないかとする意見があったり、または単にモニタリングポスト周辺で活動しているから放射性物質が舞い上がっただけではないか、という意見もある。本当の所は現時点ではまだわからない。どちらの可能性もありうるだろうと思う。

ロシアはチェルノブイリ原発を占拠してウクライナが核兵器開発を行っていたという証拠を見つけたいのでは、という指摘がある。

原子炉からは核兵器に使用可能なプルトニウム(Pu239)を作ることが出来る。作ることが出来る、というか、ウランを燃やすと勝手に兵器に転用可能なプルトニウムが放射性核崩壊によってできてしまう。だから各国の原子炉はIAEAが必要に応じて査察することになっている。

余談だが、日本も核兵器の製造が可能である危険な国家の一つである。日本に住んでいれば日本が核兵器を作るなんてことはありえないと思うが、しかし核兵器を作る能力を持っていればその疑いはかけられてしまう。日本は特定の同位体を遠心分離して濃縮する技術を持っているし、プルトニウムを製造するための軽水炉をいくつも所有している(現在は動いてないのが多いが)。

これも真偽はまだ未検証であると思われるが、 “enemy has an extremely low morale” (ロシア軍の士気は非常に低い)という興味深い文言が。

ソースは失念してしまったが、大してダメージを受けていないように見えるロシア軍の牽引野砲の車列が遺棄されているという映像も見かけたので、やはり士気が低いのかな?と思った。

もともとウクライナではロシア語話者も多く、双方に親近感を感じている国民も多いと聞くので、大義名分が「ナチ」だとか、どう考えてもなさそうな虐殺、ジェノサイドが発生しているという話では高い士気など望めないのではないだろうか、と個人的には思う。

一方でウクライナ軍の士気は祖国を守る戦争なので高いのではないだろうか。祖国を守ることは一番分かりやすい正義で自分の利益・不利益に直結する。

ここまでの時点でロシアが当初「単にベラルーシとの合同軍事演習をしているだけで他国へ侵略する意図はない」などと言っていたことに対する釈明は無い。後世、「たまたま10万人超、兵站崩壊寸前で合同軍事演習をしてたら、たまたま虐殺が起こっていて、たまたま係争地域で国家が独立し、たまたまその国家がロシアに軍事的援助を求めたのでそれに進駐し、ついでにナチを葬り去るためにウクライナに侵攻した」などという話を誰が信じるのだろうか。

ロシア各地で反戦デモ。常識的な考えを持っていれば当然のことである。

ここまで国際社会はほとんどがロシアを非難している。しかし、直接的な軍事的支援は今の所なさそうだ。

プーチンは核兵器使用を何度もちらつかせているので西側諸国との全面核戦争を回避するために直接的な手段に出ることは避けたいのだと思うが、しかし、ならばどこまでエスカレーションしたら行動にでるのか、というのは疑問である。ウクライナはNATOパートナーであって、NATO加盟国ではないのだから仕方ないという話もまぁ分かるのだが…

26日

ロシア軍兵士に詰め寄るウクライナの女性、という映像が流れてきた。

要約すると、このひまわりの種をポケットに入れておけ、この種を抱きながらお前らは死ぬんだ。私達の敵だ、占領者だ。とまくしたてているようだ。ロシア兵は丁寧に「現時点では議論しても何も良いことがないから去ってください」という趣旨のことを伝えているようだ。

続き:

ロシアによるウクライナ侵略まとめ(2022) その2