【質問#205】取り回しの良いクルマ

質問・悩み相談の回答です。

質問

こんばんは。いつも楽しく拝見しております。
私はあまり運転が得意ではなく、家の周辺も細い道ばかりなので、取り回しの良いクルマを探しています。
少し気になっているのがルノー/トゥインゴです。
このクルマ、横幅が小さいコンパクトな車体でありながらもRRで舵角を大きく取れるようになっており小回りが利くことと、副次的な要素かもしれませんが後輪駆動故のハンドリングが魅力に映っています。
ただ、国産車のような先進安全装置が付いていないことと、国産コンパクトに比べコスパに劣ることが気になっています。

特に新車 or 中古車のこだわりはなく、取り回し・価格・安全性能のバランスが優れた車種を選びたいのですが、何かおすすめ車種はないでしょうか。
また、withpop様はCX-5に乗られているとのことですが、取り回しに困ることなどないでしょうか。正直扱い切れるのであればCX-5やMazda 3も見た目やスペック的にはかなりタイプです…。

回答

さきに事務連絡でございます。

えーとこの質問をいただきましたのは昨年8月でございます。本当に申し訳ありません。去年は(というか今も)忙しくてあまりブログ更新の時間が取れませんでした。そして12月頃から質問コーナーから発信されたメールがGmailでプロモーションとして分類されてしまっており、届いたことすら気づいていませんでした。これから回答していきますのでよろしくおねがいします。

以下、回答です。


これ言っていいですか?いいですか?言っていいですか?すか?

CX-5、でかいです。取り回しは「『可』ではあるがだるい」です。

CX-5に乗ってよくわかりました。都市部で1800mm以上の横幅がある車はちょっとだるいです。個人的には都市部で運転するなら全長4500mm以下、全幅1800mm以下が快適に運転できる基準かな、と個人的には思っています。

「いや、大きい車だって慣れるでしょ…」「運転下手なの?」と言う人もいるかと思いますが、「運転できる」と「軽快である」は全く別なんですよ。スーパーの駐車場で「私の車でかいんであなたがよけてください」的な顔をしてぬりかべのように道をふさぐアルファードを運転する主婦にはわかんねーかも知れんけどな。

私は車の大きさには2種類あると思っていて、それは「ドライバーが寄せれるぎりぎりのサイズ」と「実際の自動車のサイズ」です。前者はドライバーの車幅感覚と技量に依存し、実際の自動車のサイズに関係なく技量の限界で寄せれるところが決まる仮想的なサイズです。両方が向上するごとに実際の自動車のサイズに近づいていきますが自動車のサイズ以下には絶対になりません。

で、「いや、大きい車だって慣れるでしょ…」「運転下手なの?」と言う人というのは、その「ドライバーが寄せれるぎりぎりのサイズ」が慣れによって縮むよということを言っているだけであって、でかい車が小さくなるわけじゃないんですよ。当たり前ですが。

私はCX-5を多分±5cm以下くらいで寄せれます。慣れればcmオーダーで車の位置を操作することは誰でも可能だと思っています。「大空のサムライ」坂井三郎氏は「零戦の翼の先が自分の手の先に一致しているかのように感じた」的な言葉を残していますが、まあそんな感じのことは一つの車種になれれば素人でもよほど車の運転がへたくそでない限りはそういう風になると思うんですよ。

そこまで達しても車の実際の大きさというのは小さくできないわけで、例えば道幅3.5mのところで横幅1.8mの車2台はどうやったってすれ違えないわけですよ。そういう場面が多々あるのが都市部であって、おそらく質問者様も

家の周辺も細い道ばかりなので

と書かれていることからおそらく都市部にお住まいなのだと思いますが、であれば車のサイズや最小回転半径はやはり重視して然るべきかと思います。

というわけでおすすめの車ですね。

私自身、取り回しのいい車ということで特別なおすすめは無いのですが、まあ小さい車であればだいたい取り回しが良いということになります。そんなことは知ってるよ、と言われそうですが。

もうちょっと理論的な話をしますと、車の小回りとは後輪の車軸を通る直線とハンドルを目一杯切った時に外側(曲がる方向と反対方向)に位置するタイヤの軸の交点を中心として、外側の前輪タイヤまでを半径とする円で車は曲がっていきます。ゆっくりアクセルを踏んだときにそう曲がって行きますが、FRで回転数を上げながらとつぜんクラッチミートさせるとか、時速100km/hでハンドルフルロックターンした場合とかそういう特殊な状況は除きます。

で、この円の半径がいわゆる「最小回転半径」でございまして、自動車のスペック表などに乗っておるアレですな。

では最小回転半径だけ見ておけば良いのかと言いますとそうでは無いです。特に日常的な「小回り」「取り回し」を論じるときは他にも色々考慮すべきファクターがあります。まとめて書くと以下のようになります。

  • 最小回転半径
  • 横幅
  • 全長

です。

最小回転半径は説明しましたね。

横幅もまあ冒頭で説明しましたね。狭い道ではどうやってもすれ違えないことは都市部では多いのです。すれ違いに苦労されるような道が質問者様がよく通る道に存在するのであれば、これも考慮したほうが良いと思われます。

なお、保管基準上の全幅とは「たためるミラーはたたんだ状態」で算出されます。自動車のスペック表も概ねこのサイズで記載されているようです。しかしながら実際はすれ違いのときにミラーをたたまなければならないというのはなかなか無いので実質的にはスペック表に書かれている横幅とは実際の横幅とは異なる、というくらいは覚えておいたほうが良いでしょう。あまりにも横に長いミラーはそれだけ取り回しを苦痛にさせるかもしれないです。

全長もこれ、意外と盲点かもしれません。

例えば駐車場に車を入れるとき、切り返しに用いることのできるスペースが小さいと全長がかなり効いてきます。ミニバンなどはなるたけ最小回転半径を小さくして取り回しを良くするためにホイールベースを詰めたりハンドル切れ角を増やそうとしているのですが、しかし全長はどうやっても短くなりません。全長が長くなると、切り返し時に車を前後移動させることの距離が短くなります。

車を運転している方ならばよくご存知と思われますが、バックでの駐車とはつまり、「後輪を駐車スペースの適切な位置に持っていく作業」に等しいのですが、舵角が取れない後輪を適切な横方向の位置に持っていくには、それなりの距離、車を前後進させる必要があります。

全長が大きいとこれがつらい。なので、ミニバンなどは最小回転半径ほどには取り回しが楽ではないな、となります。

というわけでして、お気に入りの車が決まったらこれらの要素を参照するのが良いと思われます。