【質問#188】家の気密指標について

質問・悩み相談の回答です。

質問

はじめまして、高知県在住の者です。
家を建てる検討を始めたばかりで、こちらのブログを拝見しました。
同系の職種ということもあってか共感できるご意見も多く、参考にさせて頂いています。
今般、知り合いが地元の工務店で家を建て、その工務店のホームページを見たら超高気密高断熱が売りで、性能第一とどこかで見たような売り文句が並んでいます。(まあここに限らないのでしょうが)
実際、友人の家も建てた後にc値測定を行って、想定通りの数値が出てますよ、言われたとのこと。(友人曰くそんな穴を全部塞いだ測定結果が良くても実際に住む環境と違うやん、と言ってましたが、自分はあくまでも建築精度を測っているものと認識していますが…)
話が長くなってしまいましたが、その工務店のホームページには「c値0.5以下をお約束」「業界ダントツの0.28」とありまして、性能第一を標榜している一条よりもだいぶ高いものとなっています。単にこの数字を以て一条よりこっちが良いか、という判断をするつもりはないですが、ここまで数字が違うと何が違うのか、またはある一定以上の数値はあまり意味がないのかとか、判断に困ったため質問させて頂いた次第です。
急ぎませんのでお手隙にご回答頂けたら有り難く存じます。

回答

一条のi-smartのC値っていくつだっけ…忘れてしまいました。調べたら0.59 cm^2/m^2 らしいですね。

高気密構造 | 一条工務店

一般的な家が5 cm^2/m^2程度なので、一桁くらい違うというわけですね。実際、住んでみると暖かさも涼しさも明らかに今まで住んできた住宅よりは格段に上なので、1桁くらい違いがあるとかなり実感としては差があります。しかしながら、快適性を確保するパラメータはC値だけでなく断熱性能や窓の数、家の立地(周囲の平均気温、地域、日当たりの良さ)にも大きく左右されるので、C値が0.59 cm^2/m^2からさらに約半分となったところで、人間が知覚出来るほどの差があるかどうかというのは私はちょっと疑問です。すきま面積が小さいに越したことは無いとは思いますが。0.59 cm^2/m^2から更にその半分まで気密性を追い求めるよりも、もっと家の設計にこだわったほうが快適性に寄与する効果は高いと思います。

しかしながらその一方で、C値が低いのを宣伝していること、また、恐らく全棟検査にてそれを保証していることは、その工務店の施工品質が高いということと、高気密高断熱を重視した住宅設計が得意であるという証にはなると思います。

単にこの数字を以て一条よりこっちが良いか、という判断をするつもりはないですが

数字は嘘をつかないので、それが虚偽ではなく、また正しい測定方法でその結果が保証されている限り、その工務店は気密性に関しては一条よりも上というのははっきり言えると思います。ただ、住宅設計は当然気密性だけではなくて、提案力やその他の施工品質や価格やその他諸々沢山の評価軸があるのですが…。数値を過大にも過少にも捉えないことが重要かな、と思います(もちろんこの点もご理解した上でのこととは思いますが)。

ちなみに一条工務店がすごいとされているのは、あの規模のハウスメーカーで全棟検査して一定の品質を保証しているのがすごい、という点だと思われます。規模が大きくなるほど関わる職人の数は増えていき、品質はまばらになります。それをいかに属人性を排除して品質を確保できるかという点に一条工務店のノウハウが詰まっているのだと思います。

なので、逆に言えば、腕の良い職人が沢山揃っていて施工品質が高い地元の工務店でピーク性能が一条工務店よりも高く出せるのであれば、私ならばそちらを選びます。妙な「一条ルール」も無いし、お気に入りの住宅設備も入れれますしね。というか、もともとそうしたかったのですが、土地から探すという状況だと「土地とそこで対応できる優秀な工務店を一度に見つけるのが難しい」という問題に直面するので面倒になり、一条を選択したという側面があります。

ということでまとめますと、

  • C値が0.59と0.28を比較したところで、人間が知覚出来るほどの差があるとは思えません
  • そのC値の差よりも、立てる地域や立地、設計のほうが大きく快適性に寄与すると思われます
  • その一方で、工務店の施工品質自体が高いことは想像はできます
  • 一条は大量に家を建てる中でも品質のばらつきを抑えて高い品質を実現できているのがすごいのであって、一条以上の性能の高さを有する工務店は恐らく一定数あるのではないかという気はする

という感じです。以上、参考になりましたら幸いです。