【質問#168】35歳システム経験2年。進むべき?退くべき?

質問・悩み相談の回答です。

質問

こんにちは。初めまして。
最近こちらのブログにたどり着き、記事を読ませていただきました。
アフィリエイトサイトのような耳障りの良い言葉ではなく、厳しいながらも真理を突いた言葉に納得させられることしきりです。

すいません。私の相談はおそらく他の相談者とある程度重複することもあると思います。
それでも、今とても悩んでいて、そして、多少なりとも他の方とは違う状況もある(大枠では変わらないのでしょうが)というところで、相談をさせていただけたらと思います。

私自身の自己紹介とスペックは以下の通りです。
・幼児二人。ほぼワンオペ主婦
・過去に1年半ほどC++を業務で使用。
・現在、数学やコンピューターサイエンスを独学にて学習中。
・実際にアプリなどを作ったりすることに力を注ぎたいと思いつつ、どうしても、Webサーバーを作ってみたり、アセンブラを触ってみたりすることに流れがち。
・システム系の面接は落ちるか、受かってもエクセルしか触らせてもらえない。

悩んでいるのは、「もうシステム系は趣味にしてしまって、他の仕事に就いた方がいいか」ということです。私は、他業種の方が長く、システムは業務としては1年半ほどしか経験がありません。

IT人材不足という言葉に釣られて、いくつか面接も受けましたが、エクセルを使うことがメインの業務であったり、「まさに人売り業・・・」というところだったら、なんとか入れるといった状況です。
「やりたかった業界なんだから、我慢した方が・・・」という思いと、「これだったら、他業種の方が」という思いで揺れ動きます。

すいません。ちょっと質問がまとまらなくなってきたので、無理やりですがまとめさせてください。
・私のレベル(文系+経験年数1.5年)ではもう人売りシステム業しか入れないでしょうか。
・人売りシステム業でも長くいれば、何か(技術的に)得られるものはありますか?
・私がwithpopさんの奥さん、もしくは娘さんだったとしたら、方向転換をアドバイスしますか。

回答いただけますと嬉しく思います。
よろしくお願いします。

回答

おっ、多分同い年ですね。

すいません。私の相談はおそらく他の相談者とある程度重複することもあると思います。

こちらに関しては全く問題ありません。特にこういった類の質問は似たようなケースで同じような回答が連なることによっても説得力が増すものと個人的には考えています。それにおっしゃるとおり、万人が全く同じ回答にはならないので。ですので、御覧の皆さんも気兼ねなく是非投稿してみてください。

私自身の自己紹介とスペックは以下の通りです。
・幼児二人。ほぼワンオペ主婦
・過去に1年半ほどC++を業務で使用。
・現在、数学やコンピューターサイエンスを独学にて学習中。
・実際にアプリなどを作ったりすることに力を注ぎたいと思いつつ、どうしても、Webサーバーを作ってみたり、アセンブラを触ってみたりすることに流れがち。
・システム系の面接は落ちるか、受かってもエクセルしか触らせてもらえない。

C++、数学、コンピュータサイエンス…。Webサーバーの実装、アセンブラ…。なんかすごい事をやってる印象を個人的には受けます。高級な言語よりもより低級(ハードウェアに近い)な言語や操作を好むという感じでしょうか。しかも幼児二人、ワンオペ育児で独学でこんなことまでできるのはすごいです。

ただ、いずれもITを支える重要な技術ではありますが、C++やアセンブラに対する理解、Webサーバーそのものの実装経験が必要とされる職種は少数です。このあたりは「【質問#117】エンジニアとしてのキャリア形成が分からない」とも近いかもしれません。

ビジネスとして必要なのは金を稼ぐためのプロダクトであって、より生産性の高い高級な言語やフレームワーク、ライブラリでそれが実現できているならばそれを利用しようという方針に至るのが普通であって、すでに使えるものがあるのに1から実装させてもらえないことが多いですね。コンピュータの大きな面白さの一つではあるというのは強く思うのですが。C++の世界では有名な江添亮氏が「最新のC++の仕様を追いかけて行ってもそれを必要としてくれる企業が無い」的な発言をされていたのが記憶に残っています(具体的な文言は失念)。

ちなみに組み込み系ではそういったもの(C++やアセンブラ)が必要とされる場面も多いでしょうけど、それはハードウェアリソースの少なさから仕方なくやっているだけで積極的な理由ではないと思います。さらに組み込み系となるとITの中でもかなり製造業に近くなるので色んな所で合う合わないが出てくる職業だとも思います。

悩んでいるのは、「もうシステム系は趣味にしてしまって、他の仕事に就いた方がいいか」ということです。私は、他業種の方が長く、システムは業務としては1年半ほどしか経験がありません。
IT人材不足という言葉に釣られて、いくつか面接も受けましたが、エクセルを使うことがメインの業務であったり、「まさに人売り業・・・」というところだったら、なんとか入れるといった状況です。
「やりたかった業界なんだから、我慢した方が・・・」という思いと、「これだったら、他業種の方が」という思いで揺れ動きます。

他の読者の方のために参考として書きますと、「IT系のエンジニア」としての募集で実際入ってみたらExcelにポチポチスクリーンショットを貼る仕事だった、みたいな話は残念ながらよくあります。今回は面接でそれが判明したとのことでしたので、まだ良かったと思われます。エンジニア側としては「本当はやりたくないけど、やらなければならないと決まってる、誰もやりたがらない仕事を任せる人がほしい」という程度に思っているのでしょう。

ちょっと話はそれますが、「Excelにポチポチスクリーンショットを貼る仕事」とは何かと説明しますと、「確かにこの手順によって試験を行い正しく動作することを確認した」という記録を残したいという趣旨でこういうことをやる会社があるんです。でも、これって私はずっと意味がないと思ってました。なぜならばソフトウェアというのは一回出来上がったらもうそれで終わりという代物ではなく、使い続ける間ずっと保守改善が必要なものだからです。で、定期的に修正が入るならばある時点で正しく動いていたというエビデンスをいくら揃えても意味がないのです。別の修正が入ったとき過去行って試験がすべて成功するか否かを数学的に正しく説明(証明)するのは非常に困難だからです。

だから、テストはいつでもテスト可能なようにユニットテストその他のフレームワークを用い、気が向いた時にすぐに同じことを自動で試験できるようになっていないと意味がないのです。

こういう無駄で意味のない作業や非効率を計算機その他のパワーを使うことで改善するのがそもそもITエンジニアがすべき仕事だと思うのですが、残念ながら保守的な会社ではそういった声を上げても業務フローが改善されるためには膨大な政治力と権力が必要なことが多いのでみんな現実的に諦めてる(そして転職する)という流れが実際のところほとんどだと思います。

というわけでちょっと話がそれましたが、質問の本題に入っていきます。

・私のレベル(文系+経験年数1.5年)ではもう人売りシステム業しか入れないでしょうか。

うーん正直わかりません。しかし「人売りシステム業しか入れない」ということはないんじゃないかと思います。採用に至る道は楽ではないと思いますが。

というのも、前述したとおりC++やアセンブラ、HTTPサーバが裏で何をやっているかなどといった知識・技術は需要こそ高くないものの、必ず必要になることだからです。かつ、できる人はITの世界の中でも比較的少数です。ですから、「いくつか面接も受けたがうまく行かなかった」というのは良い会社と出会えなかったことが原因であるような気がします。C++ 1.5年というのは秀でた経歴ではないにせよ(失礼な物言いをご容赦ください)、その人材の少なさから求人とチャンスはありそうだなと個人的には思いますし、たとえ未経験の言語を使用するような業界に行くにしてもファストラーナーであるというアピールは出来る気がします。

例えばC++やアセンブラというキーワードから思いうかぶのは具体的にはゲーム、車載機器、IoT機器などの分野でしょうか(ご存知だとは思いますが、他の読者のためにも書いています)。ゲームも最近は重厚なフレームワークに頼るところが多くてC++も下火かもしれませんが…。IoT機器なんかでは探せばありそうですがどうなんでしょうね。例えばスマートロックの開発とかペットや子供の遠隔監視機器の開発とか、ハードを作る系のベンチャーでは需要がありそうな気がします。

ただ、メーカー系だと企業文化がかなり保守的になってきますので合う合わないの問題も出てくると思いますが。(私は正直苦手です)

・人売りシステム業でも長くいれば、何か(技術的に)得られるものはありますか?

ゼロではないと思います…。それは文字通りゼロではないという意味で、積極的に選ぶ理由にはなりえないとも思います。

たとえば、エクセルでポチポチしていく過程でVBAを学習していくことなどが出来ると思います。それは紛れもなく技術ではありますが、将来性があってコード打ってて楽しくて人気でそれが出来ると活動の幅も広がるというものではないです。

なによりも人売り商売はマージンを取って稼ぐ仕事なので、社員のことを大切に扱ってくれるところは少ない(個人的な伝聞では見聞きしたことはゼロ)と思うのでたとえ得る技術はあったとしても、精神的につらいですしモチベーションも上がらないと思います。いずれいなくなる常駐SESを大事にしてくれたり教育してくれたりする会社も中々いませんよね。

・私がwithpopさんの奥さん、もしくは娘さんだったとしたら、方向転換をアドバイスしますか。

結論から言うと、「いくら時間がかかってもいいからやりたいことにチャレンジしつづけて」と言います。実際、そのように嫁さんと娘には常日頃から言っています。やりたいことが出来るのが幸せだから、それを目指すべきだと1

そしてここが今回のご質問が他のご質問とちょっと違うところだと思いますね。

これは私の思想ではなく事実ですが、今この時点(2019年末)の日本では結局、男が仕事に出て女が家で子育てをするというのが最も有利で生活しやすい社会になってるんですよね。税制もそうですし、給与の男女差の実態もそうですし、管理職登用の男女差の実態もそうですし、保育園と待機児童に関する種々の問題もそうです。

私はどちらかと言うとリベラルな思想を好むので、男女関係なく仕事で活躍できる社会であれば良いと思いますが、と同時にリアリストでもあるのでこのブログでも「男が働き女が家を守る」的な価値観に沿った回答をすることが多いです。

それはもちろん、私がそうしたいという話ではなくして、「いくら社会のあるべき論を語ってもそれに沿って現実が急激に変わるわけではないので、血の涙を流してでもいかにもおっさんくさい保守的なやり方をある程度は許容したほうが良いよね」、という考えです。こないだスウェーデンだかどこか、北欧のいかにも男女同権という思想が進んでそうな国でも女性の平均給与は男性の7割位、みたいな記事を見たんですがまぁ世界的にまだそんな感じなんですよね、残念ながら。

何が言いたいのかと言うと、今質問者様は主婦でワンオペとのことですので旦那様のお賃金で生活は普通にできているという状況かと思われます。現時点で家族が食っていくことができているわけですから、それが可能な間はIT業界で働くという目標に向かって頑張り続けても良いんじゃないかと。(と、部外者の私は思いますが、実際やるには夫婦間での話し合いはもちろん必要ですね)

一家の家計の柱となる旦那さんがやりたい仕事だからと現実的でないリスキーな転職(就職)を望むという話なら私の回答もちょっと変わっていたと思いますが、生活のベースがすでにできていて、それが今後も継続する見込みであるというのはこれ非常に強いです。今の状態を最大限活用していろんなことにチャレンジしたら良いと個人的には思います。

ともかく、我々は金を稼ぐために生きてるのではなくて、一度きりの人生を充実したものにするために金が必要になるから稼いでいるわけです。目的がなく、金はあったほうが良いに越したことはないからと興味がない仕事をすることほどつまらない人生は無いと思いませんか?私はそう思います。そもそも仕事をしている日にちなんて1年の2/3くらいあるんですから、つまらない仕事で良いというのは「私の人生の2/3はつまらなくて良い」と言っているのと同義です。やりたい仕事があるならば諦めるべきではないと思います。(やりたいことがわからず漫然と今の仕事が嫌だから転職したい、とかいうのはおかしいと思いますが)

というわけで私だったならば、嫁さんや娘にはやりたいことをしてくださいと常々言ってますしそうすべきだと心の底から思います。

もうすこし踏み込んで理由を言うと、自分の嫁さんがやりたくない仕事をして苦痛を感じてる姿を見てるよりは将来に向けて勉強している姿であったり、多少なりとも興味が持てる就きたかった仕事に就いて充実している姿を見ている方が自分自身気分がいいですし、家庭内の雰囲気も明るくなりますからね。

回答をまとめると、

  • 今のスキルでIT業界への(人売り商売以外での)転職は不可能ではないと思う。特にC++/アセンブラが出来るという経歴を買ってくれる企業を探すのが良いのでは、と個人的には思う
  • 人売り商売は精神的にきついし得るものも少ないのでおすすめできない
  • 旦那様の給与で生活していけるのを利用して頑張ってみては良いのでは(私が夫の立場から考えるとそうさせる)

となります。

以降は余談です。

ワンオペ育児をしつつ就職活動をするのはしんどいと思いますが、結論がどうなるにせよ幸せな結末に至ってほしいですね。ワンオペ育児をしつつ就職活動という話だと私も色々思い出すことがあります。

次女がまだ生後数ヶ月のとき、嫁さんと私の面接の日程が30分差でかぶったことがありました。私と嫁さんはスーツを着て子供を抱え、一方が面接を受けている最中にもう一方がファミレスやカフェで子供をあやしていたのが印象に残っています。ベビーシッターやファミリーサポート的なものを色々探したのですが、新規だと1ヶ月待ち(半年待ち?だったかも)になるとか言われて諦めたのでした。

詳しく話すと愚痴になるので控えますが、やはりもうちょっと仕事をしつつ子供を育てていきたいという男女に行政や企業はサポートしてほしい、それが普通な文化になってほしいと思うんですよね、個人的には。

そんな中で、ワンオペ育児をされているという方の

IT人材不足という言葉に釣られて、いくつか面接も受けました

という言葉がね…。心に刺さるんですよね…。

IT人材は不足してるんですよ。来てほしいんですよ。

でもこれ、例にするのももう嫌なんですが最適なので例にすると旧日本海軍のパイロット不足の問題と同じものを感じさせるんですよ。練度を高めるために飛行機を飛ばして練習する燃料がない、教える技量のあるパイロットは現場のパイロット不足もあって中々引き抜けない、そもそもパイロットが大量に必要になるのがわかってるのに育成する計画が無いという…。

つまりIT業界も人は不足しているのですが、未経験の人を育てて戦力にしようという金も無ければそういう思想もあんまりない、IT関連技術を教える講師にふさわしい技量のあるエンジニアは常に足りてないので現場から引き抜くこともできない、そもそも国家がIT技術者が何万人も不足すると明言してるのに大した対策はしてない…みたいな。

個人的には社会人を対象にIT関連技術を教える公的機関を作ればいいと思うんですよね。で、GAFAに対抗できる金を払って講師を集め、離脱者が出ることも想定した厳し目のカリキュラムにして、卒業生を雇ったら何年間か補助が企業に支払われるという制度も追加して…と。でもそれには金が…。で終わってしまうのが今の日本社会なんですよね。「AIの発達によってプログラマは不要になる」とか夢みたいなことを語ってる人も結構見ますしね。

プログラミングスクールを卒業してフリーランスになって年収1200万で南国からフルリモート勤務!みたいなノリの人が「駆け出しエンジニアです!つながってください!」とか言ってるのを見ても特に何も思いませんが、堅実な考えを持っていると思われる人がIT業界に入りたいと思い悩んでいる姿は精神的にきついものがあります。以前の私だったらそういう人であっても勝手にすれば?と思っていたと思いましたが、子供ができてからなのか結婚したからなのか、考えがだいぶ変わりました。

(追記)

もしかしたらC++系の職をご紹介出来るかもしれません。Twitter DMか本サイト右側(スマホの場合下部)に記載のメールアドレスに連絡を頂けないでしょうか


  1. とはいえ、ずっと面接で落ち続けたり良い会社に出会えず面接を繰り返すのは精神的にきつい作業なので限度もあると思いますが。