「マツダ車にあんまり興味が持てなくなった」という記事の補足です。
以下のようなメッセージを質問コーナーからいただきました。
『マツダ車にあんまり興味が持てなくなった』というエントリーにあまりに共感してしまい、相談フォームをコメント欄として使ってしまいました。ご迷惑でしたらすみません。
Mazda3を見て、マツダは本当に高級ブランドになりたいんだな、と感じました。私は先代アクセラ(いわゆるBM型の1.5リッター)に乗っており220万で買えたので、次はちょっと奮発して2リッターが欲しいと漠然と思っていたのですが、Mazda3は中間グレードの2リッターFFからコミコミ300万を超えており、私がほしい2リッター4WD(現時点ではないグレード)は、ディーラーは「350万は必要になると思う」と言っていました。
試乗してみると確かに全体的に静かでインテリアも上質になっているのですが、私の家計(子育て中)において車にかけられるお金を積み上げすると予算は300万程度と考えており、もう無理してまでマツダ車に乗る必要はないな、と率直に感じました。
なんだかマツダのブランド化について行けない愚痴になってしまいましたが、共感する読者の感想としてご査収下さい。
※質問ではないので回答を期待するつもりはありませんが、ブログで取り上げていただく分には構いません。
質問コーナーとして答えるかどうか悩んだのですが、質問ではないので通常の記事としてこのメッセージについて思うことなどを書かせてさせていただきます。
このブログには質問ではない、感想等を送るフォーム(私だけが見れる)を設置したほうがいいかもしれませんね。あとでやります。
「車オタク」について
まず車オタクにはダサいからなりたくない、と書いたのですが、前回の記事に書いたとおり私が言う「車オタク」の定義は私自身にもうまく説明できないです。が、とりあえず「高い車に乗ってればオタク」とか「高い車に乗ってるのがダサい」と言いたいわけではないです。好きで好きでたまらない車があって、それが「たまたま」高かったのであれば、それはもうしょうがないと思います。それを買うしか無いと思いますし、高い金出して自分の好きな車を買うのは仕方ないと思います。
なんというか、メーカーやメーカーの宣伝になってる記事等を見て、自分の頭で何も考えず「この車は褒められてるからいい車だ」と盲信してるとか、反対に価値観が知識編重になってその車に関してうんちくを語り、主に所有欲を満足させるために購入し、運転も下手だしそもそもあんまり乗ってない、みたいなのはダサいかなと思います。
逆に車に対してそんなに興味が強いわけでもないが、とりあえず金はたくさんあるから良いと思った車を何となく買う、というのはダサくないと思います。数百万円が大金じゃないと思えるような人にとっては、我々がハーゲンダッツを買うかスーパーカップを買うか悩んだ末に今回はちょっと奮発してハーゲンダッツ食うかぁみたいなノリなんでしょうからね。要するに単に金銭感覚がシフトしてるだけなんだと。
そして強調したいのは、車好きな人が自分の好きな車に金をかけること自体をdisっているわけではないということです。
まぁこのあたりは私自身定義も説明できないですし、私の個人的な感覚で喋ってるだけのことなので適当に流して下さい。
マツダのブランド化
なんだかマツダのブランド化について行けない愚痴になってしまいました
と書かれておられますが、そのように思う人は多いと思います(私含め)。いい車なのは間違いないと思いますが、前回の記事に書いたとおり、みんながみんな値段分の価値を感じ取れるかというと感じ取れないと思います。感じ取れなかった場合に
無理してまでマツダ車に乗る必要はないな
という結論に至るのはごく自然なことだと思うんですよね。
マツダ関連の記事を見ると、よく「マツダは高くなったというが、この内容ならば安い、と言う人も多い」と書かれているんですがこれって本当は消費者にとってはどうでもいいことなんですよね。メーカーがあるスペックと機能を有した工業製品をとある値段で売り出すとき、その値段は完全にメーカーが恣意的に決めてるわけで、利益率をなんぼ載せてるのか、どういう事情でどこに金がかかってるのか、とかを知れたところで消費者にとってメリットは無いと思うんですよ。原価率が高い、とかいうケチくさい外食オタクみたいな人の考えを満足させることは出来るかも知れないけど。
我々がその製品を買うとき本当に考えなきゃいけないのはこれも前回の記事に書いたとおりコストベネフィットであって、これを一般の工業製品を購入するというケースで定義を試みると、
得られる利益 = 商品価値 × 買い手の使い方係数 + 買い手の所有満足度
コストベネフィット = 得られる利益 / 商品の価格
商品価値: 競合製品の中での相対的な商品の品質と性能の高さ
買い手の使い方係数: 買い手がその商品を特定の用途で使用することで、商品価値の何割を利益として受け取れるか
という式になるはずと思うんですよね。
ちなみにコストパフォーマンスは単に
コストパフォーマンス = 商品価値 / 商品の価格
という式になるはずなんですよ。で、「マツダは高くなったというが、この内容ならば安い、と言う人も多い」という話ってこれ完全にコストパフォーマンスについて語っているのであって、本来考えるべき買い手の感受性、使い方などの項が抜けてる。メーカーが言う商品性能や機能が必ずしも買い手の利益になるとは限らないんですよ。
たとえばSKYACTIV-Xを例にだすと、それがすごい技術でその技術が搭載された車に乗っているというだけでワクワクするという人にとってはベネフィットがあると思うけど、とりあえず速い車に乗りたいという人にとっては別にSKYACTIV-Xの熱効率が高いとかNAガソリンエンジンにしては出力がでかいとかいう話は完全にどうでもいいことだから「商品価値は高くともその人にとって得られる利益は少ない」ということになるんですよね。こういう考え方をできる人って意外といない。かくいう私もかつてはコスパを盲信してしまっていましたが…。
で、ブランド化というのは要するに「買い手の所有満足度」を高めようという話です。でも所有欲って結果的に出てくるものなんですよね。メーカーは広報戦略を通じてここをいたずらに高めようとしてくるんですけどね。それで結果的に所有する満足度が大きくなる(つまり得られる利益が大きくなる)なら良いじゃん、という話にならないのは、メーカーは所有満足度を高めるのとセットで利幅を大きくしてくるから。Appleとかそうですよね。それを良しとするかどうかは人それぞれですが、少なくとも私は自動車という高額な商品でそういうのを許容できるほどには裕福じゃないです。
他にもいろいろ言いたいことはあるんですが、前回の「マツダ車にあんまり興味が持てなくなった」と重複するのでこのあたりにしておきます。
なんだかフワッとしていてまとまりのない記事でしたが、おわり。