【質問#149】憧れを追いかけるのは無意味なことなのか

質問・悩み相談の回答です。

質問

無趣味で悩んでいた数年前、とある映画を見たことがきっかけで雪山登山家に憧れ、手始めにボルダリングを始めました。
しかし、やってみると全く登ることができず、周りの上手い方に引け目を感じて3回ジムに行ったっきり辞めてしまいました。
今度はTwitterで自分好みの絵を描く方を見つけ、自分もこのような絵を描けるようになりたいという想いでイラスト専用アカウントを用意し、ペンタブも買って練習を始めました。
元々絵を描くことは嫌いではなかったのですが、これもやはり3か月程度で辞めてしまいました。

これらの事例はなんとなく僕の中で結論はついています。憧れに近づくことに躍起になりすぎて楽しむことを完全に忘れていたのだと思っています。
上達する過程を楽しむ行為が苦手なのかよくわかりませんが、人真似で始めたことは何をやっても続かないような気がします。
もちろん趣味というものは自由なもので、自分に合わなきゃ好きに辞めていいしどんなにくだらないことでも楽しめていればそれでいいのはわかっています。

近頃は憧れから何か始めることはやめようと思い、今楽しめていることをもっと楽しむようにしていますが、物足りなさを感じます。
わかってはいても、やはり「こういう自分でありたい」という理想のようなものがあり、それを捨てきることができないのだと思います。
このような気持ちに折り合いをつけ、自分は自分だということを受け入れたいのですが、どうしたらいいでしょうか?

抽象的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。

回答

まず、憧れを捨てる必要は無いと思います。

なぜならば、憧れをきっかけとして行動が始まっているからです。憧れて何かを初めるのは悪としてそれを辞めてしまっては、そもそも行動が発生しない(しにくい)と思います。言い換えるなら、「優れた作品に感銘を受けて行動したがすぐに止めてしまった」ということは、何も行動せずにただ漫然とコンテンツを消費してそれで終わったよりもずっと良いと個人的には思うのです。(漫然とコンテンツを消費することが悪だといいたいわけではないです)

やってみると全く登ることができず、周りの上手い方に引け目を感じて3回ジムに行ったっきり辞めてしまいました。

これは、やってみて自分が思っていたよりも難しかった、とわかったことだけでも立派な収穫と思います。そして今やめてしまっているとしても、将来的に再開するハードルは初めて挑戦するよりは低くなっているでしょうし、何かのきっかけで再開しやすいと思います。

元々絵を描くことは嫌いではなかったのですが、これもやはり3か月程度で辞めてしまいました。

3ヶ月も続いたのはむしろ長い方だと個人的には思います。その3ヶ月の経験も、将来的にまた再開したときの糧として残っていることでしょう。

そもそも何か新しいことを始めようとしたときに、憧れ(あるいはお手本、ベンチマークとするなにか)があるのは、そういったものが何もないよりもずっと上達が速いと思います。子供が大人の真似をしながら成長していくように、人間の脳はお手本を真似て学習を進めていくようになっています。スポーツでも勉強でも芸術でも、優れたお手本を見て学ぶというのはとても重要なプロセスです。そういうことを考えても、あこがれを無理して捨てる必要はないと思います。

今回のお悩みは、「憧れが強すぎて楽しめず、趣味として長続きするモチベーションに欠ける」ということなのだと思います。私もそういう経験は何度もあります。

そういうときに私がどうしているかといいますと、前述までの記載と矛盾するようですが一旦は「憧れの何か」を忘れて見ないようにします。見ると自分の能力との差が浮き彫りになるので。代わりに、過去の自分と比較するようにします。そうすると、成長が目に見えるので「俺すごいじゃん」という自己肯定感につながりやすいです。プログラミングでもイラストでもジョギングでもなんでも、私はある程度は自分の殻に籠もって「俺すごいじゃん」ととりあえず思うことにします。「片手間でやっててこんなに絵がうまいやつは稀」「こういう狭い領域を扱うプログラムを作らせたら自分は日本一なんじゃないか」などなど、なんでもいいので理由を付けて自分を褒めるのです。根拠は不要です。別に人に言わなきゃ自分がどれだけ優れていると思いこんでいても恥ずかしい思いをすることはないのです。

そうすると続けるモチベーションが湧いてきます。

優れた何かと自分を比較するのた、そのモチベーションがある程度湧いているときで良いでしょう。すると、優れた何かと比較して、そこには無い自分の良さみたいなものもなんとなく見えてくると思います。そしたら今度は優れた何かと比較することで逆にモチベーションが高まるということも出てきます。

同じような考えは、たまにネットで「私はこうやって成長した」みたいな体験談を読んでても書いてたりするので、みんなそんな感じで無理矢理にでも自己肯定感を生み出し、続けるモチベーションを確保しているのだと思っています。方法は一つだけではないと思いますが、とりあえずご参考となれば幸いです。