調子に乗ってもう一つ作ってみました。不備があったら許してね。
ネタ切れが近づいてきたので科学「リテラシー」としてはふさわしく無い内容も多くなってる気がします。内容も難しくなってると思います。
単に科学全般のおもしろクイズな感じに思って頂ければ。
○☓クイズです。
- あるプログラムが「処理を行って止まるか」を確認するプログラムは作れない
- 現在の数学では「必ずすべての命題が証明可能」なことが証明されている
- 発泡スチロールなどで断熱した箱の中に水を入れ、外部から内部の水をかき混ぜ続けると温度が上昇していく
- 密閉された箱の中にドローンを置き、その箱を重量計に載せる。中のドローンを飛ばしてホバリングさせると、体重計はドローンの重量分軽くなる
- エレベーターが人を載せたまま落ちた時、中にいる人はエレベーターが着地する瞬間にジャンプして空中に居るようにすると衝撃を受けない(※エレベータは衝突しても形状を保っているものとする)
- 人類のロケットや探査機はまだ太陽系外を調査したことがない
- 人間の皮膚には健康な人でも常に大量の細菌が存在している
- アルミホイルを噛んだ時に痛みを感じるのは、金属の歯の詰物をしているひとだけ
- どんなに強力なポンプでも、10mを大きく超える高さから水を吸い上げることはできない
- ロケットが宇宙から地球の大気圏に突入するときロケットの温度が上昇して火の玉のようになるが、これは空気との摩擦熱が原因
- スプレー缶を連続して使用すると缶が冷たくなるが、逆にスプレー缶にガスを詰め込んだときはスプレー缶は熱くなる
- 人人間の体の中では数多の化学反応が発生する
- 日々、我々の体は放射線や活性酸素によって遺伝子が破壊されている
- 自殺するための遺伝子が存在する
- 細菌で汚染された食べ物や水であっても、十分に加熱すれば口にしても安全である
- 地球が出来てから現在まででおよそ200億年の年月が経過している
- 地球の自転の速度はだんだん早くなっている
- 人間が住む地球上の空気の大部分は酸素で、人間が呼吸によって吐き出す息の大部分は二酸化炭素
- 1デシメートルは10センチメートルに等しい
- 「体内時計」とは俗説であり、人間の中に時間を計測する機構は存在しない
- 人間とチンパンジーの遺伝子は96%同じで、人間とバナナの遺伝子は60%同じ
- ウィルスは宿主の細胞内に入り込んで宿主の細胞に自分自身のコピーを製造させる方式で増えていく
- 彗星の尾が伸びる方向は進行方向と逆方向
- 音の高さは音波の振幅で決まり、音の大きさは音波の周期によって決まる
答え
あるプログラムが「処理を行って止まるか」を確認するプログラムは作れない
正しい。
「このプログラムが無限ループするかどうか」を機械的に判断することはできない。
アラン・チューリングという人が証明した。証明したのはなんと1936年、第二次世界大戦よりも前。
現在の数学では「必ずすべての命題が証明可能」なことが証明されている
間違い。逆。
第1不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、ω無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する。
第2不完全性定理
自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、無矛盾であれば、自身の無矛盾性を証明できない。
ゲーデルの不完全性定理
ようするに現代の数学がどんなに進歩しても証明できない何かは存在するよ、ということ。
発泡スチロールなどで断熱した箱の中に水を入れ、外部から内部の水をかき混ぜ続けると温度が上昇していく
正しい。水をかき混ぜた時に発生した運動エネルギーは最終的に分子の衝突からすべて熱に変化する。つまり水はかき混ぜると熱くなる。
ちゃんと断熱されていれば温度上昇として観測できる。発泡スチロールに水を入れて蓋をして、穴を開けて外部から棒を入れてかき混ぜる、という実験でも観測可能(と本に書いてたけど私自身はやったことは無い)。
工学の分野で水中ポンプが動作した時に系に与える熱量を計算するときも、水中ポンプの定格電力を系に与える熱量として採用する。1kWの水中ポンプを定格で動かして水を循環させている時、系に与える熱は1kWである。
密閉された箱の中にドローンを置き、その箱を重量計に載せる。中のドローンを飛ばしてホバリングさせると、体重計はドローンの重量分軽くなる
間違い。重量計の数値は変化しない。中のドローンが浮いている時、ドローン自体にかかっている重力の力を打ち消す力が風圧によって底面にかかっているから。
密閉されていなければ軽く計測される。風圧をもたらす運動エネルギーが重量計が計測できる領域外に流出してしまうため。
エレベーターが人を載せたまま落ちた時、中にいる人はエレベーターが着地する瞬間にジャンプして空中に居るようにすると衝撃を受けない(※エレベータは衝突しても形状を保っているものとする)
間違い。エレベーターが衝突する瞬間には、中に居る人間にも落下するエレベーターの速度と同じ速度で移動している運動エネルギーが蓄えられている。着地の瞬間にジャンプして中に浮いていたとしても、その高いところから落下して加速した運動エネルギー分を相殺するには至らず、ちょっと浮いて床面に思い切り叩きつけられる。
例えば10mの高さから落下するエレベーターの中で垂直にジャンプして50cm(成人男性の垂直跳び平均値くらい)くらい飛べる人が着地する瞬間にジャンプしたとすると、50cm分の位置エネルギーを相殺することができるので、結果、だいたい9m50cmの高さから落下したのと同じ衝撃を受ける。
ちなみに落下している最中のエレベータの内部では人間はフワフワ浮き始める(ジェットコースターが落ちる瞬間に体がふわっとするのと同じ原理で)ので、そもそもジャンプすること自体が困難。靴をジャンプで剥がれる程度弱い接着剤で床と固定するなどの工夫が必要と思われる。
人類のロケットや探査機はまだ太陽系外を調査したことがない
間違い。
ボイジャー1号とボイジャー2号が太陽系を離れて現在も地球と通信している。
ただし、「太陽系外」の定義にもよる。記事中にも書いてあるように、オールトの雲までを太陽系とするならばまだ太陽系外には達していないとみなすこともできる。
人間の皮膚には健康な人でも常に大量の細菌が存在している
正しい。常在菌でググってみてください。有名なところではニキビを引き起こすアクネ菌など。
アルミホイルを噛んだ時に痛みを感じるのは、金属の歯の詰物をしているひとだけ
正しい。アルミと金属の詰物(クラウンという)と唾液が反応して電池となり、起電力が発生して神経を刺激するため。
どんなに強力なポンプでも、10mを大きく超える高さから水を吸い上げることはできない
正しい。ストローを吸うとに水が重力に逆らって登っていくのは大気圧が液面を押しているから。口腔内の気圧が大気圧よりも小さくなると差圧分の力で液面が押される。
ポンプも同じ。どんな強力なポンプ(パイプの中を真空状態に出来るポンプ)だったとしても、大気圧が液面を押す以上の力でパイプ内の液面は上昇しない。この高さが概ね10m。
実際に実験した写真が掲載されているページが以下。
ロケットが宇宙から地球の大気圏に突入するときロケットの温度が上昇して火の玉のようになるが、これは空気との摩擦熱が原因
間違い。
空気分子との摩擦熱は小さく、それよりも大気の断熱圧縮の方が圧倒的に支配的と言われる。
ロードバイクなど、高い空気圧を入れれる自転車の空気入れを使うと空気入れやタイヤが熱くなるが、これと同じ原理。
スプレー缶を連続して使用すると缶が冷たくなるが、逆にスプレー缶にガスを詰め込んだときはスプレー缶は熱くなる
正しい。理由は前項と同じ。
人間の体の中では数多の化学反応が発生する
正しい。化学反応だらけ。「分子生物学」などでググって見よう。
細胞活動、生命活動とはすなわち化学反応である。人間は物体として存在しているのではなく、壮大な化学工場が動的に自分を形作っている波のようなもの。
日々、我々の体は放射線や活性酸素によって遺伝子が破壊されている
正しい。
自殺するための遺伝子が存在する
正しい。アポトーシスやプログラム細胞死などでググってみよう。
放射線や活性酸素によって破壊された細胞が癌化する可能性があるが、癌化する前におかしくなった細胞は自分で死ぬような仕組みも備わっている。
細菌で汚染された食べ物や水であっても、十分に加熱すれば口にしても安全である
間違い。加熱しても死なない最近も居れば、細菌が排出した毒で耐熱性を備えるものもある。
地球が出来てから現在まででおよそ200億年の年月が経過している
間違い。46億年位。
地球の自転の速度はだんだん早くなっている
間違い。だんだん遅くなっている。地球が誕生したころは4〜6時間周期だったと言われる。
近年(数百年スパン)の観測結果では、ミリ秒単位で早くなったり遅くなったりしているらしい。
人間が住む地球上の空気の大部分は酸素で、人間が呼吸によって吐き出す息の大部分は二酸化炭素
間違い。地球上の空気も吐き出す空気もどちらも窒素が主成分で、7割程度。
1デシメートルは10センチメートルに等しい
正しい。デシは1/10を表す接頭辞なのでメートルの1/10、つまり10cm。
「体内時計」とは俗説であり、人間の中に時間を計測する機構は存在しない
間違い。概日リズム、時計遺伝子などでググってみよう。
簡潔に言うと生物の体の中にはだいたい24時間周期での遺伝子からのタンパク質合成のリズムが発現するような仕組みがある。
人間とチンパンジーの遺伝子は96%同じで、人間とバナナの遺伝子は60%同じ
正しい。
ウィルスは宿主の細胞内に入り込んで宿主の細胞に自分自身のコピーを製造させる方式で増えていく。自分自身では増えることができない
正しい。ウィルスは宿主の細胞内に入り込んで自分の遺伝子情報を放出し、それを宿主のタンパク質合成の機構に組み込むことで宿主細胞のタンパク質合成の仕組みを乗っ取り、自分自身のコピーを宿主の細胞に作らせる。
彗星の尾が伸びる方向は進行方向と逆方向
間違い。彗星の尾は太陽風を受けて飛び散ったガスやチリなので、進行方向とは関係なく太陽と逆方向に伸びる。
音の高さは音波の振幅で決まり、音の大きさは音波の周期によって決まる
間違い。逆。大きさが振幅で決まり、高さは周期で決まる。
おわり
最後の方は解説を書くのも面倒になってきてしまった。だいぶネタ切れになってしまったのでもう次はないと思います。