「コスパ」から「コスベ」へ

ということです。

背景

フリーランスになってから年収が結構上がったので、かなり贅沢な生活をしていた。高額な物品やサービスを購入したもので、思いつくものは下記の通り。

  • ヒゲ脱毛(20万円くらい)
  • カメラ&レンズその他購入(計60万円くらい)
  • 原付二種バイク購入(ホンダLEAD、30万円くらい)
  • キャンプ用品購入(計10万円くらい)
  • Occulus Goとか電動インパクトドライバとか必要性の薄い数万円レベルのもの(計15万円くらい)
  • 旅行(沖縄、グアム、福島ハワイアンズ、東京ディズニーランド、星野リゾートなど。計80万円くらい)
  • カリモクのテレビ台(26万円くらい)
  • Surface Pro 4購入(13万円くらい)
  • パソコン&作業机&ディスプレイ(計60万円くらい)

計算したところ、314万円になりますね。車買えるじゃん…。これを1年ちょいの間に使った。

まぁ、パソコンや作業机は仕事に必要なので仕方ないにしても、その他色々いらないものが沢山あるんだよねぇ。いや、カメラも必要なんだけどね。キャンプ用品だって必要だし。テレビ台だって5年以上悩んで購入したんだから批判される筋合いは無い。…と、この発送が良くない。もうちょっと支出を減らさないとダメだな。

「払えるから」と使っていたのではダメ

私は私の父親が言った、「欲しいものを我慢してせせこましく暮らすくらいなら、いっぱい稼いで欲しいものを買って遊べ」という言葉がすごく印象に残っていて、そのとおり、ここ数年、稼いだ金で欲しいものをあらかた買ってきた。高級車とかを除けば、まぁ欲しいものは何でも買えた。人生の黄金時代かと思った。

次はいよいよ高級車でも買っちゃおうかな、外車乗ったこと無いし。

とか思っていたのですが、冷静に考えて子供らを私立に入れたりだの何だのする金も必要だよなぁ。このまま贅沢してたら死ぬんじゃないか…?と。いや、死ぬ、が何がどうなるのかは具体的には想像つかないんだけど。何となく雰囲気として死にそう。金使いすぎによるショック死。

ちなみに、

子供を育てるのに本当に3000万円もかかるのか試算してみる

という記事で、私が算出した結果、子供を私立高に入れてそこそこ人並みに大学まで卒業させたとして1人あたり1735万円かかると試算している。うちは二人なので3000万を超える。これを22歳までに支払うと考えると、これ地味に住宅ローンよりも負荷が高いんだよね。主にこの辺で子供が大学生くらいになったときに積んで死ぬ気がする。

あとは生活レベルを上げるのは簡単なんですが、下げるのはやっぱ難しいんですよね。以下の記事を再掲します。

生活レベルを下げるのは難しい

この記事、自分で言うのもあれですが、本当に良いことが書いてあります。個人的な名記事ですね。

特に強調したいのが、

人間は自分が我慢するのは耐えられるが、それを人に強要するのはしんどい。そして親が子供に我慢を強要させることはそれ以上にずっと難しい。こういう背景もあって、家族を持つと生活レベルを落としていくのがさらに難しくなってゆく。

ここですね。名言として後世に残したいレベルです。「ここから先、家を建てるな」という津波を警告した石碑みたいな感じで。

そう、生活レベルを下げるのって結構キツイんです。そして、家族がいると更にキツイんです。自分が我慢するのはなんとかできても、他人に我慢を強要するのは精神的にキツイんです。だから、そういうのもあってもっと節制すべきと最近考えたんですね。

それも最後にもう一つ、節制しようと心に決めるにあたって印象深い言葉があるんです。それは、b-otaku氏という、車好きで大企業に勤めてるオッサンの心にダイレクトに響く、非常に煽り度数の高い特徴的な文章を書いておられる方がいるのですが、このサイトを見ていたとき、

今の世の中、普通のサラリーマンならばCクラスならちょっと頑張れば買えるし、クルマエンゲル係数を目一杯上げればEクラスが買えないわけでもない。おっと、ここで言う普通のサラリーマンとは年収800万円くらいを想定しているから、言っれみればマアマアの東証一部上場企業のホワイトカラーということだ。
Mercedes-Benz (W213) E200 (2016/8) 後編 その2

という文章に心を打たれました。どうですか?このナチュラルな煽り。すごい良いところを突いていませんか?初めて読んだときは「言っれみれば」というtypoすら気づかないくらい心動かされましたね。これはもはや文学と言っていいと思います。

ちなみにCクラスは449万円~、Eクラスは694万円~なので、この「ちょっと頑張れば」「クルマエンゲル係数を目一杯上げれば」というラインはすごく絶妙なラインをついてると思うんです。CX-8だってメインは400万円を普通に超えてきますが、そこら辺で走ってるのをよく見るので、このあたりが世間の「ちょっと背伸びしたいゾーン」の絶妙な表現だと思っています。それを端的に、そして適度に煽りも入れて読者のプライドをくすぐり購入意欲を沸き立たてるこの表現、これはもはや文学ですよ。そう思いませんか?

でまぁ、今回私が書いた記事と何の関係があるかと言うと、人は往々にして金を稼ぐと使いたがるんです。そして経済を回すためにも稼いだ金は使うべきなんですが、いや、家計を考えたときにそれは正しいのか?お前は本当にCクラスを買えるほど金を持っているのか?支払えるからと言って使って良い金なのか?というのをよく考えなければならないと思うんです。

しつこいですが、いっぱい稼いだ金で欲しいものを買うのは経済的にも人間的にも健全です。だから、いっぱい稼ぐのは圧倒的に正しいのだけど無駄遣いは抑えましょうよ。だって、無駄なんだから。というのが今回の趣旨です。

真のコストパフォーマンスとはコストベネフィットだ

こないだ読者の方からメールを頂き、ここでもいい言葉が書かれてありました。それは、

コスパを追求しても幸せは来ない

という記事についての感想でした。この記事は、価格.comでよく見るような、コストパフォーマンスなどという視野の狭い基準を眺めて真理を分かった気になっている、消費でしか自己を表現できない薄っぺらいオジサンになりたくない(そして、自分がそうなりつつあることへの戒め)、というものでした。それに対し、その読者の方は、

「コストパフォーマンスとは本来売り手側の言葉であって、消費者側からすればコストベネフィットという言葉が適当であって、そのミスマッチが違和感を感じる理由の一つではないか」

という鋭い指摘をされていました。

そうなんです、私の言いたかったことは受け手が表示しているパフォーマンスを基準としたものではなくて、消費者が最終的に受け取るベネフィットなんです。

我々は体験に金を払っている

という記事で、私はこの「コストベネフィット」を「価値観でバイアスされたユーザーエクスペリエンスベースのコストパフォーマンス」などという、エセコンサルが言いそうな言葉を使って説明しましたが、理解すれば単純なことでした。我々はコストに見合った売り手が表示するパフォーマンスを得たいのではなくて、最終的に得られたベネフィットに対してコストが見合っていたか、を気にしているんです。

私はさんざんこのブログでコスパを重視すべきと書き、その後でなんかコスパはやっぱり違うと書いて来ましたが、その「なんか違う」とのギャップを埋める言葉こそ、コストベネフィット、略してコスベというわけです。なんか略すと歯切れが悪い言葉ですが…。

我々は「コスベ」が高い商品やサービスにお金をかけていく必要がある

石油王とかで金がほぼ無尽蔵で存在する、とかいう場合でない限り、ほぼすべての人はお金を管理しなければならないです。たとえ数千万円の年収があったとしても、欲張って高級車だの不動産だのを買うと1件のサービスで年収を超えてしまいます。それは年収500万円の家庭がちょっと欲張ってベンツCクラスあたりを買うというのと本質的な差な無いと思ってます。

であるから、庶民であれ年収数千万の金持ちであれ、我々は何にお金をかけ、何を切り捨てていくのかを考えないといけないのではないでしょうか。お金があるから買う、買えるから買う、という生活を続けるならば、いくら年収があろうと経済面では苦労するんじゃないかと。この世の中は贅沢しようと思えばどこまででも贅沢が可能ですから。だから、人は年収300万円から500万円に上がったら、500万円の生活をしたがるし、500万円が1000万円になれば1000万円の生活をしたがるし、それが2000万、3000万となっても同じなんじゃないかな。

我々がものを買う時、その財なりサービスなり製品なりは本当に価格に見合っているのか?支払っただけのベネフィットをお前はもたらしてくれんのか?というのが買い物の本質ではないだろうかと思います。