今年、東京は大雪が降って道路がひどいことになっていますな。
雪国だと除雪車が来るので、車でも快適に走行できるのですが、除雪車が来ないとどうしようもない。私の住んでいるあたりではSUVで4WDじゃないと走行できないような感じでした。
こういう時は家に引きこもるに限りますが、どうしても外に出なければならない場合。そういうときは車に付いているデフロック、もしくは、トラクションコントロールOFFというスイッチを押すと、片側のタイヤに抵抗がかかった時にもう片方のタイヤが空転する、という現象を防ぐことができるのでいい感じです。
ただし、そのようなスイッチが付いてない車種もかなり多いんですね。プリウスにもこのボタンが無い。無いですが整備モードというやつで一時的にオフにすることが出来ます。
やり方
以下のページを参考にさせてもらいました。ちなみに、プリウス 30型の場合です。
【覚書き】プリウス 整備モード エンジン強制起動・TRCオフ
- ブレーキを踏まずに二回イグニッションボタン(エンジンONボタン)を押す。(ACC→ON)
- Pレンジで3回アクセルペダルをべた踏み
- Nレンジにして3回アクセルペダルをべた踏み
- Pレンジにして3回アクセルペダルをべた踏み
- 「CERTIFICATION MODE」という表示が出る
- ブレーキを踏みながらエンジンをかける
ちなみに、アクセルペダルべた踏みのあたりは、念のため左足でブレーキを踏んでおいたほうが良さそうです。
効果
すばらしい!
普通だったらスタックするだろうな・・・という感じの、ぐっちゃぐちゃになっている雪面でも進んでいきます。言い過ぎかもしれませんが、FFが4WDになったくらいの頼もしさを感じます。
ただし、いくつか注意が必要です。
第一に、プリウスのトラクションコントロールシステムは、ミッション(遊星ギア)の保護にも使われて居ます。なので、この状態であまり回転数を上げたり、常用したりするとよろしくない結果を引き起こすかもしれません。特に雪道だと、タイヤが空転して回転数がどんどん上がります。
第二に、トラクションコントロールをオフにしたところで、グリップ力が戻り、乾いた路面のようにスムーズに進めるわけではありません。ぐっちゃぐっちゃになった雪道を、タイヤを空転させながら無理やり進んでいく、という形であるのに変わりはありません。
こういう状態で突然、路面にタイヤが直に接地してグリップが戻るといきなり加速しますし、速度によってはリアタイヤが流されたり、フロントがあらぬ方向を向いたりということは十分に考えられます。
なので、ドリフト走行の経験が無いとか、雪道の運転にそもそも不慣れとか、瞬時にハンドルをフル回転させる自信が無いとかいう人は、よく注意しましょう。
基本的には、スタックした時に脱出するための最後の手段くらいに思っておいたほうが良いかもしれません。これで人を轢いたり車を壊したりしても、責任を取るのはドライバーになります。
除雪された雪道
TRCをオフにすることで恩恵が得られるのは、10~20km/h前後の速度しかだせない、雪が溶けてぐっちゃぐっちゃになった、スタックしそうな路面だけです。
きれいに除雪され、路面が圧雪されたような道では、もちろんTRC(VSC)をオンにして普通に走行したほうが安全です。最近のトラクションコントロールシステムはものすごく良く出来ています。WRCでラリーカーを運転するのでも無い限り、トラクションコントロールが付いているに越したことはありません。
プリウスのS-VSCもかなり良く出来ています。実家に帰省する際は雪道を長く運転しますが、滑り始めた瞬間、カウンターを当てる前に滑りを感知して安全に速度を落としてくれるので危ない目にあったことは今のところありません。
まとめ
いろいろ書きましたが、大雪の日は引きこもるのが一番です。どうしても車に乗らなければならない場合は、スタックした時の脱出用すべり止め、スコップなんかを常備しとくべきでしょう。それでもどうにもならなかった場合に、この方法は使うのがいいんじゃないでしょうか。まあ、メーカーは確実に推奨しないであろう方法なので。