レビューしてみようと思う。
簡単なまとめ
コストパフォーマンス最強です。性能に全く不満がありません。MVNO(IIJmio)と組み合わせれば、最小のコストで最大の満足度を得られます。ガラケーを捨てきれないけど最新スペックのスマホも欲しい、という人はMVNOでNEXUS 5を買ったら幸せになります。
唯一の難点は、ケースの選択肢が殆ど無いことです。
電池の持ち
電池の持ち具合は普通だと思います。スペックを考えれば良い方なんじゃないでしょうか。節電アプリなどを入れず、朝充電しておいて1日十分持つくらいです。私の使い方としては、朝夕、電車に乗っている計40分にネットを見る、他、LINEのメッセージに都度返信する、Google Adsenseのウィジェットを気が向いた時にチェックする、など。
私の比較対象が前に使っていたXperia arcしか無いのですが、イメージ的にはこれと同じくらいです。Battery Mixで見ると、-1.9%/Hとなっています。日中普通に使っていると、-5%/Hくらいまでには下がります。画面の明るさはオート。節電に気をつければ(画面を暗くする、更新を止めるなど)-2%/Hくらいは保てる気がします。
私は会社、家、車、どこにいても充電できる環境にいるので困らないのですが、もし日中に充電できないような環境にいる人でしたら、小さいモバイルバッテリーなどを持っておいたほうが良さそうです。
画面サイズ
ちょうどいいと思います。Xperia Zを見ると、バカみたいにでかいと思えてくるのですが、Nexus 5は角が丸いデザインのせいか、それほど大きく見えません。
片手で持って、画面上の一番遠いところに親指が何とか届くサイズです。両手で使ったほうが良いサイズではあります。うちの嫁さんもNexus 5ですが、大きすぎるという不満を聞いたことは無く、女性でも使いやすいのだと思います。
ただ、大きいのでポケットからの出し入れは結構大変な場面があります。
解像度はFull HDなのでかなり高精細です。ドットはもはや視認できないレベルで、一眼デジカメで撮影した写真等を見るとかなり綺麗で感動します。
Webブラウジングも全く不満を感じさせません。PC向けにデザインされたサイトでも問題なく見れます。
以下、実解像度でのサンプル。
速度
パフォーマンスは素晴らしいです。2ヶ月間使用して、もたつきや引っ掛かりを感じることは皆無だったと言えます。待たされる場面は、NASや3G回線でアクセスするときや、パケづまりなど、すべてネットワークに起因するようなケースです。純粋にCPUパワーが足りないと思うことは全くありません。(これは、KitKatが軽いということもあるのかもしれません)
GPU性能についてはゲームをやらないのであまりわかりません。3DMarkを動かして「すげー!!PS2くらいの性能はあるな」と喜んだくらいです。動画支援は普通に効きますし、2Dのアニメーション描画にもGPUパワーを使ってるんだとおもいますが、そのあたりは当然ながら、普通にもたつき無く動きます。
書いていて思い出したのですが、UIアニメーションのフレームレートがかなり高い気がします。Xperia Arcでもアニメーションの動きにもたつきはそれほどありませんでしたが、逆に言えば、もたつき無く動作するようにフレームレートがかなり低めに抑えられていました。Nexus 5ではカクカク感を知覚できない、というレベルです。
カメラ
私は基本的にスマホや携帯電話のカメラを使いません。性能的・機能的に満足できないからです。写真を撮る可能性のある場面では、可能ならデジタル一眼、無理ならハイエンドコンパクトデジカメを持ち出します。なので、あんまり使ってないというのが正直なところです。
それでも、LINEなどで写真を取って送ったりはたまにしますが、まあそれなりに満足できるレベルの写りはする気がします。エントリーモデルのコンパクトデジカメくらい綺麗には写るのではないでしょうか。
Nexus 5の売りとして、HDR+機能があるのですが、これもいい感じに効いてる気がします。ただ、風景を取ると不自然に空の色が青くなったりするので、効きすぎな感もあります。
たまに、書類やメモなどを写真でとってあとで見る、などの使い方をすることが有りますが、そういう使い方でも十分な性能を発揮します。しかし、フォーカスがかなり甘く、いつまでたってもピントが合わないことも多々あります。これはコントラストAFなのでしょうがないところもありますが、Xperiaシリーズなんかを触ってみると、もうちょっとマシな印象を受けます。
いずれにせよ、写真を取って加工アプリを経由してSNSやメッセンジャーアプリなどで送り合うには十分過ぎる性能だとは思います。
root取得(Root化)が不要?
私は家でも会社でもLinuxユーザーで、いじれるLinuxがあれば何か仕込みたいと思ってるタイプですが、Nexus 5に限っては未だrootを取っていません。なぜかというと、必要性を感じさせないからです。
たとえば、Xperia Arcでは買ってすぐに私はrootを取りました。それは、以下の様な事がしたかったからです。
- CWMによるフルバックアップ・リストア
- Link2SDによるSDカードへのアプリインストール
- Android 4.0化(海外ROM適用)
- 中華フォント対策
- セルスタンバイ対策
- テザリングを使う
Nexus 5では上記のようなことがわざわざrootを取得しなくても出来たり、そもそも不要だったり、その他回避策があったりするのです。
- CWMによるフルバックアップ・リストア→adb backupコマンドで出来る
- Link2SDによるSDカードへのアプリインストール→ 内蔵ストレージ容量が大きいためそもそも不要
- Android 4.0化(海外ROM適用)→ 常に最新のバージョンがOTAで提供される
- 中華フォント対策 → 中華フォントじゃない
- セルスタンバイ対策 → IIJmio SMSオプション加入で解決
- テザリングを使う → 元々できる。出来ないのは国内キャリア発の端末だけ
という感じです。Nexus 5にかぎらず、最近のスマホは普通に使う分にはrootを取る必要はあんまりないでしょう。
Dalvik → ART
KitKatからは新しいアプリ実行フレームワークであるART(Android RunTime)が選べるようになっています。開発者向けメニューから切り替えることが出来ます。
ARTはベンチマークの結果を見る限りかなり良さそうな成績を残しているので、切り替えたかったのですが、LINEの通話が出来ないことが判明し、元に戻した経緯があります。
そもそも、中間言語を解釈する下層のフレームワークなので、動作が異なること自体がおかしいのですが、そのあたりも含めてまだ開発中なのでしょう。
ちなみに、私はDalvikという名前を気に入っていたので、ARTになるのはちょっと残念です。正式にリリースするときにはなんか良い名前をつけてあげて欲しい。
カバー
Nexus 5 にはカバーが少ないです。iPhoneやXperiaだと、どこの家電量販店に行ってもケースが売ってますが、Nexus 5にはありません。
SPIGEN SGPというカバーが、耐衝撃性もあり、見た目も悪くなく良さそうなのですが、いまいち購買欲が起きず、2ヶ月弱をケース無しで過ごしました。
もともと、ガラスはGorilla Glass 3で引っかき傷に対する耐性はかなりありますし、ボディも傷がつきにくいような素材でできているので、滅多なことでは傷はつかないでしょう。
ただ、GIGAZINEでNexus5が壊れたという記事もありました。
Google Playで買った「Nexus 5」がバキバキに壊れたので修理に出してみた
これ、よく読んでみると車のシートから地面に落ちたという、とてもよくあるケース&よくある高さからの落下です。いくらGorilla Glassと言えども壊れるときは壊れるということでしょう。このようなケースで、もしカバーがあれば防げるかどうかというのはわかりませんが、無いよりはずっと良いでしょう。ということで、後々、買うかもしれません。
余談ですが、Gorilla Glassはなんと日本、静岡でも作っているらしいです。ほんとかよ。→ホントだそうです。
ゴリラガラスはアメリカのケンタッキー州ハロッズバーグと日本の静岡の工場で製造されている。
これも余談ですが、カバー裏面に貼ってある IMEIの書いたシールは感熱紙的なものでプリントされているらしく、1ヶ月くらいでかなり真っ白に消えてしまいました。端末情報から見れるので困りませんが。(というか、IMEIを確認する必要性は殆ど無いと思いますが)
Chromeのデータ圧縮
Nexus 5と直接関係ありませんが、こいつがなかなか良いです。1月後半に、Beta版Chromeでのテストを終え、通常版Chromeにも搭載されました。
これは、Googleのプロクシサーバを経由させ、プロクシサーバ内部で画像をWebPフォーマットに再変換して小さくし、かつ、プロクシサーバと端末間の通信プロトコルに効率的なSPDYを使うことでデータ量を削減し、レスポンスを良くさせようとする試みです。以下が実際に使用した感じ。かなり圧縮できています。
同様の方式はOperaで実現されています。Operaに比べてChromeのデータ圧縮が優れている点は、まず、レイアウトが崩れないということでしょう。Operaのデータ圧縮で崩れてしまうようなサイトでも、Chromeだとまず崩れません。Chromeのデータ圧縮を利用していてレイアウトが崩れるようなサイトを見たことがありません。
Operaで崩れるのは、そもそもWebページがOpera向けの対応をしていないというケースも有るかもしれませんが、そもそも、そのようにマイナーなブラウザであるということであるということ自体がウィークポイントです。Webの世界では一番ユーザーを獲得できたサービスが正義になるデファクトスタンダードの世界なので。
ちなみに、WebPというのはGoogleが提唱する新しい画像フォーマットで、PNG、JPEGの置き換えを狙っています。可逆圧縮、非可逆圧縮の両方をサポートし、アニメーション、3D画像、CYMK方式なども実現させる野心的なプロジェクトです。
サンプル画像を見ると、JPEGとほとんど見た目が変わらずサイズは小さい、というのがわかります。
SPDYというのはHTTPプロトコルをがっつり入れ替えるようなものでなく、セッション層の置き換えを狙ったもので、クライアントが要求してくる前に画像データなどをキャッシュさせるとか、何度もコネクションを繋ぎ直さなくていいとか、HTTPヘッダを圧縮するだとか、そんな改善が盛り込まれています。
以下のIIJの解説記事がとてもわかり易かったので、興味がある人はどうぞ。
Web表示の高速化を実現するSPDYとHTTP/2.0の標準化
IIJmio
これもNexus 5と直接は関係ないですが、IIJmioもかなり良いです。最近はMVNOも流行ってきたので、各種インターネットプロバイダがMVNOサービスを始めていますが、何と言ってもIIJmioの優れている点は通信速度制限がかかっても速い、ということでしょう。
通信速度制限がかからない通信量(クーポン)は、1ヶ月に500MBで、この点に関しては他のMVNOのほうが勝ってたりもします。
ただ、私の使い方だと1ヶ月にちょうど500MB分しか使わないようで、実質は一ヶ月丸々LTEの速度で通信できているようなもんです。現状は最良の選択肢です。加えて、SMSも利用できるようになったため、アンテナピクト/セルスタンバイ問題も発生しないです。
まとめ
これだけの性能を持った端末を4万円以下(私は32GBモデルを買ったので4.5万円でした)で提供できるのは素晴らしいと思います。コストパフォーマンスは間違いなくトップクラスでしょう。使っていて不満はほぼ無いばかりか、何を操作してもサクサク動くので、使っていて楽しくなるくらいです。
なんだかGoogleとIIJを賞賛する記事になりつつありますが、本当にそうなのでしょうがない。ユーザーに安価な端末を提供し、さらにSPDYやWebPといった、今までダメだとは思ってたけどみんな放置していた部分に本気で取り組んでいる。IIJは安価なMVNOサービスを提供し、通信速度もあまり制限しない姿勢をとっている。更に、わかりやすくて詳細な技術情報を多数提供してくれている。
もーほんと、いい時代だと思います。こないだまで俺なんて、PC-9821に56kbpsモデムつけてて、テレホタイムを待ち続けるような感じで、友達のISDN回線が羨ましくてしょうがなかったんだから。
初めましてこんにちは。
通りすがりですが、同じく最近Nexus5を買ったのと、Gorilla Glassについて。
Gorilla Glassはコーニングという会社が作ってて、日本ではコーニングジャパン。
静岡県掛川市に工場がありますよ。
こんにちは、コメントありがとうございます。
アメリカの会社なのでアメリカで作っているとばかり思っていました。
個人的に物質・材料系の製造技術で日本は世界に負けてほしくない
と思っていましたので、なんか安心すると同時に嬉しいです。
Nexus 5で言えば、ディスプレイも日本製(ジャパンディスプレイ)っぽいですね。