マスクの転売禁止とネット通販サイトの概況

小ネタです。

COVID-19の感染拡大により日本国内では2020年2月末あたりからマスクが非常に手に入りづらく、また、所謂転売ヤーが大量に購入してマスクを高額転売していることへの対応として、国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令が交付され、同年3月15日から施行されました。

国民生活安定緊急措置法施行令(昭和四十九年政令第四号)

第一条 国民生活安定緊急措置法(以下「法」という。)第二十六条第一項の政令で指定する生活関連物資等は、衛生マスクとする。
(衛生マスクの転売の禁止)
第二条 衛生マスクを不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者は、当該購入をした衛生マスクの譲渡(不特定又は多数の者に対し、当該衛生マスクの売買契約の締結の申込み又は誘引をして行うものであつて、当該衛生マスクの購入価格を超える価格によるものに限る。)をしてはならない。

ちなみに国民生活安定緊急措置法とは第一次オイルショック時の急激な物価上昇に対応するために制定された法律だそうです。

ということでネット上を散策して色々見て回りました。

Amazon

マスクが品薄になってきたときはマーケットプレイス販売事業者から100枚入りで1万円を超えるようなマスクが出品されていた記憶がありますが、3/17時点では1件も見当たりません。そもそも衛生マスク自体の販売が非常に小数で、よくドラッグストアに売られているような不織布で50〜100枚入りの商品は見当たらず、代わりに洗って使えるような1枚ないし2枚程度が梱包されて1000円前後の商品が多く見当たります。これらの値段は個人的には妥当と思われますが、感染症の予防あるいは罹患者からの感染防止に役立つのかどうかはよく分かりません。少なくとも商品説明にそのような文言は皆無です。

さらに、「マスク」で検索すると上部に「新型コロナウイルス感染症について 正しい情報は厚生労働省のホームページをご覧ください」と表示された上で厚労省の新型コロナ関連の情報をまとめた特設ページへのリンクが貼られています。

Amazonは早期にマスクの転売対策や便乗値上げを防止するために対策を取ると表明していましたが、たしかにしっかりと対策が取られた上で、正確な情報を確認するような誘導も行っています。これは非常に高感度が高いですね。Amazon、最近は中華商品汚染やデリバリープロバイダへの移行によって個人的な心象は悪かったですが、見直しました。

楽天

全然だめですね。

楽天に出品しているのはその出店に関わる費用の高さから転売ヤーは少なく、どちらかというと便乗値上げしている販売者が多数と考えられます。また、同政令で規制できるのは「転売」のみであって、小売事業者が納品された商品を高値で売ることまでは制限されていません。

第二条 衛生マスクを 不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者 は (以下略)

なので同政令が施行されたからと言って楽天の販売事業者が便乗値上げしているのを規制することはできないのですが、同法の主旨を鑑みれば日本国内では一応大手の楽天がこうした商品を野放しにしてて良いのか?社会的責任があるんじゃないの?とは個人的には思いますね。まぁ社長が嬉々と送料無料化を打ち上げて「問題ない」とか言ってて結局公正取引委員会から緊急停止命令を受けるような会社なので個人的には期待してないし利用もしてないので別にいいんですが。

メルカリ

私は一回も使ったことのないメルカリ。検索してみましたが、ドラッグストアで売られているようなマスクは見た限りでは一つも出品されていませんでした。メルカリもAmazonと同じく、初期から転売対策を行うと表明しており、現在も完全にコントロール下にあるようです。

手作りの布マスクのようなものの出品があるかと思ったんですが、それも無いですね。ググるとどうもマスク自体の出品を控えるようにと運営からお達しが来ているようです。この件に限らないですが、どうもメルカリユーザーはメルカリ運営者のお達しをきっちり守る人が多い印象です。手作りの布マスクを作るための材料や、「インナーマスク」なる、不織布の内側に差し込んで使ってくださいという長方形の布を縫い合わせたものが出品されているのはよく見ました。要するにこれを差し込んでこっちを洗うことで通常の使い捨て不織布のマスクを延命させようみたいな感じなんですかね…。

まぁ毎日電車等に乗って仕事に行く人は電車内で咳したら睨まれるとかいう状況だと聞くので、マスクの手持ちがない人はたとえ付けているマスクに予防効果があろうとなかろうととりあえずマスクをしておかなければならない、それを長期運用させるにはこういう布を差し込んで延命させるしか無いとかいう状況なんでしょうね。

ヤフオク

ヤフオクもマスク売ってないですね!一個くらいあるんじゃないかと思いましたが、やはりメルカリと同じくマスクの出品はちゃんと管理されてるようです。その代わり、「マスクではありません」と念押しして「マスク取り換えシート」という商品の出品が多かったです。これも先に説明した「インナーマスク」と同じような使い方をする商品です。元々の値段が分からないのですが、50枚入りで1000円前後からスタートの出品が多く、値段が特に高騰しているという感も無いです。

ポンパレモール

あんまり使っている人が居ないような気がするポンパレモール。私は以前リクルートカードをメインのクレジットカードとして使用していたので、使う機会がそれなりにありました。

ポンパレモールはサービスイン時から特に機能追加も無く、UIもよろしくない(どの店舗の商品がカゴに入っているのか、今見ている商品がどの店舗のものなのか分かりにくい)ままなのでリクルートもあんまりやる気無いんかな?と思っていましたが…。今回確認すると、楽天と大差ない状態でした。

ただ、ヒットする件数は楽天よりも格段に少ない印象です。が、それは特に対策を行っているからではなくて単に出店店舗数が楽天に比べて少ないという理由な気が…。ポンパレモールを使っていて一番不満だったのだ出店店舗数が非常に少なく、欲しいものがそもそもヒットしないということが多々あったことです。

まとめ

大体思ってたとおりだった。

メルカリやヤフオクは個人で出品しやすい(出品するのにお金があまりかからない)サービスなので転売er対策も強固に行っていると思われます。Amazonのマーケットプレイスも1商品100円から、大口出品者としても月額4980円からという料金設定なので個人で出品しやすくはありますが、販売者の名前と連絡先の公開が必要という点で転売erにとってはやや敷居が高くなっていると思われます。いずれにせよしっかりと対策した上で前述したとおり、厚労省へのリンクを貼って誘導しているという点で対応としては完璧に近いと思います。

一方で楽天、ポンパレモールはまぁお察しの通りという感じだった。繰り返し書きますが、楽天やポンパレモールに出店しているのは小売業を営んでいる事業者であって、事業者は普通「不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者」ではありませんから、今回施行された政令で規制される対象ではありません。かつ、たとえ転売erがネット上の各種サービスを用いて違法に衛生マスクの販売したからといって罰せられるのは転売er本人のはずです(合ってるよね?)。だから運営者にただちに法的責任があるとは言えないと思われますが、しかしだからといって同法が発布された意味や背景が分からないわけではないでしょう。そこら辺どう考えてんの?とは聞きたくなりますね。