車に興味ない人向けの車の選び方

というのを書いてみようかなと思ったので書いてみる。あくまでも私が考える選び方、なのでそれを踏まえて参考にしたりしなかったりしてください。

メリット

おそらく「車に興味がない」という人は「自家用車は生活の必需品ではない」という立場の人(特に都市圏の人)だという想定の元、本記事を書きます。

なので、まずは自家用車を所有するメリットを簡単に説明します。自家用車を所有すると何がいいのか?

  • 所有することによる満足感
  • 趣味性(ドライブやカスタムの楽しさ)
  • ふらっと旅行をしやすい
  • 海外旅行であっても空港まで車で移動できるのは非常に楽
  • 世間と隔絶されたプライベート空間でdoor-to-doorで移動できる
  • そのプライベート空間を自分の好きなようにできる
  • 子供ができた時に移動がすごく楽(子供と一緒に電車に乗っていやな思いをしなくてよい)
  • 日常の買い物(特に大きなものや重いものを購入する)に便利
  • 非常時の交通インフラになる(公共交通機関が全部止まってても自家用車は影響を受けない、ただし災害時の通行規制や渋滞は考慮しておく必要あり)

などが挙げられます。特に子供がいる家庭では都市部であっても自家用車による移動手段があるととても快適です。あとは、以上のようなメリットに対して自家用車を所有するだけのコストをかける価値を感じるかどうかという話になるでしょう。

車選びで見るべきポイント

優先順位が大きいもの順です。

  1. 見た目
  2. 大きさ
  3. ADAS装備、安全装備
  4. ドライビングポジションと運転操作
  5. 快適装備
  6. パワーウェイトレシオ
  7. パワートレイン
  8. タイヤ駆動方式
  9. トランスミッション
  10. 価格

以降、ぞれぞれ解説していきます。

1. 見た目

最重要視すべきは見た目です。外装、内装、俯瞰したスタイル、全体のシルエット、灯火類の位置と点灯パターン(スモールライト、全点灯、フォグ点灯、ブレーキ踏んだ時、ウィンカー点灯時)のチェック。開く扉は全部開けて確認してください。カタログ写真はかなり盛ってるので、できれば実際にディーラーで写真を撮りまくって100回確認してください。見た目においてはその人が気に入るかどうかが全てでネットの口コミはクソの役にも立たないので見ないようにしましょう。

なぜ見た目が最重要なのか?それは、見た目が気に入った車なら多少の不便は我慢できるからです。個々人の用途に完璧に最適化した車というのは現代の量産技術では作れないので、どんな人でも完全完璧な車を所有するのは不可能です。だから、見た目が気に入っているという補正で多少の不便や気に入らないところを許せる車を選ぶべきです。めちゃくちゃタイプでイケメンの彼氏もしくはめちゃくちゃタイプで可愛くて橋本環奈似で巨乳の彼女だったら多少ずぼらでだらしなくても許せますね?そういうことです。でも見た目が気に入らない車は何年乗っても気に入らないままです(見た目が気に入らない彼氏彼女の話はしてませんのでご注意願います)。

失敗してしまいがちなのが、「見た目は気に入らないがエコで安くて運転しやすいから」みたいな選び方で買ってしまうことです。燃費がどんなに良くてもエコでもハイブリッドでも見た目が気に入らない車には道具としての車以上の愛着が湧きません。車が必要必需品である場合にはとにかく安いとかいう選択肢をすべき場合もあるかもしれませんが、そうでない場合にはある程度趣味性を感じられないとあまりにも割の合わない高い買い物というのが実際のところだと思います。

だからこそ、駐車場に止まってる自分の車を見るだけで満足感が湧いて幸せになるような気に入った車を買うべきです。思わず運転してみたくなるような、週末にはどこかに出かけに行きたくなるような、だれか友達を誘ってドライブをしたくなるような車であることが最重要です。(実際には都市部であっても、「車が無くても生活は出来るが、あったほうが便利」という程度の、緩やかな必要性が存在するような場合もあるかと思います。そのような場合でも見た目は最優先したほうが良いと個人的には思います)

しかし大変残念なことに、日本の自動車メーカーがラインナップする車は旧来の車好きなマイルドヤンキー層に特化してしまっているためか、「昔ながらの車のかっこよさ」的な価値観を推し進めてしまっているように思います。具体的には大きい経のホイールに薄いタイヤ、車高が低く見えるデザイン、鋭角的で複雑な形状のバンパー、メッキ調の加飾をふんだんに取り込んだデザイン、つり上がった目のように見えるヘッドライト、大きく開いているように見える前面のラジエター開口部(前方から見て真ん中下方に空いた空気の取り入れ口)など。こういったものを「かっこいい」と思うのは一種の訓練じみた自動車の歴史や技術的知識と理解が必要です。車に興味ない人がぱっと見て気に入るデザインとはかけ離れています。

ぱっと見でかわいい、かっこいいと思えるデザインの車は外車に多いと個人的には思います。私もネット上では34歳既婚子持ちおっさんプログラマとして活動していますが、本当の姿は24歳総合職港区系女子なので可愛くておしゃれな車には人一倍興味があるんですよね。以前書いたこちらの記事もどうぞ→【質問#95】可愛い車を教えてください

特に外車を第一におすすめるわけではありませんが、国産車ディーラーを回っていまいちピンとくる車が無かったら外車勢を検討してみても良いでしょう。外車といっても日本車とさほど変わらない価格で買える車種もたくさんあります。ベンツやBMWの高級価格帯の車だけが外車ではないです。

余談ですが、ここで頭の片隅に入れておいてほしいのは国産車のほうが全般的に信頼性は高く、故障したときの修理代金も安く済む場合が多いということです。だから国産のほうが良いというわけではありませんし、「外車は壊れやすい」と言い切れるほど明らかに信頼性が低いというわけでもありません。国産と外車でそれぞれ1つずつ、どちらにしようか凄く悩む車種が出てきて決め手がない、という場合にちょっと考えてみても良いかな?という程度です。

2. 大きさ

次に重要なのは大きさです。大きさは車の特性を大きく左右する最も重要なファクターです。

小さい車は軽快で小回りが効き、運転しやすいです。しかし、車格の大きな車と比べるといささか安っぽさを感じたり、家族で乗るにはちょっと狭いと思うことも多いでしょう。ちなみになぜ小さい車が安っぽい傾向にあるかというと、車両重量が軽すぎて外乱(道路の凹凸や風)の影響を受けやすかったり、そもそも小さい車はコストをかけず安く作ろうとするメーカーが多いため、です。

大きい車は鈍重ですが、それに見合うパワーがある限りは「高級感」「落ち着いている」という印象をドライバーに与えます。社内の容積はゆったり座るために利用されたり(セダン)、多人数を乗車させるために使われたり(ミニバンや大型SUV)、荷物を載せるために使われます(SUVやワゴン)。特にファミリーの場合は旅行になると意外と荷物も増えますから、ある程度余裕を見た大きさの車を選ぶ必要があります。

しかしながら大きい車はいろいろなものを犠牲にしています。大きいと重いです。重い車体を動かすためにでかいエンジンを積む必要があり、そうすると更に重くなります。重いと燃費も悪くなるのでガソリンタンクもデカくなり、更に重くなります。重いと加速も減速もカーブを曲がれる限界速度も不利になっていきます。だからデカくて良いブレーキを積みます。するとコストがかさみます。重い車体を支えるフレームやサスペンションにも金がかかり、ここがケチられると運転操作の種々の応答に遅れが加わり鈍重な印象を加えると共に、場合によっては気持ち悪くなります。

さらに何よりもでかい車は市街地では運転しにくいです。小さめの駐車場、細い路地でのすれ違い、あらゆるところで大きさが犠牲になります。結果、「私の車でかいんで動きたくないです。あなたがギリギリの隙間を通ってすれ違ってください。私動かないんで」みたいなアルファードに乗ってる量産型主婦ドライバーなどが公道に多数投入されることになります。

日本人は特に「必要になるかも知れないものは入れておこう」という全部入り思想を好むと言われます。たとえばパソコンでもDVDライタードライブを一度も使ったことが無かったとしても7割くらいのユーザーは次回買うPCでもドライブ付きを求めるとかいうデータを目にしましたね。

車も同じで、人は「場合によっては5人以上で移動することもある」という要求を重視してなるべく大きな車を買おう買おうとしてしまいます。あとから5人乗りの車を7人乗りにはできないのだから、7人乗りを買っておけ、と。そうすると近所のスーパーの駐車場で妖怪塗り壁のように動かないミニバンを運転することになります。これはよくありません。車においては「大は小を兼ねる」ということはありません。大きくなっただけいろんなものを犠牲にしてしまいます。ピークの乗車人数を追い求めて大きな車を買うことが本当に必要なのか、よく考えてください。日常的に一番良く使う使い方に合わせた車を購入することが大切と思います。

3. ADAS装備、安全装備

自動車を特に新車で買うと数多の選択できるオプションがあってわかんなーい、というか自動車の機能って走る以外になにが重要かわかんなーいって疑問は車に興味が無いのであれば間違いなく至る疑問だと思われます。

どんな人にとっても必ず必要になる装備、それはADAS装備です。

ADAS、Advanced Driver Assistance Systemと言いますが、これはつまりドライバーをサポートする先進安全装備です。よく言われる「自動ブレーキ」(正しくは衝突被害軽減ブレーキなどと言います)なんてのがそれにあたりますね。具体的には、追突を予防するブレーキシステムや、後ろから車が来ている場合に警告する車線変更警戒機能、バックで車を出すときに横切る車を警戒する機能、走行車線を逸脱しそうになったときに警告する機能、車線に合わせて操舵をある程度自動化してくれる機能などがこれにあたります。

自動車は一般ピープルが最も犯罪を犯しやすい道具です。自動車に乗るとスピード違反をする、駐停車違反をする、信号無視をする、場合によっては人や財産を轢いたり跳ねたりするという危険性があります。人間は必ずミスを犯す生き物なのですが、「間違っちゃったら人生を棒に振るかも知れない」という非常に危険な乗り物が自動車です。

ですから、人間の判断ミス抑制や知覚の補助をしてくれる機械装備はドライバーにとって必須と言って良いでしょう。

今、新車を購入するならばほとんどの車にこの装備は付いています。中古車を買う場合では、装着済みの車種を購入するところが最低要件と考えてしまっても良いです(だったら3番よりも優先順を上げろって?そうですね、今そう思いました。でも面倒なので直しません)。

ただし、ADASシステムにも優劣があります。JNCAP(自動車事故対策機構)という独法で試験結果と得点を公開していますので、買う車種が絞られてきたら必ずここを見て競合車種よりも極端に性能が低くないか確認すれば良いでしょう。

上記は事故を予防する機能ですが、事故時の安全性も非常に重要です。こちらに関してもJNCAPから衝突試験結果の一覧を確認することができるので合わせて確認すると良いと思います。

4. ドライビングポジションと運転操作

次に重要なのは「運転が快適かどうか」です。車というのは言わば移動する自分の部屋のようなものです。家の外観がおしゃれであれば内装と自分の部屋は全然気にならないという人はいませんね?だから内側にも気を配りましょう(内装の美しさは「見た目」の項に含みます)。

まず運転席に座ってください。ここに座った時に必要なものが前を見たまま触れるかどうかを入念にチェックしてください。運転していて操作する所は多い順に

  • ハンドル
  • アクセル
  • ブレーキ
  • ウィンカー
  • エアコン温度設定、外気・内気循環
  • ハザードランプ

というあたりでしょうか。ワイパーやライト類は最近は自動化されてる車が多い(安い車種だと手動だったりする)ので、自動な場合はあまり気にしなくていいでしょう。

特に重要なのはハンドル、アクセル、ブレーキです。

クルマの運転の基本 ~正しいドライビングポジション~

試乗したら上記ページを参考にポジションを決めた上で、姿勢が辛くないか、最も死角が小さくなる目線の位置(特に高さ)に調整できるかを試してみてください。調整はmm単位で意識してこだわって、完璧に自然と思える位置に調整できるか、腕や足が伸びてつらいとか無いかをよく確認してください。

ちなみにシートの調整機能でも外車は優れています。日本車はあまり体格の大きな人を想定していなかったりしますし、ハンドルのテレスコピック(前後位置の調整)が無かったり、シート調節も段階的で細かい調節ができなかったりします。一方で外車は安いグレードでもダイヤルで無段階にシートポジションを調整する機能が備わっていたりします。日本車で同等のことを実現するには、たいてい電動パワー調整シートをオプションで選択する必要があり、これは導入すると大抵数十万円単位で高くなります。

アクセルペダルは吊り下げ式のものとオルガンペダル(支点が一番下についているタイプ)の二種類があります。これも外車勢はオルガンペダルが多いですが、日本車は吊り下げ式が多いです。優れているのはオルガンペダルと個人的な経験からは断言できます。オルガンペダルのほうが微調整しやすいし、踏み込むのにあまり力が要らないからです。更に、ブレーキペダルと明らかに形状が違うので踏み間違いも防ぎやすいです1。ちなみにオルガンペダルは微調整しやすいということはつまり、操作量に加えて応答量が小さいということにほかならないので、人によっては「パワーが無い(ちょっと踏んだらちょっとしかパワーが得られないので)」という印象を抱くこともあるようですがこれは特性と設計思想を理解しておらず、誤りです。

また、アクセルペダルを離してすぐにブレーキペダルを踏むことが出来るかどうかもよく確認したほうが良いでしょう。たまに、あまりにもブレーキペダルとアクセルのペダル位置(奥行き方向)が違いすぎて咄嗟にブレーキを踏みづらい車があったりします。

ウィンカーは特に操作しやすいとかしにくいとか、差が出にくいところだと思います。ただ外車の場合は大体に左に位置しますのでここは注意が必要です。右利きのためか、個人的にはウィンカーレバーは右にあったほうが操作しやすいように思います。

エアコン温度設定、外気・内気循環も結構な頻度で操作するところだと思いますが、ここで注意が必要なのは「エアコン温度設定がダイヤルやレバー、最低でもボタンになってるか」です。一番ダメなのはタッチパネルです。運転しながら触覚に頼った操作が出来ないからです。

試乗したらハンドル、アクセル、ブレーキの各種操作量(ハンドルを切った角度、ペダルの踏み込み量)に大して応答(加速度、実際に曲がっていく角度)が線形であるかどうかを入念にチェックしましょう。ちょっと踏んだだけで鋭く加速していく車や、ちょっと踏んだだけでブレーキが強く効く車種は運転しづらいです。こういう車に慣れてしまったドライバーは「ちょっと踏んだだけで加速しない=遅い」「ちょっと踏んだだけだとブレーキが弱くしか効かない=ブレーキの効きが悪い」という判定をしがちなので、たとえ運転に慣れた人であっても時に評価は当てにならないことを覚えておいたほうが良いでしょう。

「速さ」や「ブレーキの効き」を論じるならば、アクセルベタ踏み、ブレーキ思いっきり踏み、の状態で比較しないと意味が無いです。試乗でそこまでさせてくれるかどうかはさておき、許される範囲で乱暴な運転も試乗時はしてみるべきです。

運転時にその他に見るべき所は、

  • 速度計が見やすい位置にあるか
  • 右左折するときの視界の広さ。特に横断歩道を歩行する歩行者が死角に入ることがどのくらいあるか
  • 各種ミラーからの視界は十分に広いか

などでしょうか。

シートに関しては、

  • 横Gにある程度耐えられるか
  • 極端にフカフカしてないか

あたりをチェックしておけばいいと思います。

レーシングカーではないので極端に横Gに耐えられる必要は無いですが、例えばツルツルなタイプの革などは摩擦係数が極端に低いのでちょっとのカーブでも体がずり動き運転しにくいかもしれません。

シートの固さに関しては、意外と固いほうが運転では疲れにくいです。オフィスチェアもそうですが、長時間座ることを想定した椅子は思っているよりも固いことが多いです。座った時に大きく尻が沈み込むようなシートは座った瞬間は心地よいものの、しばらく運転すると腰が痛くなったりするかも知れません。

ともかく、試乗は絶対にしましょう。ディーラーに行くと新車予約を進められることも多々ありますが、よほどの新しい物好きで無い限り、高いものなのだから実物は実際に目で見て触って運転すべきです。カタログ写真はかなり盛ってます。ドライバーの体格によって運転のしやすさも大きく変わります。

中古車の場合は試乗が出来ないことが多いですが、その際であっても現行車種であればディーラーで試乗するなどしたほうが良いです。せめて、年式が大きく違っていたとしても同じ車に一回は乗るべきです。あまり年式が違うともはや別の車になっていることもはありますが、しかし試乗しないよりはマシです。

5. 快適装備

どの車種もオプションで色々と快適装備を追加できます。これは追加しておけ、もしくはこのオプションが設定されてる車を優先しろ、みたいな装備はあるでしょうか。

個人的にあってよかったと思うのは速度追従型クルーズコントロールです。アクセルやブレーキを操作しなくても前の車に一定距離を保って追従してくれる装備です。長距離(300km以上)を走るならこれはできればつけておいたほうが良いと思います。

あとは私は乗ったことはありませんが、サンルーフが付いていると非常に爽快感が高いというのは聞いたことがあるので興味がある方は試してみるのも良いと思います。

スライドドアはお好みであって、必須と言うほどでも無いかなと個人的には思います。普通のドアの車で子育てしてますが、すごく困った経験はありません。たまにすごい狭い駐車場にでくわしますが、そういう場所はたとえスライドドア装着車であっても助手席のヒンジ式ドアでは出られないので一回車を駐車スペースから出す必要があります。なので、「ヒンジ式ドアでは出られないがスライドドアでは出られた」というケースは殆ど無いんじゃないかと思います。子供を乗り降りさせるのはスライドドアのほうが快適ではありますが、一番面倒くさいのはシートベルトを装着させるところだと個人的には思うので、ドアにこだわるよりもチャイルドシートの利便性を追求したほうが幸せなような気がします。

ETCは好みで付けたらいいと思います。ただ、高速道路は概ねETCレーンが入りやすい位置になっていて一般レーンは遠くに存在することが多いので、ケチらず付けたほうが幸せと思います。

カーナビも好みで良いかなという気がします。今だとスマホナビがかなり精度良いので。私は精度が高く、無難な道を案内するのに長けてるカーナビと、細いが空いてて早い道を検索するのに長けてるスマホナビを併用することが多いです。

バックモニターは標準で付いてる車種のほうが多いかも知れませんね。付けたほうが良いと個人的には思います。「コンパクトカーでは不要」とか言う人もいますが、人間は完璧ではないですし視界が広いほうがぶつける確率は下がるのは事実だと思ってます。

大きい径のアルミホイールは別に要らないと思います。見た目が気に入ったなら別ですが、そもそも「ホイールがでかいほうがかっこいい」という思想も旧来の自動車ファンが作ってきた一種の思い込みに近い文化だとおもっています。実用上はホイールは小さくしてタイヤに厚みをもたせたほうが乗り心地は良いです。欲しくなったらあとで追加して自分で交換することもできますし。

6. パワーウェイトレシオ

車は絶対に安全運転、法定速度は絶対守るよ、という人でも極端に遅い車は避けたほうが良いと思います。極端に遅い車だと高速道路等の合流などで苦労するからです。

「速い車」というと最高速度が高い車を想像する人が多いと思いますが(たとえば「300km/h出るスポーツカー」とか)、ここで言っているのは「加速力」です。最高速度が高くても公道ではあんまり役に立たないですが、加速力があると色々運転しやすかったりします。加速力を追い求めることは法定速度の遵守と矛盾しません。

ではその加速力をどのように調べるか、どのように比べるかですが、これはカタログの最後の方などに書かれている「諸元表」のエンジンのところの「最高出力(単位はkWもしくはPS:馬力)」と「車両重量(kg)」の値を使います。「車両総重量」とか「車両最大重量」というのもありますが、これは最大乗車時の想定重量です。特に事情が無い限りは車両重量を使います。

この二つを用い、

車両重量 / 最高出力

を計算します(車両重量を最高出力で割ります)。すると、単位は馬力の場合に[kg/PS]となり、kWの場合に[kg/kW]となります。この値は何なのかと言うと、「1馬力(1kW)あたりのパワーが担当しなければならない重量」になります。この値は小さいほど加速力があります。

できればこの値は10[kg/PS]、kWだと13.5[kg/kW](←注:当初の記事で値が間違ってました)よりも小さいことが望ましいです。ちょっと気の利いた車だとスポーツカーでなくても10[kg/PS]は切ります。ミニバンみたいなファミリーカーだと11〜12[kg/PS]が多い印象です。11[kg/PS]くらいならば個人的にはまぁ我慢できるギリギリのライン、12[kg/PS]になってくると乗りたくないと思う気がします。実用上すごく困るというわけではないですが、未来に必要な速度を予測して計画的に加速していく(これは無意識的に行われる)という計算処理に脳のパワーを取られます。

ちなみに、たまに「加速に重要なのはトルクで最高速に重要なのが馬力」などと言う人がいますが間違いですので注意しましょう基本的に加速に影響するのは馬力(出力)です。W(ワット)という単位は[J/s]に等しく、つまり1秒あたりどのくらいのエネルギーを発揮できるかです。この値が大きいほど単位時間あたりにより大量のエネルギーを運動エネルギーへと変換できるわけで、つまり加速そのものです。

ハイブリッドカーの場合はハイブリッド方式によって使用する値が異なってきますが、「車名 システム出力」などのキーワードでググって調べた「システム出力」というのを使用してください。

極端に遅い車で私の記憶の中にあるのは例えばセレナ e-Powerなどです。1750kgの車重にメインのモーターは136PSなので計算すると12.87[kg/PS]となります。そして細かいことは省きますが状況によっては(具体的にはバッテリーが尽きると)この出力は86PSまで落ちるので、最悪のパワーウェイトレシオは20.8[kg/PS]となります。価格.comのレビューを見ると「スポーツカーよりも早い」という好意的なレビューが多いように見えますが、これは正確には「出だしが通常のガソリン車よりも早い」が近いです。速度が乗ってきたら平均的な加速度だと思われます。上り坂が長く続くような100km/hを維持するのもしんどいというレビューも見たことがあり、スペックから考えると十分ありうることだと思われます。バッテリーが尽きた状態で例えば首都高のような加速車線の非常に短い道路を走るのは遅すぎて危険だと思われ、個人的にはおすすめしない車です。

まあ、そういう地雷に近い車を避けるという程度で一応見ておいてください。

7. パワートレーン

またパワーなんちゃらという意味のわからない言葉が出てきました。パワートレーンってなんでしょうか?

元々自動車に乗っているのはレシプロエンジンだけだったのですが、最近はモーターであったりエンジンとモーターの両方であったり、小さいエンジンとモーターだったり、モーターが複数個あったりと動力源を表す言葉として「エンジン」が使えなくなりました。なのでパワートレーンと読んでます。要するに先に書いたとおり動力源という言葉にほぼ等しいです。

パワートレーンとして思いつく限りのものを挙げると、

  • ガソリンエンジン
  • ディーゼルエンジン
  • マイルドハイブリッド
  • ストロングハイブリッド
    • シリーズハイブリッド
    • パラレルハイブリッド
    • トヨタ式ハイブリッド
  • プラグインハイブリッド
  • EV
    • レンジエクステンダー搭載EV
    • リチウムイオン電池搭載EV
    • FCV (燃料電池車)

沢山ありますね!!

沢山ありますが、「車にあんまり興味ない」という人たちにとっては特に重要ではないです。重要でないならば、重要でないところには金をかけないほうがいいということになります。

では金のかからないパワートレーンとは何か?それは車体を動かす動力専用のモーターが搭載されていない、「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「マイルドハイブリッド」です。

なぜか?それは単にハイブリッド車が購入費用と運用費用のトータルのコストで高い車だからです。ハイブリッド車に対して一番強調されるメリットとして「燃費がいい」というのがありますが、燃料費の低減分で高くなった車体価格をペイするのは普通の使い方では不可能です。→2020年もハイブリッド車を買ってもお得にはならない

ハイブリッド車を積極的に選ぶ理由としては、「ハイブリッド技術そのものが好きだから」「エコな雰囲気が好きだから」「どうしても静かに走らなければならない事情がある」という程度です。モーターのみで走行できるEV、ストロングハイブリッド車はレスポンス特性に優れるというメリットがあるので車好きな人の一部は好む場合もあります。

以降、それぞれの特徴を書いていくので興味がある人は読んでみてください。興味がない人は「ガソリン車を盲目的に買うのでほぼ間違いない」と思って読み飛ばしてください。

  • ガソリンエンジン

最も基本的な普通のエンジンです。昔からずっと乗用車の主流だったので技術革新が進んできてかなり燃費もよくなり、さらに静かになりました。出力特性が線形で最も運転しやすいエンジンと思います。

ターボ付きと自然吸気エンジンの二種類があります。ターボ付きはスポーツカーのように出力を稼ぐための大馬力エンジンと、排気量を小さくしたうえでターボを追加したダウンサイジングターボというのがあります。ターボの方が大抵パワフルで加速性能に優れますが、操作に対して応答遅れが小さかったり、出力特性が線形(簡単に言うと素直なエンジン)なのは自然吸気エンジンです。日本車は自然吸気エンジンが多いです。

  • ディーゼルエンジン

トラックなどに使われているガラガラとうるさいエンジンです。低回転域からトルクがあるので重い車で停車状態から走り始めるときは軽快であるという特性がトラックなどで採用される理由です。一般的な乗用車で使用するメリットは正直あまりないと思います。ただし、CO2排出量がガソリンエンジンよりも少ない傾向があるということで、税制的な補助があったりします。

低回転域からトルクがあるというのは、低回転域(≒低速域、停車状態)から急激に加速しがちな特性があるということなので、制御やドライバーの運転の仕方によっては酔いやすい車だとも言えます。

ディーゼルエンジンでは通常、ターボが組み合わされます。ターボであったり燃料噴射装置が特殊だったり、排気ガスの清浄処理などに金がかかるのでガソリンエンジンよりも高くなる傾向にあります。

  • マイルドハイブリッド

普通のガソリンエンジンに、ちょっと強力なセルモーター(エンジン始動用の補助用モーター)を搭載したハイブリッドです。「ちょっと強力な」と書きましたが、ほとんどの車種では通常のセルモーターと同等のモーターが搭載されています。

「金をかけずに燃費を向上させる実用的なハイブリッド」だといわれますが、正直これで本当に実感できるほどの効果があるとは思えません。今後登場する車種はより強力なモーターが搭載されるので状況は変わるかもしれません。

  • ストロングハイブリッド

高価で高出力なモーターや大容量バッテリを搭載した本格的なハイブリッドです。シリーズハイブリッド、パラレルハイブリッド、トヨタ式ハイブリッドの3種類があります。トヨタ式ハイブリッド(THS; Toyota Hybrid System)だけがほかの方式と大きく違っていて、性能的にもあらゆるシーンでそこそこ高い燃費性能を発揮する、ハイブリッド技術では世界一優れていると個人的には思う技術です。しかし重ねて言うように、ユーザーにとってあまりメリットがあるとは思えないです。

車種によってはモーターのみでの走行が可能で、必要に応じて無音で走行することが可能です。

  • プラグインハイブリッド

より大きなバッテリとモーターを搭載して外部から充電できるようにしたストロングハイブリッドです。基本的にはモーターのみで車を動かすのに十分なパワーを発揮できる程度の強力なモーターを搭載しています。

外部から(商業施設の充電ステーションや電源の電源から)充電できるのが最大のメリットです。近距離走行ならばバッテリに充電された電気のみで走行することができ、ガソリン代を大幅に圧縮した走行が可能です。同じ距離を走るコストはガソリンに比べ電気のほうがかなり安いです。

ただ、プラグインハイブリッド車自体がそうでない車に比べて数百万単位で高くなるのでやはりコスト的なメリットは無く、最近発売された車種では「キャンプや災害時に大きい電源容量をもってAC100Vを提供できる」「エンジンとモーターの二つを組み合わせてハイパワーを発揮できる」ということを売りにした車種が多いように思います。

  • EV

エンジンが基本的には搭載されない、バッテリとモーターで動く自動車です。基本原理はミニ四駆と同じです。

EVも税制的に優遇されているというメリットがあります。

主流のリチウムイオン電池を搭載したEV(例:テスラや日産リーフなど)の最大の弱点は航続距離が短く、充電時間も長いということです。ガソリン車よりも航続距離は数百km単位で短く、電池切れが発生したら何十分も充電完了まで待つ必要があります。そしてサービスエリア等での充電には列ができていることも多いです。あくまでも近距離を走行するための割り切る必要があると思います。

コスト面でもEVは車体価格の元を取れるほどには運用コストは安くなりません。

これを解決するためにレンジエクステンダーという小型の発電用エンジンを搭載した車があり、今のところ市販車ではBMW i3のみが実用化されています。ただしこのエンジンは車体を動かすために十分なパワーは有しておらず、完全にバッテリ切れになると「全然前に進まない」というくらいの低速走行しかできなくなります。

FCV(燃料電池車)は以上の問題を解決する画期的な選択肢…のはずでした。燃料電池は水素と空気中の酸素を燃料として電力を発生させる電池で、燃料の補給は水素ステーションにて水素をタンクに補充すればそれで終わりとなり、充電のために何十分も待つ必要がありません。で、トヨタが頑張って普及させようとしたり、自動車メーカーのみならず家電メーカーなども水素社会の到来だなどと銘打って2015年ごろから本格的にインフラ整備などを進めてきた…はずが、今でも水素ステーションの数は限定的で、おそらく地方では運用することすら難しいでしょう。たとえば東北・北海道にはたったの4か所しか水素ステーションがありません。

水素は分子が非常に小さいので貯蔵するのが難しいことが普及を妨げている主因です。このような状況下では事業者も積極的に水素関連技術に投資したくないのでしょう。

市販車としてはトヨタMIRAIなどがあり、政府からの購入補助支援金などもあって意外と低価格で購入できますが燃料を補給できる所はEVよりもずっと少ないのであまり使い勝手は良くないでしょう。

8. タイヤ駆動方式

前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR)、四輪駆動(AWD/4WD)と3種類あります。ほとんどの車種はFFです。スポーツカーやセダンはFRが多いです。4WDは多くの車種で設定されていて、FFよりも2〜30万円くらい高価になる印象です。

基本的には気にする必要はないですが、もしウィンタースポーツをしたいという場合には4WDがおすすめです。スキー場周辺道路は除雪が行き届いてないところが多く、FFやFRだとスタックする危険性が高いです。一方で雪国であっても国道や市街地の走行がメインであれば、FFで困ることはないでしょう。できれば4WDのほうが良いに越したことはありませんが、FFでの走行が非常に困難である、というわけでもないです。除雪が行き届いている道であればFFでも4WDでも違いを感じることは少ないでしょう。

FRは最もスポーティな選択肢だといわれます。それは、タイヤのグリップ力を駆動用のタイヤと操舵用のタイヤの二つに分けて使うことができるのでより限界性能が高くなるからです。しかしこれも一般道をのんびりと法定速度走行している限りは大差ないでしょう。さらに言えば、FFであってもかなりスポーティなハンドリングが楽しめる車種はいくつかあります。

9. トランスミッション

MTは基本は不要です。なぜならばあれは「なんか操作するレバーやペダルが多くてガチャガチャ動かすのが好き」な人のための装備です。レーシングカーでもない日常生活で使用するメリットは皆無です。公道を普通に走っていて、MT/ATにこだわりが無いということであればMTを選ぶ理由は皆無です2

ATは厳密に分けるといくつか種類があります。日本車で日常的に使用されているのはCVTというもので、外車勢は多段ステップAT(名称はメーカーにより様々)というものが多いです。どちらも車に興味が無いという人であれば大して気にする必要は無いと思いますが、多少なりとも機械に興味がある人や「ちょっとくらいはガチャガチャ何かボタンやレバーをいじりたい」という人は、とりあえず「MTモード」が付いているかどうかだけ気にしたほうが良いと思います。CVTでも多段ATでもどちらでもそういう設定はあります。標準で装備されていないがオプションで追加できるという場合も多々あります。

試乗した場合はぜひMTモードを触ってみてください。要するに自転車のギアと同じです。ボタンをポチポチしてちゃんと押した瞬間にすぐギアが変わるかとか、MTモード中に勝手にATモードに戻らないかとかを確認してみましょう(興味がある人だけ。大多数の人は気にしなくてOKです)。

10. 価格

えっ、価格は重要じゃないの?と思いました?じつは正直どうでも良いのです。なぜならば、ほぼ100%の人が自動的に「自分が買える車しか見ない」からです。「外車もおすすめだよ」って言われてマイバッハとかランボルギーニとかブガッティとかロールスロイスを行く人がいますか?いないでしょ?せいぜい近所にあるワーゲンとかヤナセの店舗とかを見るでしょ。

もう一つ理由があります。「コストパフォーマンス」を追い続けても「ベネフィット」は高くならないからです。詳細はこちらの記事を参照してください→「コスパ」から「コスベ」へ

とはいえ、車に割くことができる予算は有限ですから無視して良いということにはなりません。ただ、考えるのは最後でよいと個人的には思います。

一番良くない(満足度が低い)のは、わざわざ「コスパ」とかを重視して好きでもない車を「コスパが良いから」と必要でもないのに乗り続けることです。これ以上貧乏くさいことは無いと思います。車に金をかけるよりも他のものに金をかけるとか、もしくは1年とか半年に1回、レンタルで好きな高級車を借りて旅行したほうがずっと幸せだと思います。

いやいや、それでも安くないとダメだ。100万円台でなんとかしなければ。という人も居ることは居るでしょう。しかしおそらくそういう悩みが出るということは、それはおそらく「趣味性の高い車ではなくて実用的な車」を望んでいるということになります。つまり、この記事の想定読者としてはそもそも対象になっていません。

まとめ

見た目が気に入った車を買うのが一番良い。


  1. ちなみに、ここのサイトでGT-Rの開発責任者がオルガンペダルの欠点として「「踏んだ時にペダル面と靴底に滑りが必ず発生するために微妙な操作がしづらいこと」と「ペダル面の角度と靴底の角度が違うので、かかと角度を保持するためにアキレス腱付近の筋肉の負担が大きいこと」」と真逆の事を述べていますが、私は全然この意見には賛同できません。「滑りが発生する」というのも私には意味不明で、吊り下げ式のほうが押し込むに連れ接触面が靴底とは反対の角度に曲がっていくのだから滑りは大きいだろうし、つま先を押し込む力でペダルを押し込む吊り下げ式のほうがアキレス腱につながる筋肉への負担が大きいと思います。吊り下げ式のほうが支点からの距離が長いのでテコのちからが働きやすいからそのように言ってるのかも知れませんが、だとしたらペダルを押し戻すバネレートや応答特性などの設定によって大きく変わるはずで、一概に吊り下げ式ペダルが良いとも言えないはずです。 
  2. ごく一部の車種(以前の型のルノー カングーなど。ATは4ATしか無かった)などでMTに興味が無くともMTをおすすめしたほうが良いような車種がありますが、非常にレアケースです