2020年もハイブリッド車を買ってもお得にはならない

以前こういう記事を書きました。

ハイブリッドカーはお得じゃない

これを書いたのは2014年であって、それから6年経って状況は変わったかな?と思いちょっと調べましたが状況はほとんど変わってなかったのでお知らせします。

ハイブリッド車はお得じゃ無い

なぜか?車体価格が高くなった分を燃料費低減分でペイするのは相当特殊な条件じゃ無いと無理だからです。実例を見せましょう。

以下のグラフは横軸が年間走行距離です。赤が「ハイブリッド車とガソリン車の差額分をガソリン代が安くなった分でペイするのにかかる年数」です。

ホンダ フィットの場合

トヨタ VOXYの場合

トヨタ アルファードの場合

「マイカー保有者の6割が年間走行距離7000km以下」と言われるので、そのあたりが中央値になると思われます。すると、どの車も車体コストの差額分をペイするまでに14年くらいかかります。一般的には新車で買って14年以上乗り続けることはまれでしょう。だからペイできません。

年間の燃料費の差額だけに注目すると、3.5万円くらいという数字が並んでいるので「年間何もして無くても3万円もらえるのと同じ!お得!!」とか思ってしまうかもしれません(そしてそのように宣伝するディーラー営業も居ると思います)が、最初車を買うときに何十万円も高い選択をしているのでそこと比較しないと意味が無いのです。

でも、年間2万kmくらい乗る人はFit, Voxyならば7年でペイできるように見えますね。これなら現実的では?と思いますよね。でもこれも落とし穴があります。なぜか。

年間2万kmなどと長距離を走る人は、高速道路やそれに準ずるような高い巡航速度が出せる道路(例えば田舎のバイパス道のような)を走行することがメインでしょう。速度一定で走れるような状況ではハイブリッド車の燃費とガソリン車の燃費は接近するか、状況に応じてガソリン車の方が高くなります(エネルギーの伝達効率は概ねハイブリッド車の方が悪くなる)。なのでこのグラフ通りにはならないということです。

ハイブリッド車がガソリン車に比べて大幅に燃費がよいのはストップ&ゴーや極端な低速度走行が多い市街地走行です。しかしながら市街地走行がメインで年間2万kmも走るようなケースは自家用車ではほとんど無いでしょう。

さらに、走行すればするほどハイブリッド車のバッテリーは劣化し、充電容量が減り、本来の性能が発揮できなくなります。すると燃費は落ちていきます。つまり、市街地走行がメインの使い方だったとしてもこのグラフより数値は悪化する可能性が高いと言うことです。一回でもバッテリー交換を経験すれば投入コストを燃費向上分でペイするのはさらに難しくなります。

ハイブリッド車は何が良いのか?

私は以前プリウスに乗っていましたが、それは「一回ハイブリッド車に乗ってみたかった」という理由だけです。子供の頃からモーターで走行する車は未来の車だという憧れがあったので、一回乗ってみました。結果、もうハイブリッド車は買わなくて良いなと思いました。

ハイブリッド車って何が良いんでしょう?コスト面では上記の通り、購入する理由はありません。そもそも車に関わるコストを安く済ませたいならば安い中古車を買うべきです。なぜならば自家用車を運用する上で最も高くつくコストは大抵が車体購入費用で、税金だの燃料費だの駐車場代だのは微々たるコストになりがちだからです(と、言い切ることも出来ないので正確には自分のケースに合わせて計算してみてください)。

ハイブリッド車に乗る理由があるとすれば、

  • ハイブリッドという技術そのものが好き(私のように)
  • どうしてもほぼ無音で走行しなければならない状況がある(住宅密集地で深夜早朝に車を動かす必要が日常的にあるとか?)
  • 操作感の良さ(シリーズハイブリッドに限るが、応答性能はガソリン車とは比較にならない)

あたりでしょうか。

何が言いたいかというと、「これから車を買うよ!何がいいかな?とりあえずハイブリッドは必須だよね!」という考えの人や、「ハイブリッド車は高いけど買ってしまえば後は楽だからね!」という人、ディーラー営業マンにハイブリッド車を熱心に勧められた人とかは自分にとって本当にそれが必要か今一度よく考えてください、という感じです。よろしく。

補足

ここで述べた「ハイブリッド車」にはプラグインハイブリッド車は含まれていません。プラグインハイブリッドならば燃料を安く調達できるのでかなり状況は変わってきます。とは言え、1ヶ月の燃料代が普通の車で多めに見積もって1万円くらいだったとして、たとえそれがゼロになったとしても年間12万円です。プラグインハイブリッド車はプラグインであるというだけでざっくり200万円以上高値になってるような感じなので、計算するまでも無くペイすることは不可能と思います。