【質問#169】旅するエンジニアになりたい

質問・悩み相談の回答です。

質問

anoparaさま

はじめまして、あけましておめでとうございます。
最近こちらのブログを訪問し、業界の常識やプログラミングスクールの実情など、刺激を受けております。色々参考にさせて頂いてます!

私は、地方で大学生をやっております。将来は旅しながら(ホテル暮らしなどで)働けたらいいなと思っていて、そのためには在宅でできる仕事に就きたい、だとすると、どんな職種がいいのだろうと考え、プログラマーを思い立ちました。端的には、旅するエンジニアに憧れています。

ただ、旅するエンジニアとして生計を立てるにはどのようなキャリアを進むのが理想なのかがまったく分かっていません...。せいぜい、SIerと呼ばれる会社とWeb系と呼ばれる会社があるという事実ぐらいでして(泣) 噂に聞いた話だと、メルカリやLINEなど自社系が望ましいとのことでしたが...。

もしよろしければ、新卒でどういったキャリアパスを進むのが望ましいかご教授いただけませんか。

回答

この質問の回答、結構悩みました。

旅するエンジニア

いい響きですね。しかし、

将来は旅しながら(ホテル暮らしなどで)働けたらいいなと思っていて、そのためには在宅でできる仕事に就きたい、だとすると、どんな職種がいいのだろうと考え、プログラマーを思い立ちました

IT業界であれどフルリモート勤務で良いという会社は少ないです。それでもIT業界は他に比べればリモート勤務OKという会社が多いので目指すべき動機にはなります。

ちなみに、「南国から仕事してます!!」みたいなYouTube動画をアップしたりSNSでおしゃれな画像ばっかりアップロードしている自称エンジニアはめちゃくちゃ実在性が怪しい、あるいはエンジニアではなくて情報商材的な物を売って稼ぐのが生業の人なのでエンジニアとしてカウントしないでください。慣れればプロフィールで9割方判別できますが、発言と誘導先を見れば確定できます。

Twitterなどで見られる本物のエンジニアは9割以上が趣味(アニメゲーム他)の話で1割以下、時々前世の記憶を思い出したかのようにめちゃくちゃ詳しい見解を語り始めるというケースがほとんどです(これは冗談ではないです)。ともかく、非エンジニアの人たちに騙されないでください。

で、その肝心なリモート勤務可能な案件や就労条件の会社の求人をゲットする方法ですが、 私にはわかりません。

いろいろ考えましたが、なんで自分はフルリモートで働けてるのか、わからないです。強いて言えばそういう話が舞い込んできたから、に他なりません。ですからリモート勤務という状態をゲットするに最も大事なのは「運」のように私は思います。

リモート勤務、特に1月のうちの全てまたは大部分出社しなくても良いという求人はおそらくほぼ皆無と思います。私はそれに近い条件でかつ社員として働いていますが、他で同様の勤務条件を見聞きしたことがありません。フリーランスとして持ち帰りOKな案件を受けるということならまぁまだ可能性はありますが、「そういう案件がある」というのも私個人としては見たことはないですし、持ち帰ってリモートでできる仕事のみをやって食いつないでいるフリーランスエンジニアという人も聞いたことはないです(私が知らないだけで居るとはおもいますが。ごく小数だろうという意味です)。

そういう数少ない枠にたまたま出会い、たまたまその枠の条件と自分のスキルセットが一致していて、たまたま自分が転職or就労可能なステータスだったということがまず必要です。面接を通るのは実力ですが、そこに至るまでで必要とされる運がかなり必要とされます。なので強いていてば「旅しながらエンジニアやっていいよ」という就労条件で働ける求人を常に探し続けることが必要なことでしょうか。

以上が回答になります。ようするに回答は「分かりません」です。申し訳ありませんが。

以下は若くて可能性に満ち溢れた大学生に対する説教です。老害っぽい発言だなと思いつつ、しかしそれを言うのはおっさんの務めだと思うので言います。


質問者様の文面を見る限り、「旅をしたいからリモートで働きたい、リモートで働けるのは(IT系の)エンジニアだ」という発想になったと思われます。「ITが好きでチャレンジしたい!!」というやる気がある人ならば私も引き上げたいと思うのですが、そういったやる気が感じられません。昨今はやる気が重要というといかにも精神論じみていてブラックなイメージが付きまといますが、仕事をする上でやる気を保つのは非常に重要です。なぜならば働いたら一年のうちの大半は仕事に取り組まないと行けないからです。

だから、やる気がないような人がIT業界でキラキラ働きたい!!!みたいな言を見ると、正直IT業界で仕事をしている身としては、「そんなにあまくない」とか「なめてんのか」とか色々言いたいことはあります。が、それは私の感想なのでひとまず置いておき、この質問者様に足りないところを指摘させていただくと、まず仕事や人生というものを舐めてると思います。

舐めてるというのはつまり、ぷらぷらと旅して小銭を稼いで遊びながら暮らしたいと本気で思ってるならばもっと全力で取り組めよという話です。本気で遊びたいならばそれを実現するためにもっと具体的な質問や思考の経緯が文章中に現れて然るべきだと思います。でもそういうのが無い。甘い。遊びたいなら本気になれよ。こう思うわけです。

何がどう甘いのか?をこれから説明します。

まず仕事を得るために絶対に必要なのは信用です。これは雇用形態によらず必ず必要です。

仕事における 信用とは、「この人にお願いしたら(お金を渡したら)ちゃんと仕事をやってくれるだろう」と相手に思わせる資質、能力、経歴その他をまとめた言葉です。

ではその具体的な要素とは何かと言いますと、段に大きなウェイトを占めるのは実績です。 数多の約束を交わし、それを守り、こなして積み重ねた業績が多いほど、人はその人を信用します。 実績はそれが嘘でない限り(そして実績の嘘は検証しやすい)、その人がどのくらいの能力を持っているのかを推察しやすいです。人間はこれを無意識のうちに行っています。

リモート勤務でも当然信用が必要とされます。顔が見えない分、より大きな信用が必要とされると言ってもいいでしょう。

ですから、どこかの会社が見ず知らずの「エンジニア」に対して「月間XX万円を渡すのでこの仕事をやってね」と依頼することはまずありません。リモート勤務をしているという人の話を聞くと、「元々はその会社で普通に働いていたが、体を壊したとか育児介護のためとかでリモート勤務を選んだ」とか、「元々働いていた会社を辞めてフリーランスとして案件をもらい、リモートで仕事している」とかいう話が圧倒的に多いです。

これらの例でリモート勤務が実現できた理由は「一緒の会社で毎日顔を合わせて、働いていた姿を長期間見ている」という経験が大きな信用を形成しているからに他なりません。つまりリモートであろうと同じように仕事をしてくれるだろう、と思わせる情報を十分に相手に与えていたということです。同じ会社で席を並べて仕事することで得られる情報は山ほどあります。種々の行動、雑談や会社生活を通して得られる性格、人格などです。ITならば物理的な肉体を会社に存在させておく必要が無いならば、IT業界に営業も要らないはずです。

そういうわけで、新卒入社1年目の新人にリモート勤務をさせる会社も0ではないとおもいますが、まず無いでしょう。新卒社員は信用がほぼ皆無だから(仕事をした経験が無いから)です。

また、質問者の方はまだ大学生とのことなので「仕事の信用」は無いと思います。こういう場合は「信用して仕事を任せられる人物になれるだろうか?」という将来性を学歴専攻等々から想像して将来上げる業績の大きさを見込んで採用します。

ということはここまでの話をまとめると、リモートで働くエンジニアになるためには、

  1. 信用して仕事を任せられる人物になれるだろうという見込みを採用担当者にアピールして新卒で職を得る
  2. その職で社内外に通じる業績を挙げ、信用を形成する
  3. フリーランスに転向するか、リモート勤務が許される会社に転職する(リモート勤務が現在勤めている会社で出来ない場合)
  4. リモート勤務で働く

という過程がおそらく必要だと思います。3〜4を実現するためには「一番は運」という回答になるかと私は思うのですが、それは1〜2でやることをやった状態で、という前提の元でです。でも質問者の方はいきなり3か4のことを気にしてらっしゃるように見えます。

ようするに大学生なんだから「リモートで働きたい」の前にもっと色々考えることがあるのでは?ということです。それをば、いきなり最終目的地の3とか4の不安ばかりして、そこに至るまでの選択肢を誤らなければOK、みたいな発想が甘い、とずっと言っています。

以上を踏まえて質問文中の細かいところにもコメントや思うことを書いていきます。

ただ、旅するエンジニアとして生計を立てるにはどのようなキャリアを進むのが理想なのかがまったく分かっていません...。せいぜい、SIerと呼ばれる会社とWeb系と呼ばれる会社があるという事実ぐらいでして(泣) 噂に聞いた話だと、メルカリやLINEなど自社系が望ましいとのことでしたが...。

「望ましい」とは何を指しているのでしょうか?リモート勤務しやすい?「LINE リモート」「メルカリ リモート」でググったら1〜2番目にこんな記事が出てきました。

社内の空気感や言語にならないカルチャーを肌身で感じ取って、早く溶け込んで欲しいという狙いが、リモートワーク禁止の背景にある。
唐澤さん自身、部下の顔が見えることは大切だと感じるという。
「顔が見えると、安心しますよね。ちょっと今日は顔が暗いなと思ったら声をかけたり、雑談レベルの相談に応じたり。(働く上での)心理的安全性が高くなると思ってます」
とはいえ、杓子定規に禁止しているわけではなく、介護や子育てを理由の在宅勤務は、現場裁量で認めているし、今後についても、柔軟だ。
メルカリ、ウォンテッドリーがあえてテレワークを推奨しない理由

LINEも、リモートワーク“非推奨”企業として知られています。
会社の数だけカルチャーがある?あの会社がリモートワークを推奨“しない”理由

分散していたオフィス機能を一箇所に集約させ、従業員同士の一層のコミュニケーションの活性化および業務効率化を図ります。全ての従業員が事業の成長に集中し、生産性を高め、活躍できる環境をオフィスの設備と制度の両面から整え、新オフィスから更なる“WOW(感動と驚き)”を生み出し、挑戦を続けてまいります。
LINE、本社移転を完了し、新オフィスにて営業を開始 | LINE Corporation | ニュース

LINEもメルカリもface-to-faceのコミュニケーションを重視しているということです。特にメルカリの記事の方に、「介護や子育てを理由の在宅勤務は、現場裁量で認めている」と書いていますね。これは言い換えれば特別な事情が無い限りは出社しろという意味で、いかに顔を合わせて仕事をすることが重要と考えているかの裏返しです。そもそもリモート勤務している人の多くは「家やホテルではパフォーマンスが上がらない」「実際に会って仕事したほうがいいケースもたくさんある」という意見を持ってる人が多いように思います。私もそうです。根拠はないですが、これはやってみたら大体の人がたどり着く結論と考えています。

したがって、LINEやメルカリのように一般認知度が高く何となくオフィスもキラキラしてそう、みたいな職場に入ったからといって自動的にリモート勤務という権限が与えられるわけではないです。メルカリ、LINEに限らずそのような会社は少なくとも私は見たことがないです。

そもそも、LINEもメルカリもIT系エンジニアにとっては人気な会社のはずであって、気軽に入社できるほど入社難易度が低い会社でもないはずです。しかしながら質問者様の文面を見るとまるで「リモートワークをするために入る会社として間違いのない選択肢」とでも言いたげな書きっぷりになっているのがすごく気にかかります。

そしてなにより、まずググってください。1

旅するエンジニアとして生計を立てる

これを言っては身もふたもないのですが、まずは旅をしたいのかエンジニアをしたいのかどちらかにしたほうが良いと個人的には思います。最終的な夢はそこだとしてももう少し現実的な計画とマイルストーンが必要ではないでしょうか。

「だからそれをどうすれば良いのか質問しているのだ」と思われるかもしれませんが、それはこれだけの情報から回答するのは無理です。人生や価値観にも深く影響する話ですから、基本的に自分で考えるべき作業と思います。もっというと、こんな場末のブログの顔も知らないおっさんに「どうすればいいっスか!?」などと聞くようでは駄目で、もうちょっと自分の頭で考える力を養うべきです。

他の道の例を挙げますと、たとえば優秀なフリーランスエンジニアになって1年のうちNヶ月間働き12-Nヶ月間は旅をするということならば、特にリモート勤務ではなくてはならないという条件は必要ないですから実現するのはより楽になると思われます。

あとは、ご質問をよく読むとまずは「旅」がありきなので、ただ単に旅をしたければ短期間に稼げる職に就ければそれでOKなのでは?と思います。私は短期間で稼げる職業をあんまり知りませんが、例えばカニ漁船とか?なら冬の期間働いて夏は旅して遊ぶことも出来るでしょう。(カニ漁船はおしゃれじゃないしキツイから嫌だとか言われるかもしれませんけど、もしそう思ったならば知ったこっちゃないです。繰り返しになりますが自分がどういう職を選びどのような人生を歩むべきかは人に聞くような質問ではないと思います)

あとは旅そのものが仕事にできるような職に就くのだって良いでしょう。ライター、作家、フォトグラファー、画家などですね。

ですから、そういうのも含めてもうちょっとご自身の人生をどうしたいのかご自身で考えてみたほうが良いのではないでしょうか。

「旅」というのは商業的なアウトプットが無い限り単なる娯楽です。娯楽を目一杯したいというのは皆やりたいことです。でも世の中の大半の人はできてません。それはそうすることが難しいからです。難しいことを実現するためには人よりもめちゃ努力するか類稀な才能を発揮して金を稼いで札束で殴って解決するしかないです。選択を間違えなければ実現できるという簡単な話ではありません。しかし文面からは「選択を間違えなければ実現できる」という思い込みを感じてしまいます。

と同時に、私の経験上、誇大妄想か?と思える大きいことをずっと言っていて軽薄な人だと思っていたら実際それを実現させたという例も無いわけではなかったので、本当に旅するエンジニアになりたいと思っていたら1年365日ずっと旅するエンジニアのことを考えていたら意外となれるかも知れません(根拠はないです)。


  1. ググって出てきた情報が正しいとも限りませんが、そもそもググらないことには情報は0です。