「年収1000万からは税金がきついよね〜」という話は実際どうなのか

なんかよく聞くよねこれ。私、正直こう語られるときの半分以上は「私、税金にこまってるんですぅ〜」という高年収アピールだと思ってる。まぁ実際貰ってんならアピールしても良いと思うけど。

そう言えばその昔、某所で「俺さぁ、稼ぎまくってて税金の計算が滅茶大変で困るよ!」とか聞いてもないのに嬉しそうに喋りかけてきた知らないおじさんがいて、そんなに稼いでるなら税理士付けるやろ、つうか税金の計算なんて決算期しかしないんじゃないの?とか思ったこともあったねー。関係ないけど。

というか必ず本題に入る前に違う話を書くのをいい加減止めろと思う。どうなってるんだ。このブログ書いてるやつは。読んでる人だって大切な時間を割いて読んでくれてるんですよ!!!いい加減にしてください!!!11!!1!!

実際どうなのか

話は沢山聞くものの分かりやすくまとめられた資料がないので作ってみました。

このグラフを作るのにこちらのデータを使用させていただきました。

年収別 手取り金額 一覧 (年収100万円~年収1億円まで対応)酒居会計マネーブログ

念の為書いておきますと収入の全額を給与所得から得た場合です。そうでない場合は算出しようがないので。
また、元データには1億まで記載がありますが3000万までにとどめてます。給与収入だけで3000万円超える人なんてほぼ居ないだろ、という勝手な推測からです。

また、手取り額の伸び率を示すために手取り額の微分も計算しています。税金の計算式の関係か1000万まで微分の値は大きく振れてたので近傍3点の最大値を取って平滑化しています。

こうしてみるとわかりますが、ほぼ完全な線形ですね。

微分値について高校数学忘れた人のために少々解説すると、これは「1万円年収が上がった時に幾ら手取り額が増えるか」という値です。軸は右側です。万円と円で単位が違っててややこしいのはご容赦ください。で、例えば年収500万円の場合は8380円となってますので、この界隈で年収が1万円上がったら手取り額は8380円増えるよという意味になります。一方で年収2000万の人だと5615円という値になるので、これはつまり1万円年収がアップしても5615円、半分強しか手取りは増えないという意味になります。

微分値をよく見ると分かることは、

  • 年収660万円→670万円のあたりで税金が一気に高くなる
  • 年収1000万→1700万円あたりまで税金がジワジワと高くなっていく
  • それ以降は殆ど一定

という感じですかね。

年収1000万→1700万円あたりまでの手取り額の微分値の差額は一番でかいので「年収1000万からは税金がキツイ」は確かに真実っぽく見えます。

もう少し具体的な数字を挙げますと、

  • 年収500万→600万に上がったとき増加した手取り額は71万円の増加
  • 年収700万→800万に上がったとき増加した手取り額は66万円の増加
  • 年収1000万→1100万に上がったとき増加した手取り額は65万円の増加
  • 年収1500万→1600万に上がったとき増加した手取り額は55万円の増加

です。

500万→600万に上がったときと1500万→1600万に上がったときの手取り額の差は16万円もあります。16万円あったら何できる?単焦点レンズだったら買えるかも知れないな。単焦点レンズ1個分、でかい!と思われるかも知れませんが、年収500万円のときの手取りは387万円なのに対して年収1600万円のときの手取りって1077万円もあるんですよ。

だから手取り387万円の人にとっての16万円てめちゃでかいインパクトだと思うんですが、正直年収1600万円の人にとっては16万円なんてはした金じゃね?と個人的には思います。

以降は私の感想です。

上記の通りの数字を見て「年収1000万を超えると税金が高い!」と思うかというと個人的には特にそうは思わないです。実際、手取り額のグラフをみるとほぼ線形ですよね?だから稼いだら稼いだ分だけ貰ってると言って良いんじゃないかなーと思う。

おそらく、「1000万以上稼ぐと税金が高い」と言ってる人たちは払ってる税金(や健康保険など)の絶対値を見てるんだと思うな。

つまり、上記グラフで見ると年収500万円の時は112万円しか引かれてなかったのに、1000万円では272万円、倍以上も引かれとるやんけ!!偉いことやで…年収が倍になったときに税金は倍以上となってる…これはもう戦争やで…って思ってんじゃないかな。もしくは何も考えてないか、周りが税金高い高いといってるから同調してるかどれかなんじゃないかな。

まぁ絶対値が倍以上になってるから、やっぱりキツイんだ、税金は高いんだ、年収1000万以上に厳しい社会なんだっていう意見も理解はできます。だって金は金であって、その時の貨幣価値は持つ人がいっぱい持ってるかちょっとしか持ってないかによって変わったりはしないからね。年収100万円だろうと1000万円だろうと1万円は1万円の価値があって、大事な金だと。それはわかる。ただ税金は「率」でかけられてて稼いだ分払わなきゃならないんだからしょうがないじゃん、それでも500万円のひとよりも1000万の人は340万円も可処分所得が増えてんだから良いじゃん。と私は思うんですよね。340万円あったら何ができる?毎年トヨタ ヴォクシー HYBRID ZS 煌 II 7人乗りが買えるで!!!と思う。絶対買わないけど。「煌(きらめき) II」とか恥ずかしいグレード名の車を300万円オーバーの金を出してよく買おうと思うよな、と思う。ビーダマンやレッツ&ゴーと同じレベルのネーミングセンスだぞ。何がきらめきじゃ、きらめいてるのは飲み会で唐揚げ食いまくってギラついてるお前の後退してきた額じゃ、とも思う。もっと野菜を食え。というか突然のミニバンおよびコロコロコミックdisによってミニバンに乗っているパパママ連中およびコロコロコミック読み続けているアダルトチルドレンを敵にするのはやめろ、いい加減にしろ。

あとは、全く逆の意見で「日本は富裕層に対して甘い」という話も目にしますね。これもグラフを見る限りは甘いというか「金持ってる人たちにも持ってない人たちにも平等」という表現が正しいように思います。だってほぼ線形で手取り額が伸びていくから。

いいやそうじゃなくて累進課税がちゃんと効いてないんだよ、海外のXXX国(欧米のどこかの国)では金持ちの税率がYY%と日本よりもめちゃ高いんだよ、そもそも線形に伸びてくのがアウトで対数になってなきゃ駄目なんだうんぬんかんぬん(以降、アベがどうのこうの日銀がどうのこうの民主党がどうのこうのという話が延々と続く)って話ならそれは政治経済の話なので私はよく分かりませんので特に何も思いません。政治経済はコントロール不可能な要素と思ってるので基本的には興味が無いです。

ともかく、今回こうしてグラフにしてみて「1000万円を超えたら急激に手取りが下がるなんてことは無いんだなぁ」と分かったのでそれだけでOKです。幸せならそれでOKです。

繰り返しますがこれは給与所得者の場合の話で経営者の場合は別です。経営者の場合は計算しようが無いです。

余談ですが、IT系エンジニアの場合って正直経費にできるものがほとんど無く、フリーランスの場合に給与所得控除以上に経費計上するのって至難の業なんじゃないかなぁ…と思います。だって給与所得控除なんて普通に数百万単位で付きますよね?ITエンジニアで数百万単位で経費計上できるのか…?私はすげー難しいと思ってるんですがどうなんでしょう。税理士付けると何かすごいミラクルが起きて大技林にも載ってない超絶ウラ技みたいなのを連発してサラリーマン以上に税金を圧縮できたりするんですかね?

「えっ、ITエンジニアで給与所得控除以上の経費計上を!??できらぁ!!」

という人が居ましたらこっそり教えてください。よろしく。ばい〜。

追記:フリーランス版も書きました→ 【追検証】「年収1000万からは税金がきついよね〜」という話は フリーランスの場合 どうなのか