【質問#137】転職したいです

質問・悩み相談の回答です。

質問

45歳、男、妻あり(パート)、子なし、地方の市役所勤務、事務職、役職は主任です。

職員はだいたい3から5年位で人事異動があり、全く分野の違う部署に異動になることがほとんどで、その都度、新たに仕事を覚えなければなりません。
今回異動となり、1週間がたちましたが、仕事内容、異動者への指導の仕方、職場環境などで、早くも限界を感じています。

もともと仕事能力が低く、理解力などもよくないのて、今までなんとか迷惑をかけながらやってきましたが、今回は次の異動まで持ちこたえる自信がありません。
何の資格も実績もなく、転職できるかさえ不安ですが、異動のたびに仕事を新たに覚えるのではなく、継続して同じ分野の仕事をできる仕事をしていきたいと考えています。

このまま公務員として続けるべきか、思いきって辞めるべきか、ご意見を聞かせてください。

よろしくお願いいたします。

回答

もう少し詳細な情報がないとなんとも言えないのですが、書かれている文章の全体の雰囲気から察するに、転職しない方が良いのでは…という気がします。

昨今、特にSNSでは「労働者が待遇の良い企業を選んで積極的に転職して良い労働条件・給与を得ていくべき」みたいな意見をよく見ますが、これは万人に勧められる方法ではないと私は信じています。誰もがそんなに高い意識を持って仕事には向かってないでしょうし、仕事をたくさん選べる都市圏と違って田舎では選べるほどそもそも雇用が無かったりもするでしょう。

私自身、このブログで仕事がつまらない、やりたい仕事がしたい、労働時間で給与が大きく変わる仕事は嫌だと転職活動をしたと書いたのですが、やはりこのやり方ですべての労働者が幸せになるかと言うとそうではないと思います。

色々な性格の人が世の中にはいますが、そのうちの一定の割合の人は、「仕事の支持を受け、それを覚えながら組織の歯車となって動く」のに特化しており、創作性や独創性を発揮するのが苦手な人間という人がいます。どうしても書き方的にネガティブな印象にはなってしまいますが、そんなことはなく、大きな組織にはこういった歯車となる人材がいないと回っていかない側面もあります。みんながみんな好き勝手創作性を打ち出しても組織は回らないのです。それを諌め、大してオシャレでもかっこよくもない仕事を淡々とこなす仕事も社会にはまだまだ必要なのです。

私の偏見も入っているかもしれませんが、市役所事務職といった職種にはそういった方が多いように思います。質問者の方も職歴を書いていないあたり、おそらく市役所勤務が長いのだろうと推察します。長い間そうして公務員を続けてきて主任になったというのは一つの素質を持ち合わせておられたのでは、と思います。

転職しないほうが良いと思われる理由のひとつが、これです。45歳、主任というポジションにいるのだから、「迷惑をかけてきた」とは書いておられますが、それでも全く向いていない仕事で素養もゼロというわけではないという事実です。

2つ目の転職しないほうが良いと思われる理由は、実務的なスキルの話です。

市役所の事務職というのがどういう仕事をするのか、また配属の転換でどのように仕事内容が変わり、どういうスキルが得られるのかというのがよくわからないのですが、民間でそれが活かせそうなスキルというのは少なくとも私はあまり思いつきません。

ご存知のこととは思われますが、今はどの会社も総合職、事務職といったポジションでの採用はほとんどありません。単純に事務作業をする社員を置いておく余裕がなかったり、IT化が進んで事務仕事のみを行う人がほとんど不要になったからです。民間企業は公務員の世界ほどしがらみがなく組織自体も小さくフットワークが軽いので、面倒な事務仕事はやらないようにしようという意思決定がしやすいです。

今、総合職、事務職に近いポジションで残っているのはシステムで代替しづらい人事や経理、広報といった専門性が要求される職種だと思われます。このあたりで対抗できるスキルは何かお持ちでしょうか。

たとえば市役所の建設課で建築許可申請の受付をしていて建築・建設の申請関係にものすごい詳しいとかそういう知識は無いでしょうか。もしあればそういった方面で専門家として一つの仕事に腰を据えて取り組むことができるポストがあるかもしれません(私は門外漢なのでよくわからないのですが)。

その他で近いと思われるのは、機械化が難しい特殊な技能を必要とする職人系の仕事と思われます。これならば質問者様の要望である「継続して同じ分野の仕事を」という希望にも合致します。が、これは経験年数がものを言う仕事ですから、45歳というご年齢を考えるとなかなか厳しいところであると思います。

ただ、いずれにせよそういった活かせる技能や知識をご自身で認識されておられるならば質問中に書かれていても良さそうなので、それが無いということは少なくともご自身ではその強みを認識していないということですので、そういう状態で転職活動をすると自分の希望と相手の要求がミスマッチして不幸な結果になりやすい気がします。

3つ目の理由はあまりにもビジョンが漠然としており、現実感が感じられないからです。

転職活動というのは生活や人生にダイレクトに関わってくる作業なので、どうなりたいのか、どこまで行ければ成功なのか、失敗したときにはどうするのか、家族はどう言っているのか、理想は何で現実的な落とし所はどうなのか、あたりをちゃんと考えていたほうがよいです。

が、ご質問の文面からはそのあたりを考えた形跡が見当たらず、「転職すべきか否か」が議論の中心になっています。転職は本来、自分がありたい姿・人生へ近づくための手段であるはずです。

今回のご質問から主要なところを抜粋しますと、

職員はだいたい3から5年位で人事異動があり、(略)その都度、新たに仕事を覚えなければなりません。

今回異動となり、1週間がたちましたが、仕事内容、異動者への指導の仕方、職場環境などで、早くも限界を感じています。

もともと仕事能力が低く、理解力などもよくないのて、今までなんとか迷惑をかけながらやってきました

今回は次の異動まで持ちこたえる自信がありません。

異動のたびに仕事を新たに覚えるのではなく、継続して同じ分野の仕事をできる仕事をしていきたい

という論理展開になっています。

解消したい悩みは

仕事内容、異動者への指導の仕方、職場環境などで、早くも限界を感じています

であり、その原因は

もともと仕事能力が低く、理解力などもよくない

であると推察しておられ、その解決方法として

今回は次の異動まで持ちこたえる自信がありません

とあるように、今まで「我慢する」という手段を取ってひたすら耐えてきたが限界がきたということですよね。

その解決方法として

異動のたびに仕事を新たに覚えるのではなく、継続して同じ分野の仕事をできる仕事をしていきたい

というのは果たして本当に有効なのですか?

年長者に向かって上から目線で言うのは恐縮ではありますが、しかし第一に「仕事能力が低い、理解力も良くない」と推察しておられるのであれば、その根本原因を正すよう努力すべきではないでしょうか。もしそれが文章には書かれていないものの、散々に努力しても駄目だったから諦めているということであれば、ご質問の内容は「どう頑張っても仕事ができない、要領よく仕事をするためにはどうすればいいのか」という悩みや質問が現れてきているはずで、そこに達するまではまだ努力していないように私には読み取れます。

その上で「継続して同じ分野の仕事をすれば良いのでは」という結論に至ったのだとすると、これは「要領が悪い私でも継続してやらせてくれるなら何とかなるだろう」という根拠のない有利な将来像を想像しているだけにしか思えません。

民間でもほかの一般社員よりも能力の劣る人が「うちの課には要らない」と異動させられ、そうして課を転々しているうちに自らやめていくとかいわゆる追い出し部屋に入れられるとかいう話はあるのであって、民間に行ったところで物覚えの悪い社員が叱咤激励されつつ成長するのを暖かく見守ってくれるという「将太の寿司」みたいなハートフルな職場は殆ど無いでしょう。大変言いにくいのですが、新卒でやる気だけは人一倍あります!みたいなフレッシュな新卒新入社員ならばまだわかりますが、45歳で転職してきたおっさんには世間も冷たいと思います。

というか仕事ができてても民間で「数年で異動」という話はとくに珍しくない話です。私自身、新卒で入社した会社では1~2年のサイクルでやることが激変してきていました。入社した当初は英語で原子力計算機システムのスペックを書くということをしたり、その次の年には工場に缶詰になって夜通しで設備の試験をしたり、医療機器の工場の管理システムを作ったり、医者が使う眼底検査システムの一部をつくったり、太陽光発電の営業管理システムを作ったり、人工知能や機械学習的なことをしたりなどなど。

会社の規模や業態等々にもよりますが、会社とは営利をあげることを目的とする集団なので、金にならないことはすぐに辞めるし、金になりそうなことを新しく始めたがります。その都度、会社組織は半期なり一年なりで更新され、異動や配置転換といったことが普通にあるわけです。

そういった側面から考えても、やはり「理解能力が遅いのでずっと腰を据えてできる仕事を」は転職したところで容易に達成できない可能性も高く、まずは仕事能力が低いという自覚があるならばそれを正す努力を、という結論になります。

ネガティブで説教じみたことばかり書いてしまいました。

ただ、これの大部分は私の質問文よりの想像によるところが大きいです。唯一、今回のご質問に関係しそうなところで明らかな事実が述べられている点は、「45歳市役所勤務、主任」というプロフィールとポストです。

想像の部分がだいぶ事実と違い検討違いなことを書いていたかもしれません。ただ、この事実がある限りはやはり、質問者様は現職は全く向いていないわけではなく、その年齢、ポストに至る素養・素質があったとは言えるわけで、それを捨ててまで転職して不透明な領域に飛び込むのが得策かと言われれば、そうではないと私は思います。

しかしながら新しいことにチャレンジするということを自体は常に良いことだと私は思いますので、まずは生活を変えない範囲で何か行動して見極めてみるのも良いのではないでしょうか。

たとえば今の仕事を続けたまま、転職エージェントに登録して二、三社回ってみるというのは良いと思います。面接を受けなくともそれで雰囲気を掴んだり情報を仕入れることは可能ですし、お金もかかりません。

もし、自分のスキルや能力が活かせそうなポジションが見つかったら、本当に転職にチャレンジしても良いわけです。奥様も働いておられ、お子さんも居ないわけですからリスクは他の人に比べたら小さめだとは思います(もっとも、45歳の転職自体がリスクでもあると思いますが)。

これは余談ですが、もし転職エージェントを使われる場合は、転職エージェントとは成約1件につき年俸の数%の成功報酬を企業からもらうという方式の商売なので、転職する労働者本人が幸せになるかどうかというのはあまり考えず、絶対転職できます!転職したほうが絶対良いです!とゴリ押ししてくるエージェントもゼロではないです。そのあたり、一歩引いた感じで見てみるとよいのではないでしょうか。

長くなりましたが、まとめると、

  • 私は辞めないほうが良いと思う
  • ただ転職エージェントに登録して他の世界のちら見するくらいはやっても良いかも

になります。