科学リテラシークイズ

こないだ科学リテラシークイズなるものをネットで見かけて、面白くて自分でも作って見たくなったので作って見ました。細かい不備は許してね。

○×クイズです。

  • 人間の体は炭素や水素、鉄、カルシウム、ナトリウム、リンなどの化合物で構成される
  • 富士山頂では気温や気象条件によって水が100℃未満で沸騰することがある
  • 鉄の塊をばね秤で南極とシンガポールで計ったとき、シンガポールの方が重く計測される
  • 太陽系の中で水は地球だけに存在する
  • 木星と土星では土星の方が大きい
  • 人類の祖先をたどると微生物にたどり着く
  • 夏場、アスファイルトにコップの水をこぼすとこぼした水が乾いて消えた。これは水が100℃に達して瞬間的に蒸発したため
  • 木星には10個以上の月(衛星)がある
  • IHヒーター、電熱線、電子レンジ、暖房エアコン。熱効率が一番良いのはIHヒーター
  • 風邪は鼻や喉に付着した細菌が増殖することで引き起こされる
  • 生物とは、植物・動物・細菌・バクテリア・ウィルスを総称する名前である
  • 地球上にある放射性物質のすべては人間が人為的に合成した生成物である
  • 光は音よりも速い
  • 宇宙からは放射線が地表に向かって降り注いでいる
  • 妊婦がアルコールを飲んだ時に胎児に悪影響を及ぼす理由は、母体のアルコール成分が胎児の体内にまで届いてしまうため
  • 火星には大気がある
  • 鉄球と羽、強固な壁で作って完全に無風にした室内の空気中で落とすと、同時に着地する
  • 宇宙が無重力なのは空気が無いため
  • 宇宙は無重力である
  • 太陽の熱を地球上で感じるのは太陽の熱が宇宙空間を電波として伝い地球にまで到達したため
  • 宇宙の温度はマイナス270℃なので、地球上よりも物体の温度は冷えやすい
  • 冷たいコップに水滴がつく原理は、冬場窓が曇る原理と同じ
  • 風呂に入った時に体に細かな気泡が付着するのは、お湯が部分的に気化しているため
  • 人間が妊娠初期で流産した場合、最も多い理由は胎児の染色体異常
  • 人間の卵子の元となる細胞は胎児の時に爆発的に増殖し、生まれてからは新しく作られる事はない
  • 人間の染色体の数は46本、ニワトリの染色体の数は78本
  • すべての人間はそれぞれ違うDNAを持つ
  • DNAは人体の設計図なので、最終的に伸びる身長や、目や鼻や口の細かな位置に相当する情報も書き込まれている
  • 黒い紙とアルミホイルに太陽光を当てた場合、熱を伝えやすいアルミホイルのほうが温度が高くなる
  • デジタルカメラの記録メディア(SDカード)に中国製の粗悪なものを使用すると、画質が劣化する(暗くなる、ぼやけるなど)可能性がある
  • 非接触ICカード(Suicaのような)には電池が内蔵されており、この電池が切れたときにはカードの交換が必要になる
  • 月面上では方位磁石が地球とは反対の方向を示す
  • 遠い星(例えば北極星)を基準に地球の自転周期を計測すると24時間よりも若干短い約23時間56分程度になる
  • 夜空に天の川が流れているのは、宇宙の中心方向に星が集まっているため
  • 太陽以外の恒星で最も近い恒星までの距離は光の速さで100年ほどの距離
  • 宇宙人(人間以外の地球外に住む知的生命体)は高い確率で存在する

正解

人間の体は炭素や水素、鉄、カルシウム、ナトリウム、リンなどの化合物で構成される

正しい。人体を構成するすべての物質(肉、骨、血液など)は分解していくと単純な元素になる。たとえば筋肉はタンパク質から構成され、人間のタンパク質は20種類のアミノ酸から構成される。アミノ酸の一つ、アラニンは CH3CH(COOH)NH2 という化学式で表される。

富士山頂では気温や気象条件によって水が100℃未満で沸騰することがある

正しい。液体の沸点は飽和水蒸気圧と大気圧が釣り合うところで決まる。大気圧が下がれば液体の沸点は下がり、水ならば100℃よりも低い温度で沸騰する。「気温や気象条件によって」と書いたが、富士山くらい高ければ気温や気象条件を問わずそこいらの温度計で明らかに違いが分かるほど低い温度で沸騰する。こちらでは87℃くらいという記述がある。

こちらも参考までに:

化学連載 第47回:蒸気圧降下と沸点上昇

鉄の塊をばね秤で南極とシンガポールで計ったとき、シンガポールの方が重く計測される

間違い。赤道直下のシンガポールのほうが軽くなる。

これは地球の自転による遠心力が関係している。赤道に近いほど遠心力が大きくなる。地球儀に弱い糊でコインを貼り付けて思い切り回転させることを想像してほしい。コインは遠心力で吹っ飛ぶが、赤道付近に貼った方が速度が出るのでより大きく吹っ飛んでいく。

具体的にどのくらい違うのかと言うと、

極地で100kgの分銅を載せたときに100kgと表示するはかりを赤道付近に運びそこで同じように計量をするとはかりも分銅も全く同じものであるにもかかわらず99.61kgと表示されます。
1.はかる場所によって重さは変わる? | エーアンドデイ

だそうです。

ちなみに、体重計によってはこの地球上の使用場所ごとの差を補正するための設定が出来るようになっているものがある。

太陽系の中で水は地球だけに存在する

間違い。月や火星にも氷の状態で水は存在する。木星の衛星エウロパにも液体の水が内部に存在するのではと言われている。最新の研究結果では、火星に関しては地下に液体の水で満たされた20kmの湖があると予想されている。

火星で初めて液体の水を確認、地下に「湖」か | BBC

木星と土星では土星の方が大きい

間違い。太陽系の惑星の中では木星が一番大きい。土星は木星よりもすこし小さく、2番めの大きさ。

人類の祖先をたどると微生物にたどり着く

正しい。「系統樹」などでググってみましょう。

夏場、アスファイルトにコップの水をこぼすとこぼした水が乾いて消えた。これは水が100℃に達して瞬間的に蒸発したため

間違い。水は100℃にならないと(沸騰しないと)気体にはならない、わけではない。100℃以下の温度でも水は気化して水蒸気になる。

水に限らず、そもそも液体は沸点より低い温度で気体になっていく性質を持っている。これを表したのが蒸気圧である。蒸気圧が大きい液体ほど、気化しやすい。例えば消毒用のアルコール(エタノール)は水よりもずっと早く乾くがこれはエタノールの方が水よりも蒸気圧が高いから。

木星には10個以上の月(衛星)がある

正しい。2018年10月までに木星には79個の衛星が発見された

IHヒーター、電熱線、電子レンジ、暖房エアコン。効率(発生した熱量÷消費電力)が一番良いのはIHヒーター

間違い。効率が一番良いのは暖房エアコン。

エネルギー保存則から、投入したエネルギー(今回の場合は電気)以上に熱を発生させることはできない。また、「熱はエネルギーが最も退化した姿」とも言われるように、大体どんなことをしても最終的にエネルギーはもれなく熱になる傾向があるので、エネルギーを熱に変換するのは技術的には簡単である。

従って、「電気を熱に変換する」タイプの機械の効率はどれも大体同じになる。が、エアコンだけは投入した電力以上の熱を放出することができる。

一見これはエネルギー保存則に反しているように思えるが、エアコンは室外機で集めた熱を室内機にむけて運んでいる(ガスの圧縮と膨張で実現されるこの仕組みをヒートポンプという)。少しの電力で、その電力が熱に変換されたときの熱量以上の熱を室内に運んでいるから、エネルギー保存則は破られてない。

エアコンの性能を示す指標にCOP(冷暖房平均エネルギー消費効率)があり、これは「冷房能力(暖房能力)÷消費電力」で求められる。家庭用製品では現行製品だと5〜6程度になるようで、これはつまり電力を1投入したら5〜6倍の熱量が得られるという意味になる(※厳密には冷房と暖房で効率は異なるが)。対して、IH、電熱線、電子レンジのCOPは1を超えられない。

風邪の原因の殆どは鼻や喉に付着した細菌が増殖することである

間違い。細菌ではなくウィルス(コロナウィルス)が主。

かぜ症状群の原因微生物は、80~90%がウイルスといわれています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなど特殊な細菌も原因となります。
かぜ症候群 日本呼吸器学会

ウィルスによって引き起こされることがほとんどなので、風邪には抗生物質(抗生剤)があまり効かない。

生物とは、植物・動物・細菌・バクテリア・ウィルスを総称する名前である

間違い。ウィルスは生物でない。

ウイルスは様々な点で一般的な生物と大きく異なる。
非細胞性で細胞質などは持たない。基本的にはタンパク質と核酸からなる粒子である(→ウイルスの構造)。
大部分の生物は細胞内部にDNAとRNAの両方の核酸が存在するが、ウイルス粒子内には基本的にどちらか片方だけしかない。
他のほとんどの生物の細胞は2nで指数関数的に増殖するのに対し、ウイルスは一段階増殖する。またウイルス粒子が見かけ上消えてしまう「暗黒期」が存在する。
代謝系を持たず、単独では増殖できない。他生物の細胞に寄生したときのみ増殖できる。
自分自身でエネルギーを産生せず、宿主細胞の作るそれを利用する。
ウィルス wikipedia

地球上にある放射性物質のすべては人間が人為的に合成した生成物である

間違い。超新星爆発や中性子星合体といった自然現象で生成された放射性物質も存在し、地球上でも太古の昔は天然の原子炉が存在していた証拠が見つかっている。

商用原子炉で使われている燃料も天然ウランを濃縮したもので天然由来。

人為的な放射性物質の例としては、粒子加速器などで衝突させて作った重い元素。

光は音よりも速い

正しい。光の速さは1秒間で地球を7週半回るくらいの速度。対して音速は340m/s程度。ジェット機でも音速を超えれる。

打ち上げ花火の音が遅れて聞こえるのは、光よりも音が遅い証拠。

宇宙からは放射線が地表に向かって降り注いでいる

正しい。宇宙から地表に向かって宇宙線(放射線)が降り注いでおり、地球上では太陽由来のものが多い。スーパーコンピュータや人工衛星に搭載されるコンピュータなどでは宇宙線によるメモリのエラーが問題になるケースがある。また、一般的なPCのデータが宇宙線によって書き換わってしまう現象を利用したハッキング手段というのも存在する。

google.comなどの有名なドメインを示す文字列中のビットを一個だけ変更したようなドメインをとっておき、宇宙線によるエラーによって偶然そのドメインへ接続されてしまうことを期待するような手法だそうだ。実験した結果、1年間で10件くらいアクセスがあったという話を見たが…ソースは忘れた

妊婦がアルコールを飲んだ時に胎児に悪影響を及ぼす理由は、母体のアルコール成分が胎児の体内にまで届いてしまうため

正しい。母体から胎児へは血液が混じり合わないようにする胎盤が備わっており、胎盤内には血液胎盤関門というものが存在し、病原体などを遮断する役割を果たしているがアルコールはこれをすり抜ける。ちなみに脳血管にも同様の関門があるが、これもアルコールは通り抜けてしまう。

火星には大気がある

正しい。二酸化炭素を主成分とする薄い大気が有る。

鉄球と羽、強固な壁で作って完全に無風にした室内の空気中で落とすと、同時に着地する

間違い。鉄球の方が早く着地する。

真空中では鉄球と羽は同時に着地する。

実験映像:

宇宙が無重力なのは空気が無いため

間違い。ビンの中に鉄球を入れ真空ポンプで空気を抜いていっても鉄球が浮き始めることはない。空気があっても無重力になる。たとえば、高速に落下するエレベーターや飛行機で無重力状態を作ることができる。ジェットコースターでも一瞬無重力になる瞬間はある。

宇宙は無重力である

間違い。星に近ければ重力(引力)によって引かれていき、星の表面に落ちる。唐突に無重力になる境界線が存在するわけではない。

ロケットや宇宙ステーションの内部が無重力になっているのは、地球の重力と地球外周を回るロケット・宇宙ステーションの遠心力が釣り合っているため。速度が失われればロケットも宇宙ステーションも人工衛星も地球に引かれて落ちる。

太陽の熱を地球上で感じるのは太陽の熱が電波として宇宙空間を伝い地球にまで到達したため

正しい。熱は媒介する何かが無いと伝わらない。宇宙はほぼ真空なので熱そのものの移動は無い。

太陽光で地表が暖められるのは太陽から放出された可視光、赤外線、電磁波などが地表に到達し、地表がその光のエネルギーを吸収して熱を放出するから暖められる。

ちなみに太陽が特別なわけではなく、暖められるとすべての物体は赤外線などを放射する。昔の魔法瓶の内側が銀色の鏡のようになっているのはこれを反射して熱が逃げるのを防ぐため。

宇宙の温度はマイナス270℃なので、地球上よりも物体の温度は冷えやすい

間違い。宇宙空間はほぼ真空なので、対流や伝導によって熱が逃げない。放射でしか熱が逃げない。だから地球上よりも熱が逃げにくい。このため、宇宙服には冷房が装備されている。

宇宙服内では温度を調整するため下の写真に示すようにチューブを張り巡らせた液体冷却服を着用し、そこに冷却水を通します。冷却水を通して宇宙服の内部を冷却する理由は、人体の発熱にあります。通常の衣服では人体から発生した熱は衣服内の空気を暖め、暖かい空気とともに対流により外へ逃げていきます。しかし閉鎖系である宇宙服では、人体により暖められた空気は服の外に出られないため、なかなか熱が逃げません。熱が逃げないで宇宙服の内部にたまって行くと宇宙服内部の温度が上がって、着用している人間にとって危険な状態になります。そのためチューブの中を冷却水を通して、宇宙服の中を強制的に冷やしているのです。
環境宇宙研ミニ百科

冷たいコップに水滴がつく原理は、冬場窓が曇る原理と同じ

正しい。気温が下がって飽和水蒸気量(その温度でその空気が含むことの出来る最大の水蒸気量)が下がっていって実際の水蒸気量よりも下がった時、その分が水分として凝集されて出てくる。

風呂に入った時に体に細かな気泡が付着するのは、お湯が部分的に気化しているため

間違い。水中に溶け込んだ空気が給湯器によって暖められたり蛇口から出て水圧が下がったことによって再び空気として出現したため。気体は圧力をかけるほど水に解けるが、圧力が下がるとまた気体として出てくる。

高圧の二酸化炭素を水に溶け込ませた炭酸水のペットボトルを開けると、また気体の二酸化炭素の気泡として出現するのと同じ。

人間が妊娠初期で流産した場合、最も多い理由は胎児の染色体異常

正しい。

早期に起こった流産の原因で最も多いのが赤ちゃん自体の染色体等の異常です。つまり、受精の瞬間に「流産の運命」が決まることがほとんどです。この場合、お母さんの妊娠初期の仕事や運動などが原因で流産することは、ほとんどないと言って良いでしょう。
流産・切迫流産 日本産婦人科学会

人間の卵子の元となる細胞は胎児の時に爆発的に増殖し、生まれてからは新しく作られる事はない

正しい。

卵の大もととなる"原子卵胞"といわれるものは、女性がまだ胎児のうちにすでにできています。つまり、みなさまが胎児としてお母さんのお腹の中にいる時から、みなさまのお腹の中に一生分の卵がすでにちゃんとできているのです。
卵子・卵はいつできる? 浅田レディースクリニック

人間の染色体の数は46本、ニワトリの染色体の数は78本

正しい。

wikipedia 染色体

すべての人間はそれぞれ違うDNAを持つ

間違い。一卵性双生児は同じDNAを持つ。

DNAは人体の設計図なので、最終的に伸びる身長や、目や鼻や口の細かな位置に相当する情報も書き込まれている

間違い。DNAは「タンパク質をどう合成するか」しか書かれていない。人間(生物)はDNAのタンパク質合成によって引き起こされた壮大なドミノとかピタゴラスイッチみたいな現象。

身長や目鼻の位置は「たまたま設計図通りにタンパク質合成を行ったらそうなった」だけ。

だからDNAが同じ一卵性双生児でも、顔立ちは環境要因によって微妙に異なってくるし、指紋も全く同じにはならない。

参考: 表現型 wikipedia

黒い紙とアルミホイルに太陽光を当てた場合、熱を伝えやすいアルミホイルのほうが温度が高くなる

間違い。太陽の熱は物体を介した対流で伝わってくるのではなくて、光を物体が吸収して熱を放出しているから、光を反射するアルミホイルは太陽光で暖められにくい。黒い紙は「黒」、すなわち殆どの可視光を吸収するのでよく温まる。

デジタルカメラの記録メディア(SDカード)に中国製の粗悪なものを使用すると、画質が劣化する(暗くなる、ぼやけるなど)可能性が高い

間違い。粗悪なメディアを利用してデータが消失したり、正しく記録されなかったりする可能性はあるが、「画質の劣化」はまず発生しない。

デジタルカメラから出力されるデータはその名の通り、デジタルなデータなので0と1の数列が写真のすべてとなる。もし記録メディアの品質が原因で0と1の数列に変化が生じてしまった場合、ファイルシステムがまずはそれを検知する。ファイルシステムではデータが壊れていないかどうかをチェックするために数ビットの誤りを検出できる機構が備わっている。だから、記録メディアの品質が悪くてデータがおかしくなってしまった場合、PC上には「CRCエラーです」などのエラーメッセージが表示され、読み取ること自体が不可能なはずだ。

それのチェック機構をすり抜けてしまうエラーがあった場合、今度は正しい画像データとして読み出せない可能性が高い。JPEGデータを始めとして、デジタルデータは中のデータ列を適当に書き換えてしまうとアプリケーションの読み込み時にエラーになってしまう可能性が高い。これは、「先頭から何番目の数字は横ピクセル数を表す」などのように構造が厳格に決められているためだ。だからデータがエラーによって変化してしまったとしても、「偶然整合性が取れるように」データ列が変化しないと正しく画像を読み出せない。

これらすべての障壁をくぐり抜け、人間が目で見て「ぼやけている」「何だか暗い」という方向で画質が劣化する可能性はゼロではないが、「奇跡的」と言っていいレベルだと思う。

非接触ICカード(Suicaのような)には電池が内蔵されており、この電池が切れたときにはカードの交換が必要になる

間違い。非接触ICカードには電池は内蔵されていない。

電池が内蔵されていないのにどのようにしてICを動作させ、電気的に情報を読み書きしているのかと言うと、読み書きする機械の方から電波を送り、カード内部にはコイルが内蔵されていて、それで電気を発電している。理科の実験で、コイルに磁石を通過させた時にわずかに検流計の針が振れるのと同じ原理。

月面上では方位磁石が地球とは反対の方向を示す

間違い。方位磁石が地球上で南や北を指し示すのは地球自体が磁気を帯びているためだが、月は磁化されてないので方位磁石がどの方向を向くとかいうのは無い。10個の方位磁石を月面に持っていったらそれぞれバラバラの方角を示すはずだ。

遠い星(例えば北極星)を基準に地球の自転周期を計測すると約23時間56分程度になる

正しい。

地球の自転は十分に遠くの星を基準に計測すると24時間から4分も異なる。

1日は24時間だが、ではなぜ一日に4分もズレるのにカレンダーは正しく機能するのかと言うと、「太陽を基準に計測した自転の周期」はほぼ24時間であるから。地球が公転せず、一箇所にとどまって自転しているならば、遠くの星を基準に測定した時間と太陽を基準に測定した時間は一致する。しかし、地球は太陽を基準に自転と同じ回転方向で公転しており、かつ太陽と地球は近いために1日のうちに公転によって移動した分が加味されて太陽を基準にした場合は遠くの星を基準にした場合よりもやや早い自転周期として観測される。

夜空に天の川が流れているのは、宇宙の中心方向に星が集まっているため

間違い。

銀河は円盤のような形状をしているので、太陽系が所属する天の川銀河の円盤を円盤平面を横に見る(うまく説明できない)方向に見ると星が詰まっているように見える。

例えを用いてもうちょい具体的に言おう。

透明なゴムかなにかにラメを織り交ぜて溶かし、円盤状に整形して固める。それを持って上から見た(このとき、円の形で円盤は見える)ときのラメの密度と、円盤を真横から見る(このとき、円盤は長方形の形で見える)ときのラメの密度とでは、後者の方が圧倒的に沢山のラメが見えるはずだ。地球は沢山のラメの一つと考えると、真横の方向に最も天の川銀河に所属する沢山の星が見えるのが理解できるだろう。

太陽以外の恒星で最も近い恒星までの距離は光の速さで100年ほどの距離

間違い。最も近いのはプロキシマ・ケンタウリで地球からの距離は4.2光年。光の速さで4年の距離に太陽系みたいな惑星系があるってロマンあるよね。

宇宙人(人間以外の地球外に住む知的生命体)は高い確率で存在する

最後はちょっとオカルトチックな毛色の変わった?問題で締めてみました。

答えは…よく分かりません。問題を出しといてわからないとは何じゃって感じですが、しかし「科学リテラシー」があれば自分なりにYESかNOかを導き出す推論能力は有しているはずなのです。

でも、殆どの研究者は居るだろうと思っています。思っているからこそ、SETI(地球外知的生命体探査)プロジェクトに予算がつき、地球外から到達する電波の分析を行うことが出来たわけです。地球人とコンタクトを取る地球外知的生命体の個数を推定するドレイクの方程式では、悲観的な数字で計算したとしても大体1を超える数字が導き出されるというのも「宇宙人は居る」という説を補強します。それらの最たる理由はこの宇宙には無限とも言うべき恒星と惑星の数があり、どれほど知的生命体が誕生する可能性が低くとも母数が多いので地球人以外の知的生命体がゼロである可能性は低い、ということに収束するでしょう。

ここで私が大切だと思うのは「一見して疑似科学やオカルトに見えることでも実は科学的な推論の結果である」ということですね。

自分にとって未知である対象に対して、それがオカルトだとか疑似科学だとか、反対に科学的な手法だとかという先入観をなるべく排除し、これまで学んだ科学的知識から最も妥当と考える論理的思考能力に必要な前提知識こそを科学リテラシーと呼ぶのだと思います。

おわり。