なぜ高解像度ディスプレイを買うべきなのか?

こないだ4Kディスプレイを買ったと言ったところ、「私は映画とか見ないのであんまり関係ないですね」という反応をされました。いや、映画とか関係なく4Kは必要と私は思います。なので、何が良いのか説明します。

ちなみに最近、「クオリティを下げた記事を書こう」という話を書きましたが、その理由として「私が当たり前と思っている知識も世の中では当たり前じゃない」ということもあるなと気づいたというのもあります。高いレベルの記事を書くほど理解できる人も少なくなりますしね。

と、書くとすごく偉そうですが、知識というのは基本そんなもんだと思います。誰しもが「多分これを知っている人は少ないだろう」という知識って持ってますよね?それがガチで理解できる人たちだけに向けた記事を書くのは基本プロ相手に記事を書くということなのでなかなかしんどいことだとは思うのですが、一般レベルまで下げて解説すれば楽しい雑学になりますし、読む人も増えますよね?という話です。

4K以上の画面解像度をもつPC向けディスプレイを使ってる人はまだ少数でしょうし、良さを理解している人も実は少数なのかもしれないと書いてみました。

ということでやっていきます。

最初に結論から言うと、PCのディスプレイで4Kの恩恵は普通のブラウジングとかでも受けられます。写真編集とかでも高解像度のほうが圧倒的に良いと感じます。逆に映画、動画は個人的にはあんまり良さを感じないですね。解像度よりはビットレートや撮影した機材の質とかに大きく左右される印象があります。というあたりを、今回は特にテキストに焦点を絞り説明していきます。

まず、4KディスプレイとFull HDディスプレイを並べて写真に撮ってみました。

モアレが発生してしまっているので汚いですが、ぱっと見で右のほうが荒いな、とわかりますよね?

(補足)厳密に言うと右側はX Window側で4K解像度をFull HDに落としているのでちょっと表示が汚いですが。最初からFull HD解像度で表示すれば、フォントレンダラもそれに適した描画をするのでもう少しきれいです。LinuxのChromeのフォントレンダリングエンジンはPangoを使っているはずですが、これは中々優秀でFull HDでもそれなりにきれいに表示してくれます。

文字部分をもうちょい拡大してみましょう。ディスプレイの間の隙間が比較するのに邪魔なのでカットしてくっつけています。

かなりドットが荒いのがわかります。人間の目の解像力はカメラほど高くないので、実際に見てみるとここまでひどくは感じません。感覚的には、4Kの方は「なめらかでしっとり丸い。例えるならカントリーマーム」って感じで、Full HDは「4Kに比べるとドットが目で見て明らかに分かる。例えるならロッテの紗々」みたいな感じです。

2倍にまで拡大してみました。

ドットがはっきりと見えます。ドットの大きさが明らかに異なるのが分かるでしょう。サイズは半分くらいになってるでしょうか…?そりゃそうだよな、ディスプレイのサイズがほぼ同じで4K vs Full HD(ほぼ2K)の比較だからな。

ということで高解像度ディスプレイを買うとこんなにきれいになるよ!というお話でした。

…じゃあ4Kが良いんだな!と思ったあなた。大体合ってますが、厳密にはその考えは間違っています。大事なのは「解像度」「DPI」です。

ここで言う解像度とは厳密な意味での「解像度」、言い換えるならDPIのことです。「1920x1080」とかいう画面のピクセル数のことを「解像度」と言いますが、厳密な意味ではこれは解像度では無いです。これを区別する用語として、画面のピクセル数のことを「画面解像度」と呼んだりもします。

解像度=DPIとはなにか。DPIは「dot per inch」の略で、その名の通りインチあたりのドット数です。「インチ」とは何でしょうか。

例えば、プリンタからの印刷時のdpiを語るなら「1インチあたり何個のドットを打つか」という話になりますし、ディスプレイであれば「1インチあたり何個のドットを表示するか」という話になりますし、スキャナであれば「1インチあたり何個のドットでスキャンするか」という話になります。もちろん、dpiは高いほうが高精細になります。

ではdpiはいくつくらいあるのが望ましいのかというと、例えば代表的な値として「印刷物であれば300dpi」という数字がよく語られます。1インチにつき300個のドットで表現されるということです。例えばみなさんが雑誌その他を見るとき、そこにドットの荒さは見えないですよね?人間の目の解像能力は大体300dpi以下である、と言い換えることも出来るでしょう。

上記で挙げた写真の左側のディスプレイは24インチで4Kですから、dpiを計算すると184dpiとなります。意外と低いですね?逆に言えば、それほどまでにディスプレイというデバイスはまだまだ人間の目の解像力を満たすまでには(商業的に)発達していないとも言えるかもしれません。実際、4Kがきれい、みたいなことを描きましたが、目を凝らさなくても結構ドットは見えます。ちなみに私は子供の頃は裸眼視力2.0超え、現在でも裸眼視力1.7超えです(自慢)。

右側のディスプレイは22.8インチでFull HDなので、dpiを計算すると97dpiとなります。理想のdpiの1/3くらい。これはきつい。

残念なことに一般的なPCディスプレイでは、4K以上のPC用ディスプレイは27インチ以上の大型なディスプレイが多いです。せっかく画面解像度が4Kでも、画面が大きくなるほど解像度は低くなってしまうのです。なぜむやみに画面サイズを大きくして解像度を下げてしまうのかというと、これはおそらくより数の出るテレビ向けの大きな液晶パネル生産を優先しているからなのでしょう。

おそらく次に普及するのは8Kと思いますが、8Kで300dpiが保てる画面サイズを探すと29~30インチとなります。ただ、手に持って読む雑誌や本よりはディスプレイと人間の目の距離は普通遠いと思われるので、ディスプレイに300dpiも必要かと言われると微妙なところではありますけどね。

というわけで、聡明なanopara読者の皆さんは、今回の記事でdpiと画面解像度の違い、人間の目のおおまなか解像力の値について理解して頂けたことと思います。

ちなみに言うと、このサイトをご覧の殆どの皆さんはすでに超高dpiなディスプレイを持っていると思われます。

それはスマホです。

スマホの画面解像度はミドルレンジ以上の機種であれば、大体Full HD以上になっていると思われます。例えば私のスマホは5.5インチでFull HDですが、これの解像度を計算すると大体400dpiとなります。

というわけでスマホも撮ってみました。

きれいですね。

厳密に撮影距離は合わせてないのですが、でもピントが合う最短距離で撮影したのでそこまでズレてもないとおもいます。前掲のディスプレイ画像と比較してみました。

左上:4K 24インチ、右上:Full HD 22.8インチ、下:Full HD 5.5インチ(スマホ)です。

スマホが圧倒的にきれいですね。

ということで、懸命で聡明で次世代の日本を担うanopara読者の皆さんにおかれましては、ぜひとも高DPIディスプレイで作業をこなし、カントリーマーム的なフォントレンダリングの優しさと美しさに酔いしれてください。

以上、ご査収ください。