ヘリオス44-2購入したので写真など

買ったので色々書く。

購入先

RuGiftというサイトで買いました。Helios以外にもJupyterとかも売ってました。

国内だと平気で1万以上の値段が付けられていますが、このくらいの安さで買えました。これでマウントアダプター込みですからね。二つ買ったらマウントアダプターも二つ付いてきました。

RuGiftは「ギフトとして発送するので関税フリーで届けることが出来るよ」とか書いてましたけど、届いた包装を見ると特にギフトだと主張するような文言は無く、さらに包装に購入した品と金額までプリントされていました。さらに、購入後2週間経っても発送したという連絡がなく、(Web上には発送したらTracking Numberを送るよと書いてある)問い合わせも数回しましたが完全にシカト、これもうPayPal経由で文句行って返金してもらうべ、と手続きを進めていたら届きました。しかも今アクセスしたらサーバ落ちてるっぽいし。なんかロシアってよく分かんねぇなと思いました。

改造

今回はなんとなく44-2の他に44M-7も買ってみました。44M-7のほうが新しいみたいです。コアとなるレンズ設計は多分大差ないんじゃないかという気がしますが…。見た目で大きく違うのは44M-7のほうは自動絞りピンが付いています。自動絞りピンというのは、シャッターを切る瞬間以外は絞りの設定にかかわらず開放状態にしておいてファインダー像を暗くするのを防ぐための機構です(今では当たり前の機能)。ピンを押し込むと設定した絞りまで絞り込まれます。

で、HeliosはM42マウントで私のカメラはニコン、マウントアダプターを使用することになります。多分、この自動絞り機構まで対応しているマウントアダプターって市販されてないような気がします。あまりちゃんと調べてませんが、ざっとググった感じ無さそうでした。せめてピンを常時押した状態にしてくれるマウントアダプタがあればよかったのですが、付属のマウントアダプタはそうなっていなかったので、このままでは絞り開放でしか撮影できません。

ピンを何らかの方法で押し込んだ状態で固定できれば良いので、試しにテープを貼ってみましたが、上手く行きませんでした。ちょっと考えた結果、バラしてなんとかピンが押された状態で固定させようとしてみました。

精密ドライバーがあれば簡単にバラせます。が、調子に乗ってどんどんバラすと戻せなくなるので注意しましょう(私はやりすぎて元に戻すのに1時間近くかかった)。バラしてピンを押し込む機構にホットボンドの欠片を挟み込んでおきました。これなら戻したい時にすぐに原状復帰できます。

装着したらこんな感じですね。Made in USSRの刻印が良い。

撮影

Heliosはカールツァイスの設計を真似たコピー品で、1927年に設計されたレンズを模倣したらしいですね。このあたりは下記サイトが詳しいです。

HELIOS-44(M39), 44-2(M42), 44M(M42), 44M-6(M42) 44M-7(M42) 58mm/F2 and Carl Zeiss Jena BIOTAR 58mm/F2(M42)

戦前ってすごいですね。カールツァイスは大戦中も潜望鏡や戦艦の光学測距儀も作ってたわけですが、ニコンも戦時中は測距儀とか作ってたんですよね。大和の測距儀もニコン製です。そんなニコンのデジタル一眼にカールツァイスが1928年に設計したレンズを元にしてソ連で作られたレンズを装着するとかロマンを感じませんか?感じて下さい。

さて、そんな感じで撮影するわけですが、M42マウントとニコンFマウントは非常に相性が悪い…というか、ニコンFマウントは基本的にオールドレンズとか工業用レンズとかシネレンズとかそういうちょっと変わったレンズとの相性がすこぶる悪いです。フランジバック(レンズのマウント面から撮像素子までの距離)が長すぎるんですね。フランジバックが短いのはマウントアダプタを長くすれば対応できますが、逆は無理です。このため、M42マウントのレンズはニコンFマウントで使用すると無限遠が出なかったりするみたいです。こういう特殊なレンズを使うにはフランジバックの短いミラーレスカメラなんかが適しているのですが、持ってないのでしょうがない。

今回付いてきたマウントアダプタは無限遠が出るように補正するためのレンズが挿入されているので無限遠でもピントが合いますが、このレンズが挿入されているおかげで画質に何らかの影響が与えられている可能性は大です。しかしまぁ$44のオールドレンズで画質だの何だのこだわるのもあれなんで特に気にしないこととします。

44M-7で撮影。思っていたよりも全然綺麗ですね。解像感も高く、ボケも綺麗。Heliosはいわゆるぐるぐるボケと言われる、回転しているかのように見えるボケが特徴です。私はこのぐるぐるボケって酔いそうな感覚を受けるのであんまり好きじゃないのですが(じゃあなんで買ったんだ)、実際撮影してみるとそこまでぐるぐる感は強くない気がします。

正直、古い設計のレンズなのでもっと画質が悪い(解像感が無い)ようなものを想像していたのですが、綺麗ですね。すこし絞り込むとコントラストが強くてメリハリの効いた画を写してくれます。

フレア・ゴーストに関しても想像以上に少ないです。太陽が入ったらもう全体的に真っ白になっちゃうんじゃないかと思ったのですが、ちゃんと写りますね。

ちなみに測光は中央部重点測光で固定されました。露出オーバーに振れることもあればアンダーに振れることもあり、頻繁に露出補正ボタンをいじくることになります。ここぞというシーンではオートブラケット撮影しておいたほうが良いかもしれないです。

44M-7はあまりにも写りが綺麗で面白くないので、44-2の方に切り替えて撮影。44M-7も多少絞り込むと44M-7同様メリハリの効いた写りになるのですが、このレンズが面白いのは絞り開放ですね。開放で撮るとご覧の通り、なんだか夢の中に居るかのようなソフトな写りになります。

こっちは現像設定を多少変えてフィルムっぽい写りにしてみたもの。

こちらは若干のぐるぐる感を感じますね。こちらの夢の中に居るような、もしくはノスタルジックな感じというか、既視感を感じると言うか。不思議な感じです。

F6〜8くらいまで絞って撮影。絞るとやはりはっきりとしたコントラストになり、力強さを感じさせます。解像感も高く、石の素材感もよく感じ取ることが出来ます。

絞り開放で撮るとこんな感じ。一転して夢の中に居るようなソフトな感じになります。

こちらはAF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gです。APS-C用のレンズで実売価格3万円くらいの安いレンズですが、解像感も高く、ボケ味も非常に美しいのでお気に入りのレンズです。比較するとわかりますが、44-2も現代のレンズと比べても遜色ない描写性能を持っていることがよくわかります。ただ、AF-S DX NIKKOR 35mmは絞りほぼ開放(F2.2)からこの写りなのに対して44-2はもっと何段も絞り込まないといけないという違いはあります。

その他、AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8Gで撮影した写真もいくつか載せてみます。

上記3点はいずれも現像時にフィルムっぽい写りになるよう周辺光量落ちを再現させたり粒子を加えたりしていますが(本当なら比較のために未加工のものがあると良かったのだが、用意するのが面倒だった。ごめん)、それでもやはり写りは現代的です。

抽象的な表現ですが、AF-S DX NIKKOR 35mmは時空間の一瞬を切り取って閉じ込めたという感じの写りであるのに対して、Helios 44-2のそれは記憶の中から抽出した一瞬という雰囲気を感じます。それぞれ特徴があって面白いですね。やはり一眼はレンズを変えてこそ楽しいカメラなのであって、最近の高品質なカメラが搭載されたスマホでなくて一眼じゃないとないとダメなんだ、とはっきり言える理由の一つはこういうところかなと。

あと、今回思ったのは、Heliosはフォーカスも絞りもマニュアルなので一枚一枚撮影するのに気合が必要です。その気合が入った分、いい写真が撮れるような気がしますね。

今回は子供を連れて写真を撮りに行ったのですが、飽きてしまってあんまり撮るチャンスがありませんでした。また撮ったら載せてみます。