【質問#110】新型プリウスと新型グレイスの購入で迷ってます。

質問・悩み相談の回答です。

質問

初めまして、ハイブリッド比較で検索したところこのサイトに辿り着きました。
記事を拝見したところ、とても参考になり相談させて頂きたいと思います。

現在、ホンダオデッセイRB3に乗っています。無限エアロの外観がとても好きで新車から購入して9年目12万キロ走っています。
でも最近はパワーミラーのモーターや右リアドアのアクチュエーターが破損したりと修理代がちょこちょこと掛かります。
燃費も5.7まで落ち込み、子供も二人目の予定がないのでダウンサイズしハイブリッド車を購入しようと思います。

駐車場が機械式で高さ制限があるため高さ155までの車になります、本当はホンダ新型ヴェゼルが欲しかったのですがw
候補はトヨタ新型プリウスAツーリングセレクション(約300万円)、ホンダ新型グレイスEXホンダセンシング(約230万円)です。
現在オデッセイを社用としても兼用しているため1日のガソリン代が約1500円かかります(走行約10キロ、待機約3時間)

そこで質問の本題です。走行性能ではなく、待機中でもエアコンやオーディオが使用できアイドリングが少なく、燃費効率が良いハイブリッドエンジンはどちらでしょうか?

性能があまり変わらないら見た目とコストパフォーマンスでグレイスにしようと考えてます、長々と質問聞いてくれてありがとうございました。

回答

車の中での待機時間が長いような運用の場合にハイブリッドシステムによる快適性の違いがあるかどうかという質問ですね。

待機中でもエアコンやオーディオが使用できアイドリングが少なく、燃費効率が良いハイブリッドエンジンはどちらでしょうか?

この場合、i-DCDとTHS-2の比較になりますが、両者のシステム構成から考えるとどちらも大差ないと思われます。

昔のホンダのIMAハイブリッド(以前のフリードハイブリッド、インサイトなど)では駆動輪への動力をクラッチで切って発電機を直接回せるような仕組みになっていなかったので発電能力にかなり制限がありましたが、現行のi-DCDは停車中でもエンジンで発電機を回せるようになり、エアコンのコンプレッサーも電動モーターで回すようになりました。THSは昔から停車中でも発電できる仕組みになっています。

ただTHSは「シリーズ・パラレル型」と説明されるように、構造から考えても1より積極的に発電に行うような制御をしています。私も先代プリウスに乗っていましたが、停車中にバッテリ容量が少なくなると積極的にエンジンを動かすような制御をするなどシリーズ型に近いような動作をしていたのを覚えています。もしかすると、制御の点で若干THSの方が停車中でも快適な動作をする可能性はあります。

おそらく待機中に電力を多く使いたいという要望にベストマッチするのはシリーズ型のハイブリッドです。エンジンは駆動輪と機械的には接続されず、生み出したすべての運動エネルギーを発電に使ってしまうという構成です。この構成であればエンジンも発電に特化したもの(ある一定の出力で特に高効率、最大出力は控えめ)が乗っているでしょうから、他のタイプのハイブリッドシステムより待機中は高効率な運転が可能であると思われます。

シリーズ型のハイブリッドは、国産車ではホンダのi-MMD、日産のe-Power、三菱のPHEVハイブリッドシステム(固有名称なし?)が該当します。搭載車種はノートe-Power、アコードハイブリッド、オデッセイハイブリッド、ステップワゴン スパーダ ハイブリッド、アウトランダーPHEVなどです。今回は小さな車を、とのことでしたのでこの中で候補になるのはノートe-Powerでしょうか。

アイドリングが少なく

という点で優れるのはPHEVですね。今回のように待機が長いという用途であれば、毎日充電しておくことで燃費は劇的に向上すると思われます。この場合は、プリウスPHEVかアウトランダーPHEVになります。販売が終了したので中古でよければアコードPHEVという選択肢もあります。待機3時間程度でバッテリーがフル充電の状態であれば、時期とバッテリ容量によりますが、エンジンを全く動かさずにエアコンを動作させ続けられる可能性が高いです。真夏は厳しいかもしれませんが…。もしエンジンが動作したとしても、その時間は通常のハイブリッド車に比べて大幅に短くなります。

ただいずれの場合でも気をつけなければならないのは冬場ですね。ハイブリッド車のエンジンは常に動作しているわけではないので水温が上がりにくいです。プリウスは先代から電動ウォーターポンプを装備し、エンジンが冷えているときはクーラントを循環させないという制御をしているのに加え、マフラーから排熱を回収して暖房に使用するシステムなども備わっていましたが、それでも冬場はかなり寒かったです。エアコンの温度設定を高めれば、大抵の車種はエンジンを積極的に動かして車内を温めようとしてくれるはずですが、すると当然燃費は通常のガソリン車とほぼ同等になります。

という感じでまとめに入ります。

プリウスとグレイスならどっち

長い待機時間を快適に過ごすという観点では若干THSに分があるかな?という感じで、かつ、今回は見た目(グレイスのほうがお気に入り)とコスパも気にしているとのことですので、グレイスをおすすめします。もしシステム上の優位がTHSにあったとしても、それをペイできるには程遠い価格差です。

個人的にもこの二つであればグレイスを選びます。プリウスは自社のハイブリッド車のラインナップが充実したこともあって、必然的にプリウスを高級路線に走らせるしかありませんでした。ダブルウィッシュボーンサスペンションの採用などは、プリウスの性格から考えれば明らかに無駄だと私は感じます。とりあえずユーザーがこだわってるからダブルウィッシュボーンにしとけ、的な設計ポリシーの無さを感じます。またプリウスのPHEVがそうなのですが、以前はPHEVとして短距離走行をこなせば良い、長距離走行は通常のハイブリッドに任せるといったポリシーであえて小さくて軽い小容量の電池を乗せていましたが、新型ではユーザーの声に応じたのか電池容量を倍増させてしまいました。私は最近のトヨタのこの大衆迎合的なやり方がすっごく嫌いで、新型プリウスはそれが凝縮されたような車だと感じているので特に嫌いです。まぁ個人的に嫌いと言うだけで、別に悪い車ではないと思いますが…。

ちなみに私もグレイスの見た目は好きです。グレイスは日本販売前にインドで走っているのをよく見ました(シビックという名前でした)が、その頃から見た目が好きで日本でも売ればいいのに、なんて思っていました。

私が買うならノートe-Power

先に述べたように、待機時間が長いということであれば、発電効率に特化したシリーズハイブリッドがおすすめですので、私が質問者様と同じ状況ならばノートe-Powerを買います。ノートe-Powerは非常にトルク感とレスポンスの良さを感じさせるようなアクセル制御になっているらしく、その運転の楽しさを体感してみたいという理由もあります。

予算を気にしなければアウトランダーPHEV

アウトランダーはシリーズハイブリッドで前後に2つのモーターを設置して4WD駆動、電池容量はEV車並の12kWh。たぶんこれだけ容量があって十分な電池残量があれば、3時間程度ならどんな使い方をしてもエンジンが作動することは無いでしょう(冬場除く)。AC100Vも使い放題で、私のような技術マニアには夢のような車に感じます。ただ、ベースグレードでも365万円〜と値が張りますが…。

以上、ご参考になりましたら幸いです。


  1. THSでは遊星ギアによって動力を分割し、エンジンで発生したトルクの何割かは常に発電機をまわすために使用しています。