昔話(パンツとハッキング)

最近まじめ過ぎたのでもっとゆる~い記事を書かねばと思い、書いてみます。

その昔私はPC-9821というパソコンを使っていました。通称キューハチというのですが、良い子はPC-9821という単語を聞き「キューハチか!懐かしいな!あのころのNECはね…漢字ROMがね…」と興奮し出すおじさんの事を信用してはいけませんよ。大概変態ですから。良い見分け方を教えてあげましょう。「キューハチってWindows 98のことだよね?」と言うと、普通の人は「そうだよ」「分からない」「Windows 98って何?」「何年前の話してんだ」という反応をしますが、危険なおじさんたちは「キューハチって言ったら昔はNEC PC-98を指してたんだよ。Windows 3.1以降のユーザーはにわかだから困る」と怒り始めます。そういう人とは付き合ってはいけません。

で、私はどちらかと言うとそういう危険なおじさんに近い部類の人間です。娘にも5歳の誕生日にはKALI linuxがインストールされたラップトップをプレゼントしようと思っているのですが、嫁さんには「これ以上家の中にデジタル機器を増やすのはやめて」という目で見られています。よろしくお願いします。

話しをPC-9821に戻します。私は元来このマシンでMS-DOSのゲームを改造したりして楽しんでおったのですが、そのうちに興味がインターネットに向かうのは必然でした。当時、ISDNのデュアル回線で128Kbpsの通信速度が最速と言われていたとき、私は56Kbpsのモデムで日々Webサイト更新にいそしんでおりました。大体4KByte/s出れば良かった、みたいな時期でしたね。で、i-mode向けサイトを作って友達の合成写真を作成して皆に送ったり、ネカマを演じて知人を騙したりして遊んでいました。開くと携帯電話がフリーズするメールとかも流行りましたね。今では下手したら新たなるITいじめの一種とみなされかねない行為ですけど当時はまだ緩かった。っていうか、教師も何をやってるんだか分かってない人も多かったんだと思います。

私に全てのPCの知識を伝授してくれたのはI君という友達でした。I君はジャンクのPCパーツを組み合わせてパソコンを作ったり、小学生のころからMS-DOSを完全マスターしていたり、HTMLの書き方を教えてくれたりと私にとっては神そのものでした。残念ながら大学入学と同時に「パソコンに詳しいことがバレると質問ぜめに遭うから鬱陶しい」と、パソコンの知識が無いふりをしていたら本当に疎くなってしまったというのが残念ですが。

I君と私は中学、高校と同じ学校に通っていたのですが、高校2年生くらいの日のこと。I君と私は教師の車で午後から学校を休み、出かけることになりました。用件は何だったかさっぱり覚えてないのですが、近隣の学校とのなにか交流イベントとか、オープンキャンパスとか、そういった類だったような気がしています。その日はそのまま自宅に直帰しました。

次の日学校に行くと、私は「お前警察大丈夫だったのかよ!!」などと色々な人に声をかけられました。全然意味がわかりません。なんで俺が警察に捕まるのか。さっぱりわからない。何もしてないし警察にもつかまってない。何のこと?と問うと、「Oがお前とIがハッキング罪で警察に捕まったと言ってた」とのことでした。

O君というのがこれまた変な友達で、こういう冗談なのか本当なのか分からないウソを時々つくような人でした。家は旅館を経営しており、金持ちなイメージがありました。エンジンカー(5ccくらいの小さいエンジンを搭載したラジコン)を持ってたり、当時まだまだ高級品だったデジカメを持ってたり、かなりうらやましかった記憶があります。

O君に何でそんな嘘をつくのか問いただすと、「だってウケるっしょ」ということでした。いや、別に私は面白くない。

というか、冷静に考えて「ハッキング罪で捕まった」とかいうあからさまな嘘を信じる人が多かったというのも私にとっては驚きだった。まあ正直なところ、私が通っていた高校は偏差値もかなり低くて、九九や負数の概念が理解出来ない同級生なんかも居たくらいなのでしょうがないと言えばしょうがないのかもしれない。でも何だかんだで楽しかった。

そのO君だが、その後同級生Kちゃんの家からパンツを盗みだして警察の事情聴取を受けた。私や友人は「ハッキング罪で警察に捕まった」などと言いふらしていた自分が警察に捕まってるじゃん、しかもパンツ泥棒かよ、と大笑いしていたのだが、さすがのO君も高校生活に復帰する精神力は無かったらしく、そのまま高校を中退、大検を取って千葉だか埼玉だかの大学に進学したと聞いた。

その後、Kちゃんにも冗談っぽく「Oのこと許してやれよ!」などと言ってみたのだが、「帰ったら家の中が荒らされていて…自分もOだなんて分からなかったし…警察から連絡が来て…」などと中々深刻な感じだった。

Oが高校を中退してから数年は、年1~2回会う機会があったのだが、それ以降は会っていない。もう10年以上会っていないはずだ。というか、その他の友達とも会っていない。今思えば、それぞれの友達には強烈なエピソードがあった。大学に入ってから社会人として現在に至るまで、あそこまで強烈なインパクトを持った人々が集まっていた瞬間は私の人生では最初で最後かもしれない。

たまに、中学から勉強を頑張って進学校に通えばよかったと思うこともあるのだけど、あの高校時代が無ければ私の人生はもっとつまらないものになっていた気がする。たぶん、誰しもが同じ経験をするのではないか。大学進学と共に実家を離れ、まったく新しい生活を始める人は多いと思うが、そういう人にとって高校まで過ごした地元というのは何か特別な思いがあるはずだ。

時々、またあのときのメンバーを集めて何かイベントをやってみたいと思うのだけど、思うだけでたぶん一生行動には起こさない気がする。それほど人望ないし。

まとめ

ハッキングとパンツ泥棒はよくない。