2016年10月版 ミニバン・ファミリーカー徹底まとめ&解説&比較(3)

前回からの続きです。

マツダ

マツダでミニバンという印象が薄いひとは多いと思いますが、それなりに良い車種が揃っていると思います。ただ、共通しているのは設計の古さで、こだわりがある人以外にはあまりお勧めできません。

また、いつの間にかMPVが公式サイトのラインナップから消えていてちょっとショックです。一時期、マツダはCX-5をベースとしたミニバン計画が進行中という話もありましたが、続報も無いのでマツダはいよいよミニバン市場から撤退するようで、残念な限りです。

マツダ ビアンテ


image from マツダ ビアンテ

大きさは中ぐらいでしょうか。全長はMPVよりも長い4.7m。全幅は1.77m。ノア/VOXY、ステップワゴンあたりと似たようなサイズです。最小回転半径は5.4mです。

車重は1660kg、エンジンは2L、151ps。PWRは10.99kg/psとなります。まあまあいい感じなのではないでしょうか。燃費は14.8km/L、車重を考えればかなり良い方だと思います。ちなみに、私の知人の話で恐縮なのですが、もともとR-32 GTRに乗っていて仲間内でも最も運転がうまいと評判の友達がいます。彼が子供が出来てから買ったのがビアンテで、その彼曰く「ビアンテは中々速くて気に入ってる」ということでした。私はビアンテには乗ったことないですが、何か意外。

サスはフロントがストラット、リアがマルチリンクです。ミニバンでリアサスペンションがトーションビーム以外というのは少ないので、貴重な車種ではあります。

見た目はあまり良い評価を聞かないですね。

値段は222~280万あたり。マツダは値引きがしなくなったとよく言われますが、ビアンテ・プレマシーに関してはまだまだ値引きは健在のようです。

いまいちマツダの中でもパッとしない微妙な立ち位置にある車かと思いますが、しかしハイルーフで安いミニバンでサスペンションがマルチリンク、さらにSKYACTIV-DRIVEを搭載している(CVT嫌いの人には重要なことです)ということを踏まえれば、他と比べて大きなアドバンテージを持つと言えるのではないでしょうか。

特に、ミニバン全体を見渡してみてもCVTでないステップATを搭載している車種というのは大変珍しいので、検討の価値はあるでしょう。私も、どうしても背が高いミニバンに乗れ、乗らないと殺すともし脅迫されたらビアンテに乗ります。

マツダ プレマシー/日産ラフェスタ


image from マツダ プレマシー


image from 日産ラフェスタ

ミニバンの調査記事を書くのは三回目になります。その都度、プレマシーの走行性能の高さとコストパフォーマンスは随一であるという旨を何度も何度も何度も何度も説明しました。あれから2年くらい経ちますが、やっぱり走行性能とコストパフォーマンスに着目した際にこの車を超えるミニバンはいまだ現れないと感じます。

プレマシーの良い点は車としての基本性能の高さです。十分なパフォーマンス、ミニバンの中では軽量な車体、スライドドアでありながら十分な剛性感、マツダ渾身の2.0L SKyactivエンジンとSkyactiv-Drive。大きすぎないボディサイズは国内でも海外でも評価が高く、このサイズ感でスライドドアを装備している車種は世界で見てもかなり特異でしょう。

私はプレマシーを「安くて実用的なGolf Touran」だと感じています。言いすぎかもしれないですが、しかし車を走らせたときの高い剛性感、ミッションのダイレクト感、乗り心地はGolf Touranのそれと比べてもそん色ないと思います。

それでいてスライドドアが装備されていて、なおかつ車体価格はマツダの鬼値引き(マツダは『鬼値引き』を止めたと言われていますが、プレマシーやビアンテ、MPVあたりはいまだに鬼値引きが健在だそうです。まあ、CX-5もかなり値引いてくれましたが)が適用され、新車であってもコミコミ200万円前半台で乗り出すことができるでしょう。

欠点を挙げるとすれば、フロントのデザインとADAS装備が無いことでしょうか。フロントの「笑い顔」は好みの分かれる所ですが、まあ、どちらかと言えば嫌いな人の方が多いでしょう。うちの嫁さんも「もしプレマシーならば笑い顔の目立たない黒以外ありえない」と言っていました。

あとは、天井が低く、サイズも小さめであるために仕方がないのですが、荷室がかなり狭いです。3列目を倒せばそれなりに広いですが、しかし3列目を倒したとしても426L、3列目を使うと112Lになります。例えば、先代のプリウスが446Lで現行プリウスが502Lというサイズなので、その小ささが良くわかるでしょう。まあ、室内容積が特に広いプリウスと比べるのもかわいそうかもしれませんが…。3列目を常時倒すのであれば日常使用でも耐えれますが、それでもたとえばキャンプに行くとかいうシーンではしょっとしんどいですね。

マツダ CX-5


image from マツダ CX-5

私がファミリーを育てるために半年くらいかけて悩み、買った車です。

SUVで5人乗り、荷室容積は505L。CX-5のサイズで新型プリウスと同じ荷室容積というのがマツダ車の悲しいところです。が、車内容積を優先して走行性能を犠牲にするというどこかのオデッセイとかいう車もありますから、難しいところではあります。

CX-5はマツダのクリーンディーゼルを初搭載した車種で、ここ数年続いたマツダブーム(?)の火付け役となった車種です。CX-5は非常によく出来ている車で、最近のマツダ車に共通することですが走行性能に妥協がありません。マツダ自身は「人馬一体感の追求」と表現していますが、その言葉に偽りは無く、ドライバーが意図したとおりに気持ち良く走らせることが出来る車です。

CX-5は車高も全高も高いSUVではありますが、その走行安定性は私が過去乗ってきた車種(日産シルビア、三菱リベロ、3代目マツダデミオ、3代目プリウス)の中でも一番と言って良いと感じています。

走行安定性に限らず、内装の質感の高さも素晴らしいです。あからさまに高級感を演出するわけでもなく、かといって安っぽいところは無く、200万円台の車ということを考えたらとても良い出来のように思います。

ADASも一通りの機能を装備している点も見逃せません。車線逸脱警告、操舵アシスト、自動ブレーキ、車線変更時の後方警報、バックで出庫する際の警報が付属します。特にマツダ車が装備しているADASは誤作動が少ないように感じます。ドイツ製のシステムを採用しているらしい(BOSCHかどこか?)ですが、ADAS装備車で良く聞く「実際は安全なのに急ブレーキがかかって発進しなくなった」ということを経験したことは一度もありません。稀にカーブを走行している際に衝突警報が鳴ることがありますが、警報だけで実際にブレーキがかかったことはありません。

マツダのADASは赤外線レーザー、単眼カメラ、レーダーと3種類のセンサーの組み合わせとなっているのですが、このように複数のセンサー情報を複合して状況判断しているので誤作動が少ないのでは、と感じています。

パワートレインはディーゼルとガソリン2.0L、2.5Lから選べます。ディーゼルモデルとの価格差は40万程度あり、ランニングコストでこれを回収するのはハイブリッドと同じく難しいですから、長距離を日常的に走行するというような場合以外は経済性の観点でディーゼルを選ぶ理由はありません。

走行性能の点では、よくディーゼルはトルクの太さを褒められており、確かに運転すると力強さを感じるのですが、あまり運転が楽しいという感じではありませんでした。個人的にはやはり運転の楽しさを味わうならば、ちょっと非力なガソリンエンジンで高回転までぶん回すのが良いと思っています。だから私は2.0Lガソリンモデルを購入しました。

ガソリンモデルを買って唯一後悔したのは、「え?CX-5買ったのにガソリンなんですか?え?え?ディーゼルじゃないの?(車の事分かってないんだな~笑)」みたいな馬鹿に絡まれることが多く、その都度そのバカに顔面チョップと電気アンマを食らわすのが面倒になってきたことです。

あとはマツダコネクト、略してマツコネの使えなさっぷりも相変わらずひどいです。

三菱

何かと話題の尽きない三菱自動車で、報道を見ているといかに組織的に腐っているかというのが良くわかるのですが、しかし三菱の車は中々良いものが揃っていると私は思います。末端の技術者の努力のたまものなんじゃないかと勝手に想像しています。個人的には三菱にはもっともっと頑張って頂きたいですね。三菱車を買うことは多分無いと思うけど。

三菱 デリカD:5

大きめのサイズ。最小回転半径は5.6m、意外に小回りが効きます。

デリカのいいところはディーゼルのラインナップがあるところでしょう。日本で買える現行モデルのミニバンでディーゼルのラインナップがあるのはデリカだけです。また、見た目もスライドドアを装備する7人乗車可能な車種でありながら、SUVっぽいです。開発コンセプトが「世界で唯一のオールラウンダーミニバン」だそうなので、このような見た目になったのも頷けます。デリカも、「7人乗車は必要だがミニバンは嫌いだ」という人のための貴重な選択肢の一つとなります。

ディーゼルモデルの車重は1900kg前後で重量級です。エンジンはディーゼルターボ2.2L、148psだそうで、PWRは12.83kg/psと悪いです。まあ飛ばすような車種でもないですから、低速でトルクフルな走りを楽しむという使い方を期待したほうが良いのでしょう。ガソリンモデルでは1700kg(2WD)、150ps。PWRは11kg/psになります。燃費はともに13.6km/L。サスはフロントストラット、リアがマルチリンク。(※このあたりの情報は、現在三菱自動車公式HPが燃費不正問題の為閲覧できなくなっており、近々変わる可能性があります)

価格は230~400万。ディーゼルの最安モデルは341万になります。欲を言えばもうちょっと安くして欲しいところですが、クリーンディーゼルはまだまだ高く、経済的なメリットは小さいのでしょうがないでしょう。

日産

日産は一時期はミニバン車種でかなりの人気を誇るメーカーでした。セレナは一番売れているミニバンで、エルグランドも高級ミニバンの代名詞でした。でも、トヨタがいつもの後出しじゃんけん手法で全部かっさらっていき、今では街を歩けばVOXY/ノア/アルファード/ヴェルファイアばかりが目につくようになりました。さすが世界一位の企業がやることが違うなと常々感心するところであります(マジで)。

そんな中、日産が「自動運転システム」を搭載した新型セレナで追撃の姿勢を見せます。日産のミニバンの運命はどうなってしまうのでしょうか。こうご期待。

日産 エルグランド


image from 日産 エルグランド

ハイルーフでプレミアムなミニバンの先駆者でした。トヨタがアルファード/ヴェルファイアを投入してからは販売台数にかなりの差を付けられています。

これも基本的な評価はアルファード/ヴェルファイアと同じです。デカくて高級感のある(私は高級感があるように思えませんが)巨大なミニバンに乗りたいとか、エルグランドであるからこそエルグランドに乗りたいという一種のブランド的な価値を見いだせる人でないとお勧めできません。

スペック的には特に目を見張るものはありません。機能に関しても、細々とエアコンフィルターだとかシートの変更だとか、リモコンドアの装備だとか正直どうでもいい小改造がなされているだけで、いい加減古臭さが目についてきました。

あまり積極的におすすめできるポイントは無いですね。

日産 セレナ


image from 日産 セレナ

セレナはフルモデルチェンジが実施され、先進的な装備がいくつか搭載されました。

目玉となるのは単一車線自動運転を標ぼうする「プロパイロット」の搭載でしょう。ただ、「自動運転」という言葉から想起される未来的なイメージに相応しい技術かというと、私はすこし疑問符が付くところです。

まずプロパイロットは既存の技術を塗り替える全く新しい技術ではありません。すでに販売されている車種の中でも、プロパイロット相当の操作、つまり、加減速や操舵のアシストを行うような装備は各メーカーで搭載されていました。有名なのはスバルのEyeSight ver.3ですね。私が乗っているCX-5にも操舵アシスト機能は搭載されています。

じゃあプロパイロットは何が違うのかというと、作動範囲が拡大したという点が違います。EyeSightの操舵アシストは65km/h以上で働きます。マツダのPROACTIVEは調べても見つけられなかったのですが、私が乗っている限り少なくとも60km/h以上でないと動作しないような印象があります。対して、プロパイロットは停止状態から100km/hという範囲で動作します。

ということは全域でハンドル操舵してくれるのか、すごいじゃないかと思われるかもしれませんが、そもそもプロパイロットがターゲットとしたのは渋滞中のノロノロ運転時の疲労軽減ですので、それ以上の本格的な自動運転を狙ったものではありません。たとえば、作動中にはハンドルに手を添えていなければならない(手を放すとプロパイロットが解除される)のはこれまでの他社の操舵アシストシステムと同じですし、きついカーブに入れば(具体的には0.12G以上のGが発生した場合)操舵角を維持したままプロパイロット機能がオフになってしまうとのこと。また、雨天でもワイパースイッチがLowに入ったらこれも機能がオフになるとのこと(参考:Response)。

私が思うに、このような中途半端な自動運転機能はむしろ危険と思います。「基本的には機械が加減速と操舵を行うが、緊急時には人間が操作を行う必要がある」という状態がうまく動作するわけがないのです。同様の事をVolvoの技術者が指摘していますし、それを実際に示した実験も行われています

簡単に言えば、「基本的には運転しなくてもいい」なんて状態でリラックスしている人間が緊急時にとっさに状況を判断して危機回避できるわけがないというのがその理由です。プロパイロットの例でも、「カーブの途中でいきなり自動操舵がキャンセルされる」なんて状態でドライバーがとっさに対応できるようなもんなんでしょうか?運転に慣れたドライバーならまだしも、セレナを運転する人すべてがそうであるという確証はありません。非常に疑問です。というか、危険性云々を抜きにしても、ハンドルに手を添えていないといけない以上、既存の競合車種に比べての負担軽減の程度はそこまで向上しているとも思えません。

厳しく言えば、私はプロパイロットの「単一写真自動運転」という表現はちょっと誇大表現に近いと思います。日産は以前にもアイドリングストップの延長であるマイクロハイブリッドシステムを「ハイブリッドシステムである」などと表現したこともありました(しかもセレナで)。

では、それ以外の装備はどうでしょうか。新型セレナにはパーキングアシスト、つまり自動的に駐車してくれる機能が搭載されます(オプション)。通常のバックでの駐車に加えて、縦列駐車も選択可能との事。運転に苦手意識がある人ならばあっても良いかもしれませんが、普通に考えてそこまで必要性が高い機能とも思えません。というか、競合車種もオプション装備しているのでアドバンテージとも言えないような。

その他、スマートルームミラーという装備も搭載可能だそうです(オプション)。これは、ルームミラー(バックミラー)に後方を撮影したカメラ映像を表示するというもので、雨天時や荷物を積み込んだ時、夜間時にも安定した視界を確保するという売り文句です。しかしながら、これも有難いと思うユーザーがどのくらいいるかというと、すこし疑問ではあります。技術的には、車はいずれサイドミラー、ルームミラーが撤去され、代わりに車周辺の状況を映し出すカメラ映像を表示させることでミラーレスになると言われており、その来る時代の第一歩と言う意味で意義があるとは思います。

あとは、アラウンドビューモニター、自動ブレーキ、踏み間違い防止、レーンキープアシストなどが先進装備として公式Webサイト上で紹介されています。

性能はどうでしょうか。2.0L、150psのエンジンに1630~1770kgの車体、サスペンションはストラット/トーションビームと他社の中型ミニバンとほとんど同じようなスペックです。また、性懲りも無く「主要燃費向上対策」の欄に「ハイブリッドシステム」と記載し、「モーター諸元」という欄を用意してわざわざ通常のアイドリングストップ車用と同等性能のモーター/ジェネレータのスペック(ちなみに2.6ps)を書き、動力用主電池は「鉛蓄電池」と書いています。別に嘘は書いてないので良いのですが、バカバカしいことこの上ないです。恥ずかしくないんでしょうか。

内装に関しては実車の内装写真が出てこない事には何とも言えませんが、可も無く不可も無くといった印象を受けます。Webサイトやカタログの写真は加工されているので参考になりません。また、シフトノブやナビまわりには私の大嫌いなテカテカブラックが採用されています。テカテカブラックとは、ピアノブラックなどの名称で採用されているつるつるしていて反射率の高い塗装の内装素材のことです(私により命名)。テカテカブラックは一つのデザインのトレンドで多くの車種に採用されています。確かにカタログ写真などでの写りは良いのですが、使っているうちに傷や手垢がつくと途端に安っぽく見える実用性の点で難があると私は思っています。

外観はいいと思います。いかつすぎず、緩すぎず、良いところを突いてきているような気がします。

VOXY/ノアと比較すると、性能は同程度、機能は一歩先を行っているといった感じで対等以上に勝負できると思います。ただ、VOXY/ノアがフルモデルチェンジしてから一年以上かけたこの時期にリリースした割には、目新しいものが無いですね。技術の日産とかさんざん言ってるくせにね。たぶん、日産の営業部もそれを重々分かっていて自動運転をしつこく強調しているのでしょう。

また、VOXY/ノアが人気な理由の一つはやはりハイブリッドモデルが存在するという点もあるのでしょう。本記事でも、ハイブリッドに経済的な優位性はあまり無い事は再三再四説明しましたし、経済的な理由以外にトヨタのハイブリッドシステムを積極的に購入する理由は無いように思うのですが、なぜか世間ではいまだにハイブリッド信仰が根強いです。そのためなのか、ステップワゴンもセレナもハイブリッドモデルを投入するという噂が流れています。

一方でステップワゴンと比較すると、ステップワゴンはダウンサイジングターボや低重心化だとといった走りに訴えるアピールポイントがあるので、(どこまで効果があるのかはさておき)走りにこだわる層に訴えるという点では秀でています。また、ステップワゴンは速度追従オートクルーズや車線維持操舵アシストも搭載しており、プロパイロットとまではいかないまでも、同様の疲労軽減策は装備していることから、明確に優れているとも言い難いです。

以上のように、5ナンバーミニバンでのモデルチェンジは最も後発だったくせに明確な差別化が図れていないという時点で商品戦略としては失敗なんじゃないかという気がします。

と、まあ酷評しましたが、私にとってはセレナはトヨタ一辺倒なファミリーカー市場を何とかしてくれるプレーヤーの一人として期待していたという所からの落差が激しかったというのが理由でして、良い車なのではないでしょうか。少なくとも、ノア/VOXYよりは買いたいと思える装備と見た目と私は思います。

日産 エクストレイル


image from 日産 エクストレイル

日産の人気SUVです。スバルのフォレスターと並んで日本では良く売れている中型サイズのSUVです。ここ数年ではCX-5もかなり増えましたが。

エクストレイルがその他のSUVと明確に違うのは、7人乗りモデルが選べるという点です。エクストレイルはフォレスターやCX-5と比べると全長が10~20cm弱くらい長いので、その分荷室容積も大きいですので、7人乗りモデルの設定も可能だったのでしょう。3列目の乗り心地はそこまで良いものだとは思いませんが…。

ちなみに、フォレスター、CX-5の荷室容量は505Lですが、エクストレイルは550Lと明確に大きな容積を持っています。

パワートレーンとしては、2.0Lガソリンのほか、ハイブリッドも選べます。このハイブリッドシステムはセレナのS-HYBRIDとは異なりちゃんとしたフルハイブリッドシステムです。が、ハイブリッドシステム自体は他社と比べて特に秀でた物ではありません。興味があれば下記記事を参照ください。

各社のハイブリッドシステムの違いをまとめた

ちなみに、ハイブリッドとガソリンの価格差は、やっぱりざっくりと40万円強ありますので、ガソリン代で初期費用差をペイするには相当な距離を走る必要があります。

ただ、日産方式のハイブリッドシステムだとモーター出力はエンジン出力に加算されます(出力軸上にモーターが存在する)ので、システム全体では188psを発揮します。パワーウェイトレシオを計算すると8.35kg/psとなり、かなりパワフルです。構造上、トヨタのハイブリッドとは違って低速トルクも発揮しやすいようになっていますので、SUVという性格を考えてもこの日産のハイブリッドは悪くない気がします。

さらに、燃費向上分で初期費用をペイしきれなくとも、たとえば乗り続けて半分程度をペイできたという想定をしたとしたら、20万円でこのパワフルなパワートレインが選べるということになるので、中々良いように思えてきます。

ADASとしては自動ブレーキや車線逸脱警報などが搭載されています。また、パーキングアシスト機能もオプションで装備することが出来、これは他のライバルSUVには無い装備です。欲しいという人もあまり居ないように思えますが…。

また、エクストレイルの最大の強みは価格にあるのではないかと私は思います。最も安い20SグレードでもADAS装備が付いていながら223万円という価格です。欲を言えば速度追従オートクルーズがついているとありがたないのですが、まあそれは諦めたとしても十分に安くコストパフォーマンスに優れた車種と言って良いと思います。

乗車人数は5人未満で良いが、荷物がたくさん積めてそこそこ安い車種が欲しいという人にはおすすめな気がします。

スバル

スバルはあまりファミリーカーというイメージが無いかもしれませんが、一応北米市場では家族や安心感といった宣伝を展開して売り上げを伸ばしています

スバル クロスオーバー7


image from スバル クロスオーバー7

以前はエクシーガとして売られていた車種で、性能・機能は名前が変わった後もほとんど変わりません。車高を高くしてクロスオーバーっぽい見た目にしただけだと思います。スライドドアは装備していないですが、7人乗車可能なモデルです。

見た目からはあまり大きさを感じませんが、かなり大型な車種です。全長は4780mmとミニバン並みで、横幅も1800mmあります。例えばステップワゴンと比較すると、高さ以外はクロスオーバー7の方が大きいということになります。

パワートレインは2.5Lガソリン、173psです。車両重量は1620kgなので、それなりにパワフルと言って良いように思います。サスペンションはストラット/ダブルウィッシュボーン、全車4WD(AWD)と、スバルらしく妥協の無い性能を有していると思います。

ADASは定評のあるEyeSightを搭載しています。Verが2なので操舵アシスト機能が付属しないというのが残念なところではありますが、それを差っ引いても優秀なシステムには違いありません。

ただ、荷室容量は3列目を使用しない場合でも460Lと、サイズの割にはかなり小さめです。ここが、スバル・マツダの弱いところです。スバルやマツダは室内容積を確保するのが非常に苦手です。剛性や安全性を優先した結果、そうなったのだとしても、競合車種と比べると明らかに見劣りするところなのでもうちょっと何とかしてほしいとは思います。最も、最近のミニバンのように無駄に広すぎるのも、そのために走行安定性を犠牲していることを考えると考え物ではありますが。

値段は273万円と、若干高いような気がします。また、ユーザーに訴求するための魅力に今一つ欠けるような気がします。

たとえば、ジェイドRSは253万円で1520kg/150ps。ミッションは同じCVT。二列目はキャプテンシートで居住性が高く、荷室容量も535Lとかなり広いです。4名までの乗車がメインならば、私はジェイドRSを選ぶと思います。

エクシーガからの変更もあまり無いあたりから察するに、この車種に関してはスバルもやる気が無いんでしょう。たぶん。

スバル フォレスター


image from スバル フォレスター

人気のSUVです。フォレスターに関しては以下記事に詳しく書いています。

スバル フォレスターを検討する
フォレスター・レヴォーグに試乗した感想

簡単にまとめると、CX-5と比較した場合はトランスミッションが違う(フォレスターはCVT、CX-5はステップAT)、CX-5の場合はディーゼルが選べるという感じ。エクストレイルと比べると、大きさがエクストレイルの方が大きい、エクストレイルだとハイブリッドが選べる、エクストレイルの方が安い、ADAS機能はフォレスターの方が優れるといった感じです。

また、フォレスターの場合は4WDが標準なので、4WDを検討している場合はエクストレイルとのコスト差が縮まります。さらに、フォレスターの2.0Lターボモデルは280psという大パワーを誇り、最近はSUVの枠を取り払っても中々存在しないハイパフォーマンス車となっています。

スバル レガシィ アウトバック


image from レガシィ アウトバック

レガシィのクロスオーバーモデルです。サイズはクロスオーバー7よりも少し大きいといった感じで、ミニバンで言えばエスティマ・オデッセイに近いサイズでしょうか。5人乗りで、荷室容量は559Lとかなりの大きさを誇ります。

性能を見ていくと、重量は1570kgと、より小柄なクロスオーバー7よりも軽いです。パワートレーンは2.5Lガソリン、175psでパワーウェイトレシオは8.9kg/psと良好な性能を誇ります。サスペンションはストラット/ダブルウィッシュボーン。ブレーキは前後ベンチレーテッドディスクブレーキ。4WDのみとスバルらしいスペックとなっています。

ADASはEyeSight ver.3を搭載しており、競合他社の最新装備と比較しても不足はありません。

内装は個人的には非常に高感が持てます。主張しすぎず、上品で落ち着いたデザインと思います(悪く言えば若干オッサン臭い気もしますが)。特に、エアコン周りのインタフェースが良いですね。マツダもそうですが、温度設定は操作しやすい大きなダイヤルを装備しています。温度設定は頻繁に操作するところなので、ここをプッシュボタン式などにされると一瞬目で見て確認しなければならないので操作しにくいです。静電容量式パネルなどもってのほかで、UIとしてはあるまじきデザインと思います。

強いて欠点を挙げるとすれば燃費でしょうか。JC08燃費は14.6km/Lとなっていますが、実際に乗っている人の話では「10km/Lを超えたことが無い」という事でした。e燃費で確認してみても、たしかに10km/Lを超えている報告は少ないですね。CVTは油圧でプーリーを押さえつけるような構造になっているので、大トルクエンジンと組み合わせると油圧ポンプでエネルギーを多く消費してしまって燃費が悪くなってしまう…ということが原因としては考えられます。それを教えてくれた知人は、燃費の点ですこし不満があるようでした。

ただ、燃費に関しては他のミニバンも似たようなものでしょうし、大きいサイズの車を買う以上は避けて通れない道な気がします。

価格は320万円からとお高めですが、それに見合った装備・性能・質感はあるような気がします。ちょっと贅沢をしたいような人、性能に妥協したくない人にお勧めといった感じでしょうか。

スバル レヴォーグ


image from スバル レヴォーグ

レガシィが海外市場を想定して大型化してしまったので、以前のレガシィ ツーリングワゴンに乗っていたようなユーザーを取り込むべく、日本市場に最適化して開発したのがレヴォーグです。

「日本市場に最適化」という言に偽りは無く、たしかにレヴォーグは絶妙なサイズ感に仕上がっていると思います。特に1780mmというサイズ感はすさまじい「ピッタリ感」であるように思います。例えば私が所有するCX-5の全幅は1840mmですが、このサイズだと正直大きすぎると感じる場面が少なからずあります。たとえば、片側1車線の道路で右折待ちの車がいて、ギリギリ通れるか通れないかという場面。こんな時はCX-5だと速度をかなり落として慎重に通ることになりますが、レヴォーグのサイズ感ならば余裕があるんだろうなと思うことがたまにあります。レヴォーグは1度市場しただけですが、そのサイズ感やハンドリングは深く印象に残っています。

ハンドリングや足回りに関しても、試乗車に乗り込んでディーラーから道路に出た瞬間に「コイツは普通の車とは違うな」というのが良くわかりました。運転する分には非常に楽しく、良く出来た車だと思います。一度試乗してはんこを押してしまいそうになりました。

しかしながらそれを踏みとどまってCX-5を選んだのは、同乗者の快適性まで考えたときには、レヴォーグではややしんどいと判断したからです。

詳しくは下記記事などに書いてあります。

フォレスター・レヴォーグに試乗した感想
レヴォーグ熱が冷めた
私がレヴォーグを買わなかった理由

とくにファミリー向けの車として考えた場合、522Lというサイズから考えるとかなり広い荷室容量は魅力的ではないかと思います。また、レヴォーグであればファミリーカーであっても走行性能にこだわりたいという人の要求を満たすことが出来ると思います。しかしながらその一方で、特に後席の居住性が(ファミリーカーとして考えると)悪いのが気にかかります。また、値段ももう少し安いとありがたいのですが…。