MR. ROBOTの技術的内容を解説する(S1E7)

以降、ネタバレを含むので、気にする人は読まないでください。

Season1 Episode7 eps1.6_v1ew-s0urce.flv - ソース

今回もあんまり技術的な内容は含まれないような気がする…。

冒頭はシェイラとの出会いから始まる。MR.ROBOTはこんな感じで冒頭に昔話を挟むような演出が多いが、こういうのは好きだ。長々と過去を説明されるよりも印象的で短いシーンをスパっと挟んだほうがテンポも良いしわかりやすい。

続く、ギデオンと会話するシーンではエリオットはふと昔のことを思い返す。好きなWebサイトのソースコードをコピーして名前を変えるという遊びをよくやっていたという。タイトルの「ソース」はもちろん、Webサイトやソフトウェアを構成する元となるソースコードのことだ。

ここで登場するパソコンの画面も中身はWindows 98で、ブラウザはNetscapeとちゃんと当時の環境を再現していて、細かいところまでこだわっているなという印象。ちなみに、現代のPCにWindows 98をインストールするのはかなり難しい。こういう時は「仮想化」と呼ばれる技術を使用するのが普通だ。すでに起動しているOSの上で、パソコンそのものを模倣するようなソフトウェアを走らせる(エミュレーションと呼ぶ)。

ここでエリオットが編集しているタイトルの「Atari2600」というのはアメリカのアタリ社が開発したゲーム機。この「アタリ」というのは囲碁の用語から取ったとのこと。Atari2600は1977年に発売されたものだそうで、エリオットの年齢から察するにちょっと時代がかけ離れているようにも思えるが、ハッカーが昔のハードウェアをいじって遊ぶのは普通のことなので特に違和感があることでもない。ちなみに、私もパソコンを触りたてのころにはWindows 95が登場していたが、熱中したのはMS-DOSという1980年代のOSで動作するゲームの改造だった。

…と、以降のシーンをざっと眺めるが、なんと今回のエピソードで解説が必要そうなシーンはここだけだった。

物語自体は、男と寝て出世する話をしていた社員にタイレルがブチ切れて首を言い渡したり、コルビーが「タマを舐めろ」と言ってきたり、タイレルが突然ノウルズの奥さんを殺したりと過激なシーンが続く。

ちなみに、このタイレルが首を締めて殺すシーンが私は好きだ。音楽とは対象的に残酷な絵面がとても印象的。MR.ROBOTは映像の表現にもこだわりを感じるシーンが多い。また日本のドラマの悪口になるが、日本のドラマはもう脚本の内容をいかにわかりやすく視聴者に伝えるかという点のみに注力しており、カメラを用いた映像表現が一切なされていないように思える。カメラワークもセリフを喋ってる人物をとりあえず写す、みたいな感じで単調でつまらない。動画、というのはもっと沢山の表現が可能なのだから、もっとそれを活用してほしいと感じる。

またこれも余談だが、私はMR.ROBOTの登場人物の中で最もタイレルが好きだ。タイレルは欲望に正直だし、強さも弱さも自然にさらけ出している。一見すると目的のためには手段を選ばない、道徳観もないキチガイなのだが、見方を変えればとても人間的だと思う。そのタイレルに淡々と付き合うヨアンナも見ていて楽しい。