【質問#49】恋愛の相談です

質問・悩み相談の回答です。

質問

はじめまして。検索していたらたまたまたどり着き、「悩み相談受け付けてます 」を見て、相談する運命だったと思い、メッセージを送ることにしました。

私は30代中盤の独身女性です。
20代をほとんど仕事で過ごし、長年きちんとしたお付き合いをしていません。
1年半ほど前から一念発起し、相手を見つけるために、見た目や振る舞いを研究してきました。
徐々に成果が出てきて、約1年で4人の方から付き合ってと言われるほどまでになりました(断ったり色々ありましたが)。多いか少ないかはわかりませんが、それまでの10年でそう言ってくれたのは1人なので頑張ったと思います。
1年半の期間、最初の半年くらいはまともにコミュニケーションもできず、次の半年はなぜか、デートする相手のほとんどに、いきなりホテルや部屋に誘われるブームがありました。そしてこの半年は、そういう雰囲気に加えて「部屋に行きたい、ごはん作って」のブームが来ています。
恋愛経験が少ないながらも、私は思うのですが、私との関係をまじめに考えている人がいきなり部屋に誘ったり、部屋に来ようとするでしょうか。なぜ私は、部屋・手料理・セックスなのか。
今の私の流れは、良い方向に進んでいると思っていいのか、とすると次はどういうブームが来るのか。
悩んでいます。

私は10冊以上の恋愛や婚活本を読みました。
そこで、正しい関係は、男性から誘わせたり、付き合おうと言わせることだと認識しています。
しかしその流れですと、現時点で男性の要求は、部屋・手料理・セックスなのです。
次の自分の手としては、自分主導で誘われるように仕向けるより誘うほうがいいのではないか、付き合おうと言わせるようあれこれするより、こちらから付き合おうと迫ればいいのではないか、などと考えています。

わたしの考えに対するwithpopさんのご意見と、新たな視点を持てるようなアドバイスを頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します。

回答

きた!こういう質問を待っておりました!

そもそもこの質問を始めたのは、町田康や高田純次、厚切りジェイソンなどが行っている人生相談的なものを読んで面白い!やってみたい!と思ったことが始まりでした。ブログの特性上、ソフトウェアや家、車に関する話題が多いのですが(そしてもちろんこれ等のご質問は私には無かった視点を与えてくれるので話が広がりとても助かっているのですが)、もっと広範な人生の悩みに関する質問もどしどし受け付けたいと思っておりましたので、そういう点では新鮮で有難いです。

さて、回答をしていきます。

1年半ほど前から一念発起し、相手を見つけるために見た目や振る舞いを研究してきました。
徐々に成果が出てきて、約1年で4人の型から付き合ってと言われるほどまでになりました。

とても素晴らしい事だと思います。目標を定め、向上心を持って学習することは何の分野でもとても素晴らしい事です。そして、それに対して明確な成果があるというのはなお素晴らしい事だと思います。努力は報われないことも多いですが、実際に目に見える結果として実を結んだ。これは質問者様が真摯な努力を重ねたとともに、男性から魅力的に見える要素をもともと持っていたからだと思います。

いきなりホテルや部屋に誘われるブームがありました

まあ、男の立場から考えるとそうでしょうね。そういう人は多いでしょうね。

そういう雰囲気に加えて「部屋に行きたい、ごはん作って」のブームが来ています

これも理解できます。詳細は後述します。

私との関係をまじめに考えている人がいきなり部屋に誘ったり部屋に来ようとするでしょうか

しないでしょうね。

大体、家の中で遊んで楽しいというのは小中学生時代に友人と一緒にニンテンドーで遊ぶとか、そういう時代に限ると思います。今時はニンテンドーだってポケモンGoみたいにアウトドア派が台頭してきていますし、ましてやいい大人が二人部屋に籠って何をするというのでしょうか。私の思いつかない何か特殊な楽しみがあるのかもしれませんが、しかし一般論から考えても外に出たほうが楽しい時間を過ごせることは明白です。

なぜ私は、部屋、手料理、セックスなのか。

はっきりお答えしましょう。男はやるのが目的です。「私は」と書かれていますが質問者様に限ったことではないと思います。それを要求する人は他の女性にも同じように要求してきたはずです。

「手料理」を作る場所は自分もしくは相手の部屋が第一候補になりますので、「部屋に行く、部屋に来る」に繋がります。「部屋に行く・来る」がつながるのは…もはや言わずとも明らかでしょう。つまり、部屋、手料理は最終目標に至るための口実です。これは言いきって良いと思います。若干、手料理に母性を求めているという事も指摘できるとは思うのですが、いずれにしろ女性にとってはあまり気持ちの良い動機ではないでしょう。

では、なぜ男はやるのが目的と言い切れるのか。それは、自分の遺伝子をばらまこうとするのは雌雄の隔てがある生物の本能であるからです。

ここで、人間界からいったん離れ生物としてのオス側の視点で考えると、オスは遺伝子の放出と言う点では特にリスクを負ったり大変な労力を費やしたりするわけではありません。しかし、だから好き勝手に子孫を残せるかと言うとそういう訳でもなく、オス同士でメスを奪い合う光景は魚類から哺乳類、霊長類、昆虫に至るまでごく自然に見かける光景です。そこで自然淘汰の仕組みがうまく働いて種として強い遺伝子を残すことが出来る…とこういう仕組みになっています。

ここで、オスが「自分は遺伝子残さなくてもいーや」という気持ちでいたらどうなるでしょうか?そもそも争いは起こりえず、結果として偶発的な交配による遺伝子のみが残されます。遺伝子の選別をしないということは、明らかに種の保存という戦略では悪手であります。

一方でなぜメスは「ばんばん子孫を増やしてやろう」という戦略に至らないのでしょうか。子孫は増やした方が種が保存できる可能性が向上するはずです。なぜそうしないでしょうか。それはオスが遺伝子をばらまく事にそこまでリスクや労力を負わないのに対して、メス(特に哺乳類)は妊娠から出産に至るまでは行動が大幅に制限されるために弱者となりますし、さらに出産そのものに対して身体的なリスクがあります(人間社会では医療が発達しているのでそういう印象は薄いかもしれませんが)。

オス側はどんどん遺伝子をばらまけるのに対してメス側はそうではない。これもメスをめぐる争いの一因になります。メス側は寄ってくるオス側の遺伝子が優秀であるかどうかというのを判断して慎重に行動せねばなりません。この結果、両者の戦略に違いが生まれます。その戦略の違いが顕著に表れているのは鳥類ですね。鳥はだいたいオスの方が美しいですが、それはオスの方が美しさを競う必要があるからですね。メスは選ぶ側なので必要ありません。

そういう、種を残すという大目標を達成するためにいい感じに上手くいく生物界の仕組みが成り立っており、人間も自然界に生きる生き物の一種ですから、その本能に基づいて行動するのは仕方のない事であります。

しかしながらその一方で人間が本能のまま行動しても良いかと言うとそれはまた別の話です。

人間は大脳新皮質という本能を制御する新しい脳によって道具を使い、社会性を発揮して文明を築いてきました。こと、性欲という本能に対しても「やりたいからやる」という安易な考えでは社会や人間関係が正常に築けないのは明白であります。であるから、人間のオスは大脳新皮質でそれを抑え(意識的にも無意識的にも)、社会性を発揮してコミュニティの一員として歩んでいくことができます。

ただし全ての人間がそのように社会的に常識的な人間かというとそういう訳でもなく、中にはせっかく人間に生まれることで与えられた大脳新皮質を活用せず、本能に従って「やりたいからやる」という考えの男性が多いのは残念なところです。女性の視点では、様々な男性の中からしっかりと取捨選別する必要があります。

ただし、選択にも限りがあります。これからお話しすることは質問者様にとっては不利な事実で、すでにご存じのことと思いますが、他の読者の方に向けてという意味も込めて一般論として書いておきます。

まず、晩婚化が進んだと言われますが、厚労省の統計によると女性の初婚の年齢はいまだ26歳前後がボリュームゾーンであります。

syokon

昔、サイコメトラーEIJIという漫画で「女もクリスマスケーキも24過ぎたら売れ残り」というセリフがあって何故か記憶に残っているのですが、あれがちょうど平成7年くらいの時期の漫画だったと思います。ただ、グラフと見比べると漫画が描かれた当時でも最頻値が24歳前後という感じですので「売れ残り」は言いすぎですね。これで売れ残りなら半数が売れ残りになってしまいます。ただ世間の感覚としてはそんな印象があったのかもしれません。

そして、日本は婚姻という制度が確立されており、よほどのことが無い場合は婚姻関係はそのまま継続します。また、一夫多妻制や一妻多夫制は認められていません。

これ等の事実を複合すると、男女問わず「良い人は早い者勝ち」になる傾向があるというのが推論できます。

実際、最近ではまた若くして結婚する夫婦が増えてきているということです。早い者勝ちになるならば早く結婚してしまおう。結婚して生活が制限されるのは子供を産むからである。ならば、結婚してもお互いに束縛せず、20代を十分に楽しんだ後に30歳前後で子供を作ろう、という考えだそうです。これは私が何かの記事で読んだのですが、一部の例をさも一般的な傾向のように言ってるだけなんじゃないかなぁと訝っていたのですが、しかし考え方だけに注目すると大変合理的だと思います。

というわけで、諸々の事情でスタートが遅かった人は厳しい戦いになってしまうのが事実なのですが、その一方で、平成27年のグラフは平成17年のグラフに比べると30歳までの婚姻件数がほぼ均一に減っていて、30歳以降の婚姻件数が逆に増えています。結果として全体の件数(面積)はほぼ同じであるように見えます。これは、ボリュームゾーンがいまだ二十代中盤で早い者勝ちという側面は確かにあるものの、一方で着実化に晩婚化が進んでおり、必ずしも「早い者勝ちなのでスタートが遅いと残り物しかない」ような構図とは言えないということです。

このような状況を踏まえ、どの様に戦略を練るのが良いでしょうか。以降で考えてみたいと思います。

私は10冊以上の恋愛や婚活本を読みました。
そこで、正しい関係は、男性から誘わせたり付き合おうと言わせることだと認識しています。

この方法に従って、冒頭でお書きしていたように「見た目や振る舞いを研究」してきたという訳ですね。これは男性の立場で考えても一つの戦略としては十分に有効だと思います。「人は見た目が9割」という言葉があるように、人の初対面の印象はそのほとんどが見た目や仕草、雰囲気といった視覚情報で決まってしまいます。

また、男性は誰しもが惚れっぽい傾向を持っていると思います。男性諸氏は少なからず同意して頂けると思いますが、ちょっと女性に優しくされたり気のあるようなしぐさをされたりすると急に意識し始めたりしますよね?これは例の本能とも密接に関わってるんじゃないかなという気がします。ともかく、そういう事も相まって見た目やふるまいから整え、特に初対面の印象を良くしようとする作戦は非常に効果的です。

しかしながら初対面の印象でその後の印象も固定できるかと言うと、当然そういう訳ではありません。

これを踏まえて今回のケースを改めて考えてみましょう。まず、男性を引き付けるという第一ステップは上手くいっているのだと思います。これは、第一印象で好感を与えることに成功していて、その後告白されるまでの期間、継続して好印象を維持できていたということです。しかしそこから結婚に至るまでには、中々見えてこない性格や内面、思想、価値観と言った部分を共有できるかどうかがカギとなってきます。

「星の王子様」のサン=テグジュペリ曰く、「愛するとはお互いを見つめあう事でなく、同じ方向を見ること」だそうですが、同じ方向を向くためには人生の根源をなす価値観を共有できるかどうかが重要です。そして、そのあたりは件の9割には含まれない残りの1割であり、後々、その1割の部分が人間関係を決定的に左右する重要な要素ともなります。そして、これは予想なのですが、婚活本や恋愛に関する本はこのあたりの記述が乏しいのではないのかなぁと思います。読んだことが無いのでなんとも言えないのですが…。

もう少し具体的に言うと、たとえば婚活パーティやそれに類するイベントで新しい人と知り合ったとしましょう。お互いに良い人だと認識したとしましょう。じゃあお互い良いと思うから結婚しよう、といきなり考える人は居ないですよね。初対面で得た好印象が間違いではないことを確信するため、また、残りの一割の部分である価値観や内面を理解し、共有できるかという作業が必要になります。その作業の事を信頼関係の醸成と言います。

ですから、婚活パーティや友人同士の付き合いなどで知り合い、連絡先を交換したら、次に最初はグループで旅行に行ったりご飯を食べに行ったりするわけです。そうするうちにだんだんと二人で行動することが増え、二人で出かけるようになり、付き合い始め、最終的に結婚に至るわけです1

そんなこと言われなくても知ってるよ!と言われそうですが、逆に言えばそういった経緯の一部や全部を省き、いきなり部屋に誘ったり料理を作ってほしいとかいうのは分かってない(分かっているがあえてやってない)人がいるという証でもあります。そういう人とは一緒に暮らせないですよね。ですからそういう人たちを取捨選別することが次のステップになるのではないでしょうか。

つまり、これまではうまく行ってないのではなくて実は計画通りうまく行っているのであって、質問者様には非が無かったが、相手が悪かった(少なくとも結婚には乗り気でなかった)。だから、粘り強く次のチャンスを待ってその都度決断しようということ。これが一つの案です。

しかしながらこの戦略で一つ不安なのは、1年に4回しかカードを引けない(これまでの実績からは)という点にあると思います。1年で4回も告白されるというのは私は非常に多いと思うのですが、しかし待ちの姿勢で臨んで良いほどに多い件数かというとそうでもない気がします。ではもっと頑張って引けるカードを増やそうと努力すればよいかというと、それもあまり良く無いように思えます。これ以上頑張ってしまうと、男性を選ぶこと自体が目的になってしまう、つまり手段と目的が逆転してしまうような気がします。また、「引けるカードを増やす」という行為そのものが道徳的に褒められるようなものでもないという問題もあります。

ですから、質問者様も攻めの姿勢に転じる可能性があるのでは、と認識されたのだと思います。そして、その方法を私も支持します。

「相手に誘わさせる・告白させる」というのは優雅で聞こえの良いものですが、そのためには数多の根回しをする必要があります。また、相手にその意思を悟られないように行動するというのも難しいところです。「告白させようと画策している」という雰囲気をだいたいの男性は嫌がりますし、あまりにも根回しをしすぎると嫌になって離れてゆくパターンもあると思います。なによりも、そのような方法を採ることができるのはある程度政治力に長けた人でしょう。これは才能に近いので努力でどうこうするのは難しいです。

人間が二人以上集まればそこに何らかの関係が生まれ、それは政治と言ってよいと私は信じているのですが、出来るならば家族に限ってはそんなことを考えず、気を使わずに過ごせる仲でいたいですよね。ですから正直な気持ちを伝えるという行為をむしろ結婚前からどんどんやるべきとも思います。

もし攻めた結果、正当な理由なく結婚を躊躇したりするような人であれば、その人は結婚する気は無く誠実でもない可能性が高いです。そもそも30代半ばの女性と「結婚は考えてないけどとりあえず付き合ってみる」という人はそれだけで不誠実、少なくともガキっぽい所があるとまでは言って良いと思います。そういう人と付き合っても何年もだらだらと関係が続いた揚句結局見切りをつけることになります。ですからもしそういう場面に立ち会ってしまったら運が悪かったと諦めるしかありません。何が言いたいかというと、積極的に行った結果失敗したとしても、それは方法がまずかったということでは無いということです。

もう一つ、余計なお世話かもしれませんが私の専門である情報工学的な点からのアドバイスを。

「秘書問題」「お見合い問題」という名前の有名な問題がその方面では存在します。これは、「順次候補者が表れ、その都度採用か不採用かを決断しなければならないという状況の中で最適な人を見つける」ためにはどのような戦略にすると最もいい人を見つけられる期待値が高くなるかと言う数学の問題です。この解を簡潔に表現するのは難しいのですが、「最初の数人を見送り、その後に表れた候補者がそれまでの中でn位以内であればその人を選択」という方法を採ります。ここで、nは回を重ねるごとに少しずつ下げていくのがポイントになります。つまり、徐々に理想を下げていくということですね。

現実の人付き合いにおいてこれを適用するのは中々難しいところもあるのですが、しかし、「理想を徐々に下げていく」というのは人間心理から考えてみても妥当な考え方で面白いなと思います。と、いいますのは、人間という生き物は経験を積むとどんどん自分に自信がついてくるものだからです。これは美味しいものを食べ続けると舌が肥えて多少の料理では旨いと感じなくなるのにも似ています。こうなると理想ばかり高くなって結婚がさらに遠のいてしまいます。

人間との付き合いは家電製品を見比べて買うのとはわけが違います。世の中には職業や学歴、年収といった目に見える情報を重視する人もいるみたいですが、人間はそもそも常に変化していくものです。ある人と付き合って良かったか悪かったか、幸せだったかそうでなかったかを判断できるのはその人との関係が終わるか今生の別れに際した時でしょう。ですから、上記の戦略も「結局は妥協するしかないのか」と悲観的にとらえるのではなく、あくまでも一つの方法論として参考にして頂ければと思います。

長々と書いてしまいましたが、もう一度簡潔にまとめますと、

  • 今までの行動は正しく、見合う成果も出ています
  • これからは候補を粘り強く待ち、絞っていくフェーズに差し掛かっているのだと思います
  • 厳しい局面になるかと思いますが、難易度がすごく高いチャレンジという訳でもありません
  • この段階で積極的に攻める姿勢で行くのは良い方法と思います
  • もし攻めた結果失敗したとしても、それは方法が原因ではありません

ということになります。

おそらく、失敗されることも多く、精神的にも消耗することが多くなると思いますが、明けない夜はありません。プログラマ的に言えば「終わらないプロジェクトは無い」になります。

ご参考になりましたら幸いです。


  1. 利用したことが無いので分からないのですが、マッチングサービスを運営している会社はこのあたりに力を入れているのでしょうか。たとえば、参加者を募ってキャンプをしよう!とかいう企画があればお互いの素性や能力、嗜好をうかがい知ることが出来るとともに共通の作業を通じて信頼感も醸成できるので良いと思うのですが。そういうあたりに力を入れている企業があれば、本当に困っている人の助けになる気がします。