東京は全部汚い

日々私がいかに最悪な通勤をしているか、また、東京とはいかにひどい環境のところであるかを説明するためにこれを記す。

結論から言うと、東京は汚い。汚い場面に多々遭遇する。不潔極まりない。

まず、電車通勤をしていて駅を降りるとかなりの確率でゲロの痕跡に遭遇する。飲みまくってフラフラになって終電に間に合うよう走ってる最中にゲロを吐く馬鹿野郎が多いからだ。いい年して吐くまで飲むなよと思うのだが、まあ吐くまで飲まないとやってられない気持ちも理解できなくもない、いや、俺は社会人になってからというか学生時代から道でゲロを吐いたことは無い、だからやっぱり理解できねえよこの野郎、きたねえんだよ、と思う。

タクシーが泥酔客を乗せるのを嫌がるというのもまったく当然の話であって、金払ってるから俺は客だみたいなぞんざいな態度でなくてもうすこし、人様の所有物に載せてもらうのだから謙虚にね、せめて多少酔いを醒ましてから乗るくらいはしてほしいよね。タクシーで吐いた経験がおありの方は反省してほしい。

電車の中もしょっちゅう汚いわけでは無いが、空き缶が放置されている、窓がオッサンの皮脂でデロデロになっている、空いてる座席があると思って近づいていったら異臭を放つオッサンが寝ている、ワキガテロなどのいずれかのケースにはよく遭遇する。

東京の一番の問題は過密であると私は常々思っている。交通機関の乱れや病院の待ち時間、渋滞、駐車場入場待ち、犯罪発生数、保育園のキャパ、あらゆる場面で人口密度は負の方向へ影響する。そのくせ、政治は「もっと地方に活力を」などという文句の元、地方にどんどん金が流れていく。東京は優遇されているから良いじゃんとでも思っているのだろうか。

ただ誤解してほしくないのは地方を開発して経済力を増強するという基本的思想には全面的に同意する。私自身、地方出身であるし、東京へ出てきたのも地元秋田で大した職がなく仕方なく出てきたという経緯がある。しかしながら、現在の居住地である東京都がもっと優遇されて欲しいという気持ちも当然あるのであって、こういう考えの人は多いのではないだろうか。だから、都民の多くは国家への対決姿勢を明確にする知事を支持しやすいのでは。

ちょっと話が逸れてきたので元に戻す。ともかく、過密が悪い。これはペットや家畜の例で例えると過密飼育のそれと同じ状況である。過密飼育はストレスを生体に与えがちだし、環境の悪化によって病気になりやすい。

私が東京に出てきて1年くらいしたあたり、どうも良く風邪を引くので医者に「東京に来てから体が弱くなったみたいです」と言うと、医者は笑いながら「そりゃ、体が弱くなったからじゃなくて単純に感染源が多いからですよ」と言っていて、私はガガーン!ってなった。そ、そうか…。感染源が多かったのか…。感染源とはつまり人だ。人に罹患するウイルスはヒトの中で増殖する。人が敷き詰められた電車に乗って、人が密集する会社で過ごせばそりゃ感染するわ。

であるから、私は在宅勤務が良いと思ったのだけどそう簡単に実現できるわけもなく、仕方がないから通勤だけは自転車にしようと思った。人が密集する駅・電車を避けるというのはかなりの効果があるはず。で、今は1時間前後かけて自転車で通っているのだが、これで(少なくとも通勤時の)問題が解消されたかというとそういうわけでもない。

私は小便シルクロードを通って通勤しているのだ。

いや、何のことか意味が分からないと思う方が大半だと思うので詳説しましょう。

自転車で会社に向かう途中、川沿いを走る個所がある。その道は歩行者と自転車専用の道であり、住宅街の真ん中を通っている。ここで、朝や薄暗くなってから通るとよく散歩しているおじいちゃんが小便している。プルプルしながら小便している。そういうおじいちゃんはなぜか手ぬぐいを額に巻いたり作業着を着て居たりする率が高い。

川沿いの細い道だから大通りから見えないと思っているのかもしれないが、しかし散歩や通勤・通学によく利用される道ではある。時間帯によっては人通りがそれなりにある道だ。そこまで頭が回らないのか、もしくはそもそも見られても気にしないのか、平気で小便をする。汚いことこの上ない。
川沿いは諸々の理由によって一般的に地価が安いと言われるが、まあ、何かあんのかな、と勘繰ってしまう。

それを通り過ぎると大きい国道にたどり着く。そこで国道から側道に分岐している部分があるのだけど、その側道の分岐や合流車線によくトラックが停まっている。ちなみに合流斜線や側道への分岐は大体駐停車禁止区間であって、そこにも「運転手が乗車していても違反になりまあす!!」などという看板が立てられているのだけど、それでも停車しているトラックは減らない。

そして、その停車しているトラックのそばで運転手のオッサンがよく立小便している。国道に。国道に立小便してる。

オッサンにしてみれば、でかいトラックの車体に隠れて見えないと思っているのかもしれないが、歩道側からは丸見えである。それなのに景気よく立小便してる。合流車線や側道で。きっと、数々の車がオッサンの尿を踏んだことと思う。汚らしい限りである。

そんで国道を通って会社の近くまで行くと、そこは住宅街となる。戸建のそばに大きなマンションが建っている、ちょっと変わったエリアなのだが、ここもなんだか通るたび「なんだか小便臭いな…」と思っていた。しかしながら結構人通りのおおい住宅街で堂々と小便をする人がいるかと言うとちょっと考えにくい。ご存じのとおり、立小便やつばを吐く行為は軽犯罪法に引っ掛かる。

軽犯罪法 第一条 二十六
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十六 街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者

そして道徳的にも立小便を堂々としている人が人どおりがまばらにある住宅街に居るとは中々考えにくい。というか、自転車で走行していて「なんか小便臭い」と感じるほどの量の小便が垂れ流されているということは考えにくい。どの程度の小便量が必要なのか計算もしたくないし計算できないので感覚的に答えると、毎日10人くらいが同じ場所で毎朝小便を垂れ流さないとにおわないくらいの臭いの強さだ。

そんなことはますます考えにくく、私も「これ、小便の臭いじゃなくて何か別の臭いなんかな…。ああ、くさい」などと思っていたのだけれども、こないだついに犯人を見つけた。

犬を散歩させているババア。そして電柱には「小便禁止!」という文字と犬のイラストが描かれている。そうなのだ、白昼堂々毎日小便をしていたのは犬であったのである。

確かにこのあたりでは犬を飼っている家庭が多く、通勤時間帯からよく犬を散歩させておるひとを見かける。中には犬が小便した後、即座にペットボトルに入れた水で洗い流すような気遣いを見せる人もいるが、はっきり言ってあんな少量で小便を洗い流せるとは思えない。そうして道路に残った小便は小便臭としてあたりに立ち込めていたのである。

犬も犬である。犬はマーキングのために小便をするという意味もあるのであって、そのマーキングが行われたそばから飼い主に放水させられ、何とも思わないのだろうか。「いやあ、まあ自分もね?こんな都会で縄張り競ってるのもおかしいって分かってますよ?でもこれ、本能だからさあ。やっちゃうんだよね」とでも思ってるんだろうか。それで臭いをかぎ分ける能力に優れる犬としての矜持はどうなるのだろうか。もう何なんだろう。私は生物としての犬は好きである。また、犬を飼っている人も別に何とも思わない。なのに、どうして飼い主と犬が合わさるとこうなるのだろう?

と、まあ私はこういう道を通って会社に行くことになった。電車通勤でオッサンの皮脂やゲロをかき分けながら通勤するのと、小便に濡れた道を通勤するのとどちらが良かったのだろう?私の行く道はただいま朝日に浴びて光り輝く小便ロードである。小便を紡ぎ合わせた小便シルクロードである。と、こういうわけね。

シルク関係ねーじゃん!と思われた方もいるだろうが、実際のシルクロードだって物流の大動脈でいろんな人が通っていたのだし、公衆便所が整備されていたわけでもないだろうからそこらへんに糞尿はしていたはずであるからあながち間違いでもないだろう。

ちなみにカントリーロードの替え歌で小便ロードという歌も考えた:「小便 roads, take me home, to the place, I belong-- West Tokyo, mountain Takao, take me home, 小便 roads」という感じである。

まあだから何だって感じなのだけど、ひとつ、本ブログをご覧でかつ東京圏以外にお住いのの皆様方におかれましては、かくして東京は汚い街でございます。テレビに東京のオシャレなカフェとか美味しそうな料理を出す店とかが写っていて、それで良いなあ、東京に住めばテレビに出てるお店にも行きやすいなあ、などと思う方もいるかもしれませんが、そこに至るまでには必ずゲロとか犬の小便とかをみなさん踏みしめています。いや、そんなことねーよと思うかもしれませんが、いや、絶対踏んでます。目に見えなくとも確実にどっかでは踏んでいて、粒子・分子レベルで靴底に小便やゲロが付着しています。そういう町が東京でございます。

ですから今地方で暮らしているのであればそれほど幸せで健康的なことはありませんから、どうかその点を再認識しつつ賢明なご判断をして頂きたく存じます。よろしくご査収ください。