【質問#37】ステップワゴンかヴォクシー

質問・悩み相談の回答です。

質問

初めまして。名前は匿名で相談したいと思います。
今ステップワゴンスパーダかヴォクシーどちらを買うか悩んでいます。
だいぶ調べましたがどちらも良い所、悪い所を比べても一長一短で迷える子羊状態になり、もはや安い方でいいかと半ば投げやりになってきています。
今のところ決まっているのは、雪国住まいなのでスパーダ、ヴォクシーどちらも4WD。8人乗り。ナビ、バックモニター、後席フリップダウンモニターをオプションでつけるくらいです。
ほんの少しスパーダに気持ちが寄ってるのでスパーダをベースに考えるとグレードはスパーダホンダセンシングを考えています。ヴォクシーのグレードはZS煌を考えています。値段と標準装備になっている装備品、走行性能、エンジンの扱いやすさ(ターボはここに気をつかわないといけないなど)家族で乗る車なので後ろの席の乗り心地、安全性能などを比べた時にいったいどちらがいい車だと言えるのか車に詳しいあなた様に心から相談したいので是非回答お願いします。
悩みすぎてもはやハゲそうなので回答待ってます。

回答

改めて公式サイトを見比べてみましたが、本当、同じような車ですね…。お悩みになるのもうなずけます。

まず、私はどちらも試乗したことが無いのでスペック表や公式サイトの記述をざっと見た感じで話します。変速比、最大出力、ミッション、サスペンション、変速比、予防安全性能等々比較してみましたがどれもこれもほとんど変わりません。間違いさがしをしているかのようでした。

ただ、見落としがあるかもしれませんが以下の点は大きく違うと思いますので、検討してみる必要はあると思います(もう検討されたかもしれませんが…)。

車両重量

VOXY ZS 4WDが1680kgであるのに対してステップワゴン スパーダ ホンダセンシングは1770kgになっています。100kg弱の差があり、ここがおそらく両者の最も大きな違いかと思います。

基本的に、車の重量は軽い方が有利です。重量が軽いと加速性能も減速性能もコーナリング性能も燃費性能も良くなります。おそらく、100kgもの差があるのであれば、実燃費はVOXYの方が優れているのではと思います。

…と言いつつ、e燃費で調べてみると、確認時点でVOXY ZS 4WDが11.0km/L、ステップワゴン スパーダ 4WDが12.57km/Lとなっていました。たかが1.5km/Lの差ではありますが、年間1万km走るならば消費ガソリン量には114L程度の差が生まれ、ガソリン110円として計算すると年間12540円も変わっています。月1000円あったらMVNO SIMを使ってスマホがもう一台持てますね。

さて、重量に関しては軽い方が何かと嬉しいのですが、唯一重量があった方が良い面があり、それは「安定感」です。重いものほどそれを動かすのに力が入ります。つまり、重い車は外乱に強くなります。どっしりとした安定感、高級感を生み出すことが出来ます。高級車が重い車体に大排気量エンジンを積んでいるのはつまりそういうことです。

では軽い方がいいのか、重い方がいいのかは車の性格や所有者の考え方によっても変わってきますが、まあ基本的には軽い方が大体良いでしょう。これも詳しくは後に考察します。

クルーズコントロール

機能面での大きな差はクルーズコントロールの有無です。VOXYはなんだか変なオプション設定となっていて、最上位グレードであるZSはオプションであってもクルーズコントロールを採用出来ないのに対し、Vグレードでは標準装備となっています。

一方でステップワゴン スパーダ ホンダセンシングだと速度追従型のクルーズコントロール(30km/h~100km/hで作動)が搭載されます。これはステップワゴンに明確なアドバンテージがあります。

クルーズコントロールが必要かどうかは人によりますが、私はよく車で長距離移動しますので必須の機能です。これがあると無いとでは長距離移動時の疲労度がまったく違います。

ちなみに、安全性能では大差ないと思います。JNCAP 予防安全性能評価では両者ともに満点、安全性能評価でも両者ともに5つ星です。(得点はステップワゴンの方が若干高いです。)

ダウンサイジング

次に大きく異なるのが、VOXYが2.0L NAエンジンであるのに対し、ステップワゴンが1.5Lターボのダウンサイジングエンジンだということです。
どちらも最高出力・最高トルクともに大差は無いですが、ステップワゴンでは1600-5000rpmで最大トルクが発揮されるのに対し、VOXYでは3600rpmで最高トルクが発揮されます。

ですから、街乗りでストップ&ゴーを繰り返すような走行パターンだと、ステップワゴンの方が「きびきび走る」「速い」といった印象を抱きやすいと思います。ただ、最高出力は大差ないので直線走行のタイムを測ったら両者は大差ないか、ステップワゴンの方が重い分むしろ遅い可能性もあります。

ちなみに、ターボ車で気を使わなければならないところはあるか?ということですが、基本的にはありません。昔のターボ車だとエンジン負荷が高い状態からいきなりエンジンを切ると温度差でタービンが壊れてしまうとか言われていて、エンジンが遅れて切れるようなタイマーもあったりしますが、今の時代ではそういうことも無くなりました(というか当時からターボタイマーなど不要だったのでは、という気がする)。

現車確認

あとは実際に乗ってみての感触で判断するしかないですね。

個人的に重視するポイントは…。

  • 自然なドライブポジションがとれるか(シート調整、ハンドル調整、テレスコピック機構があるかどうか)
  • シートが滑りすぎたりしないか
  • 段差を乗り越えるときの感触。いつまでも振動が収まらないということは無いか
  • カーブを曲がったときのロール。不快な沈み込みが無いか
  • ブレーキ。徐々に踏んで行って制動力がリニアに変化するか。いきなりブレーキが効き始めるなどの不自然な感触は無いか。
  • アクセル。アクセルペダルを徐々に踏んでいって加速度がリニアに変化するか。ちょっと踏んだだけでいきなり加速しないか。またはその逆
  • 冷暖房のスイッチ。運転席に座った状態ですぐに操作できる位置にあるか。押し間違えやすいということはないか。
  • 内装の質感

あたりでしょうか。

とくにサスペンションのセッティングに関しては、トヨタ車は大体ふにゃふにゃなセッティングを好むので、これに違和感を感ずるかどうかというのを確認していなければ確認しておいた方が良いと思います。

もちろん、バネを変えれば良いじゃないかと言われればそれはそうなのですが。

私ならばステップワゴン

さて、ハゲそうとのことでしたので、ここまで引っ張っておいて「あとは自分で決めてくださいね」では多分本当にハゲてしまうでしょう。はっきりと結論を述べたいと思います。私ならば、ステップワゴンを買います。

まず重量に関してですが、車両重量が軽いほど加減速やコーナリングに効いてくるという話はすでに書きましたが、そもそもミニバンは走行性能の高さを楽しむような車種では無く、人や荷物を運ぶのに特化した車種です。家族で旅行や買い物などを楽しむシーンを考えれば、どっしりとして安定感のある車体のほうがむしろ好ましいと思います。唯一、燃費性能への影響が気になるところですが、実燃費評価を見てもその点は問題ありません。

次に速度追従クルーズコントロールの装備。このサイズ・価格帯のミニバンで速度追従クルーズコントロールが装備されているのは今のところステップワゴンだけだと思います。長距離運転時の疲労というところを少しでも重視するならば、ステップワゴンは良い選択肢になります。

あとここからは個人的な考えや経験、思いに基づく非正確な評価ですが…。

私はVOXYの顔があまり好きじゃないです。ミニバンは右倣えでいかつい見た目に舵を切っています。私はこの方向性はおかしいと思っています。なぜ家族や友人・知人のグループで楽しく移動するような車にいかつさが必要なのでしょうか?子育て世代の家にいかつい見た目の車が止まっているのはどうでしょうか?

別にいかつい見た目はダメではありませんが、個人的にはどうも車そのものの格好よさだけを追求して周囲との調和を無視してしまっているように思います。最も、周囲や車を止めている家との調和なんてのはほとんどのユーザーは気にしないでしょう。気にしないからどうでもいいや、売れりゃいいじゃーんというメーカーの考えがにじみ出ているように思います(偏見です)。

その点、ステップワゴンはその「各社同じような見た目にする流れに追従するのはもうやめた」として新たにデザインを行っています。特にステップワゴンの白は「朝食の食卓をイメージしてデザインした」とのことで、こういう発想がミニバンには非常に大事だと思いますね、私は。

私にいわせりゃVOXYの見た目ってなんかアーティストに例えるとEXILEって感じなんですよ。たしかにいろんな人が格好いいねって言ってくれるけど、EXILEが家の前で常々踊ってたら正直うざくないですか?毎日合コンだぜ!みたいなノリだったらそれでもいいかも知らんけども、しかし人生ってそうじゃないじゃないですか。合コンする日もあれば、クライアントから無茶苦茶な事を言われて半切れになりながら、しかしお客さんだから怒っちゃだめだと耐えるような日もあるじゃないですか。それなのに、常々「俺って格好いいだろ?すげーブライトフルだろ?」って主張し続けるみたいな印象を受けるんですよね。分かったから、もういいから、って感じっすよ。そういう違和感を感じるんですよね。

対してステップワゴンはくるりとユーミンの「シャツを洗えば」みたいな、家庭とよく調和するようなデザインだと思います。あのステップワゴンから幼稚園児が数人飛び出してきても何ら違和感ない。蓋し平和で微笑ましい光景だと思う。一方ででもVOXYから幼稚園児が飛び出して来たらそり込み入ってて後ろ髪が長くて、ダンス教室とか通って「将来はダンサーになりたい」とかいいつつ、結局工業高校に通ったあとで職人見習いに落ち着きそう(個人の偏見です)。

ただしこのステップワゴンのデザインは予想通り、「ダサくなった」と評する声が多かったように思います。ですからそういうユーザーに向けてSPADAではいかついエアロを装着させるのかな?と私は思っていましたが、しかし、あの柔らかいデザインは崩れませんでした。このホンダの決定は私はとても褒めたいと思います。

また、「わくわくゲート」もかなり良いと思うんですよねー、歩兵戦闘車みたいで。

ステップワゴンのわくわくゲートがワクワクする理由

あとは、先にも少し書きましたが、トヨタ車のサスのセッティングが全般的に気にくわないという理由もあります。トヨタ車は全般的にフワフワした乗り心地を追求しているように思います。それがトヨタ流の高級感なのかもしれませんが、私の嗜好とは合いませんでした、という話です。まあ実際に乗った事も無いんですけど。

一方でホンダのサスのセッティングは大体どんな車も少し固めな気がして個人的には好みです。

しかしセレナも…

前項でさんざんステップワゴンを推しておいてなんですが、私は最近セレナも気になっています。今夏にフルモデルチェンジされると噂される日産セレナは高速道路上での単一レーン自動運転を実装するとの話です。

セレナは一時こそはミニバン売上No.1でしたが、最近はトヨタのミニバンに押されてかなり影が薄くなっています。他の車種に先駆けてセレナで自動運転を実装するのですから、日産としてはかなり戦略的な車種としてリリースし巻き上げを図るのではと思います。

もし、自動運転や新しい技術に興味がおありでしたら、もう少し待ってみるというのも一つの手かもしれませんね。