Volvoの思想から考える自動運転と緊急回避

面白い記事を発見しました。

ボルボの自動運転カーのエンジニアいわく、テスラの技術は「なんちゃって自動運転」

テスラが現在リリースしている自動運転機能は「レベル3」という段階にあるものであり、かつ、

ドライバーが常に待機状態にあることを求められ、必要な時には運転を引き継ぐ必要のある「レベル3」は安全ではないと考えているとのこと。

そんなボルボは、2016年にも「レベル4」に相当する車両を使った公道実験を開始する予定です。このレベルにある車両の場合、自動の運転が可能な事に加
え、路上で発生するあらゆる出来事に自動で対応することが可能になります。そのため、搭乗者は運転から完全に解放されることになります。仮に、何か運転を
継続することができないトラブルが発生した場合でも、車両は自動的に安全な場所に停車するようにプログラムされています。

ということだそうで。

これは確かに説得力のある説明だと思います。とある講演で聞いた話(→CEATEC 2014 自動運転とマツダ)を思い出しました。

それは、自動運転と緊急回避についての実験です。被験者は「これは自動走行する車で通常はドライバーによる制御は必要ありませんが、もし道路を逸れたりなどした場合はブレーキを踏んでください」という説明を受け、試験場内を走行する車に載せられる。そして、任意の時間通常の自動運転を行った後に試験者がわざと車を逸らす、という実験です。つまり、ドライバーが完全に自動運転する車に乗ったまま長時間経過したあとにとっさの事態にすぐに対応できるかどうかを確かめるという内容です。

この結果、30分程度経過したあとに車を道路外の方向へ逸らした場合はどのドライバーもだいたいすぐにブレーキを踏むことができたのですが、1時間程度経過するとブレーキを踏むまでの時間にかなりばらつきが生じ、中にはうたた寝しているドライバーもいました。

この実験が示しているのは「基本的には完全に自動運転するんですけど、いざという時はドライバーが自分で危ないところを回避してくださいね」なんてシステムを市販車に実装したとしても、ほとんどのドライバーは緊急時に緊急事態を回避することなどできないという事実だと思います。前述の記事でボルボの技術者が指摘しているのはそういうことなのでしょう。

ちなみに、この「レベル」というものは日本政府や米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) が規定した自動運転の実現度合いを定義したものです。Wikipediaにわかりやすい説明があります

で、レベル3は

加速・操舵・制動を全てシステムが行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態。加速・操舵・制動を全て自動的に行うシステム。通常時はドライバーは運転から解放されるが、緊急時やシステムの限界時には、システムからの運転操作切り替え要請にドライバーは適切に応じる必要がある。事故時の責任はドライバーとなる。

という定義であり、レベル4は

完全自動運転。加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態。安全に関わる運転操作と周辺監視をすべてシステムや外部に委ねる。

という定義です。

この自動運転のレベルは段階的に進化していくものと予想されていますが、しかしながらレベル3において「ドライバーはリラックスした状態からとっさの判断ができない」という問題に対する解決策はいまだ聞いたことがありません。この点を解決しない限りはレベル3による自動運転は危険であるように私は考えていました。

最近は急速に自動運転の技術も進化しているので、レベル3をすっとばしてレベル4がいきなり実現できるというプロセスもあるのではないか?と思った次第です。