デミオ XD Touring 4WDで峠を走ってきた

こないだ嫁さんの実家に行ったら義母がデミオ XD Touringを買っていた。しかもAWDのオーナメント付き。なんと…。ちなみに義父はレガシィB4に乗っている。田舎は一人一台車があっていいねー。

花粉でひどく汚れているが納車後二ヶ月の新車だ。早速乗らせてもらった。

タコメーターのみのデザイン。これをスポーティーとする風潮があるが、個人的には非実用的であまり好きではない。普段乗りで一番確認するのはスピードメーターである。かつ、視認性に優れるアナログメーターであることが好ましい。HUDがあるじゃないかと言われればそのとおりなのだが…。フルカラーHUDにアナログメーターが表示されればいいのにね。

ハンドルはCX-5とほぼ共通。CX-5の場合はレーダークルーズコントロールのための車間距離調整スイッチが存在し、ボタン配置も違っている。

内装は安っぽくないと思う。シフト表示部分(DとかRとか表示がある周辺)がすこし残念だが、これはCX-5やアテンザでも同様だ。

装着タイヤはスタッドレスだった。

嫁さんと4歳の娘を乗せて地元で有名な峠に出かける。この峠は夜になるとドリフトをする車が多く現れるので、ドリフトしやすいカーブにキャッツアイやポールなどが設置されていたが全部撤去されていた。自分が学生のころはまだまだドリ車が多かったように思うのだが…。時代の流れだろうか。

私がディーゼル車に乗るのは、実家のいすゞ ジェミニ以来となる。3代目のジェミニで、1700cc ディーゼルターボが搭載されていた。1990年発売の車種ということもあって音はうるさい、黒煙もひどい状態だった。しかしながら当時免許取りたてだった私にとってはトルクがあるのでクラッチを繋ぎやすい(エンストしにくい)ディーゼルエンジンは助かった。ジェミニは良い車だったと思う。

で、そのジェミニから20数年経ちディーゼルはどのように進化したのか楽しみだった。もちろん、マツダのディーゼル車に乗るのは初めてではないが、気兼ねせずに峠を走れるのは初めてのことだ。

まずはエンジンをかける。うん、うるさい。振動も激しい。CX-5 XDに乗ったときもそうだったが、やはりあの振動はちょっと私には気になるレベルだ。ハンドルやシートにまで震えが伝わってきて、それが若干のチープさを感じさせてしまう。エンジンが温まると振動も音も落ち着いてはくるが、やはり「ガソリン車レベル」とは言い難い。

早速峠を走らせてみると…。うーん、伸びない。回らない。マニュアルモードにして踏み込んでみるが、加速が鈍い。大人二人子供一人の乗車とはいえ、もう少し軽く加速していくのではと思ったのだが…。

ただ少し乗ってみてなんとなく状況が掴めてきた。ディーゼルだからと比較的ハイギアになるように意図的にシフトチェンジしていたが、それが良くなかったようでデミオの場合は少なくとも3000rpm程度までは回した方が良さそうだ。私のでたらめなシフトチェンジが良くないのかとATモードで走ってみるがこれでもいまいち。タコメータを注視しながら走るわけにはいかないのではっきりとした値は分からないが、シフトチェンジして2000rpm弱まで回転数が下がり、そこからぐっと踏み込んで加速度の変化を感じるまで最大1秒弱くらいのラグがあるように感じる。まあでも普通のターボ車と比較してとくにネガティブなものではない。ターボ車ならこんなものだろうと言う感想だ。

マツダのクリーンディーゼルは「ディーゼルにしては良く回る」と評判であるが、ジェミニと比べてみても感動するほどの変化は正直なかった。ジェミニに比べれば明らかに回る。ジェミニは回して3000rpmちょっとくらいがやっとだったように記憶している。常用回転数は2000rpmちょいくらいまでだったと思う。だからその当時のディーゼルエンジンに比べればたしかに明らかに高回転まで回ると言ってよいのだが、そこから特に感動や気持ちよさは得られなかった。

その一方で足回りは素晴らしい。不快な振動やロールが無く、路面に吸い付くように走ってくれる。また4WDの効果もあるのだろうか、スタッドレスではあったがサマータイヤで走っているのと大差ないような安心感があった。

私は小型車にディーゼルを積むメリットがあまり良くわからず、ずっと疑問に感じている。だから、CX-3にも全くと言ってよいほど興味が沸かなかった。

デミオの発売前後、自動車評論家のプロトタイプや実車のインプレッションなどがネット上に大量に溢れた。内容は完全にべた褒めのものがほとんどだった。国内市場ではあのときに一気にマツダの新世代商品への弾みがついたように思う。それから当然の流れのように日本カーオブザイヤー受賞。車の価値を運動性能でしか語れないような評論家たちが右倣えでディーゼル車を賛美するのは私には違和感しかない。ぶっちゃけマツダの広告活動の一環なんじゃないかと訝るほどだった。

私がもしデミオを買うならば確実にディーゼルは避けるだろう。1.5Lガソリンがベストだと思うが、スポルトが無くなったため1.5Lエンジン搭載グレードは「15MB」なる6速ATの普段使いでは使いにくいだけのグレードしか無い。ターボラグはやはり「人馬一体」感にはマッチしないし、振動やエンジン音も200万円オーバーの車にしてはちょっと許容しがたいという印象だ(もちろん、価格の問題では無くてディーゼルエンジンを搭載したことが原因ではあるが)。

そしてやはり評論家のレビューは当てにならないと思った。これは評論家が嘘をついていると言いたいわけではなくて、結局人の好みや判断基準、感想というのは千差万別だということである。偉い人が何と言おうと、自分が使い込む道具は自分が感じたフィーリングを信用したほうが良いことも多い。

今回のケースで言えば、私は自己分析するとレスポンスの良さや内装の質感は重視するものの鋭い加速度の変化には魅力を感じず、振動や音に敏感という感じだろうか。そういう人にはガソリン車のほうがおすすめだ。私がおなじディーゼル車であるジェミニを良いと感じていたのは思い出補正とか、価格(130万円くらいだったと記憶)とかもあるのだろう。