【質問#24】日本の将来

質問・悩み相談の回答です。

質問

初めまして、こんばんは。いつも楽しく拝見しています。私はwithpopさんが嫌いなミニバンユーザーですが、積載性(主にバイク)と安全性の両立でいきついた解なのでそこそこ満足しています。ハイエースやキャラバンの安全性が増したら間違いなく買い替えると思いますが…。

さて、去年の国勢調査の調査結果がちらほら出てきて日本の人口は減っているようです。(私は都内在住で東京都の結果しかみていませんが、東京都全体では人口が増えているものの八王子市や立川市は人口が減少していて都心の人口が増えているというところが面白いと思いました。)人口が減りつつある日本は今後どうなると思いますか?私は少子化を解決できない限りゆるゆると日本は衰退していくと思っています。なぜなら、子は経済にとっても宝だからです。成人するまでお金がかかりますし、その先は働き手になりますからね。でも、日本人は子供好きが少ないのかほかの楽しみが多いのかわかりませんが、あまり子供を産みたがらないようです。私は少し前に数年程アメリカに住んでいましたが、アメリカ人はとても子供好きで子供にやさしいところです。小さい子が泣きわめいたってみんなニコニコしています。保育園的なところだって月十万円以上しますがそれが普通で、仕事をしている人はみんなそんな感じです。もちろんいろいろ環境が違うので一概に比較できませんが、おそらく日本人もアメリカに住んでみれば子供を育てたいってなるんじゃないかと思いました。話がそれましたが、少子化とは国にとって致命的な問題でそれを待機児童がどうこうというレベルで話していてはまだまだだなぁと感じています。環境も重要ですが、子供を持つ持たないは自分達の意思で決めることだと思うからです。というわけで、ものすごいブレークスルーがない限り日本はあまりよさそうなところがないなぁと思ってしまう私ですが、そんなことはない!という意見があると嬉しいです。

回答

withpopさんが嫌いなミニバンユーザー

念のため誤解の無いよう申し上げますと、私は実利主義と言いますか、道具はユーザーの用途に合っていて、相応の対価で買えれば一番良いと思っています。何か目的や重視するポイントがあってミニバンを選ぶ人に対してとやかく言うつもりは全くありません。私だって、何かデカい荷物をしょっちゅう運ぶ環境に居ればミニバンを買うと思います。というか、ホンダ モンキーは「車に積むためにあれほど小さい車体で設計された」という話を聞いて使うあてもないのに無駄に欲しくなりました。どこが実利主義なんだって感じですね。ともかく、皆が自由に好きな車に乗ればいいと思います。

本題に入ります。ご質問は、

人口が減りつつある日本は今後どうなると思いますか?

ですね。その背景としては、少子化や人口減による労働力の低下から経済が衰退していくのでは…という危惧があると言う事ですね。

このご質問を拝見し、私は小学生の時のエピソードを思い出しました。

小学6年生の時、国語の授業だったのかディベートをしようみたいな授業がありました。テーマは「人類は滅亡するか否か」でした。私のクラスでは22名が居たのですが、私を除く21名が「人類は滅ぶ」と主張し、「人類は存続する」と主張したのは私1人でした。この授業は2~3日かけて結構しっかりした議論を重ねたのですが、私は連日21名からの集中砲火を浴びることとなりました。

滅ぶ派の主だった主張は「どうせ人間は馬鹿だから核戦争によって滅亡する」みたいな感じでした。私の小学校では日教組をこじらせている先生が多く(何処もそうだと思いますが)、はだしのゲンはもれなく教室に常備してあり、何かイベントがあるとそれに加えて原爆の被害者写真集が加わるといった感じでした。

そういうもので恐怖心や「戦争良くない」だけを一方的に植えつける戦略は、それの良し悪しは置いといて生徒に深くしみついていたと言う事なんでしょうね。たぶん。

しかしながら当時SimCityにハマっていた私は原子力発電所が大好きでしたし、かわぐちかいじの「沈黙の艦隊」も良く読んでいましたから原子力というのは単に物理現象の一つであって、それを道具として使っているにすぎず、「包丁による殺人が多いから包丁を規制すべき」論であるような違和感を感じていました。

あとは滅ぶ理由としては「隕石の衝突」や「異常気象による作物の生育不良による食糧難」なんてのもありましたね。当時はノストラダムスの大予言がどうのこうので盛り上がってる時期ですから、特に子供なんかは日ごろから「1999年7の月になったら世界が滅ぶぞおおおぉぉぉぉ!!!」とかわめいて走り回ってた気がします。そういう子どもたちにとって、隕石の衝突とか日照りで農作物が枯れるとかいう現実に有りうる可能性があって、かつ、物理的な地球の終焉と言うところで分かりやすかったんだと思いますね。特に農作物なんて着眼点は田舎っぽくて好感が持てますね。そこまで農家ばっかりじゃなかったですけど。

ともかく私は、20世紀後半になってからの技術の発展を振り返ってみろと。世界は100年でこんなに大きく変わった。そのうち人類は地球を離れて太陽系を開拓し始めるだろう。スペースコロニーに何万という人が住み、月には宇宙船の基地と都市が建設される。資源問題は地球の外に目を向けることで解決できる。人間はこれまで技術によってここまでこれたじゃないか。あんたらはその技術の恩恵にどっぷりつかっておいて、その効力を認めないなんてどういうこった。みたいなことを主張しました。

結局そのディベートは、私も色々頑張ったんですけれども結論が出ないまま「みんなちがって、みんないい」みたいな先生の事なかれ主義的まとめ方で終わりを迎えたように記憶しています。もう一回やりたいですね。

話しが大幅に逸れましたので戻ります。というか、ここまで何千文字も書いているのにようやく本題に入るって感じですからね。とんでもない横道への逸れ方だと思います。道草食ってるというよりは道端に掘っ建て小屋作って住み始めたみたいなレベルですね。まあそういう事はなしていると、「そういえば私の実家のそばには長年ほったらかしのかやぶき屋根の空き家があったのですが、そこに近所のお姉ちゃんと一緒に忍び込んだ折…」という話が始まるのでもういい加減にします。

はい、結論から申しますと、私は昔からこういった将来観に関してはかなり楽観的な立場でいます。今回のご質問にフォーカスすれば、テクノロジーが発達するおかげで機械が労働力を底上げできるだろうと考えているのがその理由です。

ご指摘の通り人口は減っていきます。日本に限らず、先進国では全て人口は減る傾向にあります。ちなみに私はこれもSimCityで勉強しました。SimCityはマジで勉強になります。

先進国にて人口が減る理由を説明するモデルとしてライベンシュタイン・モデルという格好いい名前のモデルがあるのですが、これを簡単に説明すると次のようになります。まず、子供を産む動機は子供を産むことによって得られる効用(メリット)と不効用(デメリット)の和によって決まるという話で、効用と不効用は次のようなものが挙げられています

効用

  • 子供を持つこと自体の充足感
  • 子供の労働もしくは所得がもたらす効用
  • 子供が老後の面倒をみてくれるという所得保障効果

不効用

  • 子供を育てる費用などの直接的な金銭負担の増加
  • 子供の養育に時間を費やすことによって、両親が就業・所得機会を犠牲にするという機会コストの増加

特に先進国においては教育費や保育費、自らの労働時間や雇用が犠牲になるというデメリットが大きいために子供が減るという感じですね。この説明は私の考えや周囲の人々の考えと照らし合わせても良くマッチします。

ともかく、世界的に見て経済や政治が成熟してくれば子供は減る傾向にあるとまでは言えると思います。というか、誤解を恐れずもっと突っ込んで言うとこれは「今の社会が昔ほど子供を欲していない」ともみなせると思います。なぜならば機械による生産性はどんどん向上していっているからです。人口減による労働力の低下と、機械やコンピュータによる労働力の向上(生産性の向上)を取り持っているのが高度なスキルを習得するための子供への教育コストの増大という要因なのだと思います。

今後も機械による生産性の向上は進むと思います。分かり易くて社会的にもインパクトがあるのは運送業です。昨今では運転中にドライバーが意識を失って事故を起こしたり、無理のある勤務でバスが事故を起こして何人もの命が奪われています。事故以外にも、増え続ける通販配送業務で軽運送業はどこも負荷の高い状態が続いていると聞きます。

自動運転やドローンによる配達が実施されれば、このあたりはかなり解決できるはずです。自動車の自動運転はもはや夢の話ではありません。2020~25年には高速道路上を自動運転するトラックが出現するだろうと言われています。そうなれば、運送業に割かれていた人的資源をもっと他の事に使えるようになります。

他にも数多の職業が無くなることが挙げられています。最近、「今後10年間でこれだけの職が機械やAIに代替されて無くなる」というニュースを良く目にしますが、下記の論文が原典です。

Michael A. Osborne - Associate Professor Future of employment

内容を見ますと、レジ係(Cashiers)やデータ入力(Data Entry Keyers)などといった単純作業の他にも、接客系の職種(Clerks)もかなりが無くなります。機械やAIを制御するはずのプログラマ(Computer Programmers)ですら48%の確率でなくなるとあります。

このニュースの受け止め方は二つあるようです。機械が人間の職業を奪うので雇用が維持できなくなり失業者が増えるという悲観的な予想。もう一つは単純作業を機械が代替してくれるので人間はより創造的な事に時間を割くことが出来るようになるという楽観的な予想です。私はどちらかというと後者です。

機械とソフトウェアはどんどんフレキシブルになり、身の回りに浸透し、最終的には人間の労働のほとんどを代替するはずです。そうした世界では、そもそも人間は働かなくても良くなるでしょう。それはたとえばベーシックインカムという制度で実現するかもしれません。そういう社会では人間は自己実現や創作意欲を満足させるためといった目的で働くようになるのだと思います。

もちろん、そこに至る過渡期に一時的に失業率が増大したり、機械と人間の付き合い方に関して数多の議論が発生すると思います。その過渡期に日本や人類にとってよろしくない何かが起こる可能性は大いに考えられる気がします。たとえば、一時的な失業率の増大によって機械が人間の代わりに労働を担うまでに至らず経済が崩壊してしまう、などでしょうか。そもそも、機械による人間の職業の代替はそう都合よくは進まないとも思います。たとえばスーパーのレジが無くなって商品をかごに入れてそのまま家に帰れば勝手にクレジットカード経由で支払いが行える、というようなシステムが完成し、それを導入するのでレジ打ちの大学生バイトやパートのおばちゃんは明日からクビね、ねんてことになったら大規模な反対運動が発生するでしょう。このあたりはどうなるか予想付きません。

以上、ちょっと話が発散してきたのでこのあたりでまとめたいと思います。私のあくまでも個人的な考えでは、

  • 出生率の低下は自然なこと
  • 出生率の低下に伴う労働力の減少は機械によってカバーされる
  • この二つは社会が発達するによって発生する
  • 最終的には機械が労働の大半を担当し、人間は働かなくても良くなる
  • むしろ問題なのはそこに至る過渡期に発生する問題への対処

という感じです。