【質問#14】ビアンテとフォレスターについて

質問・悩み相談の回答です。

質問

初めまして。

私も小さい子どもを持つ親で、車の買い換えを検討しているものの
「走りとしての楽しさ」と「家族・実用性」の板挟みで悩んでいるものです
(それでふらふらとネットを見て貴ブログにあたり、ウンウンとうなずきながら
 楽しく読ませてもらっております。また同じ多摩地区に住んでいるので親近感も沸いています)

で、3点ほどお尋ねさせていただきたいことが。

1:質問コーナー#3#6を中心に、比較の対象としてプレマシーを良く書かれていますが
 ビアンテについてはあまり触れられていません。withpopさんはロールーフミニバンが好み
 だろうとは思いますが、記事中で「醜悪な車(only mother could love)」とは紹介された
 ものの、プレマシーは低い、もう少し高さが欲しければ「家族」を焦点にあてたものとしては
 ビアンテも候補に入るのでは(価格帯も良い感じですしね)と感じましたが、withpopさん
 個人としてはビアンテはどう評価しているのでしょうか。
 もっと具体的に言えば、(ありえない仮定の話になりますが)現行ビアンテにADASが
 ついていたら選びましたか?(欲しいですか?)ということですがいかがでしょうか

2:CX-5のグレード比較として、貴Excelファイルは参考になりました。ありがとうございます。
  (貴ブログを見てCX-5も良さそう・・と興味が沸きまして検討始めたところです!)
  それで「FF>4WD」「ガソリン>ディーゼル」という一定の結論は出たと思いますが、
  20s系と25s系、の比較としてはいかがでしょうか?
  というのは、項目に25S L PACKAGE FFが入っておらず、「25S L PACKAGE FF」のスコアを
  出してみると(B31の数式=N14+N21+N17を=N14+N21+N16に変更)スコアはグレートトップの
  値が出ます。となると、25S L PACKAGE FFとし、タイヤは17インチにしておいた方が
  もしかしたらその方がお得なのかな、とも感じています。25S L PACKAGE FFってどうなんでしょう・・・?

3:フォレスターのことも伺いたいなと思っています。
去年の検討時にフォレスターそのものはあまり悪く書かれていないことと、
去年のマイナーチェンジでアイサイトv3.0になったことから、今なら購入するなら
フォレスターかCX-5か、どちらにするか(安全装置充実を取るか、燃費や走りをとるか)
迷われたのでしょうか? それでもやはりCX-5には変わりないでしょうか。

※複数回のメールを頂きましたので、こちらの判断でまとめさせていただきました。あわせて文面も少しだけ変えてあります。

回答

CVT嫌い
まずはこの点をご説明しておく必要があるかと思いました。私はCVTが嫌いです。

当初、CVTは燃費性能向上のために導入されました。エンジンはなるたけ最大負荷に近いところで回した方が熱効率に優れます。するとそれなりに回転数が上がり、効率が良くなるところで停止し、代わりにギア比が小さくなっていきます。その結果、ちょうどいい回転数を維持しながら車の速度を上げていくことが出来ます。このスイートスポットを外さないというのがCVTの最大のメリットであります。

しかしながらその一方でまるで原付スクーターのような音を立てて加速していく感じは「滑り感」を演出させ、どこかチープで運転する楽しみをいささか奪ってしまっていたのは確かです。

さらに、一定速度巡航時の効率にも問題があります。CVTはプーリーを油圧で締め付ける構造になっているため、そこでロスが生まれます。一定速度で走っている時の伝達系での損失はMT, ロックアップAT, クラッチ式AT < CVT, トルコンATとなります。この点が私はとても気持ち悪いです。日本ではストップ&ゴーが多く、一定速度巡航は少ないので前者に最適化する方が理にかなっている…それは頭では分かりますが感覚的には気持ち悪く、受け入れがたいです。常に油圧が掛かっているというエネルギーの無駄がどうしても許せません。

昔YoutubeでOption(雑誌)か何かの企画で「最速ミニバンはどれか」というテーマでミニバンをサーキットで走らせる動画を見たのですが、CVTを積んだエルグランドはCVTの過熱警報ランプが付いて途中リタイアしていました。まあ、サーキットで走行するような運転を公道ですることはないと思いますが、それでもCVTが過熱しているということはそれほどのロスがあるという証でもあり、ますます許せません。

最近ではそのCVTも改善され、特に「滑り感」に関してはかなり違和感が無くなりました。CVTでありながらステップ式ATに近いような変速比の変更の仕方をすることによって違和感を軽減させたらしいです。ただ、このような変速方法ではCVTであるメリットを削いでしまっている(常にスイートスポットでエンジンを回していない)という点がアカンと思います。

ともかく、私はCVTが嫌いという事は強調したいと思います。ただし、嫌いなのであって実際の経済面でのメリットまで無いとは言っていません。あくまでも感情です。

以上を踏まえまして回答します。

1.ビアンテについて

ビアンテは醜悪な顔と紹介されたりしていました。私も正直、格好いいとは思いません。「Ambient」を基にしたと言われるこのネーミングも良くないと思います。

ただビアンテは他の同サイズミニバンと比較して優位点が少なくとも二つあると思います。1点目はリアがよくあるトーションビームでは無くマルチリンクを採用しているということ。もう一点がCVTでなく全域ロックアップの6速ステップATを採用しているという点。この二つが揃っている車種は唯一のはずです。

CVTと比較してロックアップ付多段(といっても6速ですが)ATが優れているのは、一定速度巡航時の燃費と説明されますが、それ以上に単純に運転していて楽しいと私は思います。特にマツダのSKYACTIV-DRIVEはまるでMT車のような楽しさです。変速のラグは十分に短く、一段低いギアで高回転まで引っ張ってカーブを走り抜けるときの爽快感は素晴らしいです。この一連の加速度の変化とつながりは、やはりCVTでは味わえない心地よさだと思います。CVTだってステップ変速モード(マニュアルモード)があるじゃないか、と言われるかもしれませんが、やはりちょっとフィーリングが違うんですよね。ダイレクト感が無いと言うか。どうしても連続的に変化してしまうからでしょう。まあ、このあたりは何を良しとするか、どこまでこだわるか、個々人によって違う話なのですが。

話をビアンテに戻します。ビアンテはこのクラスのミニバンでは珍しく(というかおそらく唯一)、トーションビーム式でなくマルチリンクを採用しています。これも同様にしてこだわる人はこだわる点でしょう。

乗ってみたことは無いのですが、以上二点から運転する楽しさという点では、他の同サイズミニバンに比べると一つ秀でているのではないか、という気がします。実際に乗ったことはなくて気がするだけですが。

一方で、マルチリンクだろうとステップATだろうとミニバンのサイズと重量で心地よい走りが出来るわけがない、という気もしています。正直、このあたりは興味が無いので積極的に調べることも無かったのですが、もしこれが真だとするとそもそもハイルーフ系ミニバンで走りにこだわるのが間違いであり、その他の機能性や快適性などに重きを置いたほうが良いかもしれません。

その点で述べるならば私は新型ステップワゴンは中々良いと思っています。この価格帯のミニバンでは唯一(たぶん)レーダークルーズコントロールが付いており、また見た目の不自然さを我慢すればリアのヒンジドアの利便性も高いと思います。

多摩地域にお住まいとのことでしたが、多摩地域は車で出かける事が多い地域ではありますが狭い駐車場って結構ありますよね?ローカルな話題&私の経験上の話になってしまいますが京王八王子ショッピングセンターとか、立川ルミネとか、駐車場狭いですよね。ああいう場面でリアにもヒンジ式ドアがあるというのは中々嬉しい装備な気がするのですが、いかがでしょうか。

その他、見た目もガンダム路線からは離れつつあります。素晴らしいデザインとは思いませんが、ガンダムに比べたらずっと良いと思っています。

もし絶対に背の高いミニバンに乗れ、乗らないと毎日猫の死体を庭に放り投げ続けると脅迫されたら、ビアンテ、ステップワゴンのどちらかを選ぶと思います。ただし、何も制約が無いのであれば、やはり私は背の高いミニバンには乗らないです。

いや、それは言い過ぎにしても嫁さん子供が総じて背の高いミニバンがいいと主張したら折れてビアンテもしくはステップワゴンのどちらかを買う可能性は大です。

2. CX-5 2Lと2.5Lの比較について

「CX-5は20S PROACTIVE FF + レーダークルーズが良い」の結果についてのご質問ですね。

25S L Package FFについては確かに入っていませんね。なぜでしょう…。単純に入れ忘れた可能性が大です。

いま改めて25S L Package FFという選択肢を考えてみたときに私が最も魅力的と感じる装備は10wayパワーシートです。CX-5に限らずマツダの各車種は最適なドライビングポジションが取れるよう設計にこだわったとのことですが、それでもやはり個人差があるのか、私はどうもベストなポジションにはまらない感じがします。具体的には太ももの下部、シートの前方末端にあたる部分がもうちょっと下がれば良いのにと思います。これは1年乗りましたが完全に違和感がなくなることはありませんでした。もちろん、四六時中気になって運転に集中できないというほどのものではありませんが、乗り込むたびに少し気になります。こういうところを微調整できるのは嬉しいですね。

あとは、うちは嫁さんも運転しますので、ドライバーに応じてシート位置を自動調整してくれるというのも魅力的に感じます。

一方で、排気量が増大したことによる出力の向上というメリットは私は特に魅力的とは思いません。1年間運転してみて、2.0Lのパワーで十分だと感じているからです。加速が物足りないと思ったことはありません。強いて言えば急な上り坂(例えば立体駐車場など)でエンジンが若干うるさく感じることがあるという程度です。2.5Lならばそれも解消してくれるのかもしれませんが、急な上り坂を静かに登れるということにコストは掛けたくありません。

レザーシートについても、個人的にホールド性が無いと思ってるので特に魅力とは感じません。

よって25S L Package FFというグレードは、私にとっては10wayシートを導入することで30万円程度アップするグレードと等しく、このコストパフォーマンスはすこぶる悪いと思います。

この各項目にウェイトをつけてスコアを出していくという方法はあくまでも意思決定のサポートですから、もし25S L Package FFのスコアも導出していたとしても私は20S Proactiveを選んでいたと思います。当時は「2.0Lでは物足りないのでは」という疑念が払拭できていませんでしたので25S L Package FFも検討対象になっていましたが、20S Proactiveを選んで一年乗ってみた今は、やはり私に適しているグレードは20S Proactiveであると自信を持って言えます。

私の本質はドケチなのですが、一方で高級感を求める人にとってはレザーシートや静粛性は大きなメリットかと思いますので、おすすめできるかと思います。

3.フォレスターについて

私はCX-5とフォレスターを比較してCX-5を選んだわけですが、その主たる理由が「CVT嫌い」「ADAS機能(not性能)の点でCX-5に劣る」という二点でした。

二点目に関しては、私が検討した当時はADAS機能の点でフォレスターは若干見劣りがありました。搭載されているEyeSightはver.2で後方警戒や操舵修正などの機能がありませんでした。この点はモデルチェンジによってVer.3に変更されたことにより、機能・性能の両面でCX-5を上回っています。唯一、ロバスト性(悪天候時での性能劣化)ではレーダー式であるCX-5の方に分があるかもしれませんが、頻度やユースケースを考えれば全面的にフォレスターのEyeSight ver.3の方が優秀と言っていいと思います。

現時点で改めてCX-5とフォレスター、どちらを選ぶかと問われればフォレスターを選ぶと思います。CVTは嫌いですが、同じくCX-5にはマツコネというデメリットがあります。CVTを我慢することでADAS性能・機能の向上と一般的なナビを搭載可能という二つのメリットが手に入るのであれば私はフォレスターを選びます。

…いや、でもステップATやマツダ車の設計思想や運転の楽しさも捨てがたく…。う〜ん。悩むところですが、やっぱりマツコネの酷さも再考するとフォレスターに傾きます。

ちなみに、同価格帯で比較するとフォレスターは4WD、CX-5は2WDという差がありますが私はそこまで4WDにメリットを感じない(雪道も2WDで十分だと思っている)のでプラスだとは思いません。