【質問#9】転職について

質問・悩み相談の回答です。

質問

はじめまして。

いつもプログラミングや車関連の記事を楽しく閲覧させていただいております。

悩み相談を受け付けているという事なので、思い切って投稿してみます。

相談の内容ですが、転職についてです。
私は現在、金融系SEとして4年程度働いています。現在、以下の点に不満を持ち転職しようと考えています。

(1)拘束時間への不満
担当しているシステムは24時間365日稼働しているため、トラブル発生時の夜間連絡が多い。また、システムの更改を行う場合、大晦日~正月や、ゴールデンウイークに対応が発生し、家族との長期休暇が取れない。

(2)仕事のやりがい
現職では、システムの設計書執筆や、顧客調整、関連部署調整がメインであり、コーディング等の開発は下請け業者に依頼している状態です。技術力がついているとは言い難く、やりがいも感じていません。

転職先を検討するにあたり、上記の(1)(2)の両方を満たす企業が見つからりません。そこで、(1)と(2)の優先順位を考えました。優先度は(1)が高いため、(1)を満たす職業として公務員を考えました。問題の難易度を知りたく、お試しで公務員試験を受けたところ、合格してしまいました。転職にあたり、年収は100万程度下がりますが、将来の給与の伸び率は公務員の方が上のようです。しかし、ケースワーカーや介護といった人の命に関わる業務 > もあり、やりがいを感じられる気がしません(まちづくり等はやりがいを感じそう)。
結局は給与、時間、業務のやりがい、という自身の要求を満たす仕事がないだけなのですが。。。
withpopさんは給与、時間、業務のやりがいならどれを取りますか?また、私の転職動機をどう思いますか?

拙い文章の上、自分自身の考えがまとまっておらず、分かりづらいかと思いますが、かるーくでよいのでご意見いただけると助かります。

回答

まずご質問の点から回答させていただきます。

withpopさんは給与、時間、業務のやりがいならどれを取りますか?

全部です。どれか一つが欠けるのも私は妥協できません。

また、私の転職動機をどう思いますか?

全く常識的で健全な動機だと思います。

やりがいを感じたい、そして収入も欲しいというのは仕事へのモチベーションを保つのに必須です。モチベーションが無いまま仕事をするのは誰も幸せになりません。時間がほしいというのも仕事以外の活動、すなわち家族や地域活動への貢献ということでも必須の要素です。そもそも人が豊かに生きるためにはこれら三要素が必須なのは明らかです。

「どう思いますか?」という問の裏には「時間、給与、業務へのやりがいを追求するのは不健全ではないか、悪いことではないか」というような若干の負い目を感じます。これは裏を返せば「仕事とは忙しく、つまらなく、給与も安いのが普通」ということだと思います。こういう固定観念は希薄ながら広く日本に蔓延している概念があるように思います。確かにあまり良くない労働条件のもとで働いている人たちが沢山いますが、そのような人たちは全員、自身の生活環境や労働環境を向上させ、高い給与と短い労働時間と深いやりがいを求めつづける権利があるのです。日本人はなぜか悪い方悪い方に身を寄せて我慢するのを美徳とするような文化がありますが、もっと向上心を持つべきだと思います。

であるからこそ、私はもっと解雇要件を緩和して職の流動性を高め、働く企業を選ぶ労働者側からの視点でも健全な自由競争を成り立たせ、いわゆるブラックな会社が自然淘汰されていくような仕組みを整えるべきと思います。

ちょっと話がそれてしまいましたが、繰り返しますとおっしゃっている志望動機は全く健全で、普通で、常識的で、その点についてどうこう言われる筋合いは無いと思います。

以上で頂いた質問に対しての回答は終わりですが、しかし、「やりがい」という点において質問者の方は思い違いをしておられるのではないかというように感じます。これはあくまでも私の意見です。

私はここでひとつのエピソードを思い出しました。それは、ライフネット生命の社長が述べた、以下のようなものです。

インターンシップで「名刺の入力」させるのはどうなのか ライフネット生命・岩瀬社長の発言巡り賛否両論
岩瀬社長の発言によると、「ドアの前で待ち伏せされるぐらい」熱心な学生がインターンシップを希望したため受け入れ、仕事として自身の持っている顧客や知りあいの名刺を全部Excelに入力するよう命じた。ところが、学生は2週間経った頃に辞めたいと言ってきた。「自分はマーケティングとかそういう仕事をしたかった」のに、名刺の入力ばかりをやらされたという。
岩瀬社長としては、名刺には取引先や顧客の情報が詰まっているので、「たとえば地域別と業種別に分けたりすれば、単純作業でも楽しめるはず」と考えていたようで、「面白い仕事なんてないんですね。ただ自分で工夫して面白くできるかどうかだと思います」と綴った。これが物議を呼んだ。

「物議を呼んだ」とあります通り、これは「希望を持ってやってきているインターンシップの学生に名刺打ちは酷なのでは」という意見がSNS上では多勢でした。

ただし、私は全くそうは思いません。生保は人付き合いの会社です。顧客とのリレーションシップを構築するのにとても重要な意味がある職種です。そんな会社において極秘情報とも言える経営トップのリレーションシップをExcelに打ち込むという作業をさせてもらえるのは非常に勉強になる素晴らしい仕事でしょう。私は自分がする仕事としては生保業界には全く興味がありませんが、それでも機会があるならばやってみたいと思います。それはお金を出しても買えない貴重な経験ですから。にもかかわらず、インターンシップの学生は生保会社を就職先の候補として選定した学生が2週間で辞めたいと言うのは理解できません。

つまり私が何が言いたいかというと、「やりがい」とは不変的なものでそれが備わっている職業と備わっていない職業があるのではなく、「やりがい」とは見つけるものだということです。

「まちづくり」にはやりがいがあり、「介護」「ケースワーカー」「人の命に関わる職」にはやりがいがないということはありえません。なぜならば、介護師やケースワーカー、医師になりたいと希望し、その職業につき、やりがいを感じて働いておられる方々は沢山いるからです。その人と質問者の方の違いは、それらの分野において「やりがいを見つけることができたかどうか」という点です。ただし、「やりがいを見つけられない奴はだめ」と言っているわけではないことにご注意ください。ちなみに私もその分野でやりがいを見つけるのは難しそうです。もっとも、やったことが無いだけなので、実際にやってみると何らかのやりがいは見つけることができるかもしれません。

以上を踏まえまして、公務員職について考えてみます。

現職での拘束時間への不満点は、(1)長い拘束時間と、(2)やりがいが感じられない という点でした。

(1)に関しては、

優先度は(1)が高いため、(1)を満たす職業として公務員を考えました

という簡潔な記述にとどまり、以降の文面の趣旨はどちらかと言うと(2)やりがいの方にシフトしているように思われます。しかしながら、この点は公務員という職に就くことで本当に解決できるのでしょうか。

公務員と一口に言っても多種多様な仕事がありますが、中にはサービス残業が常態化し総労働時間も増加傾向にあって問題だ、などと言われているニュースやSNS上での発言等も良く目にします。

もし、(1)が解消できないとなれば(2)の点でも悩んでおられるわけですから、ますます公務員として転職するための動機は小さくなります。もし、この点をはっきりと確認できていないのでしたら、はっきりさせた方が良いと思われます。

もっとも、夜間や長期連休中での緊急対応というのは無くなりそうですが…。

(2)については、結局は判断する時点で収集できた情報から自分で判断するしかありません。これは、過去の回答【#4】にも書いたとおりです。

同じような職に就いている人の話を聞いたり(ブログや知人などで)、職務内容をもっと詳しく調べたりして、その内容に共感できるか、興味を持てるか、公務員の方々との価値観が合うか、などを考えてみるというのがよいでしょう。ありきたりではありますが、そのくらいしか方法は無いと思います。

既に述べたように「やりがいとはもともと仕事に備わっているものではなく見つけるもの」ですので、とりあえず深く考えずに転職してみるという考え方は出来るかと思います。一方で、「何度考えてみても興味がまったく湧かないし、適性も無さそう」というのであればやめておいたほうが良いと思います。

最後にもう一点、気になるところがありましたので口を挟ませてください。

年収は100万ほど下がるが、将来の伸び率は公務員の方が良い、との点に関してです。よく、このように仰る方や「生涯年収で比べればXXの方が良い」等という考えを重視する方がいらっしゃるようですが、私はすこし疑問です。なぜならば、額が同じならば金のかからなくなってきた50代くらいから給与が上がったり、定年後に恩給1を貰ったりといったことで得たお金よりも、今現在すぐに得られるお金のほうがずっと価値があると思います。

質問者の年齢が全く分からないのですが、たとえば20代後半から30代前半と推定してみますと、このあたりは結婚して家族が増え、色々とお金がかかり始める時期です。その時に十分な収入があるかどうかは、その後の家族の人生設計にまで深く影響が及びます。もし一生独身でいるなど出費がかからないケースを考えても、同じ額の収入を貰うならばなるべく早い時期にもらっていた方が運用益が出る分得になります。

そこまで深く考えなくとも、若いうちにお金があった方が心の余裕は生まれます。個人的にはジジイになってから「何時かはクラウン」みたいな発想で良くわからない高級車に乗るよりも、今SUVを買って友達や家族と一緒にキャンプやスキーに行った方が人生は楽しい気がします。(あくまで私感ですが)

以上、色々書いてみました。

ご質問の内容から全体の雰囲気を察するに、質問者の方はまだ人生をどのように過ごしていきたいかという大局的な視点でまだ深く考えられていないように思います。もちろん、短い文章でそこまで踏み込むのは難しい事ですが、それを差し引いたとしても、「現職での問題を解決する」という点のみにフォーカスしすぎのように思います。そのような仕事の選び方をすると失敗する可能性が高いです(実体験です…)。

お仕事がお忙しいのだとは思いますが、ここで一つ今後の人生をどのように過ごしたいかをじっくりと考えてみるのが良いと思います。私の座右の銘は「人生は思い通りになる」です。悩んだまま人生を過ごすと、その後の人生も悩むことになります。自分はこうでありたい、という目標を持ち、常にそれを思い描き続ければ、そのような理想の人生にどんどん近づいていくでしょう。


  1. 読者の方からつっこみが入ったのでもう少し正確に書いておきます。恩給は明治の制度なのですでに廃止されています。現在の公務員の年金では公務員の共済年金の職域加算部分によって通常よりも優遇されています。職域部分を含めると通常の厚生年金よりも2割増し程度の受給額になるようです。また、保険料率も16.25%と通常(厚生年金の一般区分で17.474%)よりも少しだけ優遇されたものになっています。しかし、2015年10月に厚生年金に統一され保険料率も段階的に上がっていくため、数年経てば通常の厚生年金と変わらない水準に落ち着くようです。