奨学金返還がしんどいと言われる件について

ネットで、奨学金を返せないのは本当に自己責任なのか?奨学金はもはやヤミ金、サラ金以下だ!教育格差を無くせ!奨学金返済によるわワープアを何とかしろ!!みたいな言論を見かけた。何が言いたいのか最初は分からなかったが、よくよく読むと「奨学金の支払いを免除しろ」「っていうか大学の学費自体無償にしろ」という主張のようだ。色々意見はあると思うが、個人的には同意しがたい。

まず、ローンとしての奨学金はその他一般的なローンに比べると十分に良心的であると思う。一般の人が組める最も低金利なローンは住宅ローンだろう。最近の住宅ローンだと変動で金利優遇適用後に0.775%という値をよく見るし、ネットバンクだと0.588%などという金利も見かける。ちなみに、2015年9月時点での長期プライムレートは1.1%だった。

その他、自動車ローンの金利が安くて2%前後、普通は4%前後、高いと7%くらいになるのではないだろうか。銀行が商品として提供している目的別ローンみたいなものは5~10%くらいが多いだろうか?フリーローンだと10%超えるかもしれない。クレジットカードのリボ払いや分割払いは結構金利が高く、15%弱くらいが最頻値のような気がする。

そんな中で日本学生支援機構の最新の金利を調べたら、平成26年3月貸与終了の場合、利率固定で0.82%、利率見直し方式で0.20%ということになっていた。

第二主奨学金の利率・利息に付いて

奨学金なのだから当然と言えば当然なのだが、やっぱり他のローンに比べると非常に安い。個人的にはこの金利設定が別段高いとは思えない。この金利で借りて「返すのがしんどい!」というのは、つまり返済計画の見込みが甘かったとしか言い様がないと思う。

それに、学生支援機構の奨学金(その他、都道府県で運営している奨学金含む)は経済困難による支払いの猶予や減額の申請が可能なのである。これほど恵まれたローン制度は奨学金以外ではあり得ないだろう。奨学金がヤミ金、サラ金以下だという主張はちょっと意味が分からない。

また、教育は国家戦略上重要なのだからもっと税金を投入して補助すべきという意見もある。たしかにそれは一理ある。しかしながら国家予算は無限では無いのであって、投入するのに見合ったリターンがなければいけない。例えば、「大学授業料を低価格化、もしくは無料にしまーす」という政策を実施したとして、今まで大学に行こうと思ってなかった人間が「まだ就職したくないしとりあえず大学に行ってみようかな」程度の理由で進学、4年間を合コンとバイトで過ごし、就職戦争に敗れてニートになりました、みたいな人間を量産してしまったらそれは正しい税金の使い方と言えるのだろうか?

奨学金に第一種と第二種という区別があり、第一種は誰でも適用になるわけでは無いという意味を良く考えて頂きたいと思う。税金を投入するのだから、それなりの人材が育成されなければ困るのである。そのために、ある程度やる気のあって成果を出せるやつにしか奨学金は出したくないのであって、であるからこそ制限を設けているわけだ。

そういうのは前時代的な考え方だ、みよ、北欧(もしくはヨーロッパ)の国々はほぼ無償で大学に進学できる、そういう発想が出来ない日本人は遅れてる、みたいに「海外に比べて日本は~」のようなありがちな意見をいう人も居るでしょう。それも考え方の一つではあると思いますが、もしそれが本当に良いと思うのなら大学の授業料が無償になっているような国々に住めばいいのではないかと思う。特にノルウェーやドイツなんかは外国人でも学費が掛からないため、国籍を変える必要すらない。それでいてハイレベルな教育を受けれるのである。じゃあ北欧の大学に行けばいいじゃん。と思う。絶対にそのほうが視野が広がって良い経験になるし、後で日本に帰ってきたときも箔がつく…かもしれない。

もしそこで「英語ならまだしもドイツ語やノルウェー語を勉強するのはしんどい。現実離れした意見だ」と思うのであれば、それはもはやわがままであると思う。あれはしたくない、これもしたくない、とにかく大学を無償にしろ、なんて要求は通らない。決められた仕組みの中で出資を得るのだから制限があって当然である。自分が何の努力もせず、一方で「教育格差を是正しろ」と言うのは問題のすり替えである。

ネットの一部を見ていると何かと国家のせいにする人が多い。日本国政府があらゆる問題に対して適切な行動を取っているかというと確かにそれは私もそう思わない。しかし、国家なんてものはそんなものである。無条件に他人(組織)に期待するのがそもそもの間違いであって、与えられた枠組み・システムの中で最も良いと思う選択をその時々にしていかなければならないのではないだろうか。国がもしクソならばクソの中で最もマシなクソとして生きるのがクレバーな生き方である。そしてそんなもんは一々言うまでも無く当たり前のことではないだろうか。

最後に批判だけだと建設的でないので一つ私がやっているテクを紹介したい。「ああ、今月も奨学金を返還した」と毎月通帳を見るとしんどく感じる。なので、奨学金返還用の口座と給与振込口座を分け、ボーナス時に半年分を一気に返還用口座に振り込み、あとは半年放置すると「奨学金が・・・」と思う回数が年12回から2回に激減する。人間は結構アホで、思い出す回数が少なくなると支払額が同一でもしんどいという感覚が麻痺するので、この方法は非常におすすめ。