アイドルと仕事

この話ももしかしたら以前書いたかもしれない。

その昔、AKBの誰だったか、恋愛禁止なのに恋愛して坊主頭になった女の子がいた。坊主頭で涙を流して謝る動画を見たが、なんというか狂気としか表現しようのない不気味なものだった。と、私は思った。

私は別に人間なんだから恋愛くらいしたっていいじゃん、ファンも事務所も固いこと言うなよと思っていたが、Twitterか何かで誰かが「アイドルは純真でファンを第一に思ってくれるという夢を売る商売なのだから、恋愛したらビジネス上問題がある」と言っていて、私はなるほどと思った。アイドルは夢を売るビジネスだ。私は正直アイドルは興味もなかったので知らなかったのだが、つまりファンはアイドルのグッズや握手会やライブを見に行く、それに対して対価を払っているのではなくして、彼ら・彼女らは夢を買っていたのだな。

そう考えると福山雅治が結婚したときにファンの女性たちがショックを受けて泣き、「いつか私のものになると思っていたわけじゃないけれども、それにしたってひどすぎる」とうったえるのも合点がいく。福山雅治はアイドルではないが、ファンはアイドルだと思っていたのだろう。夢を売る商売をしていたと思っていたのだろう。

こないだも「タバコ嫌いを公言しているアイドルが腹立つ」という話を目にした。例えば私はプログラマだが「プログラマっておしなべてキモいよね。社員紹介で撮影があるのにまともな服着てこないような常識のない人たちばっかりだし」などと的確だがイラつくことを何度も何度も言うアイドルがいたらイラッと来ると思う。私がたまたまタバコ吸ってないし、タバコやめてからタバコ嫌いになったから若干同意するところもあって気にならないというだけだろう。

そういう点でいうと例えばサービス業の頂点であるディズニーランドとかは偉いと思う。ミッキーは夢を売る商売の代表格だ。だからミッキーは「喫煙厨は正直来ないで欲しいんだよね。汚いおっさんが喫煙所で屯してる姿は夢の世界にふさわしくないだろ?ハハッ!」みたいなことは言わないし、「いい年して年間パスポート買ったりしてるからずっと独身なんじゃないのかな?ハハッ!」みたいなことも言わない。ミッキーは夢を売る商売を分かってる奴だ。

ちなみに言えば、昔のディズニーはドナルドが「ハイル・ヒットラー!ハイル・ヒロヒト!ハイル・ムッソリーニ!!!」とか叫んでたりするアニメーションを作っていたのだけど、そういうのは伏せてる。調子づいて「ディズニーXX年の歴史」みたいな、バレかねない安易な企画はやらない。常に未来に生きてる。ミッキーは分かってる奴だ。

でも逆になんでも正直に言う商売があっても面白いと思う。有吉や坂上忍やマツコ・デラックスあたりの芸能人がテレビに出ているのは思ったことをズバズバと言うのが心地よいと思う人達がいるからだろう。現代のテレビはクレームを恐れていちいち「スタッフがおいしくいただきました」「XXさん個人の見解です」「XXの危険があるため真似しないでください」などと興ざめな注意書きを入れてくる。

おそらく、今後企業がSNSでの「炎上」対策、防止活動や顧客(Consumer)対応にかけるコストはどんどん上がっていくだろう。つまり一部のクレーマーのために生産性がどんどん落ち込んでいく。よろしくない。これを防ぐためにはもっと人々が寛容になることが重要だ。寛容になるためにはどうすればいいか?日本人は前例に倣うのが好きだから前例を作ればいい。毒舌ミッキー的なキャラクターが活躍するテーマパークみたいなのがあるとすごくいい。と、思った。

アイディアも金も出さないですが、誰かよろしく。