新型プリウス(2015年末)はもはやエコカーではない

新型プリウスが発表されました。思ったことを書きます。

外観のデザインについては、まあ、格好良くは無いと思います。国内外のブログを見て回りましたが、余り良い評価は見つけられませんでした。ただ、センターコンソール↓

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image from Car watch

に限って言えば非常に良いと思います。私はこういうSFチックなデザインがとても好きです。まあ実際に買うとなると傷が気になるとかテカりすぎとか色々あるんでしょうけど。

ハイブリッドシステムはさらに低価格化されたそうですが、販売価格は上昇。つまり足回りにお金をかけてダブルウィッシュボーンを採用しているのでは、等という憶測も囁かれています。ダブルウィッシュボーンだから良い足だとは一概にいえないと思うのですが、まあそういったユーザー心理を読むあたりはトヨタらしいとも思います。

今回のプリウスの外観や価格の予測などの一連の情報を眺めてみて思うのは、もはやプリウスとはエコカーではなく、プリウスという車そのものが魅力なのではないかという考えがより強固になりました。

2011年、私が現行型(ZVW30)プリウスを買った時は、(フル)ハイブリッド車と言えばプリウス、インサイト、エスティマハイブリッドの3種類しかありませんでした。その頃のHonda IMA-HybridはトヨタのTHSに比べればずっと程度の低いものでしたし、EV走行も出来ませんでした(だからといってインサイトが悪い車というつもりはない)。エスティマハイブリッドは「とりあえずミニバンでもハイブリッド出してみた」という感が全開で、高額な車体価格も相まってとても買う気にはなれないシロモノでした。となるとハイブリッドに乗りたければプリウス、というのが半ば常識に近かったように思います。

それからたった4年でハイブリッド車の選択肢はずっと広がりました。ハイブリッドに乗りたければプリウス、という時代は過ぎ去りました。特に私が重要と考えているのが、AQUAやカローラフィールダー、Fitといった廉価なハイブリッド車が拡充されてきたということです。つまりハイブリッドは唯一無二ではなくコモディティ化がより進み、ハイブリッドであるという特別な強みは薄らぎつつあります。

そんな中でプリウスという燃費を再優先にしたハイブリッドであることが存在理由である車がモデルチェンジを迎えたとき、どのように進化させるべきかということを考えると、これはもうプリウスであるという特性を最大限に活かすしか無いと思うのです。

数年前はプリウスにGTウィングやフルエアロを組んだ車を見ると「ああ、アホなのかな?」と正直なところ思っていましたが、今では珍しくも無くなりました(理解は出来ませんが)。プリウスは消費者に受け入れられ、エコであるから、ハイブリッドであるからというよりは、プリウスというそれ自体に価値が芽生えたのだと私は思っています。

加えて先に述べたように廉価はハイブリッド車が増えてきました。燃費が良いからプリウスを選ぶ、という人はよりエコノミーな車種を選ぶでしょう。TNGAがどうとか言っても、そんなものに価値を見いだせる人はごく一部です。マーケティング的には弱い。

であるならばプリウスである価値を増大させるしかありません。それがダブルウィッシュボーンであり、一般受けしそうにないあの外観であり、高価格化なのでしょう。

おそらく新型プリウスは売れるでしょう。しかし、「エコノミー」を求める層が離れることで今までの売れ方とは大きく異なってくると思います。

ちなみに、私が思う一番の魅力はやっぱりToyota safetysense Pが載る最廉価車種(たぶん)という点だと思うのですが、私が思うほどADASは世間的には重視されていないように思えてきます。交通事故という精神的にも金銭的にも多大な苦痛を伴い、時に社会的な地位を失うというリスク自体を減らせるという点で、任意保険よりも重要な要素だと私は思うのですが…。