Volvo主要モデルにディーゼルを設定

らしいす。

ボルボ、クリーンディーゼル「D4」エンジンを日本導入、主力5モデルに搭載

ボルボ、“Drive-E クリーンディーゼル”搭載5モデル発表会

Car Watchの記事では技術的な詳細までもがある程度発表会で明らかになったそうです。

インジェクションはi-ARTなるデンソー製のコモンレール、ミッションはアイシン製8速AT。

i-ARTは乗用車用では世界唯一と書いてありますが、以下記事

デンソーのクリーンディーゼルエンジン用製品である「i-ART」が2013年日経優秀製品・サービス賞の「日経産業新聞賞 優秀賞」を受賞

を参照すると「トヨタのブラジル向けハイラックスに初搭載」とあります。ピックアップトラックは乗用車ではないんですかね…。トラックだから乗用車じゃないんでしょうね、たぶん。米国でピックアップトラックを若年層が良く乗ってるというのは税金が安いからと聞いたことがありますが、なんか業務用みたいな扱いになるのかもしれません。

i-ARTは1秒間に最大9回程度の燃料噴射が可能だそうです。そういえばSKYACTIV-Dもピエゾ素子で9回程度噴射しているという話がありました。i-ARTはなんとソレノイドで9回程度噴射しているそうです。

まあ、

image from carwatch

単位が「回」では厳密な反応速度を比較することは出来ませんが、なんか凄そうですね。ちなみにピエゾ素子式のインジェクタは高価で、ソレノイド式(電磁石式)のインジェクタはそれよりも安価だそうです。安くなるのは良い事です。

SKYACTIV-Dのインジェクタも元を辿るとトヨタ/デンソーあたりから調達してるのかもしれませんが。少なくともマツダ単体で作れるような代物ではないでしょう。

image from carwatch

また、コモンレール(各インジェクタ共通の蓄圧燃料タンクみたいなもの)に高圧の燃料を供給するためにタイベルで燃料ポンプを駆動しているそうです。へー。こうなってんのか…。まあ、電動ではないとは思っていましたけど。タイベルに接続するとフリクションロスがーとか思う人がいるかもしれませんが、高圧と言えど噴射する燃料は微々たるものですので、それほど大きなエネルギーは持って行かれないと思われます。たぶん。

ちなみに、関係ないですけど紅の豚で操縦席左前方にある小さいプロペラも燃料ポンプです。風力式です。エコですね。現代の空中給油機でも風力式のポンプを利用しているものがあったと記憶しています。

次にアイシンの8速ATというのは、正確な型番までは分かりませんがこんな感じのやつでしょう。

高容量FR8速オートマチックトランスミッション(TL-80SN)

普及価格帯の車で7段以上の多段ATが載っている車はそれほど多くありませんが、アイシンの8段AT自体はずいぶん前から作られています。上記ページを見ると2012年に世界初の8段ATを作ったとありますね。ステップ幅を小さくすると同時にワイドレンジ化もしています。

一部のユーザーからはデュアルクラッチトランスミッション(DCT)への人気がいまだ根強いですが、7~8段となってくると頻繁にギアも変わるので、変速ショックが比較的大きいDCTは乗り心地の面で不利になってきます。また、違和感の無いなめらかなクリープを実現するための解決策もいまだありません。今後、多段化が進むとトルコン付ミッションの採用が増えるのではないかと個人的には思います。とはいっても、CVTのノウハウも国内ではかなり蓄積され、弱点もどんどん解決されていますから、運転フィーリング的には大差なくなってくるのではないでしょうか。

気になるのはホンダのi-DCDですね…。やはり制御の複雑さからか、いまだにぎくしゃくとした変速になってしまうという話を聞きます。が、その制御ソフトの出来が優れた方式だと思うのですけどね。ただDCTである限り、かつトルコンをどこかに挟まない限り、変速ショックの抑制は難しいでしょうからこれも多段化していったときにどうなのかというのはあります。というか多段化すると制御がさらに難しくなるのでさらにギクシャクするのかも…。

話しをvolvoに戻すと、多段ATとディーゼルエンジンの組み合わせは中々良いのではという気がします。最近のディーゼルは以前のディーゼルより回るとは言っても限界がありますので、なるべくエンジンをパワーバンド帯で回してあげるためにはギアの段数は多い方が有利です。

D4エンジンのトルクカーブ&パワーカーブも公開してくれています。まあ普通ですね。

image from carwatch

そして特筆すべきはディーゼルエンジン搭載モデルとガソリンエンジン搭載モデルの価格差です。設定している価格は25万差、税制優遇でここから10.6万円差額がさらに縮まるとのこと。よって差額は14.4万円。ここまで差が縮まると燃費性能向上分のメリットで車体価格差をペイできる可能性が高まってきます。記事中では「年間1万km乗ると3.3年後にペイできる」ということが書いてあります。

ただ、計算している表を見るとガソリンが155.6円/L、軽油が123円/Lとガソリンと軽油のガソリン差が32.6円といささか有利な値で計算しています。軽油とガソリンの価格差は税制の差でほぼ決まってきますから、平均を取れば大体24円差くらいになるはずです。確かに30円差近い価格差がある表示も絶対見ない、ありえないと言うほどでもありませんが…。

でもこれを24円差に直してガソリン147円軽油123円で計算しなおしたところ、回収期間は3.78年と半年弱の差しかありませんでした。ということは、この程度の価格差であれば経済的な理由でディーゼルを積極的に選ぶモチベーションはあるということです。

クリーンディーゼルが出た当初は50万程度の価格差でようやく利益が出るとか言われていましたが、ディーゼルも安くなったものです。

そうは言ってもVolvoは最廉価なV40でもT3(ガソリン)が324万、D4(ディーゼル)が349万と結構なお値段の車種であります。マーケティング的な理由でT3とD4の価格差を縮めているということは大いに考えられる話であって、車体コストが販売価格に大きく効いてくる200万円台の車種でこのくらいの価格差になるのはもう少し先の話のような気がしますね。