なぜロータリーエンジン搭載車は再販されないか

また性懲りもなく下記のような記事が書かれているのを見つけました。

IS MAZDA SECRETLY PREPARING A MAZDA6-BASED COUPE POWERED BY A ROTARY ENGINE?

内容としては、Mazda6(アテンザ)ベースのロータリーエンジン搭載車を開発中だというものです。こういう記事は嫌になるほど見ました。大体海外のブログが「マツダ筋」みたいなあいまいなソースを基にロータリーエンジンの復活を示唆し、それにつれられて国内外のブログが一斉に報じ、1か月~2か月もするとみんな忘れるというのを繰り返している気がします。

今回の記事が過去のそれらの記事と異なるのは、「環境対策に電動化を採用」という言葉が混じっている程度でしょうか。

おさらい

過去報じられた、ロータリーエンジンの復活について信頼できる情報は私の知る限り以下しかありません。

Mazda design chief insists no new RX without rotary engine

上記記事を基に書いた過去記事が以下です。

マツダはRX-7/8の後継を作りたいけど作れない

前掲の記事は前田育男氏からのインタビューになっており、要約すると

  • 新しいRXを生み出すことを諦めていない
  • しかし、現段階では何も決まっていない
  • 時期RXを開発するならばロータリーエンジン以外考えられない
  • (直4などの)SKYACTIVエンジンを載せたスポーツカーを作るならRX以外でやる
  • 新型が作れない最大の要因は需要が無いこと。社長の小飼雅道氏は「新型開発を正当化させるなら年間10万台のセールスは欲しい」と言っている

とのことでした。その他、関連する発言としては、「(現在の)7車種のラインナップで(開発リソースが)大体最大値」(小飼社長)(Mazda's next big challenge)というものがあります。7車種はおそらく以下を指していると思われます。

  • Mazda 2(デミオ)
  • Mazda 3(アクセラ)
  • Mazda 6(アテンザ)
  • CX-3
  • CX-5
  • CX-9(現時点で日本未投入)
  • MX-5(ロードスター)

素人目にみても、通常のレシプロエンジンとは異なるロータリーエンジンに特殊な技術が必要であるのは容易にわかります。加えて先に述べたように年間10万台のセールスですから、これを国内だけでさばききるのは不可能で、当然グローバル展開する必要があります。するとローカライズ(と言っていいのか分かりませんが)により開発リソースがさらに必要になります。SKYACTIV戦略が一巡し、継続的に車を買ってもらうためにはSKYACTIV-Gen2の開発を急がねばならないこの時期に、何台売れるか分からないロータリーにリソースをつぎ込むというのは合理性が感じられません。

 

まとめ

まとめると、ロータリーエンジン搭載車が販売されない理由は、

  • 売り上げが見込めない(最大要因)
  • 開発リソースが確保できない

の2点に集約できるのではないかと思います。ロータリーエンジンが無くなった直接の原因は排ガス規制への対応ができなかったからと言われていますが、これは技術的に不可能であったわけではなくしてコスト的に不可能であったのだと思います。もし技術的に難しいならば前田育男氏からのインタビューでも当然言及されているはずです。そしてコストが掛かる理由は通常のレシプロエンジンにおける環境対策技術が流用できないというあたりなのだと推測されます。

今回紹介した冒頭の記事に関しては環境対策に関する解決策を示しているものの、上記二点についてどうやって解決できるのかという点については触れられていません。個人的にはこの記事も信憑性は低いのではと判断します。