結婚しなくていいじゃん

タイトルのようなことを言うと結婚したいけどできないという人から怒られそうだけど、私はそう思う。

未婚男女の37%「恋人いらない」…少子化白書

上記記事を見て思った。上記記事はもうタイトルが全てなんだけど、20歳~39歳の未婚男女のうち37.6%が「恋人要らない」と思ってるらしい。一方で「欲しい」は60.8%でした。この結果は別に驚くべきことではないと思います。むしろ個人的には好感が持てるくらいです。だって合わせて実に合わせて98.4%の人が「恋人が欲しい」「恋人は要らない」とはっきり明言できているのであり、そこには何らかの理由があるんでしょう。それぞれの思いが。それに基づいて、いらん、とか、いる、とか胸を張って言えるんであれば、その点だけ見れば意思がはっきりしていて良いと思います。

ただ社会としてはアカンからこうして新聞に載るのであり、タイトルから察することが出来るように「少子化が進んでるなか4割近い人が恋人いらねえっつってるよ。ヤバいじゃんこれ」ということだろう。当然ながら。

でも正直、私は少子化の何がアカンのかいまだに良くわかっていない。それは私がアホだからである可能性が大なので、それを前提としつつ、ここからの文章はあくまで私個人の思うところであるということで読んでほしい。

少子化による悪影響としてよく挙げられるのは

  • 一人あたりの社会保障負担の増大
  • 需要と労働力が減ることで経済がシュリンク
  • 過疎化・限界集落の発生により特定の地域での生活が困難になる

あたりだと思います。そのほか、子供の教育がどうとか伝統行事がどうとか地域コミュニティがどうとかいう意見もありましたが、因果関係が特に眉唾なのでここでは論じません。

で、私がまず思うのは1番目の社会保障負担というのは国家百年の大計という規模で見ればごく短期的な問題に過ぎないと思うのです。つまり団塊の世代の方々が全員天寿を全うすれば社会保障負担は大幅に軽減できるでしょう。つまり政治としてはその短期間の問題に対処すればよろしいかもしれないのです。「かもしれない」というのは、社会問題化しない程度にまで社会保障負担が軽減できるかどうかの見積もりが私にはできないからです。

でも社保庁あたりだったらすぐできるでしょう。すぐできるのにそういう長いスパンでの見通しを見たことがありません。キツイキツイとか「ほーら、若者2人で老人1人を支えるんですよ!!!」とかおばあちゃんを担ぐ苦しそうな若者のイラストを見せられるばかりで本質が見えてこない。そのあたりの算出をまずやっとんのか、短期的に社会保障を圧縮すればいい話とちがうのか問題の本質はなんなのかという点で疑問。

そして最もおかしいと思うのが、出生率の低下と社会保障負担をリンクさせるという点。だって今から出生率を上げた所でその赤ちゃんが自分で金稼いで税金納めるようになるまでに少なくとも20年前後かかるし、そして出生率を上がる施策を打ってから出生率が上がるまでも数年かかるだろう。「今から早くて30年後には解決してるかもしれないです」みたいな案は解決策と言えるのだろうか?私には単に「負担する母数が減ったんだからふやしゃあ良いじゃん、にゃあーん」程度のふざけた考えとしか思えない。

というか老人一人を支える労働人口を長期的に維持するならば日本の人口はどんどん増え続ける必要があるが、それはとても非現実的だと思うのだがいかがだろうか。だとすれば、持続可能な社会を目指すならばそもそも「たくさんの労働人口で少数の老人を支える」ような恵まれた構図になるたけ近づけようという考えがそもそもの誤りであって、身の丈に合った保障制度にフィッティングしていかなければアカンと思うのだがどうだろう。

次の需要と労働力が減ることで経済がシュリンクというのも疑問。これもどの程度という見積もりはあるのだろうか。私は見たことない。

この論は生産量はマンパワーに比例するというあまりにも短絡的な前提に基づいており、産業革命以降の近代化・情報化によって労働生産性はずっと向上してきているという事実を無視していると思う。

What Drives Productivity Growth? Implications for the Economy and Prospects for the Future

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上記の点線部分が米国の労働生産性で、少なくとも1947年以降ほぼ線形で単調増加していることがわかる。ならば、同程度の傾きで人口が減り続けても同程度の生産性は維持し続けることが可能であるとも言えると思うのだが、どうだろうか。もちろん、上記グラフはnon-farm(農業以外)であるし、これだけを持ってして維持できると言い切るつもりもない。

私が言いたいのはあくまでも、人口減による労働力減少というマイナス要因の他に、労働生産性が向上し続けているというプラスの事実も同時にあるが、そういうのを全部加味して経済がシュリンクすると言ってんのか、自分に都合の良いマイナスの事実だけを持ってきてるんじゃないのか、ということである。

また、過疎化・限界集落の発生というのも少子化だけが原因ではないでしょう。私は少子化が原因だったのではなくして都市圏への労働人口の一極集中がそもそもダメだったと考えています。私がまさにその実例の一つですが、私は出来れば生まれ育った秋田で就職して子供を育てたかったと思います。しかし諦めました。なぜか。地方には仕事が無いからです。

一方で都市圏の人口はどんどん増大しています。2014年には東京圏への流入人口が10万人を超えたそうです。また、2013年の統計では都内の出生数がほぼ11万人だったそうです。東京で生まれる赤ちゃんと同じくらいの人口が東京圏に流入しているのです。その流入した人口の多くは労働者でしょうから、その人らが東京圏でさらに子供を産むということです。そんなことをしてたら地方がスカスカになって当然でしょう。

ならばどうすべきか。私は地方にもっと権限を持たせて経済特区や独自の起業支援施策のようなものをたくさん創設し、経営者が「ここに会社をたてたい」と思うような魅力的な行政をやらなくてはダメだと思うのです。だからこそ道州制を私は一貫して熱心に支持しているのですが、世間の関心はそれほど高く無く、「どうせ東北は全部仙台州になるんでしょ」などと本質的でない意見ばかりを目にします。

それをば、何ですか?「少子化が問題だよう…。そうだ、街コンを開いて行政が恋愛を支援すればいいんだにゃあ」とか「ゆるキャラを公募して魅力的な県をアピールすればみんなきっと戻ってきてくれるよう!」などという中学生が社会の授業で考えた程度の浅い考えに税金を無駄に投入し、投入しきったら「あはーん、終わった終わった。今回はXX組のカップルが誕生しました。パチパチ。じゃあ我々もお疲れ様パーティーでも開きますかな」などとのたまわって酒を飲みのみ、次の週には良い思い出の一つ程度になっているのであり、投入した費用に対して効果はどうだったのか、良かったのかアカンのかということを算定もせず、ひたすら「僕たち頑張ってるんです!!!!」アピールばかりしているように私の目には映る。「どげんかせんといかん」みたいな超曖昧なフレーズがキャッチーだという理由だけで「あの人頑張ってるぅー」みたいに思われる。お前ら全員馬鹿じゃないのか。

私は先に述べたように、まずは働き口を用意しなきゃならんと思う。まず優秀な企業が地場に根付いてこそ、そこに従業員が集い、従業員の生活がその他の関連産業を呼び込むのである。そのためには各地方の特性に基づいた大胆な施策を打ち出すことが不可欠なのであり、そのためには道州制を導入して権限をもっと地方に移譲しなければならんのである。

特に現代は情報化が進んだので、物理的な距離による制約というのはどんどん薄らいでいるはずだし、絶対に都市圏でないと仕事が成り立たないなんて業種はそれほど多くない筈だし、特にしがらみのない新規起業主なんかは税制や行政支援で何か魅力的なものがあれば、住居や生活面でのリスクが低く抑えられる地方で起業しても良いと思っている人も多いのではないかと私は予想している。

だから地方市町村の行政ではたとえば若い起業主にアンケートをとり、どういう施策があったらうれしいのかというアンケートの一つや二つでも取ったりして、んで積極的にそういう人たちと行政がコネクションを持つとか、そういうことをするのが重要なのと違うんか。どーなんだよ、え?おい。

とまあ、話がヒートアップしてきたところで、一旦まとめると、私は「結婚したいとかしたくないとか個人の勝手だし、別に人がわざわざ言う事でもないんじゃない」という考えが前提にあり、そのうえで「少子化の弊害と言っている問題は本当に少子化が原因で、今から少子化を解消することで解決可能なのか、他に案があるんじゃないのか」という考えもあります。

というわけで「別に無理して結婚しなくても良いじゃん」という結論に至るのですが、それでもなお人と人との結婚に干渉しなければならない理由があるとすれば、「結婚したいけどできない人たち」をどげんかせんといかんという事で出会いを紹介してあげたいという熱き思いでしょう。ただこれは一部の人の欲求を満たすための方策である(前論までの前提が正しいと仮定)がために行政が干渉するためのモチベーションに乏しいと思います。

だったら民間はどうでしょうか。民間ではすでに結婚相談所が名を連ねており、「X万組のカップルが誕生しました!!」などとアッピールしています。喜ばしい事だと思います。喜ばしい事ではありますが、しかし私がここで一つ思う事があるとすれば、これが抜本的な解決とはなっていないんじゃないかと思われるということです。

結婚相談所のトラブルというのは良く耳にしますし、料金も聞くところによると中々良い値段を取るらしいですし、そもそもちょっと「結婚相談所なるものを利用するのに抵抗がある(具体的な理由は控える)」という根本的なものもあるでしょう。そもそも、独身者のアンケートで「結婚したいけどできない」と回答した人が60%にも上っているのですから、少なくとも効果が十分であるとは言い難い。

だからもうちょっとクールでキャッチーでリーズナブルでクリーンでオープンなサービスがあったら良いんじゃない?という気がする。だったらそれ作れば儲かるかもしれんな…とも思ってきた。JOIN USとかが話題になってるあたり、こういう方面は潜在的な需要があるのかもしれん。

今回の結論は「結婚しなくてもいいんじゃない?」→「結婚相談所の代替作ったらいいかもしれん」という真逆とも思えるものになりました。以上。