Mazda 2(デミオ)は米国で発売されない?

なんかそうなんじゃねーかなーと思ってたけど、やっぱりそうでした。

Redesigned Mazda2 hatchback sits out U.S.

ざっくり要約すると、ガソリン価格の低下が続いたことから小型車展開の優先度が下がっているとのこと。Mazda 2を各ディーラーで展開する費用対効果を考えたら、むしろ利幅の大きい車種を展開することに注力したほうがマシ、という旨をsenior vice president of U.S. operations at Mazdaな人が言っています。

Mazda 2の売り上げを調べてみると、2014年度は年間13,456台、2015年1月は月間112台です。

November 2014 U.S. Vehicle Sales Rankings - Top 279 Best-Selling Vehicles In America - Every Vehicle Ranked

January 2015 U.S. Vehicle Sales Rankings - Top 271 Best-Selling Vehicles In America - Every Vehicle Ranked

まあ、確かに月間112台を売るために全ディーラーに試乗車を置いたり社員教育させたりというコストを考えたらなんか微妙な感じがします。モデル末期だから売り上げが少ないのでは?とも思いましたが、2014年度も年間で13456台ですから、特に売り上げが減じてきているというわけでもなさそうです。

ただ、米国での小型車の需要が無いわけではないですので、投入してみても良いのでは…と素人考えでは思います。

WSJ - Auto Sales

余談ですが、やっぱりSUVへの移行はまだまだ続くみたいですね…。

まあ、販売コストがいくらかなんて素人には分からないですからね。知ってるのは自動車メーカーの経営層くらいでしょう。

ただ、昨今のながらを鑑みると、本件をトヨタの横やりが入ったのでは、と思う人も居るのではと思います。

殆ど同じ仕様で顔面だけが醜悪になったサイオンiAとMazda 2では圧倒的にMazda 2の方が売れます。…もとい、米国市場で若年層向けのラインナップが弱いトヨタがそれを改善するためにマツダからMazda 2をOEM調達するのですから、OEM元となった車種が同じ市場にあふれて同じターゲットを取り合うのでは元の木阿弥です。

だからトヨタが圧倒的な企業規模を背景に力でねじ伏せたのでは、Mazda 2はトヨタに強奪されたのでは…と思う人がいるかもしれませんが(さすがに居ないかな?)、それは違うと思います。サイオンブランドでのMazda 2提供はメキシコ工場建設時にトヨタとマツダが2012年に合意していた内容だからです。

マツダ、トヨタ小型車生産 メキシコ新工場で北米向け

トヨタ自動車とマツダは9日、マツダのメキシコ新工場でトヨタの北米向け小型車を生産することで合意したと発表した。2013年度に稼働予定のマツダの新工場で、15年夏ごろからトヨタブランドの車を年5万台程度生産する。マツダの小型車「デミオ」をベースに生産し、トヨタの販売店で売る。

トヨタは能力増強分の設備投資や開発費の一部を負担する。トヨタは北米における商品ラインアップの強化を、マツダはメキシコ新工場の稼働率向上を狙う。

つまり、マツダ側からみれば、メキシコ工場での設備投資、開発費の一部をトヨタに負担してもらう見返りに、北米向けにMazda 2を差し出すという約束だったということです。マツダにしてみれば出来上がった車種がマツダから販売されようとトヨタから販売されようと工場稼働率は上がるので、素人目にはマツダにとってかなり良い取引のように思えます。というか、企業間のやり取りを見ているとトヨタは基本的に太っ腹だと思います。

厳密に言えばトヨタにMazda 2を提供しつつ、自社チャネルでの販売も行うという行為を行うことは上記文面とは矛盾しませんが、常識的に考えればそういう条件でトヨタがOEM調達を飲むとは思えません。先に説明したように不利な条件だからです。ですから、この時点からMazda 2は米国(北米?)で展開しないという合意があったとしても不思議ではありません。

マツダ的には、それに加えて冒頭の記事のとおり、単に不人気車種にリソースを割きたくないということがあるのでしょう。

なのでもし今回の件でマツダがトヨタに対して文句を言うところがあるとすれば、「なぜサイオン iAをあんなに格好悪くしたのか」という点に尽きるでしょう。「下手にいじらなきゃもっと売れるのに!!」って。

まあ、Scionのラインナップを見ると大体ダサいのでしょうがないですね。もっと言えばトヨタはユーザーの声を取り入れるのがすごく得意な企業ですから、ダサいデザインを好むセンスの悪いユーザーが多いのが根本的な原因と私は思っています。ミーハーな輩が好みそうなデザインだわ。

そして今回の事と全く真逆の事を言うようですが、Mazda 2は販売されないんじゃなくて遅れるだけというニュースもあります。

U.S. Launch of 2016 Mazda2 Delayed

 

その詳細は、CX-5やCX-3といった売れ線車種にフォーカスを絞りたいのであって、Mazda 2を売らないということではないと。これが本当であれば、これまでに書いたことのいくつかは間違っていて、マツダは本当に単に販売リソースが足らないだけであり、工場が立ち上がってから販売リソースを割けるまでのブランク期間にサイオンブランドでトヨタが独占販売できるという点で両者の利害関係が一致しただけなのかもしれません。

もしくは、トヨタ自体深い考えは無くて、まー若年層向けの車種がちょっとでも埋まればいいや。それにマツダに恩を売っておくのもわるくない。交渉カードとして残しとこ、くらいにしか思ってないのかも。