ドライブレコーダーを検討する

「貰い事故でも賠償責任」が発生するケースがあるらしいし、昨今は気軽に交通事故で損害賠償訴訟を起こしているらしいので、これを鑑み、ドライブレコーダーの具体的な機種を選定する。

色々考えた結果、以下が重要であると判断した。

要求仕様

  1. 信頼性(長期にわたって故障しない、熱に強い)
  2. 映像をすぐに確認できる機能が備わっていること
  3. 目立たないこと
  4. 200万画素以上
  5. 広角レンズであること

1.は当然である。いざというときに故障していました、動作していませんでした、ではお話にならない。ではどうやって信頼性がが高いか低いかと判断するのか。製品カタログにMTBF時間が載っているわけでもない。が、設計思想からある程度は読み取れると思われる。具体的には、機能がシンプルな割に値段がある程度高いことがひとつの判断基準になると思われる。こういう機種は余計なところに金をかけていない分、レコーディングという標準機能にお金をかけていると推察できるからだ。

反対に安い割に機能が充実している製品は要注意だ。「あれもこれも」を本体に押し込みすぎたしわ寄せが何処かにのしかかってくるはずだ。

2.は警察・保険会社担当などにその場ですぐに事故状況を客観的に説明することが必要なため。

3.は日常的に運転していて邪魔にならないように。

4.は、これまでWebカメラなどを使用していた経験からこの程度が必要と判断したからだ。安いドライブレコーダーだと30万画素程度のものがあるが、30万画素の動画はお世辞にも綺麗とは言えない。ただ、目的は事故時の状況の検証であるからそれほど画質は要らないとは思う。それでも、ナンバーを読み取ったりすることを考えれば、せめて100万画素はほしいところだ。300万画素くらいあれば、旅行時のドライブの記録としても日常的に使えるだろう。すると付加価値が向上する。事故時以外無用の長物であるドライブレコーダーが趣味に活きれば投資対効果を高めることができる。

5.は単純に広い範囲を撮影したいため、夜間でもなるべく綺麗に撮影したいためだ。撮影している範囲が広いほど事故時の状況が良くわかる。

画質のよさは一般的に画素数の多さに比例すると思われがちで、実際、メーカーもFullHDであることを売りにしている場合が多いが、実際はレンズ性能に大きく依存する。FullHDだからといって綺麗に撮影できるとは一概には言えない。レンズの性能が客観的にわかるデータがあればいいのだが、ドライブレコーダーごときでMTF曲線をプロットして公開するメーカーなど無く、せいぜいF幾つで明るいですよ、と言っているくらいだ。明るいからといって解像感が高くなるわけではないが、レンズにもこだわっているという一つの指標にはなるだろう。

ゴチャゴチャ書いてしまったが、5.に関しては「レンズに関しての何らかのうたい文句」があった方が好ましいという程度の意味である。そのうえで、実際に撮影された動画を見て確かめれば問題は無いだろう。

その他、バッテリー搭載が必要かどうか考えたが、事故直後に電源断になったとしても事故発生までの重要な部分は記録されているだろうし、そもそもすぐに電源断になるような事故は稀だろうと考えた。バッファ分は書き出されないかもしれないが、数秒もバッファ出来るような量のメモリはそもそも搭載されていないだろう。

加えて高温になる場所でバッテリーを使用するのはバッテリー寿命を著しく縮めることになるし、ある程度大きさも必要になってくるので4.と両立できないことから除外した。警察に連絡してからの事故調査時にすぐ確認できないのでは…とも考えたが、自車の電源が死んだとしても警察車両のシガーソケットに接続すれば良いだけの話なので特に問題ならないと判断。

また、50Hzもしくは60Hzで明滅を繰り返す信号機を撮影したとき、フレームレートが25fpsや30fpsだと信号機の点灯状態が撮影できない場合があるとの記述を見たが、周波数もフレームレートもきっぱりと誤差なく50Hz、25fpsという訳でもないだろうから、実際に撮影すれば数秒~数百ミリ秒で点滅しているように映るはずで、フレームレート変更機能は不要と判断した。

余談だが、EyeSightは急激な加速度の変化など何か事前に定義したイベントが発生したタイミングで、画像を録画するらしい。これは商品開発に役立てるためとのことだが、事故時にメーカーに依頼しデータを取り出すことは可能なのだろうか。他メーカーも同じようなことはやっているように思う。

機種選定

価格.comのランキングを見てみた。

Trancend DrivePro 200

結論から言えばこれが一番良いのでは、と思った。

価格.comと楽天でドラレコ部門売上1位。実売価格は12000~13000円くらいか。

レンズの画角は160°と非常に広角で、しかもF2.0とかなり明るい。これだけの画角があれば、狭い路地で真横から車や人が飛び出してきたときでも撮影できることが期待できる。サイズは 67mm x 72mmと若干大きい。他の製品と比べても大きめのサイズのように思える。

本製品の売りはWifi搭載により、ムービーの再生や細かい設定をすべてスマホから行えることにある。背面液晶にタッチパネルを搭載するなどした製品もあるが、小さい画面では操作しやすいとも思えないし、複雑なことは外部の装置に任せて本体は簡略化する、という設計方針には好感が持てる。これをもっと推し進めて背面液晶を排除してしまえばもっとコスト低減でき、簡素になった分信頼性も向上するように思うのだが。

ちなみに私が使用しているスマホ(nexus 5)にはSDカードスロットが無い。また、Androidの最近の仕様変更から類推するに、セキュリティ上の理由からSDカードスロットは使ってほしくないという思想が伺えるので、今後のスマートフォンに積極的にSDカードスロットが載るというのは考えにくい。Wifiというインタフェースを備えているのはやはりアドバンテージになる。

また、地味なメリットではあるが、16GBのminiSDカードが付属するところもなかなか嬉しい。さすがTrancendといったところか。

公式ページで実際に撮影された動画が見れるが、夜間でも全く問題は無い。

AutoExpressでもBestBuyとして紹介されたようで、この点も個人的には評価が高い。

電源電圧は5V。最近のカー用品は5V入力な製品が増えている。本体にDC-DCコンバータを搭載するスペースや熱設計上の裕度が惜しいという理由だろう。シガーソケットを何個も付けるのは場所を取るので避けたいところだが、場合によってはDC-DCコンバータで5Vを付けるべきか…。スマホも充電できるからあっても良いかもしれない。

 

YUPITERU Dry-slim1

次に売れている製品はこれだ。国産品で、かつ、レーダー探知機などで実績のメーカーであるYUPITERUであることや、実売価格が7千前後と安いところがうけている要因のように思える。

余談だが、個人的には「国産の家電製品」は別段信頼できるとは思っていない。国内メーカーの製品であったとしてもほとんどは海外で生産されるし、そのような状況が長く続いたおかげで東南アジアには生産のノウハウが蓄積されているし、そもそも国内の大手メーカーは家電からどんどん手を引いているし、最近では特に情報家電では迷走の末に実装された意味不明な機能を充実させる国内メーカーと比較して、中国・台湾・韓国あたりの製品の方がむしろユーザーにとって有りがたい機能を実装してくれることが多いというのもある。あとは私が国内の某メーカーで働いてその仕事ぶりに幻滅したというのも大きい。

話をyupiteruのレコーダーに戻す。画像にあるとおり、サイズはコンパクト。100万画素、120°の画角で、撮影機能も特に問題なさそうだ。また、電池が内蔵されており取り外しても使用可能である。

基本機能は問題なく、これも有力候補となりそうだ。

その他、ケンウッド、パイオニア、セルスターなどからもいくつかの機種が販売されているが、上記二機種と比べて明らかな魅力があるわけでもなかったので除外。また、あまり聞きなれないメーカーで製造されているものも信頼性の点で疑問だったので除外した。ちょっと面白かったのがPAPAGOというメーカーからGoSafeシリーズなる製品が出て居る。GoSafe P1proなどという製品もあり、あからさまにGoProを意識したような名前になっている。

また、上記に挙げた二機種は口コミを見る限りでも大きな不具合が無い。

ドライブレコーダーは使用目的が事故時の状況を記録しておくためのものであり、「動画を撮影し続ける」という機能を満足していれば基本的には十分であるがために、各社差別化を図りにくい。無理に差別化を図ってタッチパネルだの標識確認機能だの車線逸脱監視機能だのを搭載している機種もあるが、本当にそんなものが必要なのか、メーカーが勝手につけた余計な機能にコストを支払おうとしていないかを今一度よく考えてみてもよいのではないか。

私は上記二機種のうちいずれかを買うと思う。